「キングダム 黒羊丘編」の名言・台詞まとめ

マンガ「キングダム 黒羊丘編」の名言・台詞をまとめていきます。

 

キングダム 黒羊丘編

→キングダム 王都奪還編(1巻)

41巻

「(裁くまで)半年……まァ、しょうがねェか」
「打ち倒した相手はそれだけでかかったって話だ」(信)

 

「覚えてるか、政」
「初めて会った時、俺はお前に王なんて誰でもいいって言ったの」(信)

 

「あれは俺の間違いだ」
「誰でもよくはねェ、王こそ大事だ」(信)

 

「お前しかいねェ」
「中華を統一して、戦国を終わらせれる王はお前だけだ、政」(信)

 

「国内統一でも数えきれぬ程の犠牲と苦痛を伴った」
「それが中華となれば、その比ではない」(嬴政)

 

「だが秦国内の争いは無くなったぜ」
「そういうことだろ」(信)

 

「それに、苦痛しかなかったわけじゃねぇよ」(信)

 

「その(一丸となる)極限状態を秦国が持続できる限界の年数が”十五年”」
「つまり、ここから十五年で六国全てを滅ぼして、中華を統一する」(嬴政)

 

「昌平君も俺も本気でやるつもりだ」(嬴政)

 

「ゆくゆくは、秦の六大将軍が復活する」
「信。お前はそこに割って入り、必ず六将の一席を掴み獲取れ!」(嬴政)

 

「……いよいよ待ったなし、雄飛の刻(とき)だ!」(嬴政)

 

「列国にとっては絶好の攻め時だ」
「儂が趙で現役なら一時的に魏と和平し」
「一気に大軍で南下して大いに領土を削り取るがのォ」(廉頗)

 

 

「失せろ。私は宮廷とかでブヒブヒやってるブタ共が大嫌いなんだよ」(媧燐)
「同じく私も武将の類の人間が心底嫌いだ」(李園)

 

「だが、国家瓦解の危機にあるこの時、私は貴殿に頭を下げねばならぬ」
「──私と共に宰相の席に座り、新しい大国楚の土台を築いてくれ、媧燐」(李園)

 

「(剣?) どうした? 俺は味方だぞ?」(桓騎)

 

「黒羊はでかい、実力のあるお前達の援軍は本当に嬉しく思っている」
「ただ一つだけ、青臭ェ戦(や)り方やってるっつー話だけはがっかりだ」(桓騎)

 

「……だが桓騎軍(ここ)に来たからには、桓騎軍(ここ)の戦り方に従ってもらう」(桓騎)

 

「ここでは略奪・虐殺、何でもやるからそのつもりでいろ」
「やりたいことは全部やる」(桓騎)

 

「勝つためだ、全ては」(桓騎)

 

「お前らも一皮むけるいい機会だ」
「ここで大人の戦いを覚えていけ、飛信隊」(桓騎)

 

「重要な役目の片方をお前に与えてやってんだ、しっかり期待に応えろよ」
「失敗したらただじゃすまないぜ? お前」(桓騎)

 

「これ(樹海)に似た所で育った、問題ない」(羌瘣)

 

「…少しだけ、二人とも頭の片すみに入れておけ」
「きっとここは、丘の取り合いだけの単純な地じゃない」(羌瘣)

 

「退がるな、飛信隊!!」
「背を見せるのは今は危ねぇ、はさまれてんなら背を助けあってその場で戦え!!」(信)

 

「秦国のアホ共よ、うちらの大将・紀彗が出陣前に言っていたぞ」
「この”黒羊”では、相手を翻弄した方が勝つってな」(馬呈)

 

「……この黒羊では、強引にでも先に戦の主導権を手にすることが重要です」(紀彗)

 

「博打ではない!」
「私はあの二人の力を信頼している」(紀彗)

 

「さっそく仕事だ、ゼノウ」
「お前の”力”で盤上を叩き壊してこい」(桓騎)

 

「用心深いからではない」
「まだ下で桓騎の匂いを嗅いでいないからだ」(慶舎)

 

「無用な口出しだ、紀彗」
「今は私と桓騎の間に割って入るな」(慶舎)

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42巻

「戦で最も恐ろしいことは──」
「優位に立っていると思っていた状況が、知らずに己の死地へと変わっていることだ」(岳嬰)

 

「(敵を)止めに行くのではない、”狩り”に行くのだ」(慶舎)

 

