アニメ「北斗の拳(ほくとのけん)」の名言・台詞をまとめていきます。
目次
→北斗の拳(1期、第1部、1話)
→北斗の拳(1期、第2部、23話)
→北斗の拳(1期、第3部、58話)
→北斗の拳(1期、第4部、83話)
→北斗の拳(2期、天帝編、110話)
→北斗の拳(2期、修羅の国編、123話)
北斗の拳
→北斗の拳(第1部、6話)
→北斗の拳(第1部、11話)
→北斗の拳(第1部、16話)
→北斗の拳(第1部、21話)
1話
「199X年…世界は核の炎に包まれた」
「海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体は絶滅したかに見えた」(ナレーション)
「しかし、人類は死に絶えてはいなかった」(ナレーション)
「核戦争は全ての文明を破壊し尽くし」
「世界は、暴力が支配する恐怖と混乱の時代になっていた」(ナレーション)
「お前が逃げたら牢の見張り役のあの子はどうなる」(ケンシロウ)
「これから生き延びてくためには」
「水と食料さ!」(バット)
「力のある奴がこれを奪い、生きていく」
「暴力が支配するんだ!」(バット)
「今の世の中、ガキなんてホントにかわいそうなもんさ」
「まっ、言っちまえば生まれた時代が悪かったってことよ」(バット)
「つらいか?」
「この子の幼い目は、多くの地獄を見てきたろうに…」(ケンシロウ)
「おまじないをしたのさ」
「しゃべれるようにな」(ケンシロウ)
「後は彼女の心次第だ」
「心の叫びが言葉を誘う」(ケンシロウ)
「ケーーン!」
「来ちゃ、ダメーーッ!」(リン)
「北斗百裂拳!」
「お前はもう死んでいる」(ケンシロウ)
2話
「やめておけ」
「一子相伝の暗殺拳・北斗神拳の前には、ボウガンの矢など止まった棒にすぎん」
「貴様に俺は倒せん」(ケンシロウ)
「貴様らに、今日を生きる資格はない!」(ケンシロウ)
「人間は自分の潜在能力の30%しか使うことが出来んが」
「北斗神拳は残りの70%を使うことに極意がある」(ケンシロウ)
「北斗残悔拳!」
「708ある経絡秘孔のうちの頭維を突いた」(ケンシロウ)
「指を抜いて、7秒後にお前は死ぬ」
「その7秒間に、自分の罪深さを思い知れ」(ケンシロウ)
「(種モミは)実るさ…下に老人が眠っている」(ケンシロウ)
3話
「誰もが、心地よい音楽に酔うことが出来る」
「だが、悪の華の悦楽に酔いしれる者は限られている」(シン)
「神をも引き裂く執念を持った男と最高の美女だけが」
「楽園の真の支配者となることが出来る」(シン)
「スペードは敗れ去った」
「だが…俺にはまだ3枚のジャックがある」(シン)
「化け物に答える名前はない」(ケンシロウ)
「化け物は化け物小屋で眠っていろ」(ケンシロウ)
「そう、そしてお前も同じ運命をたどる」(ケンシロウ)
「(スローすぎて)あくびが出るぜ」(ケンシロウ)
「ひ…ひで…ぶ~」(ダイヤ)
「(助けてくれ?) 村人達もそう言ったはずだな」
「落ちろ! 夢のない眠りの中へ」(ケンシロウ)
「はべべ…」(クラブ)
「戦いを忘れた者は…死ね!」(シン)
「ケンシロウ、所詮お前は俺に敗れた男だ」
「俺には勝てぬ」(シン)
「ケンシロウ、もう一度地獄を味あわせてやる」(シン)
4話
「ブラッディクロス!?」
「あの紋章を使う男は、やはり…」(ケンシロウ)
「ケン…生きているのね」(ユリア)
「この輝く朝日をあなたも、どこかで感じているのね」
「嬉しい…それだけで嬉しい」(ユリア)
「見よ、ユリア。この宝石の輝きを!」
「今これだけのものを集めることが出来るのは、この世に俺だけだ」(シン)
「そしてこの宝石の輝きにふさわしい女は…」
「ユリア、お前だけだ!」(シン)
「それだけのものを集めるのに」
「今度はどれくらいの人の命を奪ったのですか?」(ユリア)
「わたくしは、その宝石を美しいとは思わない」
「わたくしには人々の苦しみや悲しみ、そして怒りや涙しか見えない」(ユリア)
「力こそ正義だ。見ろ!」
「ダイヤですら俺の手の中では粉々になるというのに…」
「ユリア、なぜお前は心を開かぬのだ!」(シン)
「人間の心を捨てた豚共め!」
「許さん!」(ケンシロウ)
「私の体はゴムみたいなもんでしてね」
「どんな攻撃でも全て柔らか~く包み込んでしまうんです」(ハート)
「だから君のへなちょこ拳法も、経絡秘孔などというものに届くまでに…」
「とこうなるのです」(ハート)
「私に勝てるのは、キング様の南斗聖拳だけだ」(ハート)
「北斗の拳は無敵だ!」(ケンシロウ)
「シン! お前を倒すために、俺は地獄の底から這い上がって来た」
「地の果てまでも追っていくぞ!」(ケンシロウ)
5話
「来るな! これは俺1人の戦いだ!」(ケンシロウ)
「1年前…」
「師よ、安らかに眠りたまえ」
「私のことは心配しないで下さい」(ケンシロウ)
「私には、北斗神拳があります」
「そして何よりも、ユリアがいます」(ケンシロウ)
「こんな時代だ」
「2人で力を合わせて生きていこう」(ケンシロウ)
「今日が俺達の旅立ちの日だ」
「2人は永遠に連れ立って歩く」(ケンシロウ)
「誓えるか? ユリア」(ケンシロウ)
「誓います」(ユリア)
「俺も、誓う」(ケンシロウ)
「力こそが正義、いい時代になったものだ」
「強い者は心おきなく、好きなものを手に入れられる」(シン)
「俺は昔からユリアが好きだった」(シン)
「何を! そう思われただけで死にたくなる」(ユリア)
「ますます好きになる」
「俺はそういう気が強くて美しい女が好きだ」(シン)
「ケン、ユリアは俺がもらったぞ」(シン)
「バカな! ユリアは俺の大事な人だ!」(ケンシロウ)
「それならば力で奪うだけだ!」(シン)
「そんな老いぼれの戯言…とうに忘れたわ!」(シン)
「お前など俺の敵ではないわ!」(シン)
「お前ごときでは俺に勝つことは出来ん」(シン)
「お前と俺との間には、致命的な違いがある」
「それは欲望…執念だ!」(シン)
「欲望こそが強さにつながる」
「お前にはそれがない」(シン)
「ユリア、俺を愛していると言ってみろ」
「言えないのか?」(シン)
「これが南斗聖拳の処刑だ」
「普通の人間ならこの1本でも耐えられまい」
「ケンシロウは何本目に死ぬのかな?」(シン)
「やめてえ! ケンが死んだらわたくしも死ぬ!」(ユリア)
「この処刑を止められるのはお前だけだ」
「お前のたった1つの言葉でいい」(シン)
「わたくしの愛する人は、ケンシロウ唯1人」(ユリア)
「ユリア、生きてくれ!」
「俺のために生き続けてくれ!」(ケンシロウ)
「俺は前からお前の生き方が許せなかった」
「死ねえ!」(シン)
「聞こえん。その程度で俺の心が動くと思っているのか?」(シン)
「聞いたか、ケンシロウ」
「俺を死ぬほど嫌いだと言った女が、俺を愛するとよ」
「一生どこへでもついていくとよ」(シン)
「女の心変わりは恐ろしいのう、ええ?」(シン)
「さあ来るんだ、ユリア」
「享楽の花園だ」(シン)
「シン。お前を倒すため俺は地獄から這い戻った」(ケンシロウ)
「ケンシロウならすぐ近くまで来ている」
「今頃は城の中だ」(シン)
「そこが奴の旅の終わりだ」
「今度こそ奴は本当の地獄へ落ちる」(シン)
「俺の邪魔をする奴は…死ぬ」(ケンシロウ)
「俺は地獄から這い戻った男だ」
「このぐらいのことでは死なん」(ケンシロウ)
6話
「シン、あなたは何も分かっていない」
「わたくしが欲しいのは海のような優しさ」
「緑の草原のような瞳の輝き」
「太陽のような温かい心」(ユリア)
「ケンシロウ、見てみろ」
「お前が地獄をさまよっている間に俺が地上で築いたものを」
「俺の命令1つで何千何百のつわものがお前を襲う」(シン)
「お前の肉体は砂漠のチリとなり、お前の心は闇をさまよう」
「見てろ、ケンシロウ。俺の力を…」(シン)
「お前のバカ力などこんなもの(指1本)だ」(ケンシロウ)
「無駄だ。お前らのようなハイエナに負ける北斗神拳ではない」(ケンシロウ)
「(殺されに来た?) 死ぬのは、お前達の方だ!」(ケンシロウ)
「(久しぶり?) そして、お前が地獄へ行く前に会った最後の男になる」(ケンシロウ)
「どうだ、これから処刑される気分は?」(ケンシロウ)
「お前には地獄がふさわしい」(ケンシロウ)
「不幸な時代だ」(ケンシロウ)
7話
「なんの関係もない人々を、ただ虫けらのように殺した罪は許せん」
「あいつはもう死んでいる」(ケンシロウ)
「お前達の攻撃など少しもこたえていない」
「ボスを倒すためにわざと捕まったのだ」(ケンシロウ)
「そうか、どうやら死ななければ分からないようだな」(ケンシロウ)
「北斗神拳は潜在能力を100%使い切る」
「毒への抵抗力もお前らとでは比較にならん」(ケンシロウ)
「俺にしてみれば、レッドベレーなど赤子も同然だ」(ケンシロウ)
「殺されたことに気がつかなかったようだな」(ケンシロウ)
「貴様のような奴を、俺が生かしておくと思うか」(ケンシロウ)
8話
「ゴッドアーミー、神の名をかたるならず者達」
「善良な人々を恐怖に陥れた罪、許すことは出来ん」(ケンシロウ)
「しばらく眠ってもらうぜ」(ケンシロウ)
「ケン、死んじゃ嫌。死ぬなら私も一緒」(リン)
「俺は超能力者だ。貴様の動きは全て読める」(カーネル)
「北斗神拳・空極流舞!」
「空気の動きを知り、流れに逆らわずに飛ぶ」
「どこから攻めても無意味だ!」(ケンシロウ)
「お前の拳法はしょせん真似事に過ぎぬ」
「俺は生まれた時から戦いのプロだ」(ケンシロウ)
「2000年の北斗神拳の血が技が、俺の体に染み付いている」(ケンシロウ)
「既に俺は、経絡秘孔の1つ”瞳明”を突いている」
「今度は貴様が暗闇に怯える番だ」(ケンシロウ)
「貴様に、明日の光はない!」(ケンシロウ)
9話
「早死にしたくなかったら、こういう物はしまっておくんだな」(ケンシロウ)
「(演奏を続けろ?) 心の嘆きをですか?」
「わたくしの…」(ユリア)
「ケンはきっと、どこかで生きている」
「わたくしを必ず、助けに来てくれる」
「今にきっと…」(ユリア)
10話
「このワインは村人の血だ」
「そして、村の人達は息子や娘を奪われている」(ケンシロウ)
「人の生き血をすする吸血鬼共」
「お前達に生きている資格はない」(ケンシロウ)
「お前の遺言か?」
「冴えないセリフだな」(ケンシロウ)
「目で追うな、心で気配を見るのだ」(ケンシロウ)
「パトラも1人では地獄への旅が寂しかろう」
「お前が送ってゆくがいい…死ね」(ケンシロウ)
「シン。わたくしは、あなたのしもべではありません」(ユリア)
「今日はなぜか、心が弾むのです」
「木枯らしさえ、歌声に聞こえます」(ユリア)
「わたくしの命、わたくしの希望」
「わたくしには見える、ケンが近づいて来るのが…」(ユリア)
11話
「やるだけ無駄だ、去れ」(ケンシロウ)
「わずかな水のために、幼い子まで危険な目に遭う」
「嫌な時代だ」(ケンシロウ)
「帰れ、俺の敵ではない」(ケンシロウ)
「聞こえんな、悪党の泣き声は」(ケンシロウ)
12話
「”新一”という秘孔を突いた」
「お前は自然にしゃべり出す」(ケンシロウ)
「それだけ喋れば十分だ」
「いずれにせよお前は死ななければならない」(ケンシロウ)
「ジャッカル、今まで人を追い回すことしか知らなかったケダモノめ」
「追われる恐怖をじっくりと味わうがいい」(ケンシロウ)
「無駄だ、ジャッカル!」
「追い込まれれば、ネズミでも牙をむくという」
「逃げてばかりいないで、お前も戦ったらどうだ」(ケンシロウ)
「北斗神拳は万に1つもない」
「絶対に勝つ」(ケンシロウ)
「それでは、貴様の処刑を始めようか」(ケンシロウ)
13話
「ジャッカル。悪党の最期、しっかりと見届けてやる」(ケンシロウ)
「よかろう。仁王拳がデビルの化身なら」
「北斗神拳は戦う神・インドラの化身であることを教えよう」(ケンシロウ)
「この転龍呼吸法の奥義は、静から動に転じる時にある」
「そして、その奥義を見た者は死あるのみ」(ケンシロウ)
「北斗七死星点!」
「呼吸法により極限まで力をため、7つの経絡秘孔を突いた」
「後は死あるのみ」(ケンシロウ)
「得意の芝居で、もう一度説得してみるんだな」
「説得できたら、お前は助かる」(ケンシロウ)
「眠れ、悪魔達よ」(ケンシロウ)
「ケン、わたくしは生きていきます」
「あなたとの約束を守ります」
「どんなことがあっても…」(ユリア)
「あの微笑み」
「なぜ俺には与えてくれぬのだ、ユリア…」(シン)
「ケンシロウ…どうやらお前は昔のケンシロウではないようだな」
「だがお前はこのサザンクロスに来ることは出来ん」(シン)
「今より強い南斗聖拳の勇者達が、お前を襲う」
「お前の地獄はこれからだ」(シン)
14話
「いつ見ても美しい街だ」
「今の世の中、どこを捜してもこれ以上美しい街はあるまい」(シン)
「ユリア、見ろ」
「太陽でさえ、この街を照らすためだけに輝くのだ」(シン)
「わたくしに見えるのは、遥か彼方の荒野だけ」(ユリア)
「あなたはまだ、血に染まった自分の手が見えない」(ユリア)
「無理だ。この世で俺より強い奴はいない」(ケンシロウ)
「具足という秘孔を突いた」
「お前の足はもはや、勝手に進むのみ」(ケンシロウ)
15話
「お前達の相手をしている暇はない」
「どけ」(ケンシロウ)
「死者の眠りさえ奪うとは…許せん!」(ケンシロウ)
「弔いの鐘は既に鳴った」
「3つ数えろ…死ね」(ケンシロウ)
16話
「誰だ、死に急ぐ者は?」(ケンシロウ)
「何本に見えようともムチは1本」
「北斗神拳の前には子供の縄跳びだ」(ケンシロウ)
「北斗繰筋自在拳、2人の経絡秘孔を突いた」
「お前達の手は自然に互いの体を強く抱きしめ合う」(ケンシロウ)
「似合いのカップルだ」(ケンシロウ)
「ユリア…俺はお前の心が欲しい!」
「そのためにも必ず…必ずケンシロウを…倒す!」(シン)
17話
「天空に2つの極星あり、すなわち北斗と南斗」
「だが暗殺拳に2つの星は要らぬ」(シン)
「この世に光り輝くのは、我が南斗聖拳だけだ!」(シン)
「ケンシロウ…わたくしの婚約者」
「命よりも大切な人…」(ユリア)
「この俺の戦いは全て、ユリア…お前のためなんだ」(シン)
「もうすぐだ、ユリア」
「もうすぐお前に、きらめくような街をプレゼントするぞ」(シン)
「そこでは何もかもがお前のものだ」
「お前は女王だ!」
「全ての人間がお前の前でひれ伏す」(シン)
「そうすればお前の気持ちも変わる」
「絶対に変わる!」(シン)
「わたくしの気持ちは変わらない」
「ケンとの約束がある限り…」
「どんなことがあっても、生きてゆかなければならない」(ユリア)
「ケンシロウ、ユリアは俺のものだ」
「絶対にお前には渡さん!」(シン)
18話
「ケンシロウ、お前の姿が見える」
「地獄の底に這いつくばり、あえぐお前の姿がな」(シン)
「やめろ」
「お前の捜している男は、ここだ」(ケンシロウ)
「何か、言い残すことはないか?」(ケンシロウ)
「ここまでだ。停角という秘孔を突いた」
「お前の体は、もう自分の意思では動けない」(ケンシロウ)
「大事な鉄の棺桶の中で…死ね」(ケンシロウ)
19話
「ほう…俺に従えんと言うのか?」
「この俺が掟ではないのか?」(シン)
「喜べ。お前の技が初めて人の役に立つ」(ケンシロウ)
「名も知らぬ男が、人々のため死を覚悟して俺に会いに来た」
「いや、無駄ではない」(ケンシロウ)
「彼の残した言葉に鍵がある」
「”緑の大地、悪魔の目”」
「シン。とうとうお前の影が見えてきた」(ケンシロウ)
「俺は必ずお前を倒す!」
「そして、人々とユリアを救い出す」
「待っていろ、シン!」(ケンシロウ)
20話
「キングは私から全てのものを奪った男だ」
「必ずこの手で倒す」(ケンシロウ)
「せっかくだが、私に武器は必要ない」(ケンシロウ)
「ジェニファーの仇は必ず取る」
「お前達は死を覚悟しろ」(ケンシロウ)
「悪党共、逃しはしない」(ケンシロウ)
「くだらん武器を蘇らせて操る愚か者め」
「この俺が許すと思うのか?」(ケンシロウ)
21話
「ケン…本当に死んじゃったの?」
「私そんなの信じない」
