アニメ「地獄楽(じごくらく)」の名言・台詞をまとめていきます。
地獄楽
1話
「打首には、極めて高度な技術が求められる」
「頑強な頸椎(ほね)と十(とお)を超える筋肉が重なる首は」
「容易に切断できない」(ナレーション)
「ましてや一刀両断など、至難の業」
「大抵は何度も叩き斬り、刑場は常に惨状を極めた」(ナレーション)
「なぜだ…なぜ死ねない?」
「いや…死なない」(画眉丸)
「生に執着などないさ」
「これまで散々人を殺してきたんだ」
「今さら自分だけ生き永らえようとは思わん」(画眉丸)
「あんな(打首が)下手くそじゃ傷もつかん」
「忍術を使うまでもない」(画眉丸)
「忍術が使えるのですか」
「試しに見せていただけますか?」(山田浅ェ門佐切)
「(なぜ?) 個人的な興味です」(佐切)
「別に、(処刑に)抵抗してるつもりはないんだがな」
「なんなら殺してほしいくらいだ」(画眉丸)
「面白くないぞ、ワシの生い立ちなど」(画眉丸)
「仕事ですから」(佐切)
「忍には大義だの大志などはない」
「言われるまま殺すだけだ」(画眉丸)
「不思議ですね」
「あなたは殺してほしいと言いながら、今も抵抗していたように見えます」(佐切)
「そうだ…何をしている」
「なぜ大人しく死なない?」(画眉丸)
「生に執着などないだろう」
「明日だ…明日で終わりにしよう、明日の処刑で…」(画眉丸)
「どうして死なない?」
「どうしてまだ耐える?」
「未練などないはずだろ?」
「”がらんどう”のはずだろ?」(画眉丸)
「浅ェ門…女でか?」(画眉丸)
「女で…です」(佐切)
「伊州の抜け忍・画眉丸、幕府よりあなたの処刑を仰せつかりました」(佐切)
「殺してほしいと言ってましたね」
「お望み叶えましょう」(佐切)
「なぜ避けるのですか?」
「動かなければ死ねたのに」(佐切)
「死ねた…のか?」
「死ぬのが嫌なのか? ワシは」(画眉丸)
「私は仕事柄、様々な人間の最期に立ち会い、死に際の本音が見抜けるようになりました」
「刀には人の本性が映る」(佐切)
「死ぬ寸前まで虚勢を張り続ける者、その場しのぎで必死に慈悲を乞う者」
「そして…死を受け入れたと自分を偽る者」(佐切)
「がらんの画眉丸、確かにあなたには大きな虚無がある」
「その生い立ちを聞けば、むべなるかなと思います」(佐切)
「しかしあなたは1つ嘘をついている、あなたは生に執着している」
「いえ、妻を愛している」(佐切)
「彼女の存在はあなたにとって、生きる意味そのものだったのではありませんか」(佐切)
「どんな時も普通を守りましょう」
「人として夫婦になれるように」(結)
「ワシは…がらんの画眉丸だ!」
「心などない化け物だ!」
「人の真似をしたって、どうせ叶わん!」(画眉丸)
「叶います!」
「これは幕府発給の公儀御免状」
「いかなる罪も無罪放免にし、更には将軍のご加護が約束される書状です」(佐切)
「ただし、渡すには条件がある」
「あの世に行っていただきます」(佐切)
「今一度聞きます、生に執着はありますか?」(佐切)
「凶悪な死罪人達と得体の知れぬ島へ行き、無罪放免を奪い合う」
「それだけが、彼女に再会する唯1つの方法」(佐切)
「それでも、彼女との生に想いはありますか?」
「がらんの画眉丸」(佐切)
「忍術が見たいと言ってたな」
「こんなものでいいなら…とくと見よ」
「忍法・火法師」(画眉丸)
「やるよ、”不老不死の仙薬”」
「ワシが見つけ出す」(画眉丸)
「死罪人も未知の島も関係ない」
「必ず生きて帰る! 君のために」(画眉丸)
2話
「ある時、噺家の罪人が”噺の最中に首を落としてほしい”と言ってきた」
「果たしてその噺家は、首が落ちた後に”さげ”の作法を終えた」(佐切)
「本人すら斬られたと気づかない」
「余計な痛みも感情も排した理想の一刀だ」(山田浅ェ門衛善)
「以来、父のこの一刀が…私の目標となった」(佐切)
「恐怖がある…太刀筋にな、迷いと恐怖が」
「それでは罪人は苦しんで死ぬ」(衛善)
「佐切、刃を見てみろ」
「刀には真実が映る」(衛善)
「恐怖で重くなった刀が罪人を苦しませ、再び刀を重くする」
「どうすればいい?」(佐切)
「どうすれば…迷いも恐れもない心になれる?」
「あの父のように…」(佐切)
「もし…迷いなく殺せる…命であれば」(佐切)
「(人数を絞る?) 勘がわりいなあ」
「つまりあれだろ? この場で雑魚を削れってこった」(亜左弔兵衛)
「殺し合えってことだよ!」
「もたついてっと死ぬぜ」(弔兵衛)
「この際だから言っておくが、今回の…そもそもこの仕事はお前に向いてないよ」(衛善)
「女がなぜわざわざ刀を振るう?」