「そこで静かにしていろ、紀彗」
「桓騎の片腕が砕ける音を聞かせてやる」(慶舎)

 

「(後続?) 全て叩きに行け、一隊も前に通すな」
「ここで完全に頭と後続を”分断”する」(慶舎)

 

「もう出した手は引けぬぞ、桓騎…」(慶舎)

 

「趙の奴らには素人丸出しの逃げに見えてるだろうな」
「だが何だかんだであの逃げ方が一番多く助かるんだよなァ」(桓騎)

 

「元野盗団の桓騎軍はどんな下手うったとしても」
「ぜってェ手ぶらじゃ帰らねェんだよ!」(雷土)

 

「今私達は敵の後ろにいる」
「こんな好機はめったにない」(羌瘣)

 

「オイ伝者、帰って桓騎将軍に伝えろ」
「やらかしちまった責任の重大さは俺達が誰よりも重く受け止めてる!」(信)

 

「だから二日目以降で必ず目前の敵を撃破し」
「俺達飛信隊が戦局を覆すきっかけを作る!」(信)

 

「そして最後はこの俺が敵将・慶舎の首をとって」
「黒羊の戦いを勝利に導いてやるってなァ!!」(信)

 

「今日一日の苦戦の中で、やれることやれないこと、この樹海地での戦い方が大体分かった」
「この首にかけて明日は前線を突破して、隊を中央丘横まで持って行く」(河了貂)

 

「三千将とかになると」
「さすがに敵を討つのにどのくらい味方に犠牲が出るかを少しは考える」(羌瘣)

 

「そして今、万の軍の敵将の首を、犠牲無しで討てる好機がある」(羌瘣)

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「そうだな」
「つまり、飛信隊のために無茶をやるんだ」(羌瘣)

 

「確かに難しくはあるが勝算がないわけじゃない……」
「仮にも、千年前からこういう仕事をやってきてる一族の出ではあるからな」(羌瘣)

 

「偶像崇拝か」
「珍しいな、軍の将にしては」(羌瘣)

 

「別に笑いはしない」
「ただ、命をもらうだけだ、趙将」(羌瘣)

 

「これ(人形)はすがるものではなく、奮わせるものだ」(劉冬)

 

「昔、唯一のものを失くした」
「そして今はまた…別のものを持っている」(羌瘣)

 

「副長自らのこの無謀」
「お前の決意の深さの現れとして、あえて敬意を払おう」
「だが、俺も倒れられぬ理由がある」(劉冬)

 

「お前達秦軍を、黒羊の先へ行かすわけにはいかん」(劉冬)

 

「川辺の陣の強さは、通常の陣のそれの”十倍”らしいぜ?」
「つまりここがお前らの進軍の”終着地”てわけだ、飛信隊」(馬呈)

 

「今は全て軍師にかかってる。オレを信じて待ってて、信」(河了貂)

 

「対岸を陣取られた渡河の戦いは、野戦の中で一番の難題だ」
「突破口となるのは”橋”か”船”」(昌平君)

 

「しかしもしこの二つが無い場合は”無手”の状況」
「つまり打開策がないということだ」
「この場合は長期戦に切り替えるしか道はない」(昌平君)

 

「あきらめちゃダメだ。たとえ昌平君が”無手”と言った状況であっても」
「そこに道を切り開くのが飛信隊の軍師だ!!」(河了貂)

 

「どんだけ模擬戦をやっても、やっぱり舟か橋がないとこの川は攻略できない」
「でも舟を作る時間なんて当然ない」(河了貂)

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「だから橋をかけるしかない」
「これから飛信隊流の橋をかけて、この川を攻略する」(河了貂)

 

「川如きにひるむなっ、ここのために仲間達は血を流しているのだ」
「っ私に続けっ、ここに飛信隊の橋をかけるぞ!!」(渕)

 

「この渡河には”武力”も”知略”も必要ない。必要なのは”別のもの”だ」
「そして、それは誰よりも渕さんが強く持ち合わせているものだ」(河了貂)

 

「”責任感”だ」(信、河了貂)

 

「たった百人から始まったこの隊の…結成当初から副長を七年務めてんだ」
「信頼を置けるのは武力や知略にだけじゃねェんだよ」(信)

 

「やってくれ、渕さん」
「この場を一番に任せられんのは──渕さんだ!」(信)

 

「信殿、あなたはアホそうに見えて…意外と策士だ」
「そんな目で、そんな風に言われたら…為し遂げぬわけにはいかぬじゃないですか!!」(渕)

 