「ケンはきっと生きている」(リン)
「しかし本当に奴は死んだのか?」
「奴の死体を確認したわけではない」(ジョーカー)
「奴は今までも、幾多の死地から脱出してきた男だ」(ジョーカー)
「お前の美しさを称えるために作った像だ」
「今はただの石像だが、世界中より黄金と宝石を集めて飾り立てよう」(シン)
「お前は美の女神として永遠に名を残す」(シン)
「(また戦い?) そうだ、俺の力を見せつけるために」
「お前の美しさを知らしめるために俺は戦う」(シン)
「また多くの血が流れる…」
「罪のない人々が苦しむ…」(ユリア)
「この俺に逆らうというのか?」
「よかろう、相手になってやろう」(シン)
「思い上がるな、将軍」
「あれしきのことでキングの座が取れると思ったのか?」(シン)
「人に頼らず自分の力でキングの座を奪い取ってみよ」(シン)
「貴様の最後の技、見切ったぞ」
「間合いを詰めすぎたのが敗因だったな」(シン)
「今度は俺の奥義を見せてやろう」
「南斗飛竜拳!」(シン)
「体をいくら鍛えても無駄だ」
「南斗聖拳は地上のどんな物質をも力で打ち砕く」(シン)
「自分の力を見誤ったようだな」
「その思い上がり後悔せよ」
「死ね!」(シン)
「北斗神拳は2000年の一子相伝」
「どんな状況でも生き抜いてみせる」(ケンシロウ)
「(逃げる?) これも星の巡り合わせ、時が来たのよ」
「お前とはいつか戦う運命(さだめ)だったのだ」(ジョーカー)
「シンに伝えよ、ユリアは必ず俺が助け出すと」
「そうすれば貴様の命、助けてやろう」(ケンシロウ)
「ケン…あなたもサキもいない。わたくしは独りぼっち」(ユリア)
「ユリア、お前には俺がいる」(シン)
「シン、あなたには分からない」
「あなたは戦士…広大な帝国さえ築くでしょう」(ユリア)
「でも、わたくしが欲しいのは」
「海のような優しさ、太陽のような温かい心、草原を渡る風の輝き」(ユリア)
「燃えている…街が燃えている」
「俺の築き上げたものが、全て失われてゆく…」(シン)
22話
「虚しいわ。力だけで築いたものは、やがて崩れていくのね」(リン)
「邪魔しちゃいけねえよ」
「今日はケンとシンにとって、北斗神拳と南斗聖拳にとって一番長い日なんだ」(バット)
「シン、とうとう追い詰めたぞ!」(ケンシロウ)
「ユリア、もう一度やり直そう。新しい街を作るんだ」
「このサザンクロスより華麗できらびやかな街を…」(シン)
「俺ならば出来る、お前がいてくれれば出来る」
「ユリア…」(シン)
「ユリア…やはり答えてはくれぬのか?」
「心を開いてはくれぬのか?」(シン)
「シン。貴様に会うために、地獄の底から這い上がってきたぜ」(ケンシロウ)
「ケンシロウ、久しぶりだな」(シン)
「ユリアはどこだ?」(ケンシロウ)
「自分で見に来たらどうだ」(シン)
「忘れてもいい」
「生きていてくれただけで…」(ケンシロウ)
「ケンシロウ、お前は俺に敗れた男」
「何度やっても同じことだ」(シン)
「だが己の愛した女の前で切り刻まれるのも面白かろう」(シン)
「逃げ足だけは速くなったな」
「だが貴様には俺の技を見切ることは出来ん」(シン)
「ケンシロウ、もう一度貴様をあの地獄へ突き落としてやる」(シン)
「や…やはりお前は、昔のケンシロウではないな」
「なぜ?」(シン)
「執念だ…」
「俺を変えたのは、貴様が教えた執念だ!」(ケンシロウ)
「今の俺には、お前など敵ではない」
「やめておけ」(ケンシロウ)
「貴様の執念など、たかが知れてるわ」(シン)
「シン、貴様の技は全て見切っている」
「貴様の負けだ」(ケンシロウ)
「俺様を見下したような台詞は吐くな!」(シン)
「安心しろ。秘孔は外してある」(ケンシロウ)
「たとえ物音1つ立てずに近づこうとも、俺の背後を取ることは出来ん」(ケンシロウ)
「た…確かに貴様の執念は見せてもらった」
「ならばその執念の元を断ってやろう」(シン)
「ユリア…死に顔までも美しい」(シン)
「この俺を倒しても、ユリアはもういない」
「これで貴様の執念も半減したというわけだ」(シン)
「シン…貴様だけは殺す!」(ケンシロウ)
「貴様の奥義を破ったのは…怒り!」
「執念に勝る、俺の怒りだ」(ケンシロウ)
「俺の命は、後どのくらいだ」(シン)
「ブラッディクロスの形に秘孔を突いた」
「お前の紋章を抱いて死ね」(ケンシロウ)
「(後) 3分だ」(ケンシロウ)
「そう…俺達の戦いは…まだ終わっていない」(シン)
「いない…ユリアはもう…いないんだ」
「俺とお前の戦いは、永遠に決着がつかないんだ」(シン)
「あなたは、また同じことを繰り返すのですか…」
「今までよりも、もっとひどいことを…」(ユリア)
「あなたは、わたくしの心が変わらない限り、同じことを続けるのですね」(ユリア)
「また罪もない人々が、何人も…死んでゆく」
「そんなこと、もうわたくしには…」(ユリア)
「ケン…あなたとの約束、守れなかった…」(ユリア)
「バカな…な…なぜ…なぜだ、なぜだ…」
「ユリアーーッ!」(シン)
「泣いた…生まれて初めて俺は泣いた」(シン)
「最後まで…とうとう最後までユリアの心をつかむことは出来なかった」
「ユリアの中には、いつでもお前がいたからだ」(シン)
「この街…ユリアのために築いたサザンクロスが」
「今では灰となってしまったサザンクロスが…」
「あいつの墓標になってしまった」(シン)
「見ろ! ユリアの墓標を、サザンクロスの街を」
「だがこんな街も富も権力も、全て虚しいだけだ」(シン)
「俺が欲しいものはたった1つ!」
「ユリアだぁぁぁーーー!!!」(シン)
「どうやらここまでのようだな」
「だがな、俺はお前の拳法では死なん!」(シン)
「ケンシロウ…さらばだ!」(シン)
「同じ女を、愛した男だから…」(ケンシロウ)
「さらば…宿敵(とも)よ」(ケンシロウ)
北斗の拳 第2部
→北斗の拳(第2部、26話)
→北斗の拳(第2部、31話)
→北斗の拳(第2部、36話)
→北斗の拳(第2部、42話)
→北斗の拳(第2部、46話)
→北斗の拳(第2部、51話)
→北斗の拳(第2部、56話)
23話
「もうその辺でやめておけ、ハイエナ野郎」(ケンシロウ)
「貴様がボスか?」
「これ以上やると死ぬことになる」
「こいつらを連れてさっさと消えろ」(ケンシロウ)
「もう花なんて…咲かないと思ってた」(リン)
「お見事、なかなかの腕ね」
「大抵の男はこれで額を割られているわ」(マミヤ)
「水が欲しければ自分達で掘れ」
「食い物が欲しければ畑を耕せ」(ケンシロウ)
「それをせず、略奪と殺しに明け暮れるハイエナ野郎」(ケンシロウ)
「武器を置いて立ち去れ」
「それとも死にたいのか」(ケンシロウ)
「死ね、悪党共」(ケンシロウ)
「迷い言は地獄で言え」
「お前はもう死んでいる」(ケンシロウ)
「そうかい。ではそいつ(食い物)をいただくとするか!」(レイ)
「女の格好をしていれば、貴様らのようなウジ虫がすぐ飛びついてきやがる」
「そんなお前らでも役に立つことはある」(レイ)
「それは…俺の所へ食い物を運んでくることだ」(レイ)
「俺か? 俺の名は…レイ」
「南斗水鳥拳のレイだ!」(レイ)
「(やめろ?) もう遅い」(レイ)
「(かわした奴はいない?) では俺が最初の男になってやろう」(レイ)
「俺の動きをとらえることは出来ん」(レイ)
「七つの傷の男!」
「俺はお前を殺すまで、たとえ泥をすすってでも生き延びる!」(レイ)
24話
「この花はね、あなた達の幸せな未来を示しているのよ」(マミヤ)
「この花が村いっぱいに咲くようになった時」
「悲しい思いをする子はもういなくなってるわ」(マミヤ)
「こんなに…こんなに水が…」
「髮を洗えるほど…」(リン)
「う~ん…(ケンは)あったかいの」(リン)
「美しい…盗賊達に渡すには惜しい」(レイ)
「次に死にたい奴、前に出ろ」(ケンシロウ)
「気が変わった」(レイ)
「奴等とお前とでは勝負は見えている」
「俺は強い方に寝返っただけだ」(レイ)
「俺は生きねばならん」
「胸に七つの傷の男を殺すまでは!」(レイ)
「俺のたった1つの目的だ」
「そのために人を裏切り、人を殺し、今日まで生き延びてきたのだ」(レイ)
25話
「助けに行くことは、私が許しません」
「表に出たら奴等の思うツボ」
「また犠牲者を増やすだけよ」(マミヤ)
「奴等に捕まったのはコウが無謀なことをしたからです」
「そんな男のために、巻き添えを食うことはありません!」(マミヤ)
「それは、コウも分かっているはず…」(マミヤ)
「弱い人間から先に死んでいく世の中」
「女の言ってることももっともだ」(レイ)
「いいえ、今は泣いてる時ではありません」
「私は、みんなの命を守る義務があります」(マミヤ)
「お父さん…お母さん…こんな戦いがいつまで続くのでしょうか?」
「私は…私は…人が言うほど…強い女じゃない」(マミヤ)
「お前はここから動かぬことだ」
「経絡秘孔の1つ”新伏免”を突いた」
「1歩でも動いたら…ボンッだ」(ケンシロウ)
「貴様らごとき、南斗聖拳の前にはゴミクズ同然」(レイ)
「わめいてないでさっさとかかってこい」
「雑魚が1000匹かかってこようと俺は倒せん」(レイ)
「よくしゃべる狼だ」(ケンシロウ)
「お互い、女の涙には弱いと見えるな」(レイ)
「(痛くもかゆくもない?) しかし、お前の命は後7秒だ」(ケンシロウ)
「もはや、アイリは殺されたかもしれん」
「だが、俺にはそうは思えない」(レイ)
「俺には見える、アイリの泣き顔が…」
「俺を呼ぶアイリの声が今も聞こえるんだ!」(レイ)
「悲しいプレゼントだ」(ケンシロウ)
26話
「(マミヤさん) でもどこか寂しそう」
「何かが違う、きっと何かを捨ててるんだわ」(リン)
「でも…戦うって不幸せなことなのよ」(マミヤ)
「お前が戦うことはない」
「お前は女だ」(レイ)
「私はとうに女を捨てたわ」(マミヤ)
「今のあなたの目の前に立っているのは、女ではない」
「この村を守るための、1人の戦士マミヤよ!」(マミヤ)
「女でなければ、胸を隠す必要などない」(レイ)
「いいか、女は自分の幸せだけ考えていればいいのだ」(レイ)
「女は戦闘服より、これがよく似合う」
「アイリが着けるはずだった、ケープ…」(レイ)
「いつの日か、お前にも純白のケープを贈ろう」(レイ)
「(ついて来る?) 死ぬぞ」(レイ)
「構いません!」(マミヤ)
「お前のような腰抜けが、七つの傷の男のはずはないな」
「死ねい!」(レイ)
「レイ…もし俺の胸にも七つの傷があるとしたら、どうする?」(ケンシロウ)
「何いっ!」(レイ)
「悪い冗談だ。俺は悪党共の中を生き抜いてきた男」
「目を見れば、そいつがどんな男か分かるつもりだ」(レイ)
27話
「寒い…とっても寒い」
「ケンがいない町。それがこんなに寒いなんて」(リン)
「ではそろそろ、化け物退治といくか」(ケンシロウ)
「北斗神拳は2000年にわたる一子相伝」
「お前の動きなど最初から見切っている」(ケンシロウ)
「ア…アイリ、俺が分からんのか!」(レイ)
「どれほど、むごい目に遭ったのか」
「彼女には、お前の声が届いていない」(ケンシロウ)
「そんな…そんな…」
「生きて兄さんに会えるなんて」(アイリ)
「兄さんに会えるのだったら…」
「私、希望を捨てるんじゃなかった」(アイリ)
28話
「俺はお前達を抹殺するために雇われた男だ」
「もしその娘を殺せば、百倍千倍にして返す!」(ケンシロウ)
「落ち着け、レイ」
「奴等の狙いはまず俺達のどちらかを殺すことだ」(ケンシロウ)
「奴の挑発に乗るな」
「南斗と北斗が戦ったら、どうなるか考えろ」(ケンシロウ)
「同じだ」
「俺もかつて1人の女のためだけに生きた」(ケンシロウ)
「俺は、ある男に俺の婚約者ユリアを奪われた」
「そのユリアをこの手に取り戻すためだけに俺は生きた」(ケンシロウ)
「だが…ユリアは既に死んでいた」
「そして、死闘の果てに残ったものは、例えようもない孤独だけだった」(ケンシロウ)
「俺は、お前とは戦いたくないだけだ」(ケンシロウ)
「お前といると、ふと昔を思い出す」
「お前はなぜか、平和な時代の懐かしい匂いがする」(レイ)
「だが、お前を倒さねばならん!」
「いくぞ!」(レイ)
「なぜだ! なぜ戦おうとせん?」
「仮にも南斗聖拳を極めたこの俺に、無防備の男を殺せと言うのか!」(レイ)
「やはり貴様が死ぬしかない!」(レイ)
「レイ。奥義を尽くさねば、この俺は倒せんぞ」(ケンシロウ)
「敵を欺き活路を開くのも我等が拳法の奥義!」(レイ)
「悪党共にルールは無用」
「お前は最初から死神に取り憑かれている」(ケンシロウ)
29話
「悪党、死すべし」(ケンシロウ)
「お前達のために多くの人々が苦しみ、そして死んだ」
「人の心を知らぬ悪党共、お前達に生きている資格はない」(ケンシロウ)
「汚えツラ近づけるな!」(ケンシロウ)
「悪党共! 俺が相手をしてやる!」(レイ)
「その(鋼鉄の)体、この鉄柱で試してやろう」(ケンシロウ)
「よほど俺の拳を味わいたいらしいな」(ケンシロウ)
「”大胸”という秘孔を突いた」
「お前の筋肉はもはやブヨブヨの脂肪だ」(ケンシロウ)
「貴様らはこの俺が生かしておかん!」(レイ)
「お前にかける情けはない」(ケンシロウ)
「お前の肉体は既に死に始めている」
「確実な死は5つ数え終わった時だ」
「念仏でも唱えろ!」(ケンシロウ)
「これで俺達の仕事も終わったというわけだ」(レイ)
「(これから?) アイリと、どこか静かな所で暮らすさ」(レイ)
「ケン。例えお前がアイリを連れ去った本人だと言っても、俺は信じない」
「それぐらい俺には分かる」(レイ)
「おいお前、俺の名を言ってみろ?」(ジャギ)
30話
「(頼み?) 例え命を寄越せと言われても拒まん」(レイ)
「今度の敵は恐らく身内…北斗神拳同士の戦いになる」(ケンシロウ)
「俺には3人の兄弟がいた」
「我が父リュウケンは男の子に恵まれず、4人の養子を取った」(ケンシロウ)
「だが、北斗神拳は一子相伝」
「奥義を伝えられるのは唯1人…」(ケンシロウ)
「そのため、兄弟の間に血で血を洗う多くの悲劇が起きてしまった」
「俺はこの手で、継承者争いの決着をつけねばならん」(ケンシロウ)
「今度こそ、生きて帰れぬかもしれん」(ケンシロウ)
「死ぬなよ」(レイ)
「追っても無駄…」
「あの人は、この服を見ても眉1つ動かさなかった」(マミヤ)
「あの人は…ケンの心の中には、今でもユリアさんの面影が生きている」
「その面影がある限り、あの人はあえて自分を戦いの中に…」(マミヤ)
「それほどこいつの名が知りたいか?」
「ならば教えてやろう」(ケンシロウ)
「こいつの名はジャギ」
「かつて、兄と呼んだ男だ」(ケンシロウ)
「どのような手を使おうと、要は勝てばいいのだ」(ジャギ)
「親父、見たか?」
「この通りケンシロウは、まだひよっこだ」(ジャギ)
「これでは北斗神拳を継ぐことは出来ん」
「継承者は俺と、早く決めたらどうだ」(ジャギ)
「いいか、ケンシロウ」
「お前が俺に勝つことなどあり得ん」
「絶対にあり得んのだ」(ジャギ)
「ケンシロウ、なぜわざと負けた?」
「義理とはいえ兄だからか?」(リュウケン)
「だがそのお前の優しさは、いずれ災いとなってお前に降りかかるであろう」
「特にジャギ、あの男はな」(リュウケン)
「北斗神拳は2000年の一子相伝」
「お前ごときが使えるほど甘くはない」(ケンシロウ)
「ジャギ! 俺は北斗神拳唯一の継承者として」
「必ずこの拳で決着をつける」(ケンシロウ)
「この世に兄より強え弟なんぞ、存在しねえ!」(ジャギ)
「ケンシロウ。2000年の永きにわたる無敵の暗殺拳」
「北斗神拳唯一の継承者の座、この俺がもらったぞ」(ジャギ)
31話
「ジャギ…貴様には、地獄すら生ぬるい!」(ケンシロウ)
「親父の言う通り、かつての俺の甘さが」
「今のこの事態を生んでしまったのか?」(ケンシロウ)
「この痛み…お前たち兄弟が受けた痛みとして…」
「必ずあの男に届けよう」(ケンシロウ)
「やめろ!」
「お前達が束になってもこの俺には勝てん」(ケンシロウ)
「この胸の傷の痛み、分かったか?」(ケンシロウ)