「武家の娘なら、屋敷で静かに暮せばいい」
「首斬り役人の業とは無縁に」(衛善)
「(無縁に)出来ることならそうしていたでしょう」(佐切)
「人体を用いた試し斬りの他に、斬首刑、死体から作る丸薬…」
「たとえ刀を振らずとも、山田家に生まれたなら」
「人の死を糧にしているのは同じこと」(佐切)
「どれだけ目を背けようと…刀には真実が映る」(佐切)
「首斬りの業からは逃げられない」
「なれば…ただ黙って受け入れるなんて…まっぴら!」(佐切)
「自分の業は…自分自身で見極めたい!」(佐切)
「人を殺して平気なわけあるか」(画眉丸)
「別の選び方を考えてくれんか?」
「殺人犯だって好きで殺した奴ばかりじゃなかろう」
「こんなことさせられたらたまらんよ」(画眉丸)
「仕方ない…殺すか」
「殺しに来るなら殺すよ」(画眉丸)
「(殺し?) 嫌だよ」
「でもワシも…死ぬわけにはいかんし」
「仕方ない」(画眉丸)
「気が重いんだよ」
「これから背負(しょ)うものを考えたら」(画眉丸)
「(殺しは)綺麗にやれば恨まれないのか?」(画眉丸)
「私に必要だったのは、殺しを恐れぬ強さではなく」
「その恐れを…殺した命を背負う、覚悟だったのだろうか」(佐切)
「(荷が重い?) いえ…彼は、私が斬ります」(佐切)
3話
「その顔…本気で実在するとは思ってなかったみたいだな」
「あるよ、不老不死の仙薬”非時香実(トキジクノカグノミ)”は」(画眉丸)
「ここにあるかは分からんが…」(画眉丸)
「なんと幻想的な…確かにここなら、不老不死の薬があるのかもと思えてしまいます」(佐切)
「不気味な景色の間違いだろ」(画眉丸)
「どの植物も、種類や生息地は滅茶苦茶」
「不自然極まりない」
「それに…何があるか分からん」(画眉丸)
「無茶でもそれが上意です」
「罪人を見張るのが私の役目」
「あなたが規則を破るならば見過ごせない」(佐切)
「手縄を付けなさい」
「勘違いしてるなら言っておきますが、私は処刑執行人であり、協力者ではない」(佐切)
「あなたが仙薬を見つけられず、無罪が叶わなかったとしても」
「私の知ったことではありません」(佐切)
「手縄をしないなら、その首はねるまで」(佐切)
「(手縄?) 相変わらず堅いな、佐切は」
「縄くらい帰りに縛り直せばいいだろう」
「そんな事でクズ共と揉めてられるか、バカバカしい」(山田浅ェ門期聖)
「武具は血を吸って初めて輝くもの」
「その美しさを貴様の体に教え込んでやろう」(慶雲)
「元々手掛かりなど無きに等しい」
「然らば、まずは他の罪人を皆殺し、その後ゆっくり仙薬を探すが得策」(慶雲)
「我々は監視役だ、殺し合うなら御勝手に」(期聖)
「やっぱりやりづらいよ、手縄だと」(画眉丸)
「無駄な時間を過ごした」
「さっさと仙薬を探そう」(画眉丸)
「言っただろ? 俺達は敵でも味方でもない」
「担当の罪人が死ねば、首を持って帰るだけだよ」(期聖)
「手縄してるだけで安心してるなら、とんだ平和ボケ」
「お前の隣にいるのは犯罪者だぞ」(期聖)
「元々が社会の規則も守れん奴等、お役目もルールも眼中にない」
「それぞれのやり方で生き残ろうとする、手段なんか選ばんさ」(期聖)
「侍にとって上意は絶対だが、本当に重要なのは優先順位だ」
「今は仙薬、それ以外は全て二の次」(期聖)
「規則に従って何も見つけられないより」
「破ってでも目的を果たした方が幕府も喜ぶだろ?」(期聖)
「そもそも規則なんて、みんなが守ると信じてなきゃ成立しない幻」
「ハナから通用しない奴もいる、そいつみてえにな」(期聖)
「いっそ…俺が今、斬ってやろうか?」(期聖)
「やめてくれよ無駄な戯れは、ただでさえ時間がないんだ」
「ワシはただ妻のもとに帰りたいだけだ、それ以外はどうでもいい」(画眉丸)
「予言してやるよ…もう数刻で状況は一変する」
「数刻で、誰も予測できない事態になる」(期聖)
「死罪人は半分以上死に、その数刻後にはもう半分」
「1日もかからず、1人になるだろう」(期聖)
「所詮お前らは消耗品、減れば次を追加するだけ」(期聖)
「浅ェ門だって一枚岩じゃねえぞ、佐切」
「このお役目で、次期当主が決まるって噂だ」(期聖)
「せめて苦しませずに殺そうと思ったのだが」(画眉丸)
「よく見ておけ、画眉丸」
「これが弱さだ」(里長)
「親子であっても情など持てば、それ自体が自らを弱くする」
「強くなければ何も守れん、大切なもの全て」(里長)
「恨みはないが、おぬしは枷(かせ)だ」
「仕方ない時は仕方ないさ、悪いが死んでくれ」(画眉丸)
「やはりこの男は危険、考えも倫理観も極端で異常だ」
「即刻処刑すべき!」(佐切)
「なのに…ためらう自分がいる」(佐切)