「…テン、ひょっとして超えたか?」
「昌平君をだよ」(信)

 

「バッ、バカなこと言うな。先生はオレの十倍凄いんだぞ」
「でも、今日ので九倍くらいにはいけたかもしれない」(河了貂)

 

「安心して待ってろ、お前達の力を使う時が必ず来る」
「そん時は、俺達桓騎軍が勝つ時だ」(桓騎)

 

43巻

「今、右の戦場の”主導権”は完全にオレ達が手にしてる」
「これからそれを桓騎軍全体のものに広げる」(河了貂)

 

「音を立てるな」
「今…いいところだ」(慶舎)

 

「来い、桓騎」
「早くお前の匂いをかがせろ、足音を聞かせろ」
「そうすれば鼓動も伝わり、お前の心臓を握りつぶせる」(慶舎)

 

「お頭は基本フザけてるが、無駄なことは好まない人だ」(那貴)

 

「だから、今回はすっぽかした方が”得”するって思ったってことなんだろ?」(那貴)

 

「逆だよ、強敵ならなおさら仲間達の元に戻らないと」
「……どんな相手だろうと負けるわけにはいかないんだ……」(羌瘣)

 

「その矛の若い男が信だ」
「李牧様が桓騎と並べて名指しであげた標的だ」
「確実に首を狩り取れ」(慶舎)

 

「そういう奴に限って、最後は俺の手の平の上でクリクリ踊って」
「ぶっ殺されて大グソ漏らすって話だろ?」(桓騎)

 

「”沈黙の狩人?”」
「あっさり血相変えて動きやがって、ザコが」(桓騎)

 

「実戦で慶舎を討つのは私でも至難のワザでしょう」
「なぜなら慶舎は常に自分の張り巡らせたアミの中で相手の失敗を”待つ”からです」(李牧)

 

「彼を討つにはその”アミ”の外に、何とか彼を出さないといけない」(李牧)

 

「胸に留めておきなさい、副官金毛」
「慶舎がもしその”アミ”の外に出た時は」
「いくら慶舎と言えど討たれる恐れがあることを」(李牧)

 

「しっかりと目に焼きつけて死ね、慶舎」
「それが、狩られる奴の見る景色だ」(桓騎)

 

「ひるむな、離眼兵」
「こ…これほどの暴力、こんな獣の如き奴らだからこそ」
「何があっても黒羊を抜かせるわけにはいかんのだ!!」(紀彗)

 

「今回はその見落としがこちらに”吉”と出て、お前の方に”凶”と出ただけのことだ…」(慶舎)

 

「お前の”恐ろしさ”は十分に分かった…」
「そしてお前の”弱点”もよく分かったぞ」
「桓騎…首を洗って待っていろ……」(慶舎)

 

「全てを出し尽くさねば、この敵は止められぬ……」
「だが、三人が力を合わせれば必ず勝てる」
「馬呈、劉冬、離眼の力を侵略者に叩きつけるぞ」(紀彗)

 

「敵の視界から消えてるんなら丘の乱戦なんか無視して、もっとでけェもんが狙えるはずだ」
「俺達の手で敵の総大将・慶舎の首を取るぞ!!」(信)

 

「この戦いは、かつての六将級と言われる桓騎と」
「三大天の最後の一席につこうとしている私」
「二人の傑物の戦いだ」(慶舎)

 

「その間に割って入れると思ったか」(慶舎)

 

「李牧様が脅威としているのはお前達の成長後の力、今ではない」
「来るには五年早かったな、飛信隊」(慶舎)

 

「よく聞け、慶舎」
「昔、王騎ってすげェ人がいた」
「その人が先頭を走る時、後ろの兵は鬼神と化し、いつもの十倍強くなった」(信)

 

「そういう”力”が大将軍にはありやがる」
「それを今からてめェに見せてやる」(信)

 

「ヤロォ共、へばってんじゃねェぞ」
「苦しいんなら俺の背を見て戦え、俺の背だけを見て追いかけて来い!!」
「続け飛信隊っ!!」(信)

44巻

「趙将・慶舎、別にあんたの落度ってわけでもない」
「皆が騙されてる」
「周囲の想像以上に飛信隊とその隊長・信は強い」(那貴)

 

「だよな……俺らが新六将の席を狙ってるように」
「趙で三大天の席を狙ってるお前の刃が軽いわけがねェよな」(信)

 

「侵略者じゃない」
「私達は…飛信隊だ…」(羌瘣)

 