「よ~っく見ろ!」
「俺のこの姿がケンシロウへの憎しみの全てだ!」
「分かるかーーっ!」(ジャギ)
「場所を選べ」
「そこがお前の死に場所だ」(ケンシロウ)
32話
「相変わらずそんなもの(銃)に頼っているのか?」(ケンシロウ)
「早く死に場所を選べ」
「貴様は死すべき男だ」(ケンシロウ)
「ほざくな!」
「今の俺は昔の俺じゃあねえ!」(ジャギ)
「ここ(屋上)なら邪魔が入ることもない」
「これで心おきなく貴様を殺せるってわけだぜ」(ジャギ)
「どういう心境の変化だ」
「闇討ちが得意のお前が」(ケンシロウ)
「貴様あの時、俺に勝ったとでも思ってるのか?」
「思い出してみろ」
「あの時のこと、よ~く思い出せ」(ジャギ)
「分かっているのか、兄者達は?」
「北斗神拳は一子相伝、伝承できるのは唯1人」(ジャギ)
「俺は知っているぞ」
「伝承者争いに敗れた人間がどういう運命をたどるのか」(ジャギ)
「拳を封じられ、名乗ることも許されん」
「そのためある者は拳を潰され」
「またある者は記憶を完全に奪われた」(ジャギ)
「それが北斗神拳を目指し、そして敗れた者の」
「2000年の永きにわたって受け継がれてきた宿命なのだ!」(ジャギ)
「ふぬけたか、兄者達は!」
「だが俺は許さねえ、認めねえ!」(ジャギ)
「この俺の拳を俺より劣る弟に、潰されてたまるか」(ジャギ)
「奴ではケンシロウに勝てぬ」
「だが、ケンシロウはジャギを殺せまい」
「親父は伝承者を誤った」(ラオウ)
「2000年の北斗神拳も、もはやこれまで…」(ラオウ)
「よいな、ケンシロウ」
「北斗神拳が一子相伝である理由は、この拳法が無敵の暗殺拳であるからじゃ」(リュウケン)
「決して誤って使ってはならぬ」
「誤った人間が伝承すれば、この世は滅びるであろう」(リュウケン)
「なぜ含み針や銃を使う」
「どうして拳だけで戦おうとしない」(ケンシロウ)
「うるせえ!」
「俺は拳法だけが全てだとは思っちゃいねえんだ」
「要は強ければいいのよ」(ジャギ)
「どんな手を使おうが勝てばいいのよ」
「それが全てだ!」(ジャギ)
「この俺様が伝承者になれば」
「北斗神拳はますます強くなるんだ!」(ジャギ)
「行け。貴様に伝承者の資格はない」(ケンシロウ)
「バカめ、今が俺を殺す最後のチャンスだったんだ」
「それを逃した貴様の不運、思い知らせてやる」(ジャギ)
「いいかケンシロウ、殺してやる」
「必ず殺してやるからな!」(ジャギ)
「この矢が何か分かるか?」
「お前は、まだ年端もゆかぬ子供まで操り、俺を殺そうとした」(ケンシロウ)
「この矢には、その子供達の怒りと悲しみが込められている」(ケンシロウ)
「そんなクズ共の命など」
「この傷の痛みの比ではないわ」
「見るがいい」(ジャギ)
「この傷が痛むたびに」
「貴様への憎悪を燃やし募らせて生きて来たのだ」(ジャギ)
「ケンシロウ、覚悟しろ!」
「あの時は俺が足を滑らせたおかげで運良く勝てたが」
「今度は貴様が俺のようなツラになる番だぜ」(ジャギ)
「まだ気がつかないのか?」
「あれは足が滑ったのではない」
「既に俺が秘孔を突き、貴様の足の自由を奪っていたのだ」(ケンシロウ)
「だが、今は貴様を生かしておいた自分の甘さを後悔している」
「その悔いを今この場で断つ」(ケンシロウ)
「これから貴様に生き地獄を味わわせてやろう」(ジャギ)
「こんな物(銃)、もはや使うまでもないわ」
「今こそ己に、北斗神拳の真髄を見せてやるわ」(ジャギ)
「見ろ。この俺様の速い突きがかわせるか?」(ジャギ)
「(銃を)使え、無理をするな」(ケンシロウ)
「バカめ、勝てばいいんだ」
「何を使おうが勝ち残ればな」(ジャギ)
「(勝てばいい?) 銃で俺を殺せればな」(ケンシロウ)
「早く離さんと、指が引き金を引くぞ」(ケンシロウ)
「こ…この非情さ、この凄み」
「昔のケンシロウではないな」(ジャギ)
「俺は今日まで、無数の敵の血を流してきた」
「友とも呼べるライバル達…」
「その友たちの血が俺を変えた」(ケンシロウ)
「貴様の命も…ここまでだ」(ケンシロウ)
「なぜ俺がこのヘリポート(屋上)を選んだと思う?」
「俺にはガソリンという切り札があったのだ」(ジャギ)
「どこに逃げようとも炎が貴様を追い詰める」
「ここは地上200メートルだ」
「貴様はどこにへも逃げられん」(ジャギ)
「俺はこの顔の痛みを、いっときも忘れたことはなかった」
「今度はお前がその痛みを味わう番だ」(ジャギ)
「まだ分からんのか」
「死ぬのは貴様だ!」(ケンシロウ)
「貴様が黒焦げになる前に面白い話をしてやろう」
「貴様が友と呼んだシン」
「そのシンの魂を悪魔に売らせたのはな、この俺様よ」(ジャギ)
「ジャギ、俺の名前を言って見ろ」(ケンシロウ)
「今さら逃げても無駄だ」
「ここは、貴様が選んだ死に場所だ」(ケンシロウ)
「その通り、俺も昔のジャギではない」
「俺の北斗神拳は見切れても、南斗聖拳は見切れまい」
「今度こそ貴様のツラ、八つ裂きにしてやる」(ジャギ)
「そんなスローな南斗聖拳では、俺は殺せん」(ケンシロウ)
「貴様の謀略のために地獄を見た4人の怒りと悲しみ」
「じっくりと味わうがよい」(ケンシロウ)
「もはや北斗神拳の真髄すら忘れたか」
「怒りは肉体を、鋼鉄の鎧と化すことを!」(ケンシロウ)
「最後にこれは…貴様によって全てを失った、俺の…」
「俺の…この俺の怒りだーーっ!」(ケンシロウ)
「貴様には、その醜い死に様がふさわしい」
「あと数秒で、貴様の肉体は地上から消えうせる」
「終わりだ」(ケンシロウ)
「終わりだと? バカ言え!」
「これが貴様の地獄行きの始まりよ」(ジャギ)
「貴様にはまだ2人の兄がいることを忘れたか」
「貴様の地獄が目に見えるわ!」(ジャギ)
33話
「もし生きているなら、俺は会わねばならん」
「特にトキ、あなたには…」(ケンシロウ)
「手を離せ」
「死に急ぐこともあるまい」(ケンシロウ)
「北斗七星は死をつかさどる星」
「乱を呼ぶは、北斗神拳伝承者の宿命か」(レイ)
「私、ケンが心配なの」
「何か悪いことが起こりそうで…」
「私、ケンの所へ行きます」(リン)
「ケンシロウ。俺にはな、1つの夢があるんだ」
「この世には現代医学でも治せぬ病に苦しむ人々が何万といる」(トキ)
「しかし、人の体にはまだ神秘が隠されている」
「経絡秘孔は強く突けば肉体を内部から破壊する」
「逆に柔らかく押せば、体の自然な治癒力を促進させる」(トキ)
「俺は北斗神拳を拳法としてより」
「医学の1つとして生かしたい」(トキ)
34話
「人間を使っての実験…」
「あり得ない、俺は信じる」
「トキ、あなたを!」(ケンシロウ)
「食料は要らん」
「(勝負に)お前達の命を懸けてもらおう」(ケンシロウ)
「相手を見てケンカを売るべきだったな」(ケンシロウ)
「断る。俺は誰の命令も受けない」(ケンシロウ)
35話
「お前は…お前は、昔のトキではない!」(ケンシロウ)
「貴様…貴様!」
「貴様は断じてトキではない」(ケンシロウ)
「こ…これが、北斗の宿命か」
「逃れられない運命(さだめ)なのか」(ケンシロウ)
「ジャギだけではなく…」
「もう1人の兄までも倒さなくてはならぬのか」(ケンシロウ)
36話
「トキ、最後だ。せめて祈るがいい」(ケンシロウ)
「お前のために苦しみそして死んでいった」
「汚れなき村人達の叫びが俺には聞こえる」(ケンシロウ)
「トキ…北斗神拳の伝承者の名を背負い、今日まで戦い」
「そして生き抜いてきたこの俺の拳を受けるがいい」(ケンシロウ)
「心配するな、リン」
「ニセの北斗神拳などに、やられるようなケンシロウではない」(レイ)
「北斗神拳の正統伝承者が」
「お前ごときのニセ北斗神拳などで、本当に倒せると思っているのか?」(レイ)
「もし…もし本当のトキが俺を突いたのなら」
「いかに俺でも秘孔を破ることは出来なかったろう」(ケンシロウ)
「死ぬぞ」(トキ)
「誰かは知らぬが」
「生半可で覚えた拳法は使わぬことだ」(トキ)
「バカな奴だ」
「ケンの怒りに、わざわざ火をそそぐとは」(レイ)
「貴様は長く生き過ぎた」(ケンシロウ)
「北斗神拳の歴史は2000年!」
「貴様ごときに極められるような拳法ではない」(ケンシロウ)
「貴様の足は自分の意思と無関係に後ろへ進む」
「地獄まで自分の足で歩いて行けい」(ケンシロウ)
「安心して落ちろ」
「貴様などに殺されるトキではない」(ケンシロウ)
「俺には分かる」
「トキはどこかで、俺の来るのを待っている」(ケンシロウ)
37話
「トキ…本来なら彼が北斗神拳の伝承者になるべきはずの男だった」(ケンシロウ)
「技のキレ、流れ、速さ、心技体」
「どれをとっても非のうちどろこなく」
「あのジャギさえも認めていた」(ケンシロウ)
「だが、あの日…」(ケンシロウ)
「俺とユリアのために」
「そしてトキは、伝承者への道を断念した」(ケンシロウ)
「ケンシロウ」
「俺はこの先、人の命を助ける人間として生きる」(トキ)
「いずれは死ぬ体、それまでに何人の命を助けることが出来るか」
「それが、俺が生きていたという証しだ」(トキ)
「(マミヤ) あんたには、悪しき星が集まっている」
「待ち構える運命は死」(占い師)
「しかし運命に従うも運命、運命に逆らうも運命」
「万物を支配する星の定めさえも不変ではない」(占い師)
「古き星死せば、新しい星が生まれる」
「己の運命は己の手で切り開くのじゃ」(占い師)
「哀れな連中だ」
「俺達の待ち合わせの場所に現れるとは」(レイ)
「(人質を)殺してみろ」
「次の瞬間、貴様も死んでいる」(ケンシロウ)
「これも伝えておけ」
「この世に俺より強い奴はいないと」(ケンシロウ)
「帰れ」
「これは、俺自身の問題だ」(ケンシロウ)
「その報われぬ愛のために(鐘の音を)…」(レイ)
38話
「悲しい目だ」
「お前に、人は殺せん」(ケンシロウ)
「お前だけは、許さん!」(ケンシロウ)
「経絡秘孔の1つ”百会”を突いた」
「指を離して3秒後に、お前は爆発する」(ケンシロウ)
「ベラ…お前もまた、一子相伝の宿命を背負った人間」
「女ゆえに、悲しい」(ケンシロウ)
39話
「道を空けんと死ぬぞ」(ケンシロウ)
「この門は開けておけ」
「もはや二度と閉ざされることはない」(ケンシロウ)
40話
「俺に”無謀”という言葉はない」(ケンシロウ)
「その墓穴は大きめに作ってあるのか?」
「では、出来るだけ小さく畳んでやろう」(ケンシロウ)
「まだ分からんのか?」
「その墓にはいるのは…お前だ」(ケンシロウ)
「人の命をもてあそぶより」
「自分の命を心配したらどうだ?」(ケンシロウ)
「もしここで勝てぬようなら」
「この先ケンシロウを待ち受けている苦難にはしょせん耐えられぬ」(トキ)
「ここまでだ、ウイグル」
「お前の築き上げてきた全てのもの」
「カサンドラ伝説は、今消え失せる」(ケンシロウ)
「いいだろう。お遊びもここまでだ」(ケンシロウ)
「6本だ。この6本の指で、お前の”蒙古覇極道”を受けてやろう」(ケンシロウ)
「貴様の悪に彩られた、悲しみと絶望の伝説」
「今、俺の拳で打ち砕く」(ケンシロウ)
「墓穴が小さ過ぎたようだな」
「だが、じきにちょうどよくなる」(ケンシロウ)
「安心して…死ね」(ケンシロウ)
「悪党に、墓標は要らぬ」(ケンシロウ)
「また、墓標のない墓を増やすつもりか?」(ケンシロウ)
「よくやった、ケンシロウ」
「だがこれは、まだ地獄のほんの入り口に過ぎぬぞ」(トキ)
42話
「鎖につながれ恐怖に怯え」
「それで人と言えるのか」(ケンシロウ)
「悪魔に屈した時、人は人でなくなる」
「その場の状況に流され続けるつもりか」(ケンシロウ)
「人は、己自身のために戦うのだ」
「悪魔共、かかってこい!」(ケンシロウ)
「お前など、俺の敵ではない」
「貴様らに殺された人々の痛みを知れ!」(ケンシロウ)
「鬼達が、地獄で待っているぞ」(ケンシロウ)
「そんな芝居が通用すると思ったか」
「お前は本当のトキを…北斗神拳を知らん」(ケンシロウ)
「しかし遅かったようだな」
「ケンシロウはもうそこまで来ている」(トキ)
43話
「やってみるがいい」
「お前達にも、トキという男がよく分かるだろう」(ケンシロウ)
「北斗有情破顔拳」
「せめて痛みを知らずに死ぬがよい」(トキ)
「北斗有情破顔拳」
「この拳をかけられた者は」
「死ぬ間際に天国を感じる」(ケンシロウ)
「待っていたぞ、ケンシロウ」(トキ)
「(痩せた?) だが、まだ生きている」(トキ)
「俺の体では旅は出来ん」
「だから、あえて捕らわれの身となり待っていた」(トキ)
「お前の来るのを…信じてな」(トキ)
「安心して眠れ」
「悪の炎は俺が消す!」(ケンシロウ)
「ラオウ、確かに彼は強かった」
「いや、強すぎた…」
「そして彼の野望も…」(ケンシロウ)
「彼は北斗神拳2000年の暗殺者の掟など」
「眼中になかった」(ケンシロウ)
「彼こそ、失われた北斗の男だった」(ケンシロウ)
「(何に使う?) 知れたことを」
「己のためだ」(ラオウ)
「(何を目指す?) 天!」(ラオウ)
「この世に生を受けたからには」
「俺は全てをこの手に握る!」(ラオウ)
「ならば神とも戦うまで!」(ラオウ)
「2人の死は無駄にはしない」
「そして拳王に死を!」(ケンシロウ)
「お前らに今日を生きる資格はない」
「未来に目覚めよ!」(ケンシロウ)
「お前には、地獄の炎が似合っている」(ケンシロウ)
「乱を呼ぶ星…」
「宿命の星が出会ってしまった」(ラオウ)
「”北斗現るる所、乱あり”」
「天が乱を、そして俺を呼ぶ」(ラオウ)
44話
「ケンシロウ、虎は貴様を敵とは思わなかったようだな」
「貴様には、この俺と継承者を競う資格などない証拠だ」(ラオウ)
「いや、恐るべきはケンシロウ」
「奴の前では虎ですら死を覚悟した」(リュウケン)
「だが、ラオウの前では虎は死を恐怖した」
「ラオウの拳は暗殺拳とは言えない」(リュウケン)
「それにしても、なんという剛拳」
「お前は一体…」(リュウケン)
「”輔星”」
「北斗七星の横に、寄り添うように光る星」
「またの名を”死兆星”」(トキ)
「あの星が見える者には、その年のうちに死が訪れるというが…」
「あの星をこうして見つめる時が来ようとは…」(トキ)
「(ユリア?) 俺がこの世で愛した唯1人の女性だ」
「いや、俺だけではない。あのラオウも…」(トキ)
「ユリアは俺達の青春だった」
「そしてあの時から既に」
「ケンシロウとラオウは戦う運命にあったのかもしれん」(トキ)
「惜しい…」
「ケンシロウにくれてやるには、あまりにも惜しい」(ラオウ)
「ケンシロウを捨てろ!」
「そして今日からこの俺を愛するのだ」(ラオウ)
「女に目のくらんだ男の背後を取ることなど造作もない」(トキ)
「もしそれ以上の無謀を働くというのなら」
「ケンシロウに代わって私が相手をしよう」(トキ)
「まあいい」
「今お前と張り合う気はない」(ラオウ)
「だが覚えておけ」
「俺はこの手に全てを握る人間だということをな」(ラオウ)
「今日は北斗七星がよく見える」
「その脇で輝く小さな星までも」(レイ)
45話
「私達、希望を捨てちゃいけないの!」
「私はまだ小さくて何も出来ないけど…」
「希望がある!」(リン)
「アイリさんだけは、助けなくちゃ!」(リン)
「私、嫌です!」
「あなた達みたいに、弱い者いじめをしているような悪魔には」
「絶対に…絶対に従いません!」(リン)
「私は…悪魔には、従わない」(リン)
「例え、どんなことがあっても…」
「悪魔に負けたら、人間じゃなくなる」(リン)
「そう…そう、ケンが教えてくれたもん」(リン)
「人の皮をかぶった悪魔め」(レイ)
「レイ…大丈夫よ、アイリさんは無事よ」(リン)
「あ…あれ? 安心したら涙が…」
「どうしちゃったんだろう…」(リン)
「自分のことよりも、アイリの身を案ずるとは」
「まだ年端もゆかぬ子供なのに…」
「それを、こんな目に…」(レイ)
「この悪魔め!」
「許さねえ…てめえら! てめえら!」
「てめえらの血は、何色だぁーーっ!」(レイ)
46話
「死にたい奴からかかってこい」
「どうした? 遠慮するな!」(レイ)
「上手く化けたつもりだろうが」