「まただ…今ので仕留められたはずなのに」
「ワシは何をためらってる? なぜだ?」(画眉丸)
「情があるなら、従えばいいんです」
「もう、かつてのあなたとは違うのだから」(結)
「情を貫くことが真の武勇です」
「そんなあなたに、私はついて行きます」
「たとえ里を抜けることになっても」(結)
「全く厄介だ、心ってやつは」(画眉丸)
「心苦しい?」
「そんな感情が残っているのですか?」(佐切)
「情などない、ワシはがらんの画眉丸だ」
「飽くほど人を殺してきた」(画眉丸)
「今さらおぬし1人殺したとて、何も感じない」
「そう育てられた」(画眉丸)
「情などいらん、死んでくれ」(画眉丸)
「なぜだ? どうしてためらう?」
「何も感じないはずだろ?」(画眉丸)
「そうだった…あの時も…あの時も…」
「この男はずっと、今と同じ顔を」
「何かに耐えるような眼をしていた」(佐切)
「生まれ育った環境が誤解させるだけで、何も感じぬがらんどうではない」
「情を持った人間だった」(佐切)
「私もまた、そんな彼を見て…情と向き合うことが出来たんだった」(佐切)
「ワシは…ここまで弱くなったのか」
「このままじゃ…生き残れん」
「こんなに弱くては…妻に会えん」(画眉丸)
「それは弱さじゃない、強さの種よ」(佐切)
「何も感じないなんて、ただ目をそらしているのと一緒」
「自分の情から逃げないことが、強さだと思う」(佐切)
「それだけは、言わせてもらいます」
「あなたのおかげで、自分の情に向き合えたから」(佐切)
「本来なら即刻死刑ですが、今回は不問にしましょう」(佐切)
「あなたが自身の罪を悔い、情と向き合い、人生を取り戻したいともがいているなら」
「私は、それを見届けたい」(佐切)
「どうか私に見せて下さい」
「あなたのような人間が、人生を取り戻せるかどうか」(佐切)
「私達の立場は変わりませんが、あなたはもう…」
「かつてのあなたとは違うのだから」(佐切)
4話
「山田家の家業は斬首だけじゃない」
「刀の試し斬りや製薬など、社会の役に立っています」
「あなたよりも」(山田浅ェ門付知)
「解剖もそう、人体構造の解明は、医学を発展させる崇高な使命だ」
「侮辱するなら許さない」(付知)
「(あて?) 決まってんだろう、競合相手を潰しに行くのさ」(民谷巌鉄斎)
「何より俺の剣を存分に振るえる」
「太平の世にもはや心躍る果たし合いなど望めぬと思っていたが」(巌鉄斎)
「なんだコイツ…魚?」
「数珠を付けてるけど…化け物? 生き物?」(画眉丸)
「あまりに非現実的でバカバカしい見た目」
「分からないことだらけだが…本能が告げている、この島自体が危険だと」(画眉丸)
「面倒だ…」(画眉丸)
「忍の鉄則、其の五」
「得体の知れぬ相手とは対峙すべからず」(里長)
「もういい、余計なことは考えるな」(画眉丸)
「今は考えるな」
「ただ殺せ」(画眉丸)
「生き抜くために」
「無罪を手にし、血まみれの世界から抜け出すために…」
「ただ殺せ」(画眉丸)
「危険なお役目とは承知していた」
「でも…違った」
「ほんの数刻前までとはもう…全てが違ってしまった」(佐切)
「ああ…とてもこの世の光景じゃない」
「ここは極楽浄土? それとも…」(佐切)
「すご~い! これ全部1人でやったの?」
「さすが”がらんどう”、すご~い!」
「あれのあれって感じ? すご~い!」(杠)
「私、杠。あんたと同業の忍者だよ」
「超お仲間だね」(杠)
「色仕掛けなら通じんぞ」
「くノ一のやり方は心得ている」(画眉丸)
「ちょっと試してみただけ」
「やらないよりやって後悔するのが人生でしょ」(杠)
「でも、共闘の誘いは本気だよ」
「3人より5人の方が安全だもん」(杠)
「やめてよ信用なんて、子供じゃないんだから」(杠)
「お互い、いつ裏切ってもいい」
「どうせ仙薬見つけても、無罪は1人だけなんだし」
「ギリギリまで利用し合おうって言ってんの」(杠)
「それとも、私にビビってんの?」
「意外とウブね」(杠)
「(極楽浄土とは思えない?) 同感です」
「神秘で片付けるのは簡単ですが、内部構造や刀から伝わる筋肉の質感は」
「生物のそれです」(佐切)
「ほら! 分かんないことだらけなんだから、先立つものは協力と情報収集だって」(杠)
「どうして生き残りたいって…理由なんか要る?」
「なんか深い事情がないとダメなわけ?」(杠)
「そんなのなんにもないよ!」
「ただ生きて帰りたいってことに、理由が必要?」(杠)
「私は若い身空で死にたくない、それだけ!」(杠)
「まあ、お侍さんには分からないかもねえ」
「なにせ将軍の上意ってだけで命を懸けて、それに疑問も持たない人達だもん」(杠)