「妙だな……この男のことはずっと前から見ている……」
「李牧様と同じように、その成長を注視していた」(慶舎)

 

「しかし……この男は想定していたよりも…はるかに大きい」
「いつの間にこれ程の成長を」(慶舎)

 

「……おのれ…今度はこちらにっ…”凶”と──……」(慶舎)

 

「無縁……恩を返しきれなかった……」(慶舎)

 

「ただの口約束だが、お前が恐れるようなことは離眼では起こさせない」(羌瘣)

 

「(敵は)紀彗…なるほどねェ──……」
「この戦…勝ったな」(桓騎)

 

「長くやってるせいでお前ら最近、考え方が”軍”に染まってきてねェか?」(桓騎)

 

「理由だの、戦術だの、どうでもいいだろが」
「四の五の言わずに、昔みてェに俺を信じろ」(桓騎)

 

「俺のやってることはいつも、完全勝利の結果につながっている」(桓騎)

 

「次は、久々に俺達らしいやり方で存分にやる」
「”弱者をいたぶる”」(桓騎)

 

「……生きてやがったか、面倒くせーのが」(桓騎)

 

「いちいち喚くな、ただの凌辱と虐殺だ」(桓騎)

 

「最初に言ったの忘れたのか?」
「俺は何でもやると」(桓騎)

 

「(全て勝つため?) ああ、だからこうやって勝つんだよ」(桓騎)

 

「そいつも同じことを言った、これが”戦争だ”と」
「だがそれは戦争じゃねェ!!」(信)

 

「俺ももう五千将だ、侵攻がどういうもんか昔よりさらに分かってる」(信)

 

「だが、敵や制圧した地での反乱に対する刃と」
「無力・無抵抗の人間に向ける刃は決して違う」(信)

 

「それを同じだと…それが戦争だと言い切る奴は、武将・兵士じゃなくただの略奪者だ」(信)

 

「そんな奴らがどれだけ強かろうと、どれだけ勝ち続けようと」
「”中華統一”なんてできるわけがねェ!!」(信)

 

「参った、お前が一番だ」
「俺が今まで会った中で、お前が一番の悪党だと言ってんだよ、信」(桓騎)

 

「中華統一……」
「お前のその目…為しとげりゃ戦がなくなる平和な世が来ると言いてェんだろ?」(桓騎)

 

「極悪人が」
「中華統一ってのは強大な軍事力をもって」
「敵国が抵抗できなくなるまでとことん殺しまくって」
「その国の土地と人と物、全部をぶん捕っちまうことだ」(桓騎)

 

「”大殺戮”・”大略奪”」
「それをやって平和な世界が来たって喜ぶのは秦人だけだ」(桓騎)

 

「誰が言い出したか知らねェが、たまにいるんだよ」
「狂気じみた正義ふりかざして、しでかしちまうバカが」(桓騎)

 

「オイ。斬られないと思っているのか、お前」
「相応の覚悟で来ているぞ、私達は」(羌瘣)

 

「俺を殺って、その後飛信隊が皆殺しにあう覚悟だよな」
「面白ェ。見せてもらおうか、その覚悟」(桓騎)

 

「自業自得だろうが、今までやってきたことは何だったんだ!!」
「何年飛信隊をやってるんだ」(羌瘣)

 

「お前は同郷で…古参で一番長い人間のくせに…」
「全く信のことが…全く飛信隊のことが分かってないじゃないか!!」(羌瘣)

 

「目障りだ、失せろ」
「俺の気が変わる前にな」(桓騎)

 

「分かってるだろうが、俺がキレたら雷土よりおっかねェぞ」
「今のうちに消えろ」(那貴)

 

「でもそこは譲りたくない」
「ガキ二人で胸高鳴らせた、誰より強くてかっこいい天下の大将軍に…」
「俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」(信)

 

「そして、飛信隊もそういう隊でありたいと思ってる」(信)

 

「桓騎軍に入ってて分かったんだ、飛信隊と桓騎軍の決定的な違いに!」
「桓騎軍と違って飛信隊は、渇いてねェんだ」(尾平)

 

「心が渇いてねえから、略奪も凌辱も必要ねェんだ」(尾平)

45巻

「こんなの…軍略でも戦術でもない…」
「こんな勝ち方…昌平君でも李牧でも決して真似できやしない」(河了貂)

 

「結果だけを見れば、大軍略家の出せる以上の結果を叩き出したことになる…!」(河了貂)

 