「そう殺気立っていては犬でも分かるぞ」(ケンシロウ)
「その程度の変装で俺を騙せると思ったのか?」(ケンシロウ)
「(初めから?) 当たり前だ」
「お前のようなばあさんがいるか」(ケンシロウ)
「どこの世界にヒゲを生やした女がいる?」(ケンシロウ)
「真面目に変装する気があるなら」
「ヒゲぐらいきちんと剃るんだな」(ケンシロウ)
「私は戦う! 二度と逃げたりしない」(アイリ)
「あのあらがう術(すべ)を知らず、周囲の風に流され」
「人形のように生きることしか出来なかったアイリが…」(レイ)
「私は昨日までの私じゃない」
「リンちゃんに戦うことを教えてもらったの」(アイリ)
「リンちゃん、私も諦めたりしない」
「どんなことがあっても、明日を信じて戦うわ!」(アイリ)
「俺の弱点はなくなった」
「アイリは俺から離れた」(レイ)
「これからは自分の意思で生き」
「自分の意思で死んでいくだろう!」(レイ)
「つまらん芸だ」
「その程度の大道芸で、この俺と戦うつもりか?」(レイ)
「哀れな奴」(レイ)
「お前がレイか」
「”南斗水鳥拳”、楽しませてもらった」(ラオウ)
「ならば貴様にも、俺の真髄を教えてやろう」(レイ)
「心配するな」
「俺は戦うことでしか、ケンやお前に恩を返せない男だ」(レイ)
「ラオウの首は、俺が取る!」(レイ)
47話
「1つだけ聞こう」
「北斗七星の横にある星を貴様は見たことがあるか?」(ラオウ)
「ほう、あるのか」
「そうか、貴様は俺と戦う運命にあったらしい」(ラオウ)
「よかろう」
「どこからでもかかってくるがいい」(ラオウ)
「お前ごとき腕でこのわしを同じ地上に立たせようと思ったのか?」
「もはやこのわしを対等に地に立たせる男はおらぬわ」(ラオウ)
「ならばそこで馬ごと死ぬがいい!」(レイ)
「悲しい運命だ。貴様が見た星は死兆星」
「神は私との戦いを見抜いていた」(ラオウ)
「何? 奴は手綱を握ったまま」
「動いてはいなかったのか?」(レイ)
「では俺が見たのはなんだ?」
「俺には無数の拳の攻撃が見えた!」(レイ)
「真の奥義を極めその真髄を極めた者はその身に闘気をまとうことが出来る」(ラオウ)
「貴様が見たものは闘いの気迫、”闘気”だ」
「貴様はこのわしに近寄ることすら出来んのだ」(ラオウ)
「(ケンが来るまで待て?) ならば余計にラオウを倒しておかねばならん」(レイ)
「俺は一度、人間としての自分を捨てた男だ」
「アイリ。お前の救出のためだけに生き、世を呪い、時代を憎んだ」(レイ)
「だが俺はケンに出会った」
「トキに、そしてマミヤ…」
「リン、バット、お前達に」(レイ)
「お前達は、飢えて乾いた狼のような俺の心に安らぎを与えてくれた」
「俺は人間に戻ることが出来たんだ」(レイ)
「ラオウ、貴様をここで倒す!」(レイ)
「黙れ! 例えこの身が砕けようと」
「貴様を生かしてはおかん!」(レイ)
「俺は戦うことでしか、ケンやお前達に報えない男だ!」(レイ)
「南斗究極奥義・断己相殺拳」
「みんな、俺に力を貸してくれ!」(レイ)
「見切ったわ」
「貴様は死兆星を見た男だ」(ラオウ)
「ケンシロウ」
「その甘い性格でよく今日まで生き延びてきた」(ラオウ)
「それだけは褒めてやろう」
「だが情に流される者はいずれ必ず」
「こういう運命をたどる」(ラオウ)
「なぜ…なぜ俺を待たなかった」(ケンシロウ)
「この顔が、死に行く者の顔に見えるか?」
「大丈夫だ、リン」(ケンシロウ)
「確かにいい顔つきになった」
「だが甘さはまだ変わっていないようだな」(ラオウ)
「確かめてみるがいい」(ケンシロウ)
「お前にも1つ聞こう」
「貴様は北斗七星の脇に輝く蒼星を見たことがあるか?」(ラオウ)
「(ない?) では、まだわしと戦う時ではないということだ」(ラオウ)
「この血…俺は今日までこの血を闘志に変えて生きてきた」
「血は恐怖にならぬ」(ケンシロウ)
「俺は昔のケンシロウではない」
「貴様のオーラは、この俺の血が破る」(ケンシロウ)
「黒王号をこれほどおびえさせたのは貴様が初めて」
「ケンシロウ、貴様それほどのオーラをまとうほどになったか」(ラオウ)
「よかろう、望みどおり相手をしてやるわ」
「来い、ケンシロウ」
「貴様の成長、とくと見せてみよ」(ラオウ)
「(成長?) 死をもって見届けるがよい」(ケンシロウ)
「バカめ!」
「今が夜ならば貴様の目には、死兆星がハッキリ見えるわ」(ラオウ)
「馬上の不利を知れい!」(ケンシロウ)
「愚か者が。貴様、命を助けられたのがまだ分からんのか」(ラオウ)
「この矢だ…この矢を何者かが放たなければ」
「貴様は死んでいたのだ」(ラオウ)
「その男には3日間の命を与えた」(ラオウ)
「すぐに殺しては俺の恐怖は伝わらん」
「だが3日間命を与えられた者は死の恐怖に怯え、嘆き」
「そして悲しみ抜くのだ」(ラオウ)
「その恐怖はやがて伝説となり」
「そしてこの拳王の名を絶大にする」(ラオウ)
「分かったか、ケンシロウ」
「まだまだ貴様ごとき腕ではこの俺を」
「黒王号から降ろすことは出来ぬ」(ラオウ)
48話
「貴様はまだ己の拳の質を知らん」
「俺が恐れたのは唯1つ、トキの拳だけだ」(ラオウ)
「ケンシロウは今はまだラオウと戦う時ではない」(トキ)
「激流を制するのは静水」
「激流に対して激流で戦っても」
「飲み込まれ砕け散るだけだ」(トキ)
「激流に対しては静水」
「静かな水の流れだ」(トキ)
「お前は殺気が強すぎる」
「半人前の技では私は倒せん」(トキ)
「激流に逆らえば飲み込まれる」
「むしろ激流に身を任せ同化する」(トキ)
「俺は…負けん!」(ケンシロウ)
「ど…どうしても…どうしても戦うと言うのなら」
「これだけは胸に刻み込んでおけ」(レイ)
「お前は、生きねばならん」
「例え相打ちでも、それは負けと同じだ」(レイ)
「お前はこの時代に必要な男」
「リンやバット、いや全ての人々のために」
「お前は生き続けなければならんのだ!」(レイ)
「例え、99%勝ち目がなくとも」
「1%あれば戦うのが」
「北斗神拳伝承者としての宿命だ」(ケンシロウ)
「来い、ケンシロウ!」
「貴様の闘気など」
「しょせん小波に過ぎんことを教えてやるわあ!」(ラオウ)
「ケンシロウ、命は投げ捨てるものではない」(トキ)
「ケンシロウ。レイはやがて来る己の死すら忘れ」
「お前の身を案じている」(トキ)
「レイはお前に全ての夢を託しているのだ」
「男の心を無駄にしてはならん」(トキ)
「お前は生きて、この時代を見届けねばならんのだ」(トキ)
「お前には、残り1%の勝ち目もない」(トキ)
「ケンシロウ。お前に…あの子(リン)が殺せるか?」
「もしあの子を殺せるならば、お前はラオウに勝てる」(トキ)
「ケンシロウ。闘う気”闘気”とは非情の血によってのみ生まれるもの」(トキ)
「お前もシンやこのレイとの非情な戦いの末に」
「闘気をまとうことが出来た」(トキ)
「だが、ラオウとお前とでは非情さが違う」
「この男は、我等の育ての父リュウケンをもその非情な手にかけたのだ」(トキ)
「言ったはずだ、俺は”天を握る”と」
「北斗神拳を捨てる気なら」
「養子になど最初からならぬわ!」(ラオウ)
「俺は誰の命令も受けぬ!」
「たとえ神の命令でもな!」(ラオウ)
「では、恩師リュウケンを倒し」
「俺が最強の男となろう」(ラオウ)
「北斗七星がなぜ死をつかさどる星か教えてやろう」(リュウケン)
「人の動きの中には7つの死角があり」
「その死角をたどれば北斗七星の形になるのだ」(リュウケン)
「すなわち、北斗七星とは敵を封ずる死への道標」(リュウケン)
「神は俺に運を与えた」
「やはり神はこの俺と闘いたがっているのだ」(ラオウ)
「トキがここに現れた以上…」
「お前達と同じ地上に降り立たねばなるまい」(ラオウ)
「そしてお前達2人には、死あるのみ!」(ラオウ)
「下がっていろ、ケンシロウ」
「見ることもまた戦いだ」(トキ)
「私の拳、私の戦い方が」
「いずれ必ずお前の役に立つ時が来るだろう」(トキ)
「北斗神拳に2対1の戦いはない」
「例え相手を倒したとしても、それは勝利ではない。」(トキ)
「お前は北斗神拳の正統伝承者であることを忘れてはならん」(トキ)
「”ラオウ”ではない、”拳王”と呼べい!」
「今や天に届かんとするこの俺の拳、とくと見せてやるわ」(ラオウ)
「勝負あったな、トキ」
「リュウケンも貴様も、俺と対等の腕がありながら」
「老いと病に果てるのだ」(ラオウ)
「見ているのだ、ケンシロウ」
「私の死をお前の糧にするがよい」(トキ)
「この世でラオウを倒すことの出来るのは」
「お前しかいないのだ」(トキ)
「トキよ、貴様も死兆星を見たのであろう」
「だが、貴様の死への使者は病ではなく」
「この拳王だったのだ」(ラオウ)
49話
「北斗神拳…」
「一子相伝の北斗神拳2000年の歴史は」
「俺達が思うより遥かに崇高で重い」(レイ)
「それをトキは、死をもってケンに教えようとしている」(レイ)
「トキ、お前は己の信念に命を捨てる男」
「だがそれが一体なんになる?」(ラオウ)
「死ねば全ては無の世界」
「どんな死も汚れた痩せ犬と変わらぬ」(ラオウ)
「一子相伝がゆえに、過酷なる運命がつきまとう北斗神拳」
「私の死もその1つの試練」(トキ)
「私の死を糧とし、伝承者の道を歩むがよい」(トキ)
「やめろ…ラオウ、やめてくれ!」
「その女だけは…その女だけは殺さないでくれ!」(レイ)
「そうだ、マミヤは…マミヤは」
「俺に愛を教えてくれたたった1人の女だ!」(レイ)
「ありがとう、レイ」
「あなたのその気持ちだけで」
「私はこんな時代でも生きていてよかったと思う」(マミヤ)
「破ったのは、俺の肉体ではない」(ケンシロウ)
「あくまで人間として生きようとする」
「幼い汚れなき心」
「その心が秘孔を破ったのだ」(ケンシロウ)
「ラオウ、貴様が握るのは死兆星だ!」(ケンシロウ)
「ラオウ、貴様は己の命さえ握ることはない」(ケンシロウ)
「ケンシロウ…」
「ここを北斗神拳2000年の終焉の地としてくれるわ!」(ラオウ)
「技と肉体ではラオウが勝る」
「だが、トキの秘孔縛すら破ったケンの魂なら」
「もしかして…」(レイ)
「肉体を支配するのは魂」
「北斗神拳の奥義はそこにあるはず」(トキ)
「もう止めはせん」
「むしろケンシロウの戦いを見てみたい」(トキ)
「ケンシロウよ」
「この俺が自ら”拳王”と呼ぶ訳を」
「その体でとくと知るがよい」(ラオウ)
「ラオウの拳は、カサンドラで多くの拳法家からあらゆる拳の奥義を奪い」
「身につけた恐るべき拳」(トキ)
「だがケンシロウ」
「己の拳、己の魂を信じて闘うがよい」(トキ)
「互いに寸前で見切っている」(レイ)
「達人同士の闘いでは」
「相手の技を完全に見切ることは出来ぬ」(レイ)
「残された方法は」
「寸前で己の肉体を切らせ骨を断つのみ」(レイ)
「強くなったな…」(ラオウ)
「昔の…昔のラオウだったら倒せていたものを」(ケンシロウ)
「野望の帝王の元には」
「野望を持った部下しか集まらぬ」
「愚かな…」(レイ)
「もういい、これまでだ」
「これ以上戦えないことは自分が一番知っているはずだ」(トキ)
「ケンよ、今日が闘いの終わりではない」
「今日が、貴様と俺の闘いの始まりなのだ」(ラオウ)
「俺は天をつかむ男」
「俺は俺の帝国を築くまでは、決して死なん!」(ラオウ)
「お…俺は拳王!」
「拳王を決して膝など地につかぬ!」(ラオウ)
「部下は去り、残ったのはあの馬のみ」
「彼もまた孤独」(トキ)
「ケンシロウ、ラオウはまたきっと現れる」
「お前の闘いはまだ続く」(トキ)
50話
「なぜ…なぜなの?」
「血がたくさん流れた」
「いっぱい…とてもいっぱい」(リン)
「ねえバット、どうして?」
「なぜこんなに傷つき、血を流さなきゃいけないの?」(リン)
「仕方ないんだ、あの血は俺達が流すはずの血だ」
「俺達の代わりに、ケン達が血を流してるんだ」(バット)
「俺も…俺も、もっと強くて力があったら…」(バット)
「行くでない!」
「レイに残された命は3日」
「その間、レイの体は徐々に崩壊されていく」(トキ)
「その苦痛にゆがむ姿をあなただけには見せたくないはずだ」
「マミヤさん、あなただけには…」(トキ)
「(巻き込んだ?) いいんだ、後悔はしていない」
「いや、むしろ俺はお前に感謝している」(レイ)
「俺は世を憎み続け、すさんだ心で生きてきた」
「だがそんな時、お前に出会った」
「そしてリン、バット、マミヤに…」(レイ)
「こんな時代でも、まだ見捨てたもんじゃない」
「そう思うようになった」
「そして俺も人の心を取り戻すことが出来た」(レイ)
「後は…後は死に方だけの問題だ」
「死に方のな」(レイ)
「そう、薬の町」
「そこへ行けば、薬が手に入るかもしれない」(マミヤ)
「レイの命は、後3日…」
「命を助けてあげることが出来ないのなら」
「せめて…せめて体の苦痛を少しでも和らげてあげたい」(マミヤ)
「今の私には…それぐらいしか出来ない」(マミヤ)
「マミヤは俺のために」
「危険なメディスンシティーに1人で行った」
「俺が行かないでどうする」(レイ)
「(ケンの所?) 行くな!」
「これは俺がケジメをつけることだ」(レイ)
51話
「死ぬ者に名乗る名前などない」(ケンシロウ)
「誰かは知らぬが」
「そこにいる女にほんの少しでも傷をつけてみろ」
「俺が生かしてはおかぬ」(レイ)
「マミヤ、もう戦いは捨てろ」
「自分の手で、自らの未来を捨てることはないんだ」(レイ)
「あの男(ユダ)は私の未来を奪って」
「私に戦い続けることを宿命づけた」(マミヤ)
「この傷は…この傷は一生消えない」
「そして、心の中にも同じ傷が…」(マミヤ)
「お前達…俺は美しいか?」(ユダ)
「そう…俺は、この世で誰よりも強く」
「そして…美しい」(ユダ)
52話
「俺は、神がこの世に創り出した最も美しく」
「最も強い至上の男」(ユダ)
「その俺を愛する資格を与えられるのは」
「完璧に美しい者だけだ」(ユダ)
「わめけばわめくほど醜い」
「この宮殿から消え失せろ」(ユダ)
「お前は醜い」
「醜い女は砂漠の奥にでも住むがよい」(ユダ)
「捨ててこい」(ユダ)
「見て、リンちゃん」
「私の腕、こんなに硬くなっちゃった」
「まるで、男の人みたいに…」(マミヤ)
「女だ…やはりお前は女だ」
「ユダは俺が必ず倒してやる」(レイ)
「私は、あなたの愛に報いる資格はない」(マミヤ)
「ああ、俺は奴を…ユダを知っている」
「同じ南斗の男としてな」(レイ)
「俺の命は後2日」
「マミヤの愛など求めぬ」(レイ)
「ただ俺はマミヤのために死に」
「あの女の心の中で生きていたいのだ」(レイ)
「こんな時代だ、男達の命は短い」
「しかし女は子を産み、そして物語を語り継ぐ」
「勇ましかった男の、戦いの物語を!」(レイ)
「ユダ、俺の最後を飾るにふさわしい男」
「俺は奴を必ず倒す!」(レイ)
「しまった!」
「お…俺は忘れていた、あのことを!」(レイ)
「ユダは、南斗六星のうち”妖星”を持つ男」
「南斗六聖拳はそれぞれ星を持ち、宿命を背負っている」(レイ)
「ユダは”妖星”、妖かしの星」
「またの名を裏切りの星」(レイ)
「貴様ごとき、傷ついた左腕で十分だ」
「かかってこい」(ケンシロウ)
「経絡秘孔”頸中”から”下扶突”を突いた」
「命だけは助けてやる」
「お前も苦しみを味わってみろ」(ケンシロウ)
「わめくな」
「それでもレイの苦しみに比べれば、蚊が刺したようなものだ」(ケンシロウ)
「お前も自分の愚かしさを、じっくりかみしめるがいい」(ケンシロウ)
「俺の星は最も美しく輝く妖かしの星」(ユダ)
「人は裏切りの星と呼ぶがそうではない」
「”妖星”は天をも動かす美と知略の星なのだ」(ユダ)
「妖かしの星は、ケンシロウとレイの血を吸い」
「ますます美しく光り輝く」(ユダ)
「ケン…もう死兆星が落ちてきそうだ」(レイ)
53話
「武器はない。この体と拳だけだ」(ケンシロウ)
「俺も昔、愛する者を取り戻すため戦ったことがある」(ケンシロウ)
「経絡秘孔の1つ”黒詰”を突いた」
「しゃべればお前は楽になる」(ケンシロウ)
「この男達の目を見ろ」