「別に何もしてないよお」
「気になる? 他人の命とか?」(杠)
「死ぬよ、そんなんじゃ」(杠)
「私は、この島に着いてから何を成したろう」
「化け物に戸惑い、状況に翻弄され…私の磨いてきた剣は、なんの役に立ったろう」(佐切)
「私は…なんて無力なの」(佐切)
「変化とは、状況に応じて姿を変えることだ」
「状況を素早く理解し、飲み込むことだ」(山田浅ェ門桐馬)
「生物…なのか?」
「なら殺せるなあ!」(弔兵衛)
「この世の理(ことわり)は弱肉強食ではない」
「適者生存、適応する者こそ強い」(桐馬)
「やっぱバケモンの武器はバケモンに有効だな」(弔兵衛)
「うるせえんだよ。罪、罪、罪ってよお!」
「悪だ罪だ、知ったことか!」
「てめえらが決めたもんだろう!」(弔兵衛)
「正しさに従う奴隷共!」
「てめえの欲もねえ、腑抜け共!」
「これ以上口出しされてたまるか、俺は俺のやりたいようにやる!」(弔兵衛)
「俺の主君は俺だ!」
「俺の神も俺だあ!」(弔兵衛)
「泣くな、桐馬!」
「弱みを見せりゃ死ぬぞ!」(弔兵衛)
「正しいか分からねえなら、俺だけを信じろ」
「俺は兄貴だ! 兄は弟の道標だ」
「俺はいつでも正しい!」(弔兵衛)
「決めたぞ! バケモンも罪人も片っ端から皆殺す」
「そうすりゃあ仙薬探しも邪魔が入らねえだろ」(弔兵衛)
「見つけた仙薬は俺達で飲むんだ」
「俺達の生き方に、もう誰も…死すら口出し出来ねえようになあ」(弔兵衛)
5話
「こんな島に、人が住めるようには思えません」
「化け物も虫も、人間にとって危険すぎる」(佐切)
「生体も習性も謎が多いですし、斬った感じ…」
「筋肉や骨格はありますが、内蔵やその…」(佐切)
「はい。それ(生殖器)が見当たらない」(佐切)
「○ンコないんだぁ!」(杠)
「化け物が身につけているものも雑というか、宗教的ではありますが細部は大雑把で」
「言うなれば…出来損ないの神様」(山田浅ェ門仙汰)
「島も化け物もそんな感じで、恐ろしいのですがマヌケです」
「自然物としてあまりにも非現実的、神秘の顕現としてはあまりにも人工的」(仙汰)
「まるで悪趣味な曼荼羅(まんだら)の中に放り込まれたみたいだ」(仙汰)
「内蔵もなく生きる生物自体、不老不死の手掛かりだな」
「仙薬が島にある可能性が見えてきた」(画眉丸)
「あるなら見つけられる、見つけたら無罪で帰れる」(画眉丸)
「私達が既にどっかで死んでて、ここが本物のあの世じゃなきゃね」(杠)
「今のおぬしでは死ぬ。帰るのだ、佐切」(山田浅ェ門源嗣)
「これは私の職務、果たすが武士の使命です」(佐切)
「確かにおぬしの剣技は素晴らしいが、それは御様御用(おためしごよう)、処刑の技前」
「一方ここで求められるのは、戦の技前」(源嗣)
「優れた剣技と優れた戦力は必ずしも一致しない」
「この島でおぬしは明確に力不足…女の限界だ」(源嗣)
「侍ってどうしてこうバカなんだい」
「侍は無いものにとらわれて、賢い行いを知らない」(ヌルガイ)
「俺達は無いものは信じない…って、どうしても考えてしまう」
「これは天罰なのか?」(ヌルガイ)
「俺は…どうすればいい?」
「村の血を絶やさぬために生きるべきか?」
「村のみんなに償うために死ぬべきか?」(ヌルガイ)
「やっと分かった、これは天罰なんだ」(ヌルガイ)
「いい加減に説明してくれ!」
「じいちゃんとか村とかじゃなく、君自身が死にたいかどうかを!」(山田浅ェ門典坐)
「死にたくなんかないよ…山に帰りたい」(ヌルガイ)
「それならやることは1つでしょ。何がなんでも生き延びろ!」(典坐)
「侍はただ従うのみです」(佐切)
「おかげで冷静になった、覚悟を決めたよ」
「やみくもに急いでも危険なだけだし」
「石隠れ衆が上陸してくるなら迎え撃てばいいとな」(画眉丸)
「妻と生きると決めたんだ、この役目より長い長い人生を」
「ならばそれを邪魔するものからは逃げない、真正面から迎え撃つ」(画眉丸)
「おぬしだって強いだろう、ワシ以上に」
「(そんなこと?) あるよ。そういう事の見極めは確かだぞ、ワシは」(画眉丸)
「心技体ってやつか、心根が影響するのか」
「少なくとも牢屋敷でのおぬしは強かった」(画眉丸)
「印象じゃあない、もっと具体的な強さ」
「あの感覚はなんだったのかなあ?」(画眉丸)
「意外そうな顔だな」
「里でもよく言われたよ」
「”自分で場数を踏まなきゃ自分の強さなど分からん”と」(画眉丸)
「自分自身のことは案外自分じゃ分からんもんだな」
「行動してみるまでは、皆同じか」(画眉丸)
「(帰り支度?) お気遣いありがとうございます」
「ですが、帰りません」(佐切)