「だがその(止める)ためには、奴の上に行く必要がある」
「桓騎より先に大将軍になる」(信)

 

「悩むことはないだろ信」
「お前は尾平に言ったように、お前のやり方で天下の大将軍になればいいんだ」(羌瘣)

 

「……ただの気まぐれですよ、いつもの」
「ただ、まー強いてあげるなら」
「飛信隊(あっち)で食う飯ってうまいんスよね、意外と」(那貴)

 

「ここで慶舎に誓っておきます」
「私がこの手で仇(あだ)を討つと」(李牧)

 

「あれ(合従軍)程、大がかりなものを興せる人物は今の中華には見当たらぬし」
「そもそも──あんなものはこの俺が二度と作らせはせぬ」(昌平君)

 

「(大逆罪?) じゃがな、かつて東帝・西帝と中華に恐れられた時代もあった」
「東の斉王と西の秦王が直接会って対話する意味を考えると」
「この干からびた首など蝶の羽より軽いものだぞ」(蔡沢)

 

「大王、この蔡沢の最後の仕事としてお引き受け頂けませぬか」
「列国を滅ぼさんとする王として」
「それを東の玉座で受けて立つであろう斉王と舌鋒をお交わし下さい」(蔡沢)

 

「密室でただしゃべるだけならわざわざ秦まで足を運ばぬわ」
「儂は秦という国と王を感じに咸陽(ここ)まで来たのだ、丞相よ」(王建王)

 

「あの時合従から離脱した本当の理由は」
「合従が秦を滅ぼしてその土地と人間を六国で取り合った後の世が」
「見るにたえぬ汚濁になると思ったからだ」(王建王)

 

「……だが、あろうことかそこで救われたお前達が今度は」
「六国を滅ぼし全てを手に入れて、それ以上の汚濁を示そうとしている」(王建王)

 

「中華統一を汚濁と断ずるならば、俺は断固としてそれを否定する」(嬴政)

 

「だがな秦王、”六国征服”と”人を殺さぬ世”」
「この間にはとてつもなく重い現実が抜け落ちている」(王建王)

 

「”国”を滅ぼされ、その日より仇敵国の人間に──」
「強制的に”秦人”にならされる六国の人間達の苦しみだ」(王建王)

 

「”国”とは民にとって”根”をはる大地のようなものだ」
「その国が失われれば、人は必ず心身共に朽ち果てる」(王建王)

 

「即ち、今の六国の人間全てが朽ち果てる」(王建王)

 

「それを聞くためにはるばる咸陽まで足を運んだ」
「もし答えが用意されていないままの六国征服だと言うのなら…」
「その前に第二の合従軍で秦を滅ぼさねばならぬぞ」(王建王)

 

「これが征服戦争ではなかったことを説いて、理解してもらう必要がある」(嬴政)

 

「違う。中華統一は、新国建国の戦争だ」(嬴政)

 

「この中華統一の成功は、全中華の民を一手に実行支配するものにかかっている」
「だがそれは絶対に”人”であってはならない!」(嬴政)

 

「”法”だ」
「”法”に最大限の力を持たせ、”法”に民を治めさせる」(嬴政)

 

「”法”の下には元斉人も秦人も関係ない」
「王侯貴族も百姓も関係なく、皆等しく平等とする!」(嬴政)

 

「斉王よ。中華統一の後に出現する超大国は」
「五百年の争乱の末に”平和”と”平等”を手にする”法治国家”だ」(嬴政)

 

「それではもはや、”王国”とも言えぬぞ」(王建王)
「小事だ」(嬴政)

 

「その(戦う)時──秦王の目の色が今と変わって汚く濁っていたならば──」
「斉も死力を尽くして国を守るとするかのォ」(王建王)

 

「この中華はもううんざりするほど血を流してきたが、泥沼からの出口が見つからぬまま」
「これからもずっと血を流すのだろうと──」(王建王)

 

「儂はもはや、出口はないものと思っていた…」
「──がひょっとしたら出口の光を今見つけたのやもしれぬ」(王建王)

 

「秦王よ、そなたにならこの全中華の舵取りを任せてもよいぞ」(王建王)

 

「李牧が化物であることは承知している……」
「そしてその奴を倒さねば六国制覇がかなわぬことも重々承知だ」(嬴政)

 

「これより出ずる秦の大将軍達が必ず李牧の首を取る!」(嬴政)

 

「最後に為して行った仕事は真に大きかったぞ、蔡沢」(王建王)

 