「もし人質を殺せば、彼等の怒りはお前達を襲う」(ケンシロウ)
「そして、俺がお前達を許すわけにはいかん!」(ケンシロウ)
「ユダ。貴様のために過去を悔いている女のため」
「そして、俺の人生の決着をつけるため死んでもらう!」(レイ)
「お前が口を割るのは分かっていた」
「お前に本当のことを教えるほど俺は愚かではない」(ユダ)
「お前のおかげで、ケンシロウの技を見切ることも出来た」
「仇は俺が取ってやる」(ユダ)
「ごくろうだったな」
「心おきなく死んでいくがよい」(ユダ)
「裏切りではない」
「これは戦略というものだ」(ユダ)
「愚か者めが!」
「俺に勝てると思っているのか?」(ユダ)
「ケンシロウが腕1本なら俺は…」
「指1本で十分」(ユダ)
「レイ、ケンシロウ!」
「奴等は俺の帝国の生贄となるのだ!」(ユダ)
「またしてもユダに謀られた」
「だが俺達は見た」
「この悲しみの時代でも、1つぐらい報われる愛があってもいい」(レイ)
54話
「レイ、哀れな男よ」
「愛する女のために俺に立ち向かおうとしたお前の命も」
「いよいよ朽ち果てるか」(ユダ)
「だが俺はお前を死に際まであざ笑ってやる」(ユダ)
「レイ、お前を愛する女のそばでは死なせない」
「お前はマミヤに看取られることなく、独り寂しく死んでいくのだ」(ユダ)
「人のために生きる”義星”を持つ男、レイ」
「その”義星”が、ピエロの星であることを十分に思い知らせてやる」(ユダ)
「無念だ、このままユダを倒せずに死んでいくとは」(レイ)
「いや、まだ方法はある」
「ある秘孔を突くことで、少しだけ命を延ばすことが出来る」(トキ)
「だが…その秘孔を突けば、今とは比べものにならぬ激痛がお前を襲う」
「場合によっては苦痛で発狂してしまうかもしれない」(トキ)
「もう1つ、その苦痛から今すぐ逃れる方法もある」
「それは、マミヤさんから託された薬」
「これを飲めば、すぐ死ぬ」(トキ)
「選ぶがよい、誰にも強制は出来ん」
「決めるのはお前だ」(トキ)
「レイ…あなたはもう十分に戦ったわ」
「これ以上、私のために苦しむのはやめて」(マミヤ)
「俺は南斗六聖拳の1人、義に生きる星の男」
「俺がどっちを選ぶかは分かっているはずだ」(レイ)
「トキ、頼む」
「俺は少しでも生き延びたい、マミヤのために」
「ユダを倒すまでは…」(レイ)
「ラオウの突きの威力は、想像を超えている」
「だがやるだけのことはやった」(トキ)
「後は本人の意志の力だ」
「生きる執念が上回れば、レイは生き延びるだろう」(トキ)
「そんなに命を無駄にしたいか」(ケンシロウ)
「愚かな…お前を待っているのは死のみ」(ケンシロウ)
「マミヤ…運命(さだめ)に縛られたどこまでも悲しい女」
「俺の命、お前に捧げよう」(レイ)
55話
「とうに朽ち果てているはずのこの体」
「だが…今一度命の炎を注がれた俺に、もはや迷いも悔いもない」(レイ)
「ユダ…今度こそ貴様を…」(レイ)
「ケン、俺の最後の戦いだ」
「俺にもう後はない」(レイ)
「泣くな、アイリ」
「俺はもう思い残すことはない」(レイ)
「この悲しい時代に、友と呼べる男と巡り合い、そしてマミヤとも…」
「後はただ、ユダを倒すだけ」(レイ)
「(マミヤを呼ぶ?) いや、未練だ」(レイ)
「俺は奴の力を恐れていたわけではない」(ユダ)
「俺は輝ける妖かしの星の男、奴に負けるはずはない」
「ただ…俺の手でトドメを刺してやろうと思ってな」(ユダ)
「レイ…お前の墓は俺が作ってやろう」(ユダ)
「あの日から、私は女の感情を捨てた」
「いいえ、捨てたつもりでした」(マミヤ)
「でも、今私のために残り少ない命を投げ出し、戦ってくれる人がいる」
「私は…私はどうしたらいいのか分からない」(マミヤ)
「マミヤ、お前も死兆星が見えるらしいな」
「その死の鍵を握るのは俺だ」(ユダ)
「どうやらお前たち親子は俺の手にかかる運命だったらしい」(ユダ)
「お前の血もまた、俺の体を美しく染めるだろう」(ユダ)
「俺がここに来たのは、哀れなお前を見物するためよ」
「そして、義の星の光を”妖星”の輝きをもって消し去るため」(ユダ)
「お前は哀れなピエロだ」
「たかが女1人のためにやつれ果て、残り少ない命さえ捧げようとするお前はな」(ユダ)
「しかもそれが、俺の紋章を刻まれ」
「死兆星をも見た明日なき女のためとはな」(ユダ)
「言いたいことはそれだけか」
「例え、マミヤが死にゆく運命(さだめ)にあろうとも、俺の気持ちは変わらん」(レイ)
「マミヤ、悲しい女よ」
「せめて、お前のために死んでゆく男が1人ぐらいいてもいい」(レイ)
「義の星は所詮ピエロの星」
「妖かしの星を一段と光り輝かせるクズ星に過ぎん」(ユダ)
「死ねい! 虫ケラのごとく!」(ユダ)
「お…俺の顔に傷がーーっ!」
「この美しい顔に傷がーーっ!」(ユダ)
「ユダ、”妖星”を二度と輝かせはせぬ!」(レイ)
「俺は、貴様を血祭りにあげる日を待っていた」
「あの…あの屈辱の日からーーっ!」(ユダ)
「なんたる不覚…」
「例え一瞬とはいえ、俺はレイの動きに魂を奪われた」(ユダ)
「生まれて初めて、他人を美しいと…」(ユダ)
「この屈辱は、決して忘れぬ」(ユダ)
「レイ、いずれこの手で最も醜く哀れな死をくれてやろう」(ユダ)
「分かったか、義の星が”妖星”より美しく輝くことはあり得ん」
「そのことを、今日こそ思い知らせてやろう」(ユダ)
「死ぬのはお前だ」
「来い、ユダ」(レイ)
「俺を支えているものは、マミヤへの愛」
「この熱き思い、愛を知らぬお前には分かるまい」(レイ)
「貴様もこれで終わりだ」
「ユダ。”妖星”は今日、地獄の闇に落ちる!」(レイ)
「俺様の星は、美と知性に輝く星」
「なんの戦略も持たずここに来たと思うか?」(ユダ)
「聞こえるぞ」
「もうすぐ貴様は地獄を見る」(ユダ)
「南斗水鳥拳の奥義は、その華麗な足の動きにある」
「その下半身の動きを封じられた今、貴様は羽をもがれた水鳥」(ユダ)
「この俺の手で醜く死ぬのだ」(ユダ)
56話
「南斗紅鶴拳奥義・伝衝裂波!」
「ようやく貴様を醜く切り刻む時が来た」
「俺が1歩近づくごとに深く切り裂く」(ユダ)
「切れろ、切れろ、切れろ、切れろーーっ!」(ユダ)
「義の星のレイ、哀れなピエロよ」
「女1人救うことも出来なかったな」(ユダ)
「後1歩…後1歩でお前の最後だ!」(ユダ)
「南斗水鳥拳奥義・飛翔白麗!」
「ユダ、お前には俺を倒せない」(レイ)
「不覚…またしても、俺は貴様の拳に魂を奪われてしまった」(ユダ)
「だが…だが…俺はこんな死に方はせん」
「こんな死に方はな!」(ユダ)
「レイ…俺より強く、美しい男よ」(ユダ)
「レ…レイ、俺の心の中には、いつもお前がいた」(ユダ)
「俺は、ずっと幻影を追っていた」
「お前を…そして美しい南斗水鳥拳の舞を」(ユダ)
「だが、とうとう俺はお前を超えることが出来なかった」
「最後の最後まで、幻影を突き放すことが出来なかった」(ユダ)
「俺が心から美しいと認めてしまったもの、その前では俺は何も出来ない」
「それが俺の弱さ」(ユダ)
「俺が、お前に心ひかれた時から」
「妖かしの星は義の星により、その光を消す運命にあったのだ」(ユダ)
「レイ…俺が唯1人認めた男」
「この世で最も強く美しい男」(ユダ)
「せめて、その胸の中で死にたい…」(ユダ)
「ユダ、お前もまた孤独な拳士」
「だが俺もすぐに行く」(レイ)
「さらばだ。南斗六聖拳・紅鶴拳」
「妖かしの星ユダ」(レイ)
「なぜ、2人は血を流し合わなきゃならないの」(リン)
「とうとう俺にも最期の時が来たらしい」(レイ)
「マミヤ…いいか、死兆星が頭上に落ちる日まで精一杯生きろ」(レイ)
「例え一瞬でもいい、女として生きろ」
「女の幸せを求めるのだ」(レイ)
「さらばだ」(レイ)
「来るな!」
「来てはならん」(レイ)
「俺は…お前にだけは俺の砕けていく無様な死に方を見せたくない」(レイ)
「マミヤ、幸せにな」(レイ)
「ケン、生き続けろ、死ぬなよ」(レイ)
「今の時代、この不幸な時代にお前の北斗神拳が必要なのだ」
「涙を笑顔に変えるために」(レイ)
「アイリ、先に逝く兄を許せ」(レイ)
57話
「なすべきことは全てなした」
「俺は南斗六聖拳、義の星の男」(レイ)
「義の星は人のために生き、人のために死ぬ」
「悔いはない」(レイ)
「レイ…お前の生き様、忘れはせぬ」
「お前もまた、シンと同じように俺の中に生き続ける」(ケンシロウ)
「星が…”輔星”が見えない」
「死兆星が消えた…」(マミヤ)
「南斗六聖拳、義の星の男レイ」
「お前の伝説は…永遠に消えない」(ケンシロウ)
「さらば、レイ」(ケンシロウ)
北斗の拳 第3部
→北斗の拳(第3部、61話)
→北斗の拳(第3部、66話)
→北斗の拳(第3部、71話)
→北斗の拳(第3部、76話)
58話
「トキ、何かが…何かが俺を呼んでいる」(ケンシロウ)
「お前を呼んでいるのは宿命だ」(トキ)
「俺には戦いの荒野が待っている」(ケンシロウ)
「俺の望みはそんなちっぽけなものではない」
「この世紀末の世の全てをこの手に握りしめること」(サウザー)
「俺は聖帝サウザー」
「あの拳王ラオウでさえ、俺との戦いを避けた」(サウザー)
「兵を進めよ、大地を奪い尽くせ」
「我が聖帝の旗を、全ての地になびかせよ!」(サウザー)
「どうした? 震えているようだな」
「お前達みたいな奴等は脅すに限る」(ケンシロウ)
「(聖帝正規軍?) 知らんな」
「俺には弱い者イジメのゴロツキにしか見えん」(ケンシロウ)
「不幸な時代だ、悲しき兵士達よ」(ケンシロウ)
「聖帝サウザー、お前が新しい敵か」(ケンシロウ)
「情けのために動けぬか?」
「ならばその元を断ち切ってやろう」(サウザー)
「お前達だけでも逃げられたものを」
「情けがあるから無駄に命を捨てることになる」(サウザー)
「俺の星は”将星”」
「南斗十字星、生まれついての帝王の星」
「帝王に、愛も情けも要らぬ」(サウザー)
59話
「今、俺には休息が必要だ」
「ケンシロウとの戦いの傷を癒やさねばならぬ」(ラオウ)
「だが、俺は必ず帰ってくる」
「サウザーよ、今のうちに走るがよいわ」(ラオウ)
「聖帝サウザー」
「汚れなき子供達までを…」(ケンシロウ)
「(目は見えない) されど心の目は開いておる」
「私の名はシュウ、南斗白鷺拳のシュウだ」(シュウ)
「そう、私も乱世に散り、己の星の宿命に生きる南斗六聖拳の1人だ」(シュウ)
「”南斗乱れる時、北斗現れり”」
「六星が乱れた時から私とお前は戦う運命(さだめ)にあったのだ」(シュウ)
「俺を倒そうという人間には、全てこの拳で答えるのみ」(ケンシロウ)
「ならば我が拳の恐ろしさ、その体で知るがよい」(シュウ)
「目は見えぬが心は読める」
「私にはお前の拳に対する恐怖はない」(シュウ)
「恐怖は気配を作り、敵に容易に間合いをつかませてしまう」(シュウ)
「俺は死なん」
「誓いを交わした友のためにも」(ケンシロウ)
「改めて誓おう」
「俺はこの時代を生き抜き、この世紀末に光を呼び戻す」(ケンシロウ)
「だがこの私を倒さぬことには光は戻らぬ」(シュウ)
「お前達は、北斗神拳が何故一子相伝の最強の拳法かを知らぬ」
「それを今、教えてやろう」(ケンシロウ)
「北斗神拳奥義・水影心」
「北斗神拳は、一度戦った相手の拳を己の分身と出来る」(ケンシロウ)
「甘いな、なぜ今の一撃でトドメを刺さん」(シュウ)
「ならば聞こう。お前の技にはなぜ殺気がない?」(ケンシロウ)
「強い。レイが己を懸けたのがよく分かる」(シュウ)
「すまぬ。命を懸けねばあなたの力を知ることが出来なかった」(シュウ)
「私はレイの親友、仁の星シュウ」
「待っていた。ケンシロウ、あなたの来るのを」(シュウ)
「聖帝サウザーを倒せる唯一の男、北斗神拳の継承者を」(シュウ)
60話
「サウザーに伝えろ」
「十字陵を造るのなら、自らの汗を流せ」
「力なき子供達を恐怖で支配し働かせるなと」(ケンシロウ)
「お前達など、俺1人で十分だ」(ケンシロウ)
「なんの得にもならんだと?」
「今より輝こうとする子供達の光を奪うことなど、絶対に許せんだけだ!」(シュウ)
「ありがとう、10人目の相手があなたでよかった」
「拳法の厳しさを、教えてもらいました」(ケンシロウ、子供時代)
「ダメだ!」
「この少年は殺させぬ」(シュウ)
「私は感じた」
「この少年は誰よりも強く、激しく光る可能性を秘めている」
「その輝きを止めてしまう権利は、誰にもない!」(シュウ)
「ただで命をくれとは言わん」
「代わりに…俺の光をくれてやる」
「これで文句はなかろう」(シュウ)
「忘れていたわ」
「奴は南斗六星、仁の星の男」
「広く愛を施し、未来の希望に生きる宿命の星」(サウザー)
「それにしてもあの小僧」
「シュウのくすぶっていた仁の星の宿命を目覚めさせるとは…」(サウザー)
「ケンシロウ、気にすることはない」
「目が見えぬ代わりに心が開いた、全てが手に取るように分かる」
「これも仁の星の宿命だったのだ」(シュウ)
「私は間違っていなかった」
「私が失った光よりも、お前は強く激しく光り始めた」(シュウ)
61話
「そう、これ(子供達)が私の戦う理由だ」(シュウ)
「その辺でやめておけ、弱い者イジメは」(ケンシロウ)
「(演技?) お前の顔に、嘘と書いてある」(ケンシロウ)
62話
「他の五星は、将星の衛星に過ぎん」
「南斗聖拳では、サウザーを倒すことは出来んのだ」(シュウ)
「聖帝との戦いで死んでいった子供達(の墓)だ」
「光を失ったこの目にも、涙だけは枯れぬ」(シュウ)
「お前が一番、邪魔なんだ」(ケンシロウ)
「お前の行進も、ここで終わりだ」(ケンシロウ)
「でかい口をきくようになったな、小僧」(サウザー)
「(南斗双斬拳?) 面白い見世物だな」
「もう一度やってみろ」(ケンシロウ)
「経絡秘孔の1つ”児鳩胸”を突いた」
「お前達の目が遠近感を失ったことに気がつかなかったのか?」(ケンシロウ)
「確かに強くなった」
「どうやらシュウが惚れた素質が目覚めたようだな」(サウザー)
「だが、果たしてこの俺を倒すことが出来るかな」(サウザー)
「まだ早い…まだ早い!」
「奴ではサウザーに勝てぬ!」(ラオウ)
「俺は南斗聖拳最強の拳法、南斗鳳凰拳を身につけた男」
「俺は聖帝、愛も情けも要らぬ」(サウザー)
「俺の体には生まれながらに帝王の血が流れているのだ」
「かかってくるがいい」(サウザー)
「俺の拳、南斗鳳凰拳に構えはない」(サウザー)
「構えとは防御の型」
「我が拳にあるのは、ただ制圧前進のみ」
「それが帝王の拳なのだ」(サウザー)
「来ぬのならこちらから行くぞ」(サウザー)
「よくぞ極星十字拳をかわした」
「だが俺の拳の前では、お前の動きなど止まって見えるわ」(サウザー)
「それはどうかな?」
「お前の拳は既に見切った」(ケンシロウ)
「確かにケンシロウは、一度相手の拳を見ればその拳を見切れる」
「力はサウザーより上かもしれぬ。だが!」(ラオウ)
「ある謎を解かぬことにはケンシロウは勝てぬ」
「その謎こそ、わしがサウザーとの戦いを決しなかった理由なのだ!」(ラオウ)
「秘孔の中で最も破壊力をもつ必殺の秘孔”人中極”を突いた」
「貴様の命は後3秒だ」(ケンシロウ)
「3秒…」
「面白い。ならばその3秒、俺が数えてやろう」(サウザー)
「バカな!? 確かに秘孔は突いたはず」(ケンシロウ)
「この体には北斗神拳は効かぬ」(サウザー)
「俺の体は生まれついての帝王の体」
「誰も俺を倒すことは出来んのだ」(サウザー)
63話
「俺は帝王。貴様らとは全てが違う」(サウザー)
「拳の速さ、寸分狂わぬ秘孔への突き」
「さすが北斗神拳正統継承者」
「拳の勝負ではお前の勝ちかもしれぬ」(サウザー)
「だが、貴様はこの体に流れる帝王の血に負けたのだ」(サウザー)
「本当のこと言って!」
「たとえどんなことがあっても、私達はケンを信じています」(リン)
「ケンは…ケンはきっと帰ってくると」
「決して死んだりしない!」(リン)
「もし…もしケンが死んだりしたら、私達の希望がなくなってしまう」
「ケンはそんなこと、絶対しない!」(リン)
「ケンシロウ、生きていてくれ」