「(規則?) いえ…もはやこれは、私の生き方に関わる問題です」(佐切)
「首斬り浅の娘として生きれば、外から蔑まれ」
「山田家の武士として生きれば、身内から疎まれる」
「ここで帰ってはきっと、一生つきまとうでしょう」(佐切)
「(女の役割?) 私には、その目がたまらなく耐え難いのです!」
「どうか私を…1人の侍として見て下さい」(佐切)
「どうか! 兄弟子に歯向かう無礼と、私の生き方をお許し下さい!」(佐切)
「私が弱く、未熟であるとは承知しています」
「ただ…ただ、自分の生き方ぐらい自分で決めたい」(佐切)
「それはきっと男も女も、あるいは立場も関係なく」
「誰もが持つ人として当然の感情ではないでしょうか」
「どうかご理解ください」(佐切)
6話
「奴は死罪人か? それとも、化け物か?」
「まるでダメージがないぞ」(画眉丸)
「まるで獲物を見定めた捕食者の目だ」
「複数人で逃げ切るのは難しいだろう」
「なら仕方ない、殺すか」(画眉丸)
「忍の鉄則、その九」
「敵の能力を正確に分析すべし」(里長)
「何より直感で分かる」
「あの手は防御不可、触れれば即死だ」(画眉丸)
「今は男も女もありません!」
「私は…兄弟子に死んでほしくないだけ!」(佐切)
「おぬしが侍ならば、もう逃げろとは言わん」
「陸郎太を…斬れ、山田浅ェ門・佐切」(源嗣)
「伸びた筋肉、腱、骨の継ぎ目に刃を入れれば、どんなに鍛えた体でも斬れます」
「どんなに常識外れの相手でも、打ち首の作法と同じ」(佐切)
「人体の構造を知り、その間隙を縫う」
「それが、山田浅ェ門の剣です」(佐切)
「死角から足を斬って跪かせろ」
「出来るだろ、おぬしなら」(画眉丸)
「処刑対象であり、兄弟子の仇」
「でも、気負い過ぎては太刀筋がブレる」(佐切)
「もっと冷静に、情を排して理(ことわり)を徹するべし」(佐切)
「2つに分けず、相反するものもそのまま…そのまま受け入れる」
「情も理も」(佐切)
「情を持って力とし、理を持って見失わず、静と檄のどちらでもなく…」
「狭間!」(佐切)
「考えがあるんだが…」
「ちと、過激かも」(画眉丸)
「静かに…激しく」(佐切)
「随分暴れさせてしまった、怖がらせたのね」
「ごめんなさい、私が未熟だからです」(佐切)
「でももう大丈夫、あなたを憎む者はいない」
「今のあなたを憎む者は…死せる者」
「等しく安らかであるように」(佐切)
「罪人はおろか、仲間の弔いも出来ない島」
「心を強く…強くあらねば」(佐切)
「些細でも危険でも、それが手掛かりならたぐり寄せる」
「一刻でも早く仙薬を見つけ、一分でも早く妻に会う」(画眉丸)
「(仲間の安否?) いえ…皆、死を覚悟してこの役目にあたっている」
「過度な心配はむしろ無礼でしょう」(佐切)
「仲間を案じるなら、むしろ一刻も早く仙薬を見つけ」
「この役目から皆を解放すべきです」(佐切)
7話
「なぜ人間がここにいる?」
「竈神(そうしん)は何をしている?」(菊花、ア閦大帝)
「自分は人間じゃねえような言い方だな」
「お前ら、バケモンの同類か?」(弔兵衛)
「いいとこだったのに…萎えさせやがって…」
「殺してやる」(菊花)
「こんな島だ、何がいたって不思議じゃない」
「仙人がいるかどうか、そこも問題の本質じゃない」(画眉丸)
「重要なのは、この島にいるものが味方か敵か…それだけだ」(画眉丸)
「だって、手の内見せたくないんだもん」
「これくらいの相手に、今のうちに試しておきたくて」
「化け物にも忍術が通用するかどうか」(杠)
「人かどうかも分からんが、見た目は少女だ」
「出来れば手加減してやりたい」(画眉丸)
「だがこっちも必死でな」
「そういう感覚、忘れてしまいそうだ」(画眉丸)
「激務続きでうんざりしていてな」
「ワシは仙薬を探しているだけなんだ」
「それ以外のことはさせないでくれ」(画眉丸)
「この際どんな奴だろうと関係ない、仙薬について知れればな」
「怪しい動きを見せれば制圧すればいい」(画眉丸)
「ダメだ…ここまでの疲れに、この湯船は抗えない」
「図々しく押しかけた上に、こんな風にくつろぐなんて…」(佐切)
「人間がどう呼んでいるかは知らないが、我々はここを”こたく”と呼ぶ」
「神々が住まう神仙郷だ」(木人)
「(不老不死の仙薬?) もちろんある、古(いにしえ)からの言い伝えだ」(木人)
「言い伝えでは”丹(たん)”と呼ぶ」
「永遠の命の源、その薬だ」(木人)
「仙薬がある…妻のもとに帰れる」(画眉丸)
「いずれお前達も会うだろう」
「彼等を知れば、疑う余地もなくなる」
「天仙様に会えば」(木人)
「死なず…老いず」
「永遠に美しい、完璧な存在」(木人)