「歓迎されておらぬのは百も承知です」
「──が、間に合ううちに何としても大王様に上奏したきことがあり参上しました」(李牧)

 

「秦王様、どうか手遅れになる前に中華統一の夢をあきらめて頂きたい」(李牧)

 

「大王様。私は正直、あなたのことを心から尊敬しております」
「──本当なら、あなたのような王にお仕えしたかった」(李牧)

 

「そこから先は正に、血で血を洗う凄惨な戦が待っています」(李牧)

 

「統一後の理想の世など、そこで倒れていく者達に何の慰みになりましょう」
「流れる血も、大量の死も、紛れもなく悲劇そのものです!」(李牧)

 

「(手を取り合っての平和?) ない。統一以外に道はない」(昌平君)

 

「この戦で全中華を悲劇が覆うことなど百も承知だ!」
「だがそれをやる」(嬴政)

 

「綺麗事など言う気はない!」
「よく聞け李牧と趙の臣達よ」
「秦は武力を以って趙を含む六国全てを攻め滅ぼし、中華を統一する!!」(嬴政)

 

「血を恐れるなら、お前達は今すぐ発ち帰り趙王に完全降伏を上奏するがいい!」(嬴政)

 

「残念ですが”宣戦布告”、しかと承りました。」
「しかし最後に後悔するのは秦国の方ですよ、大王様──」(李牧)

 

「本気で秦が六国制覇に乗り出すと言うのなら」
「この中華七国で最初に滅ぶ国こそ”秦”だと言っているのだ」(李牧)

 

「そうなる前にこちらはお前を討つと言っておるのだ、李牧」(昌平君)

 

「今いる秦将全員がまとめてかかってきても、この李牧の相手ではない!!」
「それでもやると言うのならかかってくるがいい!!」(李牧)

 

「だがこれだけは覚えておけ」
「趙は絶対に落ちぬ」
「この戦いで滅びるのは秦であると!」(李牧)

 

46巻

「よくあんな苦しい選抜を残ったな、お前ら」
「大したもんだ」(信)

 

「だがここまできたら絶ってェやり遂げて、さっさと一人前の兵士になりやがれ!!」
「お前ら全員もう、大武功めがけて走り続ける飛信隊なんだからよ」(信)

 

「”法の番人”の異名は伊達じゃない」
「李斯──奴こそ”法”の化物だ」(肆氏)

 

「法家は法学書を読み、新しき法の草案を考えるものだ」(李斯)

 

「俺に来ずともよい」
「俺が死んでもお前が死んでも、法は生き続ける」
「成長をとげながらな」(李斯)

 

「法とはそういうものだ」(李斯)

 

「中華を一国とした法治国家」
「お前のしゃべっていることは、法家の真髄に触れている」
「お前如きの理解が届く所ではない」(李斯)

 

「──中華を統一できたと仮定し」
「そこで単純に国民が増えたという認識で法作りに入ると大失敗に終わる」(李斯)

 

「(敵国の人間だから?) 違う、文化形成が違うからだ」(李斯)

 

「そもそも”法”とは何だ?」(李斯)

 

「馬鹿な!」
「刑罰とは手段であって、法の正体ではない!」(李斯)

 

「”法”とは願い!」
「国家がその国民に望む、人間の在り方の理想を形にしたものだ!」(李斯)

 

「統一後、この全中華の人間にどうあって欲しいのか、どう生きて欲しいのか」
「どこに向かって欲しいのか、それをしっかりと思い描け!」(李斯)

 

「中華統一の話を聞いた」
「統一後に制定される法についても…」(李斯)

 

「とてもここにいるお前達の手におえる代物ではない」
「それに着手できるのは、この中華でも俺と韓非子くらいだ」(李斯)

 

「かつての政争で恨みを抱いたのはお互い様だ」
「だがその時期は過ぎたと心得よ」(嬴政)

 

「誠に秦国一丸となって立ち向かわねば、中華統一の宿願は形も残らず崩れ去るぞ!」(嬴政)

 

「力を入れているということは、気を取られているという見方もできます」
「よって我々は西部攻略を”囮”にして南を抜け」
「一気に邯鄲の喉元”鄴”を攻め落とします!!」(昌平君)

 

「鄴と邯鄲は目と鼻の先」
「手前の攻略を無視しての鄴攻めが、童の夢想の如き話であることは重々承知です」(昌平君)

 

「しかしこれ程、突飛な作戦でなくては、あの李牧を出し抜くことはできません」(昌平君)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 
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