「あの子達のためにも」(シュウ)
「父上、お願いがあります!」
「ケンシロウさんを救い出す役目、僕にやらせて下さい!」(シバ)
「シバ…私は南斗白鷺拳伝承者でありながら、息子のお前に拳法を教えようとしなかった」
「なぜだか分かるか?」(シュウ)
「私が背負っている仁の星の宿命を、お前にまで背負わせたくなかったからだ」(シュウ)
「子を思う愚かな親心と笑うがいい」
「しかし私の星、仁の星とはそれほど悲しい宿命を持っているのだ」(シュウ)
「だが、シバよ」
「仁の星の血はお前の体にも立派に流れていたようだ」(シュウ)
「お前の顔をさわらせてくれ」
「目には見えぬが、お前の顔はよく分かる」
「お前の面差しは母親にそっくりだ」(シュウ)
「さあ、行け。行っておのが星の道を極めよ!」(シュウ)
「もはや再び会うことはないかもしれぬ」
「これも仁の星の宿命、しかし子供にはむごすぎる運命(さだめ)」
「死ぬな、シバ!」(シュウ)
「待っておれ、ケンシロウ」
「北斗神拳継承者であるお前を人柱にすれば」
「我が南斗聖拳・聖帝十字陵はいよいよ光り輝く」(サウザー)
「(なぜ?) リンやバットや父があなたを信じているように」
「私もあなたを信じているからです」(シバ)
「聖帝サウザーを倒せるのは、この世で唯1人あなただと」
「この世紀末の救世主だと」(シバ)
「あなたが生きている限り、希望の火は消えません」
「父と同じ仁の星の宿命を受けた僕は、そのために命も懸けます」
「それが僕の務めです」(シバ)
「ケンシロウさん、生きて下さい」
「生きて、希望の光を灯し続けて下さい」
「さようなら」(シバ)
「シバ、この俺のために…」
「俺は…俺は、シュウだけでなく、その子にまで命を助けられた」(ケンシロウ)
64話
「(シュウ) すまぬ。俺には、言葉すら見つからん」(ケンシロウ)
「褒めてやってくれ」
「私も今、我が息子シバを褒めていたところだ」(シュウ)
「お前は何も気にする必要はない」
「シバにも、仁の星の血が流れていた」
「私は、シバを誇りに思っている」(シュウ)
「情けをかけるな!」
「聖帝サウザーに逆らう者は、降伏すら許さぬ」(サウザー)
「よいか、リン、バット。ケンが目覚めたら伝えてくれ」
「この拳に、私やそして不幸な時代に生きる子供達の悲願が懸かっていることを」(シュウ)
「初めて会った時のお前はシバと同じぐらいの年であったろうか」
「ケンシロウ、一目でもお前の成長した姿を目の当たりに見たかった」(シュウ)
「たとえこの身は死すとも、我ら親子は、南斗の星となりお前を見ているぞ」
「ケンシロウ、頼む」(シュウ)
「シュウ、死なないで」
「どんなことがあっても、絶対死んじゃダメ」
「死んじゃダメよ、シュウ」(リン)
「大丈夫だ、リン」
「お前の涙が、私をいっそう強くするだろう」(シュウ)
「ついに出てきたか、ドブネズミのリーダーめ」
「だがお前に俺は倒せない」(サウザー)
「俺の星は”極星”」
「他の星は俺の周りを回る惑星に過ぎぬ」(サウザー)
「たとえ貴様を倒せなくとも、阿修羅となって戦おう」
「この命尽きるまで」(シュウ)
「敵の動きを知るのは目でも耳でもない」
「私は心で気配を見切る」(シュウ)
「惜しいな」(サウザー)
「さあ、もう一度突いてみろ」
「貴様に100人の人質の命を見捨てることが出来るかな?」(サウザー)
「さあ、突くなら突け! 俺は抵抗せぬ」
「この俺を倒すことが貴様の悲願」(サウザー)
「ケンシロウですら敵わなかったこの俺を倒せるのだ」
「二度とないチャンスだ」(サウザー)
「仁の星とは悲しい星だな」(サウザー)
「南斗白鷺拳の奥義は足技にある」
「貴様の足の筋を斬った」
「これでお前の拳法は二度と使えまい」(サウザー)
「帝王を支えているのは情けではない!」
「俺は蟻の反逆も許さぬ」
「一度でも俺に逆らった者は皆殺しだ」(サウザー)
「シュウ。仁の星がいかに輝こうとも貴様1人の力では」
「人を助け世を救うことなど出来ぬのだ」(サウザー)
「ケンシロウ。聞け、我が魂の叫びを!」(シュウ)
「シュウが…シュウが俺を呼んでいる」
「俺を呼んでいる、俺を呼んでいる!」
「シュウが呼んでいる!」(ケンシロウ)
65話
「誰も、今のケンを止めることは出来ない」
「あの胸の傷も、流れる血でさえも」(バット)
「皮肉なことだな、シュウ」
「この俺に反旗をひるがえしてきた貴様も俺の足元にひれ伏した」(サウザー)
「そして貴様の手で、この聖帝十字陵を完成させるのだ」(サウザー)
「この聖碑を頂上まで運んでもらおうか」
「無論、貴様1人でな」(サウザー)
「バカめ。なぜ死に急ぐ、ケンシロウ」
「まだサウザーの体の謎を解いてはおるまい」(ラオウ)
「ケンシロウの命運も、もはやこれまでか」(ラオウ)
「私には見えた」
「南斗の星が乱れ、そして北斗の星が集まるのが」(トキ)
「”南斗乱るる時、北斗現れり”」
「ケンシロウは必ずサウザーの所へ現れるだろう」(トキ)
「私には、ぜひともケンシロウに伝えねばならぬことがある」(トキ)
「さあ、行け!」
「南斗聖拳と極星の帝王、サウザーの威を讃える聖帝十字陵」
「その頂上の石を積むのだ!」(サウザー)
「よいか、その聖碑を落としてはならぬ」
「落とせばガキ共は皆殺しだ!」(サウザー)
「いずれケンシロウは現れよう」
「その時こそ、北斗神拳の伝承者を人柱に」
「聖帝十字陵は盤石のものとなるのだ!」(サウザー)
「聖帝十字陵の最後の頂は、南斗聖拳の伝承者によって築かれねば点睛を欠く」
「シュウ、この俺に最後まで逆らった貴様の手により十字陵は完成する」(サウザー)
「なんと皮肉なことよ」
「貴様はこの俺に屈したのだ」(サウザー)
「シュウ! その頂は十字陵の聖碑、地につけてはならぬ」
「もし地に落とせば、人質の血で償ってもらう!」(サウザー)
「心配するでない」
「この岩をお前達の命と思えば重くない」(シュウ)
「たとえ力尽きようとも、この私の魂で支えてみせよう!」(シュウ)
「皆も聞くがよい! 今動くことはない」
「お前達の中にある心が…心が動いただけで十分だ」(シュウ)
「強く生きよ、我が息子達」(シュウ)
「せいぜい嘆き悲しむがよい」
「俺には見える」
「お前達の悲しみが野を駆け巡り、ケンシロウを再び俺の元へ呼び戻すのが」(サウザー)
「そして、奴は俺の体の謎の前に倒されるのだ」(サウザー)
「(なぜ?) 星が私を導いた」
「ケンシロウのために、道を開いておけということか」(トキ)
「回復を測る稽古台にもならぬわ」(ラオウ)
「ほう…サウザーめ、よく仕込んであるわ」
「しかし愚かなことよ」(ラオウ)
「仁の星の涙が、北斗を呼ぶ」(ケンシロウ)
66話
「道を空けるがよい」
「さもなくば私が相手になろう」(トキ)
「トキ、病は進んでもその拳は衰えを見せぬようだな」(ラオウ)
「(なぜ?) ケンシロウの最期を見届けるためよ」
「サウザーの謎を解かぬ限り、ケンシロウは死ぬ」(ラオウ)
「私はサウザーの謎を知っている」(トキ)
「ケンシロウを殺させはせぬ」
「彼にはまだなすべきことが残っている」(トキ)
「クズ共め、わしが手を汚すまでもないわ」(ラオウ)
「さあ、行こう。ケンシロウの元へ」
「彼の戦いを見届けに」(トキ)
「待っていたぞ。北斗神拳伝承者・ケンシロウ」(サウザー)
「失せろ、雑魚共に用はない」(ケンシロウ)
「道を空けるがよい」
「ケンシロウの道を阻む者は、この北斗の長兄と次兄が許さぬ」(トキ)
「”南斗乱るる時、北斗現れり”と言うが…ちょうどよい! 北斗三兄弟!」
「まとめて聖帝十字陵の礎にしてくれるわ」(サウザー)
「来るな! 来るでない!」
「私は、この聖碑を積まねばならぬ」(シュウ)
「この石は、100人の人質の命」
「そして南斗六聖拳の乱れを防ぎきれなかった、私の心の痛み」(シュウ)
「どこまでも愚かな奴よ」
「六星の乱れに責めを感じておるとはな」(サウザー)
「サウザーよ。この石を抱えたまま、この場で死ねと言うのか?」(シュウ)
「いかにも」(サウザー)
「よかろう! 貴様のためではない」
「散っていった南斗六星のため、死んでいった星の男達のため」
「せめて聖碑を積もう」(シュウ)
「しかし、この聖帝十字陵はいずれ崩れ去る」
「北斗神拳伝承者の手によって」(シュウ)
「それが南斗の宿命」
「南斗は、天帝の星として輝かぬ!」(シュウ)
「ただ積んだだけでは完成せぬ」
「南斗の血が漆喰となってこそ、十字陵はより堅固なものになるのだ」(サウザー)
「ケン…どうやら私の命もここまで…」
「一目見たかった、お前の成長した姿を…」(シュウ)
「ケンシロウか?」
「お前が、ケンシロウ。見える、な…なんということだ」
「神が…最後に1つだけ願いを叶えてくれた」(シュウ)
「たくましくなったな、ケンシロウ」
「お前には、我が息子シバの面影が見える」(シュウ)
「もはや悔いはない」
「私の仁の星の血は間違っていなかった」(シュウ)
「行け、ケンシロウ。そして時代を開け」
「私は、いつもお前を見ているぞ」(シュウ)
「シバが…待っている、妻も…」
「さらばだ、ケンシロウ」(シュウ)
「仁の星は最後に強く輝いた」
「さらばだ、シュウ」(トキ)
「みごとな最期だった」(ラオウ)
「俺の中で生きよ、仁の星の男」(ケンシロウ)
「サウザー!」
「貴様の髪の毛1本も、この世には…残さーーん!」(ケンシロウ)
67話
「ケンシロウ、その遠吠えが貴様の遺言となる」(サウザー)
「”南斗乱るる時、北斗現れり”と言う」
「ならば、お前と闘うが俺の宿命」(サウザー)
「今こそ、南斗屈辱の歴史に終止符を打つ時」
「南斗と北斗、2000年の争いに決着をつける時だ」(サウザー)
「兄達より先にこの墓に果てるがよい」(サウザー)
「サウザー! この石段はシュウの悲しみ」
「貴様が今まで重ねてきた罪の重さ、1歩1歩噛みしめて上ってくるがいい」(ケンシロウ)
「そうではない」
「この歩みは北斗神拳終焉への秒読み」(サウザー)
「手出しはならぬ」
「この闘いを邪魔する者は許さぬ!」(ラオウ)
「見るがいい! この子供を」
「シュウへの思いがこんな子供をすら血迷わせる」(サウザー)
「愛ゆえに、人は苦しまねばならん!」
「愛ゆえに、人は悲しまねばならん!」
「愛ゆえに!」(サウザー)
「みなしごだった俺は、南斗鳳凰拳の先代継承者オウガイに拾われた」
「子のなかったオウガイは、俺を実の子のように育てた」(サウザー)
「厳しい修行の日々ではあったが」
「それをつらいと思ったことは一度もなかった」(サウザー)
「俺はどんな厳しい修行にも耐えた」
「1つの技を体得した後、あの大きな手、大きな温もりに抱かれる喜びのために」(サウザー)
「そして、俺が15歳になった時…」(サウザー)
「南斗極星の拳・南斗鳳凰拳もまた一子相伝」
「新たなる継承者に倒されていくのも、我等が宿命」
「真の継承者への道に情けはないのだ」(オウガイ)
「わしに悔いはない」
「わしはお前の瞳の中に、極星・南斗十字星を見ていたのだ」(オウガイ)
「こんなに…こんなに悲しいのなら…こんなに苦しいのなら…」
「愛など…愛などいらぬーーっ!」(サウザー)
「俺はその時から愛を捨てた」
「いや、帝王の星が目覚めたのだ」(サウザー)
「帝王に愛などいらぬ」
「歯向かう者は、死あるのみ!」(サウザー)
「ならば俺は、愛のために戦おう」(ケンシロウ)
「ケンシロウ! お前は俺に敗れた男」
「何度挑もうが、北斗神拳ではこの聖帝を倒すことは出来んぞ」(サウザー)
「貴様は神が与えたこの聖帝サウザーの肉体の前に敗れ去るのだ!」(サウザー)
「滅びるがいい、お前の愛する愛と共に!」(サウザー)
「愛は滅びぬ」(ケンシロウ)
「せめてひと傷、貴様の体にシュウの拳を浴びせたかった」(ケンシロウ)
「だが貴様を倒すのはあくまでも乱世の拳、北斗神拳!」(ケンシロウ)
「愚かな男よ。どこまでも悲しみを引きずっていくつもりか」(サウザー)
「この遺体は我が師オウガイ」
「この聖帝十字陵は、偉大なる師オウガイへの俺の最後の心」(サウザー)
「そして、この俺の愛と情けの墓でもあるのだ!」(サウザー)
「俺は愛も情けも捨てた」
「悲しみを引きずる貴様の拳では、俺を傷つけることはできても」
「この俺の血を絶やすことは出来ん!」(サウザー)
「南斗の極星が天に輝く!」
「次に鳳凰拳の前に敗れ去るのは誰だ!」(サウザー)
「サウザー!」
「貴様の体の謎、見切った!」(ケンシロウ)
68話
「お前の鼓動と血の流れが、俺に謎を解かせた」(ケンシロウ)
「心臓の位置も逆、そして秘孔の位置も表裏・逆」
「それがお前の体の謎」(ケンシロウ)
「さすがに北斗神拳伝承者だな、ケンシロウ」
「だがそれだけで俺の謎をつかんだことにはならん」(サウザー)
「ならばこちらも南斗極星の拳の伝承者として」
「奥義を尽くさねばなるまい」(サウザー)
「帝王の拳・南斗鳳凰拳に構えはない」
「敵はおのずからひざまずく」(サウザー)
「だが対等の敵が現れた時、帝王自ら虚を捨て立ち向かわねばならん」
「すなわち”天翔十字鳳”、帝王の誇りを懸けた不敗の拳!」(サウザー)
「(奥義?) ならばその礼に応えてやろう」(ケンシロウ)
「天も宿命の対決に興奮しておるわ」(サウザー)
「天空に2つの極星は要らん!」(サウザー)
「天空の鳳凰は落ちぬ!」(サウザー)
「鋼鉄をも切り裂く俺の拳を受けて、その程度の傷で済むとはな」(サウザー)
「北斗神拳の真髄は闘気」
「闘気は肉体を鋼鉄以上に変える」(ケンシロウ)
「我が師オウガイよ」
「もうすぐあなたの聖帝十字陵は完成する」(サウザー)
「そして北斗神拳2000年の歴史も、ここで幕を下ろす」(サウザー)
「”南斗乱るる時、北斗現れり”」
「北斗の影に怯え、今日まで沈黙を強いられてきた南斗の先人達」
「だが、それも今日終わる」(サウザー)
「極星は1つ! 天に輝く天帝は南斗十字星!」
「この聖帝サウザーの将星なのだ!」(サウザー)
「”天破活殺”の奥義は闘気」
「すなわち闘う気迫をもって、触れずして秘孔を突くことにあり」
「将星、落ちるべし!」(ケンシロウ)
「ま…まだだ」
「た…たとえ我が秘孔が表裏逆と判明しても、正確には俺の秘孔の位置は分かるまい」
「南斗の将の体に傷をつけた罪、償ってもらうぞ!」(サウザー)
「その謎を覆う鎧、既に剥がれている」(ケンシロウ)
「経絡とは、いわば血の流れ、神経の流れ」
「秘孔とはその要」(ケンシロウ)
「もはや貴様は、帝王という鎧を剥がされた」
「ただの人間に過ぎん」(ケンシロウ)
「だが俺は、南斗聖拳最強の男」
「見ろ! たとえ秘孔が判明しようと、闘気だけで俺を倒すことは出来ぬ!」(サウザー)
「貴様に俺を倒す秘孔は突けぬ」
「天空を舞う羽と化す、南斗鳳凰拳に致命の拳を突き入れることは出来んのだ」(サウザー)
「”鳳凰すでに翔ばず”」
「貴様は翼をももがれたのだ」(ケンシロウ)
「俺は聖帝サウザー! 南斗六星の帝王」
「ひ…退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!」(サウザー)
「帝王に敗北はない!」(サウザー)
「き…貴様…苦痛を生まぬ有情拳を…」
「こ…この俺の死でさえ、情けで見送るのか」(サウザー)
「鳳凰の…聖帝の夢は、潰えたか…」(サウザー)
「さ…最後に、お前に聞きたいことがある」
「愛や情けは悲しみしか生まぬ」(サウザー)
「なのに、なぜ悲しみを背負おうとする?」
「なぜ苦しみを背負おうとする?」(サウザー)
「悲しみや苦しみだけではない」
「お前も温もりを覚えているはずだ」(ケンシロウ)
「温もり…」(サウザー)
「お前の命はもはやこれまで」
「一番死にたい所で死ぬがいい」(ケンシロウ)
「負けだ、完全に俺の負けだ」
「北斗神拳伝承者、相手に不足はなかった」(サウザー)
「オウガイ先生…」
「せ…先生…昔のように、もう一度温もりを…」(サウザー)
「悲しい男よ。誰よりも愛深きゆえに…」(ケンシロウ)
「シュウの仁の星も泣いている」(トキ)
「ケンシロウ…もはや私が手を貸す男ではない」(トキ)
「我が生涯の敵がまた1人…」(ラオウ)