「ここに来るまで竈神を退けてきたのだろうが、天仙様は格が違う」
「何者も敵いはしない」(木人)
「なぜこうまで従順にお前達を迎えいれるのか、素直に話すのか、不審に思っていたな」
「せめてもの憐れみだ、それが最後の望みとなるだろうから」(木人)
「上陸した人間はいずれ皆死ぬ」
「天仙様が誰も帰さない」(木人)
「お前達には好意も敵意もない、事実を言っただけ」
「島の侵入者は皆、天仙様に殺される」(木人)
「(天仙様?) この島でもっとも偉いお方だ」
「竈神を従えて、罪深い者は罰する」
「特に島に上陸する人間はな」(木人)
「だが心配するな」
「罰を受ける人間は、ただ死ぬのではない」
「美しい花に生まれ変わる」(木人)
「罪や俗から解放され、永遠の至福を得る」(木人)
「そうして花となった命が、”丹”の源となる」(木人)
「信じようと信じまいと、ここは神仙郷」
「立ち入った人間がどうなるかは神の意思」
「島を出るのも容易ではないだろう」(木人)
「気が緩んでいられるよりはいいし」(画眉丸)
「緩んでません」(佐切)
「さっきは緩んでた。風呂上がりで一瞬、眠そうにしてたろ」(画眉丸)
「してません」(佐切)
「島は三層構造である、仙薬は中心の層”蓬莱”にある、仙薬は天仙様が守っている」
「新しい情報は増えたが、どれも断片的だ」(画眉丸)
「私の名は”木人(ほうこ)”、この子は”メイ”だ」
「島で生まれ島で育った、数百年もの間」(木人)
「この先も静かに暮らしたいだけだ、邪魔はするな」(木人)
「まあ…謎解きは後回しでいい」
「重要なのは仙薬入手にとって障害か否か」
「余計なことには極力…極力関わりたくない」(画眉丸)
「既存の備品を活用し、江戸の湯屋を再現しました」
「両者が入浴に専念できるよう、ここは私が取り仕切らせて頂きます」(佐切)
「(意味?) せめてものお返しです」
「この子達には、一宿一飯の恩がある」(佐切)
「それにあなたも張り詰め過ぎです」
「休める時は休むべきかと」(佐切)
「苦手なんだ、風呂」
「緊張や戦の勘が湯に溶けていくようで」(画眉丸)
「娘」
「傷を恥じているなら、そんなもの気にするな」(画眉丸)
「ワシは大きな傷を持つ女性を知っているが、その人は誰よりも美しい」
「外見など全く大したことじゃない」(画眉丸)
「いえ…あまりに真っ当なので面食らいました」(佐切)
「本来の彼は、悪人ではないのかもしれない」
「そう考えている自分がいる」
「少しずつだけど、彼も変わり始めているのでは」(佐切)
「息抜きが出来たのか?」
「冷静に思い出せた、当初の気持ちを」
「何を優先すべきかを」(画眉丸)
「油を売っている暇などないと、改めて思い出せた」(画眉丸)
8話
「なんで逃げる?」
「無駄なのに」(朱槿、如イ元君)
「別にいいんだけど…気になるだろ?」
「いつもと何か違うと」
「そういうの嫌なんだ」(朱槿)
「へぇ…よく動くな、人間のくせに」
「速い…人間のくせに」(朱槿)
「服が破れた…」
「最悪だ」(朱槿)
「今度はお前が説明してくれ、なぜ罪人をかばっている?」(山田浅ェ門士遠)
「規則違反や想定外の事態なら、即刻罪人を処刑しろと言われたはずだ」
「私はそうした」(士遠)
「私を籠絡しようとした罪人を…処刑した」
「せめて苦しまぬやり方でな」(士遠)
「だが罪とは、得てして時代が決めるものだ」
「山田浅ェ門とは時代が振り下ろす刀」
「刀が自ら斬る人間を選んでは道理に外れる」(士遠)
「この子が自由に生きられる世の中に、可能性を感じてる!」(典坐)
「(さっきの要領でいける?) ナメられてるなあ」(朱槿)
「あれ? 首が飛んだと思ったけど…やるねえ」(朱槿)
「それ(剣速)は慣れたよ」(朱槿)
「本当は生きてないと”丹”にならないんだけど…ムカつくから殺そ」(朱槿)
「もしいつかお前に守りたいものが出来た時、鍛え上げた剣の腕は必ず助けになる」(士遠)
「蕾というのはあらゆる可能性を秘めている」
「お前も同じだ、可能性という蕾が花開く時が必ず来る」(士遠)
9話
「悪いが謎解きを待つ時間はない」
「わざわざ向こうから出てくるならば好都合だ」(画眉丸)
「どんな危険な場所と分かっても、仙薬を持ち帰らねば無罪はない」
「進む以外の選択肢はないのだ、たとえ1人でも」(画眉丸)
「また殺しちゃったか」
「持って帰れば、質のいい丹になったろうに」(朱槿)
「その身体能力、お前無自覚だろうが多分…」
「いや、どうでもいいか」(朱槿)
「お前ムカつく、死ね」(朱槿)
「攻略法などあるのか?」
「そんなもの必要ない」(画眉丸)
「何があろうと、立ち止まるわけにはいかん!」
「妻のもとに帰るために!」(画眉丸)
「何がなんでも、生きて帰る!」
「目鼻がもげても、生きて帰る!」
「死んでも生きて帰る!」(画眉丸)
「再生するならそれを上回るスピードで破壊する」(画眉丸)
「どうしよ」
「また怒られる、あいつにまた…」(朱槿)
「落ち着け」
「化け物と対峙するのは初めてじゃなかろう」(画眉丸)
「ならば今までと同じ」
「分析し、対処する、そうすれば…」(画眉丸)
「奇怪な術に、巨大な化け物」
「これは本当に現実なのか?」(画眉丸)
「いや、ここ数日のことは現実だったのか?」
「まるで悪夢を見ているようだ」(画眉丸)
「いや、本当によかったと思って」
「これが夢だとしても、君と話せたことが嬉しくて」(画眉丸)
「ごめん…もしかしたら、帰れないかも」(画眉丸)
「忍びの鉄則、其の二十」
「万が一死に瀕すれば、命の炎を振り絞り、敵に最大限の被害を与えてから死ぬべし」(里長)
「我々は家族だ」
「家族は団結するもの、そして従うもの」
「つまり私にだ」(蓮、普賢上帝)
「私だけが朱槿を傷つけていいんだ」(蓮)
「甘く見るなよ」
「仮に穴から出てこられたら…手負いの獣は恐ろしいぞ」(蓮)
「1人で勝手に出ていって…そもそも罪人の安否は管轄外」
「でも…無事であってほしい」(佐切)
「よかった…神ではなく化け物ならば、必ず殺す手段がある」(画眉丸)
10話
「ほお! その状態で俺と刺し違えるとは」
「やはりお前、極上だな」(巌鉄斎)
「無駄じゃねえ!」
「予備動作の読み合いから戦いなんだよ」(巌鉄斎)
「我々が今やるべきは、情報収集」
「ここまでの彼の経験や担当の浅ェ門の所在」
「あるいは、そこの少女について聞き出すこと」(付知)
「殺し合っては有益な情報は得られません」
「だから…殺さず情報を奪う…とかにしましょう」(付知)
「これまで通りは通用しない」
「もう”がらんの画眉丸”ではないのだから」(画眉丸)
「落胆した。俺が求めるのは強者(つわもの)」
「敵にやすやすと頭を下げる腰抜けじゃねえ」(巌鉄斎)
「ようし! 乗ったぞ!」
「いいんだよ、どうせ無罪など本当の目的じゃねえ」(巌鉄斎)
「(剣の腕を磨く?) そりゃあ手段だ」
「俺は、不老不死になりてえのさ」(巌鉄斎)
「(自分で服用?) ちげえよ!」
「言葉通りの不老不死など退屈なだけだ!」(巌鉄斎)
「天下に轟く偉業を成す!」
「さすれば俺の名は世々限りなく語り継がれ、伝説となる」
「この民谷巌鉄斎の名は、老いず死ぬこともない」(巌鉄斎)
「今まさに、この姿が、この言葉が、絵となり文字となり、途方もない先の時代に残る」
「これぞ真の不老不死だ!」(巌鉄斎)
「この島には創造主がいる」(仙汰)
「何者かの意図があるなら、同時に解明の糸口となりうる」
「仙薬も脱出経路も必ず見つけ出せるはずです!」(仙汰)
「いいえ、きっと生きてます」
「そして絶対に諦めていない」(佐切)
「今もどこかで手立てを考え、実行している」
「最愛の人に会うために」(佐切)
「それが、画眉丸という男です」(佐切)
「私は君の先生にはなれない、お役目の間は立場がある」
「だが…学ぶなら勝手に学べばいい」(士遠)
「戦い方なんぞ、戦いの中で覚えんだよ」(巌鉄斎)
「(何者?) 関係ねえよ」
「バケモンだ、殺す」(弔兵衛)
「てめえがその天仙って奴の仲間なら」
「てめえをぶちのめすことが奴等への最短距離ってわけだ」(弔兵衛)
「カモネギってやつだな」
「力づくで聞き出してやる」(弔兵衛)
11話
「なぁに気ぃ抜いてんだ、バケモン」(弔兵衛)
「よく分からねえが、えらく便利な体になったようだなあ」(弔兵衛)
「(変容する恐怖?) ねえな」
「この世に不変のものなんてねえ…よく知ってる」(弔兵衛)
「変わらないものなんて、1つで十分だ」
「(自我?) ちげえな」(弔兵衛)
「どうせバケモンには分からねえ」
「誰にも分からねえさ」(弔兵衛)
「まだまだ仕組みがありそうだが…まあ、実践あるのみ」(弔兵衛)
「なんだ、やっぱ殺せるじゃん」(弔兵衛)
「モテなくて結構、ワシは妻帯者だ」(画眉丸)
「これ以上やっかいごとに関わっては、先を見失うかもしれん」
「本来の目的を、お役目に参加した理由を、今すべきことは何か考えろ」(画眉丸)
「事情も知らんし、勇み足かも」
「そもそもワシの柄じゃないし、面倒だし、自分でもまさかこんな衝動的に動くとは」(画眉丸)
「だが…また泣かれてもかなわんし、それだけでもよしとするか」(画眉丸)
「こいつらのせいで俺は左手を失った」
「たっぷり礼をしてやる」(巌鉄斎)
「(言葉のあや?) いいや、本気だ」(巌鉄斎)
「何事も失うことで、より研ぎ澄まされるからなあ」