「(どこへ?) 再び天へ」(ラオウ)
「トキ、いずれ貴様とも闘うことになろう」
「2人の敵、貴様とケンシロウを倒さぬ限り、天は握れぬ」(ラオウ)
69話
「傷は、まだ完全に癒えぬ…まだ!」
「だが俺は…拳王は必ず復活する!」
「乱世を支配するのは、この拳王だ!」(ラオウ)
「私は一生を子供達や病に苦しむ人々と共に終わるつもりだった」(トキ)
「だが…ケンシロウ、お前の戦いを見ているうちに考えが変わった」
「血が燃えるのだ。熱く、強く!」(トキ)
「私も一度は拳法を目指した男」
「その男の本能が私を突き動かす」(トキ)
「ラオウ…不憫な奴よ」
「まだ拳も野望も捨てられぬのか」(コウリュウ)
「ラオウ…お前の無念、この私が一番よく分かる」
「それゆえ…それだからこそお前の捨てられぬ拳、この私が封じよう」(コウリュウ)
「それも北斗2000年の掟」
「かつて継承者を目指した男の宿命」(コウリュウ)
「拳王復活の確かな証を!」(ラオウ)
「私も己の宿命に生きよう」(トキ)
「北斗神拳は一子相伝。あの男の拳を封じねばなるまい」
「我が生涯の敵、その名はラオウ!」(トキ)
70話
「我が傷の回復の度合いを測る相手、コウリュウ以外になし」(ラオウ)
「コウリュウ、すまんが命をもらう」(ラオウ)
「感謝してるの」
「果物食べるなんて久しぶりだもん」(リン)
「こんな大きな果物作るなんて、この村の人達の努力の積み重ねね」(リン)
「出来ることなら、この子達とずっと旅をしていたかった」
「だが私には宿命がある」(トキ)
「北斗2000年の掟を破った男、ラオウ」
「ラオウの拳、それを誰かが封じねばならぬ」(トキ)
「俺は拳王、拳法の覇道を行く男!」(ラオウ)
「よかろう、これもまた北斗の宿命」(コウリュウ)
「伝承者争いに破れ散っていった男達」
「お前も、その男達同様、ここで供養してやろう」(コウリュウ)
「ラオウ、お前は北斗2000年の闇に消えるべき男」(コウリュウ)
「ならば…俺は北斗の闇を光の中に浮かび上がらせよう!」(ラオウ)
「傷は癒えた!」
「拳王は死なず」(ラオウ)
「ラオウ、トキ、ケンシロウの三兄弟により、北斗神拳は今最強の時代」
「神はなぜ、同じ時代に3人の非凡な男を送り出したのだ」(コウリュウ)
「もし…もしも3人が別の時代に生きたのなら」
「各々が名に恥じぬ伝承者となったであろう」(コウリュウ)
「ケンシロウ」
「この私の病んだ体では、復活したラオウを倒せぬと言うのか」(トキ)
「よかろう、その目で確かめるがよい」
「私の病が拳をも蝕んでいるかを」(トキ)
「ケンシロウ、お前と闘うのは恐らくこれが最後であろう」
「拳法家として、男として、一度闘ってみたかった相手」(トキ)
「北斗神拳伝承者の拳、存分に味わおう」(トキ)
「トキ。俺が引かれ追い続けた」
「北斗2000年の歴史の中で最も華麗な技を持つ男」(ケンシロウ)
「見事だ、ケンシロウ。伝承者の拳、確かに味わった」(トキ)
「トキ、もし病に侵されていなければ…」(ケンシロウ)
「お前と互角に闘えたのは宿命の持つ力」
「今倒れてはならぬという宿命が、この病んだ体をも突き動かしているのだ」(トキ)
「私には逃れえぬ宿命がある」
「ケンシロウ、この魂はお前に残そう」
「そして、この肉体は…ラオウとの死闘に捨てよう」(トキ)
「同じ道を進めば、同じ宿命を背負う」
「真(まこと)の兄弟ならば、違う道を進むがよい」(ラオウ)
「北斗の掟は俺が守る」
「俺がラオウを倒す」(ケンシロウ)
「いや私には、どうしてもあの男を…ラオウを倒さねばならぬ理由があるのだ」
「私とラオウだけが知っている宿命が」(トキ)
「死兆星…私の死期は近い」
「ならば私も1人の拳士として、この生を全うしよう」(トキ)
「あの日、あの時、同じ日にリュウケンの養子となり」
「北斗神拳の道に踏み込んだのが、この宿命の始まりだ」(ラオウ)
「トキ…来るか、トキ!」
「トキーーッ!」(ラオウ)
71話
「やはりここに足が向いたか、トキ」(ラオウ)
「父と母が私達兄弟を引き合わせてくれたらしい」(トキ)
「ここの他にあなたと闘う場所はない」(トキ)
「泣くな、トキ」
「泣いても父や母は帰ってこん」(ラオウ)
「俺達は強く生きねばならん」
「そのために、俺達は今日まで拳法を学んできた」
「強い男になるんだ!」(ラオウ)
「俺達兄弟は誰にも負けん!」
「この世で一番強い兄弟であることを!」(ラオウ)
「私が養子の約束をしたのは1人」
「2人は要らん」(リュウケン)
「這い上がってこい!」
「這い上がってきた方を養子としよう」(リュウケン)
「強くなくては、北斗神拳伝承者への道は歩めぬわ!」(リュウケン)
「弟と一緒でなくては養子に行かん!」
「トキの面倒は俺が見る!」(ラオウ)
「この子…わしの想像を超える男になるかもしれん」(リュウケン)
「ラオウ。あなたは師父リュウケンの想像を超え、あまりにも強くなりすぎた」
「そしてその野望も!」(トキ)
「後悔せぬか?」(ラオウ)
「自ら望んで選んだ道、なんのためらいもない」(トキ)
「それでこそ我が弟、トキ」
「ならば互角の闘いが出来よう」(ラオウ)
「(止めることは)出来ぬ」
「2人の血の間には、誰も入ることは出来ぬ」(ケンシロウ)
「確かに迷いも見えぬ、怯えも見えぬ」
「死期が貴様の拳を高めたか?」(ラオウ)
「私の拳を高めたのは死期ではない」
「ラオウ、あなた自身の存在だ」(トキ)
「俺は負けん! 絶対にくじけん!」
「俺がくじけたら、お前も放り出される」
「そんなことは絶対にさせん」(ラオウ)
「それにな、俺は強くなりたいんだ」
「見てろよ、トキ」
「俺は必ずこの世で一番強い男になる」(ラオウ)
「そして、このラオウの名を天下に鳴り響かせてみせる!」(ラオウ)
「兄さんを超えたいから」(トキ)
「いいか、トキ」
「もし俺が道を誤った時は、お前の手で俺の拳を封じてくれ」(ラオウ)
「誓いの時は来た」
「今私はあなたを超える!」(トキ)
「さすが我が弟よ」
「だがお前は決して俺を超えることは出来ん」(ラオウ)
「相変わらず優しい拳だ」(ラオウ)
「だが甘い!」
「必殺の間合いに入って来ねば、この俺は倒せぬわ!」(ラオウ)
「トキ。このラオウを目指していたのであれば、なぜ非情の剛の拳を学ばなかった」
「剛の道に踏み込めなかったその優しさが、命取り!」(ラオウ)
「もはやこの勝負、見えたわ!」(ラオウ)
「忘れたか、ラオウ」
「私があなたの全てを目指していたことを」(トキ)
「私の中に流れるラオウと同じ血は、私にこの拳を会得させた」(トキ)
「ラオウ、この拳は私の最後の闘い」
「あなたとの闘いまでは使わぬと誓っていた」(トキ)
「天を見よ!」
「見えるはずだ、あの死兆星が」(トキ)
「な…なんと、我が頭上に死兆星が!」(ラオウ)
「北斗2000年の歴史の中に言い伝えがある」
「”互角の拳を持つ強者(つわもの)相闘う時、その両者の頭上に死兆星輝く”と」(ケンシロウ)
「さあ、宿命の幕を閉じよう、ラオウ!」(トキ)
72話
「北斗神拳は一子相伝」
「その伝承者がケンシロウと決まった今、俺がここにいる理由はない!」(ラオウ)
「北斗神拳は第一歩に過ぎぬ」
「俺は天を握り、あらゆる拳法を手中に修める」(ラオウ)
「(約束?) 覚えておる、この拳を封じるのはお前だ」
「いつでもこの拳を封じに来るがいい」(ラオウ)
「さらば、ラオウ!」
「今約束を果たそう!」(トキ)
「トキ…これが貴様の剛拳か?」(ラオウ)
「き…効かぬ」
「き…効かぬのだ、トキ!」(ラオウ)
「病を得ず、柔の拳ならば俺に勝ったかもしれぬものを…」(ラオウ)
「哀れトキ」
「幼き時より俺を追い続け、非情の宿命に生きてきた我が弟よ…」(ラオウ)
「さらばトキ、死兆星はお前の頭上に落ちる!」(ラオウ)
「トキよ…お前の命を奪うのは俺ではなかった」
「既に、病がお前の命を奪っていた」(ラオウ)
「ありあまる才能がありながら、北斗の男が病ごときに…」(ラオウ)
「この病も、逃れられない宿命の1つ」
「ならば、全身で受け止め最期まで闘うのみ」(トキ)
「泣くな! 二度と涙を流してはならぬ!」(ラオウ)
「この兄を超えたくば、涙は捨てろ」
「涙は拳に無用」
「涙を、己の望みと拳に変えるのだ!」(ラオウ)
「俺はもう既に涙を捨てた」
「この拳のため、そして天をつかむために!」(ラオウ)
「そこまで、死期がせまった体でありながら…」
「トキ! その心が、幼き日のままの心が」
「死を覚悟してなおかつ、まだこのラオウを目指そうとした心が…」
「この俺の枯れた涙を呼び戻した!」(ラオウ)
「もはや悔いはない」
「宿命の幕を閉じよ、ラオウ」(トキ)
「ケンシロウ、よく見ていろ」
「これが宿命…血を分けた兄弟が同じ拳の道に進み、唯一最強の拳士を目指した」
「それもこれまで、この俺の拳で全ては終わる!」(ラオウ)
「トキよ…これが俺の生涯で流す最後の涙となろう」(ラオウ)
「さらば、我が生涯最強の敵…」
「さらば、我が最愛の弟…」
「これが、貴様が目指した兄ラオウの拳!」
「よく見て死ぬがよい!」(ラオウ)
「この一撃は、お前の悲しき宿命への兄の恨みの一撃と思え」(ラオウ)
「今、拳王を目指した男トキは死んだ」
「ここにいるのはただの病と戦う男トキ」(ラオウ)
「残る余生、安らかに暮らすがよい」(ラオウ)
「泣きたくば泣くがよい、もう責めはせぬ」
「体をいとえよ、トキ」(ラオウ)
「トキは死んだ! そして俺も!」(ラオウ)
「ケンシロウ! 拳王恐怖の伝説は今より始まる!」
「この命奪いたくば、いつでも来るがよい!」(ラオウ)
73話
「心配するな、女子供には何もせぬ」(リュウガ)
「(名?) 狼…その墓をいつまでも守ってくれ」(リュウガ)
「果たして、この乱世にあの虹をつかむのは…」(リュウガ)
「心配することはない」
「死ぬのは奴等だ」(ケンシロウ)
「お前は人の上には立てぬ」
「この村は私がもらい受けよう」(リュウガ)
「私の名はリュウガ」
「我が宿命の星は”天狼星”」(リュウガ)
「諦めるんだな」
「悪党の最期はこんなものだ」(ケンシロウ)
「腐った枝は大木には要らん!」
「腐った枝は、切り払うのみ!」(リュウガ)
「この乱世には大木が必要なのだ」
「強大な力を持った支配という名の大木がな」(リュウガ)
「さらばだ、ケンシロウ」
「だが、いずれまた会うだろう」(リュウガ)
「あなたの伝説を汚すであろう、腐った枝を払っておきました」(リュウガ)
「(部下には)あえて我が心中は語らず」
「しかし、あなたへの誓いは変わりません」(リュウガ)
「(褒美?) もし許されるならば…ケンシロウとの闘いを」(リュウガ)
「我が宿命、天狼星のゆえに」(リュウガ)
「ケンシロウ…天狼の星リュウガが、お前の持つ宿命見届けよう」(リュウガ)
74話
「欲望がむき出しか、嫌な時代だ」
「いつまでこんな悲しい時代が続くのか」(リュウガ)
「この世には巨木が必要」
「この混乱を治めるには、まず恐怖」(リュウガ)
「時代は拳王様を…北斗を望んでおります」
「私は喜んであなた様の刃になりましょう」(リュウガ)
「私の望みは1つ」
「もう1人の北斗の男を、この目で確かめること」(リュウガ)
「天狼星は極星を目指す星ではございません」(リュウガ)
「北斗にもくみせぬ孤独な星」
「極星を目指さぬ星、天狼星」(リュウガ)
「(無抵抗が武器?) ならば、その武器でこの小僧の命を守ってみよ!」
「うぬらの笑いで守ってみよ!」(ラオウ)
「小僧…怖くば俺の腕を食いちぎってでもあらがえ」
「戦わねばその震えは止まらぬ」(ラオウ)
「意思を放棄した人間は人間にあらず」
「ただ笑いと媚に生きて何が人間だ」(ラオウ)
「己を捨てて何が無抵抗だ」
「よいか! この拳王には無抵抗は武器にはならぬ!」(ラオウ)
「天狼の星は、しょせん極星になれぬことを知りました」
「極星として輝くのは、あなたのような覇道を目指すお方」(リュウガ)
「ラオウは子供に恐怖と戦いを教え、ケンシロウは子供の無垢な心を捉える」
「時代は、果たしてどちらの巨木を欲しているのか」(リュウガ)
「だが、時代は急ぐ。強烈なる巨木なくばこの世は治まらぬ」
「そのためなら、天狼は望んで血に飢えた狼となろう」(リュウガ)
75話
「一度お前達が食料を運べば、奴等は味をしめて何度も同じことをやらせるだろう」
「繰り返すうちに、お前達は本物の悪党になる」(ケンシロウ)
「なぜ戦わぬ?」
「死ぬ気があるなら、悪党共を倒すのは容易いはず」(ケンシロウ)
「知らないのか?」
「人の食べ物を奪う奴は、ろくな死に方をせん」(ケンシロウ)
「お前はもう死んでいる」
「しかし、貴様には貴様にふさわしい最期がある」(ケンシロウ)
「なぜ彼等の顔はあれほど明るい?」(リュウガ)
「俺は拳王と共に戦い、多くの町を平定した」
「だが、そこで行われたのは拳王の恐怖による支配」(リュウガ)
「人々の顔は暗かった、まるで死人のように」
「だが、彼等の顔はあんなにも生きる喜びに輝いている」(リュウガ)
「時は来た」
「ケンシロウ、あの男とは戦わねばならぬ」(リュウガ)
「ケンシロウ。俺の星は天狼星、天駆ける孤独な狼」
「その牙がお前を餌食と定めた」(リュウガ)
「(何故?) 時代のため」(リュウガ)
「全ては宿命」
「南斗にも北斗にもくみせぬはぐれ星」
「天狼星の宿命なのだ」(リュウガ)
「お前の瞳は凍てつき寒い」
「だが、輝きを失っていない」(ケンシロウ)
「ユリア…我が妹ユリアよ」
「分からん…果たして時代はどちらの巨木を欲しているのか」(リュウガ)
「だが、時代は急ぐ」
「許せ、ユリア。俺はお前の愛した男と闘う」
「ユリア、兄を許せ!」(リュウガ)
76話
「これよりこの村は拳王様のもの」
「逆らう者には、死あるのみ」(リュウガ)
「今すぐ村を立ち去れ」
「この村は自ら井戸を掘り、地を耕した村人達のもの」(ケンシロウ)
「ならばこの拳で…お前に聞こう」(ケンシロウ)
「ユリアよ、お前はケンシロウに何を見たのか」
「冬の時代に輝く、太陽の安らぎか?」
「大地の匂いか?」(リュウガ)
「だがこの乱世、優しさだけでは治まらぬ」(リュウガ)
「ユリアよ許せ、俺はケンシロウを倒す」
「俺は望んで魔の狼の衣をまとおう」(リュウガ)
「北斗神拳の真髄は怒りにあると聞く」
「怒りなくしては、その全てを発揮せぬ」(リュウガ)
「奴がこの俺を倒せぬようであれば時代は奴を必要とせん」(リュウガ)
「リュウガ。その全身に浴びた返り血が」
「お前の…お前の涙に見える」(トキ)
「ケンシロウを深き悲しみの淵に落とす」
「そのためには、お前の死が必要なのだ」(リュウガ)
「奴はまだ真の悲しみを知らぬ」
「お前が死ねばケンシロウが…時代が動く」(リュウガ)
「そうか…いいだろう、ならば殺すがよい」
「この残り少ない命をもって」
「リュウガ…その目に時代をしかと見定めよ」(トキ)
「頭は下げぬぞ、トキ」
「天狼はあえて魔の狼の悪名をかぶろう」(リュウガ)
「トキ…我が弟よ、ついに地に落ちたか」(ラオウ)
77話
「ラオウ、あなたへの務めは終わった」
「後はケンシロウを倒すのみ」(リュウガ)
「ユリア、我が妹よ」
「お前がケンシロウに何を見たのか、この目で確かめたい」(リュウガ)
「(無駄な殺戮?) 闘え、ケンシロウ」
「俺と闘えば分かる」(リュウガ)
「それほどまで、この俺と闘いたいか」(ケンシロウ)
「こんな程度か…こんな程度では、この時代は動かん」(リュウガ)
「リュウガ…それほど死にたいか」
「ならば、死をくれてやる!」(ケンシロウ)
「そこまでだ、ケンシロウ…そこまでだ」(トキ)
「トドメを刺す必要はない」
「その男は既に、自分で自分にトドメを刺しているのだ」(トキ)
「見ろ、ケンシロウ」
「この床に伝わる血は、リュウガ自身の血、この男の涙だ」(トキ)
「真の平和を求めるこのリュウガは、あえて血に飢える魔の狼となった」(トキ)
「だが、拳王が天を握らんとする日が近づきつつある今」
「魔の狼の役に自ら幕を下ろしたのだ」(トキ)
「時代を…時代をこの目で確かめたかった」(リュウガ)
「許せ、ケンシロウ」
「だがこれほどとは…これほどすさまじいとは」