「俺の剣はより強くなったぞ!」(巌鉄斎)
「上陸してから、自分らしくない行動ばかりだ」
「だが…悪い気はしない」(画眉丸)
「恩ある者が困っていたら助ける、当然だろ」(画眉丸)
「目印だと?」
「まるで物のように言うのはやめろ」(画眉丸)
「強いは弱いの実」
「弱いは強いの種」
「強いも弱いも、全部大事」(メイ)
「自分の弱さを受け入れて、初めて相手の弱さも感じられる…のか」(画眉丸)
「頑強な心と繊細な心の狭間、あるいは両立」
「まるで葛藤の波の中にいるような…」(画眉丸)
「今なら分かる」
「迷いながら進む、彼女の強さが」(画眉丸)
「もうおぬしの勝ちはない」(画眉丸)
12話
「この島は命の実験場だから」
「君やほかの奴等も皆、実験過程で生まれた単なる試作品なの」(牡丹、不空就君)
「そして島に来る人間達は、さしずめ研究材料」(牡丹)
「どんな化け物でも、これだけやれば死ぬでしょ」(杠)
「でもね、最優先は目先の命」
「命さえありゃ、あとでどうにでもなるから」(杠)
「まずは命の確保を考えよう」(杠)
「待って下さい」
「彼女の生死に関わることなら、僕を通してもらわないと」(仙汰)
「僕も…仕事なので」(仙汰)
「何しても死なないってんなら、ありったけ試してあげる」(杠)
「近づいて確信しました」
「やはり同じでしたか」(佐切)
「そう、化け物! 神じゃない」
「なら、殺せる!」(杠)
「(前向き?) 普通でしょ」
「こんな所で死ぬ気ないし…マジないし!」(杠)
「私の人生を邪魔する奴はぶっ殺す!」
「本物の神でもぶっ殺す!」(杠)
「今からもう一度、こんな怪物と戦うの?」
「無理でしょ、もう…」(杠)
13話
「道中、異形達の命を使い検証した」
「波の扱い方やその性質、不死者を葬る術(すべ)」(士遠)
「その策をお前で実証しよう」
「波を直に斬れば、急所でなくとも死に至る」(士遠)
「魂そのものを斬るが如く、波を放出する」
「循環するように練り、纏う」(士遠)
「君も…死にたいの?」(牡丹)
「こんな所で死ぬ気はない」
「だが、死なねば進めぬなら死んでも構わん!」(士遠)
「今は考えてる時間はない」
「動けるならそれで十分」(佐切)
「どす黒い感情が頭を…全身を覆っていく」
「覚悟などではない、憎しみだ」(士遠)
「憎しみが…悔しさが…決して許しはしない」
「あの時逃げることしか出来なかった自分自身を許しはしない」(士遠)
「山田浅ェ門士遠、お前を絶対に許さない!」
「敵の命が尽きるまで、自らの命が尽きるまで!」(士遠)
「お前達が不死者ならば教えてやろう」
「命の儚さ、重さ…恐ろしさを!」(士遠)
「ああ…美しい」
「決死の姿…生と死の狭間」(牡丹)
「僕等ではたどり着けない、完璧な陰陽」
「蓮(リエン)に教えてあげたいなぁ…」(牡丹)
「千年待ったよ、ありがと」(牡丹)
「(薬を)全部他人に使うほど善人じゃないから」(杠)
「それにケガ人を連れてけるほど、この先は甘くない」
「諦めなさい」(杠)
「忍は現実主義なの」
「乗り越えるべき苦しみと、そうする意味のない苦しみの区別くらいつく」(杠)
「分かってるだろうけど、あんたはもう助からない」
「だからもう要らない」(杠)
「役目とか侍の教示とか、そういうのもう要らない」
「もう楽にしていい」(杠)
「ずっと自分に嘘ついて生きてきたんでしょ?」
「最後くらい正直に、好きなことだけ考えてればいい」(杠)
「その人の胸の中でも思い浮かべて、美しい景色の中で死になさい」
「腕くらいなら貸してあげるから」(杠)
「先程はありがとう、杠…さん」
「あなたの冷静さにまた助けられました」(佐切)
「もはや罪人も処刑人も関係ありません」
「そうでなければ生き残れない」(佐切)
「全てを…生きて帰ることに集中させましょう」(佐切)
「もう誰も死なせない」
「全員で必ず生きてこの島を出る…必ずです」(佐切)
「(画眉丸?) 正直、よく分かりません」(佐切)
「でも…人殺しの里に生まれ、言われるまま人を殺し続け」
「愛を知ってもそれがまた過去の自分を苦しめる」(佐切)
「その上、杠さんの言うように、その原動力までもがまやかしだとしたら…」
「そんなの…そんなの悲しすぎる」(佐切)
「彼は凶悪な人殺しです」
「人殺しですが…悪人とは思えない」(佐切)
「だからこそ…私は2人の再会を信じてる」
「そう…彼なら決して諦めない、必ず生きて帰る」(佐切)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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