「この天狼の目をもってしても見抜けなかった」(リュウガ)
「今こそ確信した」
「時代はこの男を…ラオウよりもケンシロウを選ぶであろう」(リュウガ)
「ケ…ケンシロウ」
「お前を選んだ我が妹、ユリアの目にやはり間違いはなかった」(リュウガ)
「悲しむな、ケンシロウ」
「その悲しみを怒りに変えて生きよ」(トキ)
「拳王の覇道は恐怖の支配によってなされる」
「されど、その後の真の平和はお前の手で…」(トキ)
「リュウガよ、行こう」
「乱世に生き、宿命に殉じた男達の元へ」(トキ)
「そして私達も星となり、熱き男達と共にケンシロウを見守ろう」(トキ)
「死兆星よ…さらば、ケンシロウ」(トキ)
北斗の拳 第4部
→北斗の拳(第4部、86話)
→北斗の拳(第4部、91話)
→北斗の拳(第4部、96話)
→北斗の拳(第4部、101話)
→北斗の拳(第4部、106話)
83話
「俺は拳王、目指すは天」
「望むものは全て手に入れる、邪魔する者には死あるのみ」(ラオウ)
「拳王に伝えよ」
「恐怖で人の心はつかめぬ、野望は必ず打ち砕かれると」(ケンシロウ)
「(俺を倒す?) 甘い夢は捨てろ」(ケンシロウ)
「北斗神拳を甘く見ていたようだな」
「わずかな気配も北斗神拳は見逃さん」(ケンシロウ)
「お前の命は後7秒」
「身も心も清めてから地獄へ行け」(ケンシロウ)
「世紀末覇者と救世主、並び立たず」
「ケンシロウ、雌雄を決する時がやってきた!」(ラオウ)
84話
「北斗に風雲あり、五車星立つべき時が来た」
「まず俺が…俺が動く」
「南斗六聖拳最後の将のために」(ヒューイ)
「拳王につく者は皆殺しにする、風の旅団」
「そして俺は風のヒューイ」(ヒューイ)
「我が拳は風を友とし、風の中に真空を走らせ」
「その力は鋼鉄をも断つ」(ヒューイ)
「この拳王に弓を引く愚か者が、ケンシロウの他にまだいるというのか」(ラオウ)
「(誰だ?) ケンシロウ…貴様達を倒すために来た」(ケンシロウ)
「顔に”怖い”と書いてある」(ケンシロウ)
「北斗神拳はあらゆる試練を乗り越えてきた」
「その2000年の歴史を教えてやろう」(ケンシロウ)
「貴様! 1人の男の運命をねじ曲げ、その上用がなくなると殺す」
「許せん!」(ケンシロウ)
「命令ばかりしないで、お前が闘ったらどうだ」(ケンシロウ)
「貴様たち拳王軍団は、恐怖という鎖でつながれているこけおどしの集まりだ」
「見ろ! 今度は体中が”怖い”と言っている」(ケンシロウ)
「拳王の配下の者だな?」
「地獄でゆっくり言い訳をしろ」(ヒューイ)
85話
「風は一夜にして千里を走る、一瞬にして敵を殺める」
「そして後に影も残さず」(ヒューイ)
「(救世主?) 俺はただ、旅を続けているだけだ」
「俺にとって…北斗神拳にとって、最後の旅を」(ケンシロウ)
「そんな柔な拳では、この体に傷1つ付けることは出来ぬわ!」(ラオウ)
「さすがだな、拳王。想像を絶する強さだ」
「だがお前の運命もここまで、南斗五車星は必ずお前を倒す」(ヒューイ)
「拳王、地獄で待っている」(ヒューイ)
86話
「この町、まるで死んでるみたい」(リン)
「拳王の支配する町は皆同じだ」(ケンシロウ)
「拳王よ。風が強ければ強いほど、炎の勢いは増すと知れ」
「この炎のシュレンが貴様を倒す」(シュレン)
「我等の怒りの炎で貴様は燃え尽き、灰となるのだ」(シュレン)
87話
「愚かなことを」
「この拳王の拳に、邪魔立てする者には死あるのみ」(ラオウ)
「(拳王の部隊?) 知らんな」
「だが拳王の手先と知った以上、許すわけにはいかん」(ケンシロウ)
「貴様は知らぬ、恐怖を背負った人間の力をな」
「引くことは出来ぬこの男共の後ろにあるのは、この拳王による確実なる死」(ラオウ)
「五車炎情拳」
「我が身に触れようとする者は、怒りの炎に包まれる」(シュレン)
「奴の行進は、この俺の命で食い止める」(シュレン)
「貴様らのようなちっぽけな集団などゴミ同然」
「うせるがよい」(ラオウ)
「将の…我が将の永遠の光のため」
「拳王。貴様が我が将の前に立てば、永遠の光が涙にぬれる!」(シュレン)
「それだけは…それだけはさせぬ!」(シュレン)
「だがその程度の炎では、俺の野望を灰にすることは出来ぬ」(ラオウ)
88話
「当たり前のことが出来ない」
「今はそんな不幸な時代だ」(ケンシロウ)
「シュレン、ヒューイ、お前達の死は無駄にはせん」
「この命懸けても、南斗の将を守りきろう」(フドウ)
「1人の男の願いのこもったニワトリだ、貴様らが食べる物ではない」
「その代金は命であがなえ!」(ケンシロウ)
「愚かな夢だ」
「だがお前達は地獄に落ちた時、その夢から覚めるだろう」(ケンシロウ)
「名もない男だからこそ、ささやかな幸せを望んだ」
「名もない男だからこそ、それを壊したお前達が許せん!」(ケンシロウ)
「お前達の動きはバラバラだ」
「せめて死ぬ時ぐらい一緒に死ね」(ケンシロウ)
「ケンシロウさん、あなたをお迎えに参りました」
「あえて名乗らなかったのは、あなたを見定めるため」
「何とぞお許しを」(フドウ)
「私は五車星の1星、山のフドウ」
「我が南斗六聖拳最後の将があなたをお待ちです」(フドウ)
「俺は自由よ」
「くだらんことには、興味はねえ」(ジュウザ)
「俺は雲だ、限りなく自由」
「世間も南斗も、かんけえねえ」(ジュウザ)
89話
「我が南斗六聖拳最後の将の永遠の光のため」
「我ら五車の星は、天を舞い地を駆けます」(フドウ)
「そしてそのためなら、五車の星は粉々に砕け散っても本望」(フドウ)
「南斗北斗は表裏一体」
「両者が一体となった時、この乱世は治まるでしょう」(フドウ)
「我が将は2つの北斗のうち、拳王ではなくあなたを選びました」
「世紀末覇者より、世紀末救世主を」(フドウ)
「俺は救世主などではない」
「ただ北斗の掟を破ったラオウの…拳王の拳を封じたいだけだ」(ケンシロウ)
「あなたは、我が南斗最後の将と会わねばなりません」
「それがあなたの宿命」(フドウ)
「フドウ、お前の目の光を信じよう」(ケンシロウ)
「どうやら、ガマガエルにかけちまったようだな」
「その汚えツラは洗剤でも落ちねえな」(ジュウザ)
「女達は、この雲のジュウザがもらったぜ」(ジュウザ)
「どけ、道は天下のもの」
「誰が通るのも自由」(ケンシロウ)
「お前達の体からは血の臭いがただよっている」
「今までに何人もの人を殺しているな」(ケンシロウ)
「拳王の名を語り人々を殺め、物を奪う悪党共、かかってこい」(ケンシロウ)
「世が乱れれば、このような小悪党がはびこる」(フドウ)
「ケンシロウさん」
「だからこそあなたは、我が南斗最後の将に会わねばなりません」(フドウ)
「やなこったい」
「俺は誰にも縛られねえ、誰の命令も聞かねえ」(ジュウザ)
「俺は食いたい時に食い、飲みたい時に飲む」(ジュウザ)
「俺はあの雲のように、自由気ままに生きるのよ」(ジュウザ)
90話
「何を今更、人のために命を懸けねばならんのだ?」(ジュウザ)
「見ろ、この美しい女達を」
「盗賊共に捕らわれていたところを、俺が頂いてきたんだ」(ジュウザ)
「俺はこうやって、毎日を面白おかしく遊んで暮らすのよ」
「自由気ままにな」(ジュウザ)
「忘れい!」
「そのことを忘れねば、うぬらをこの場で叩き殺す!」(ジュウザ)
「やはり、忘れられない…」
「俺が幼い頃に妹のようにかわいがり、そして育てた女…」(ジュウザ)
「(叶わぬ?) そのようなバカなこと、私には納得がいきません」
「(本当の)妹…」(ジュウザ)
「俺は今、虫の居所が悪いんだ」
「手を出せば死ぬぞ」(ジュウザ)
「やるなら来やがれ」
「折りたたんで墓場に放り込んでやるぜ!」(ジュウザ)
「我が拳は我流、誰のマネでもなく誰にもマネは出来ない」
「それゆえ、誰にも読むことは出来ぬ」(ジュウザ)
91話
「この拳王の進軍を阻むことは誰にも出来ぬ」
「今この俺に立ち向かえるのは、ジュウザ唯1人」(ラオウ)
「だが、ジュウザは動かぬ」
「奴はこの世に魂を捨てた男」(ラオウ)
「既にお前の相棒はいない!」
「いよいよ最期だ」(ケンシロウ)
「表で綺麗事を言いながら裏で脅かす」
「だがそんな方法では、人々の真の心は捉えられぬ」(ケンシロウ)
「(お前は)死刑だ」
「村人達を苦しめた罪、地獄であがなえ」(ケンシロウ)
「生きてるうちが花なのよ」
「楽しく飲もうぜ! 大いに騒ごうぜ!」(ジュウザ)
「俺には弱点が1つだけあってな」
「あんたみたいな美人に弱いってこ…」(ジュウザ)
「ジュウザ」
「わたくしのためにお前の命が欲しい」
「わたくしの願いを聞いてくれぬか?」(ユリア)
「あんた…あんただったのか?」
「よかろう。このジュウザの命、あんたにくれてやるぜ!」(ジュウザ)
92話
「ジュウザ、全てはお前の拳にかかっている」
「我が将の瞳を涙で曇らせてはならぬ」(リハク)
「分かってる、俺の好きでやることだ」
「あの人に涙は流させん…必ずな!」(ジュウザ)
「てめえら! 相手を誰だと思っていやがるんだ!」
「拳王だぜ!」(ジュウザ)
「今や飛ぶ鳥を落とす権勢、世紀末覇者の拳王だ!」
「死ぬぜ…必ず」(ジュウザ)
「行き先は地獄だぜ!」(ジュウザ)
「その思い上がり、打ち砕いてくれる」(ケンシロウ)
「(なぜ?) 雲ゆえの気まぐれよ」
「ラオウ、ここは通さん」(ジュウザ)
「だが魂を捨て、執念も何もない貴様のふぬけた拳では」
「この俺は倒せぬぞ!」(ラオウ)
「ならば試してみるがよい」
「我が拳に一点の曇りがあるかどうか、お前の体でな!」(ジュウザ)
「浅かったわ」(ジュウザ)
「分からぬ…だが、貴様に心と拳が蘇った今この俺も」
「馬より降りて戦わねばなるまい」(ラオウ)
「では我が南斗最後の将のためこの場に拳王」
「お前を葬ろう」(ジュウザ)
93話
「ジュウザが立ち上がってくれた」
「だが…果たしてこれ以上の血を流してよいものか」(ユリア)
「(容赦?) したら、お前の負けだ」(ジュウザ)
「ジュウザよ。この世の覇者の拳、死出の土産に持っていくがよい」(ラオウ)
「俺の拳法は自ら編み出した我流、自らの拳に懸けるのみ」
「恐怖など感じている暇はない」(ジュウザ)
「そして我が拳は誰にも読めぬ」(ジュウザ)
「この拳王の膝を地に付かせるとは」(ラオウ)
「さすがだ、ラオウ」
「他の男なら最初の一撃で死んでいる」(ジュウザ)
「殺めた人の数を誇るな」
「その虚しさを知らぬ貴様は、死ぬべきだ」(ケンシロウ)
「どうやら1万人目を飾るのは、お前自身のようだな」(ケンシロウ)
「だが、うぬの拳には弱点がある」
「自ら編み出した拳法・我流の拳は、攻撃において威力を発揮するが」
「守備に回ればもろさを出す」(ラオウ)
「俺の拳は邪拳ゆえ、タネ明かしは一度っきり」(ジュウザ)
「ラオウ、貴様の足を奪った!」
「俺はまだ死なん、生きていてこそ楽しみがある」(ジュウザ)
「これが雲のジュウザの生き方よ!」(ジュウザ)
「俺は…何日奴を止めればいい?」
「そうか、2日…」(ジュウザ)
「恐るべし、ラオウ」
「やはり…この命、捨てねばなるまい」(ジュウザ)
94話
「(車?) いらぬ!」
「この拳王が体を預けるのは黒王号のみ」(ラオウ)
「あなたに会えば、あのお方の悲しみに打ち沈んだお顔が」
「温かい微笑みに変わりましょう」(フドウ)
「そのためならば我ら五車星の血など、最後の1滴まで流れて本望」(フドウ)
「そしてあなたの宿命の旅も」
「そこで終止符が打たれるかもしれません」(フドウ)
「それにしても…あなた(リン)の目は、我が将の目によく似ている」(フドウ)
「この山のフドウ、思う存分働いてみせるわ」(フドウ)
「これで…もう一度戦闘服に身を包まねばならなくなったか」(ジュウザ)
「(もう真面目になる?) 少し遅かったな」
「この足を離したら、お前は死ぬ」(ケンシロウ)
「しっかりつかまれ、父さんはここにいるぞ」
「お前達を見捨てはせん、未来あるお前達を!」(フドウ)
「すまぬ将よ、俺はもはやここまで」
「しかし、誰かがこの子らに愛を信じさせてやらなければ…」(フドウ)
「もう大丈夫だ」(フドウ)
95話
「将の涙も、この子の涙も違いはない」(ケンシロウ)
「人の血と涙で、己の未来をつかもうとは思わぬ!」(ケンシロウ)
「将と会うのが宿命ならば、必ず会えるだろう」(ケンシロウ)
「この子達をこのまま死なせはせん!」(フドウ)
「この傷の痛みは一瞬」
「あんたの死の痛みは一生残る」(フドウ)
「つまらぬ拳だ。そんな拳を持ったゆえに鬼となったか」(ケンシロウ)
「その(流砂の)穴の中で、己が犯した罪の1つひとつ」
「ゆっくり思い起こすがよい」(ケンシロウ)
「ケンシロウさん…この人は我々の想像より遥かに強く」
「そして心が温かい」(フドウ)
「ケンシロウ、さすがにユリアが愛した男よ」
「このジュウザ、安心したわ」(ジュウザ)
96話
「ケンシロウとラオウ」
「果たして運命はどちらを先にこの城に呼び寄せるのか」(ユリア)
「我が将よ…この命、あなたに捧げよう」(ジュウザ)
「来るんじゃねえ」
「お前達の出る幕じゃねえ、これからは俺と拳王2人の戦いだ」(ジュウザ)
「生きろよ、自分の命をつかむんだ」(ジュウザ)
「命を捨てに戻ったか、ジュウザ」(ラオウ)
「ただでは捨てぬ、俺は寂しがり屋でな」
「貴様を道連れにして行こうと思っている」(ジュウザ)
「久しぶりに体が燃えるわ」(ラオウ)
「見事この俺を止めてみろ、ジュウザ」
「うぬの秘拳、この目で確かめてやる」(ラオウ)
「もとより、秘拳なくして貴様を止めることなど出来ぬ」
「我が拳の真髄、その目に焼き付けておくがよい」(ジュウザ)
「我流の拳の真髄は背水の陣」
「防具があればそこに油断・甘えが生ずる」(ジュウザ)
「生か死か!」
「いずれか1つの背水の拳の威力はラオウ」
「お前が一番よく知っているだろう」(ジュウザ)
「追い詰められたネズミは猫も噛むという」
「自ら命を懸けてネズミと化したか、ジュウザ」(ラオウ)
「だが、ネズミに獅子は倒せぬ」(ラオウ)
「ジュウザ。身をすり合わすほどの接近戦が、お前の秘奥義と見た!」(ラオウ)
「さすがだな、ラオウ」
「最後のタネも一瞬に見抜かれたか」
「この肩を突いて、致命の一撃をかわすとは」(ジュウザ)
「その通り、そこは”鏡命”という秘孔」
「もはやここまでだ、ジュウザ」
「その手は崩れ去る」(ラオウ)
「ダメだ」
「フドウ、お前を連れて行くわけにはいかん」(ケンシロウ)
「あなたを南斗の都までお連れするのが五車の星、山のフドウの使命」
「たとえこの身が砕けようとも…」(フドウ)
「お前のためではない」
「子供達はどうする?」(ケンシロウ)
「この子達には、お前しかいないんだ」
「父とも母とも頼む者は」(ケンシロウ)
「フドウ、お前は死んではならぬ男だ」(ケンシロウ)
「さあ! 討ってこい、ラオウ!」(ジュウザ)
「よかろう! では、あの世に逝くがよい!」(ラオウ)
「将よ…あんたに会った時から、覚悟は決めていた」
「この命ないものと思っていた」(ジュウザ)
「これで最後だ!」(ジュウザ)
「冥土の土産に貴様の腕1本、もらった!」(ジュウザ)
「ケチケチすんなよ、いい取引だと思うぜ」(ジュウザ)
「後一息…後一息もってくれ!」(ジュウザ)
「全ては南斗六聖拳最後の将のため」(ジュウザ)
「(何者?) 言わぬ。言えば貴様は疾風となり我が将のもとに走る」
「天を握った貴様が最後に望むもの、それが我が将」(ジュウザ)
「ジュウザ、うぬはこの拳王の力を見誤ったわ!」(ラオウ)
「拳王の鋼鉄の肉体は」
「砕けぬ! 折れぬ! 朽ちぬ!」(ラオウ)
「今日まで我が将の正体をひたすら隠しておりましたが、その理由は唯1つ」
「世紀末恐怖の覇者、拳王の耳に入るのを防ぐため」(フドウ)
「正体を知れば、ラオウは歓喜して奪いに走りましょう」
「我が将は…女性でございます」(フドウ)
「南斗六聖拳最後の将は…」
「その女性は…あなたが愛したユリア様でございます」(フドウ)
97話
「ユリア様はいずれ、南斗の将となられる運命(さだめ)」
「南斗正統血統として死すべき時まで、ユリア様をお守りするのが我等の務め」(リハク)
「生かせよ。ユリア殺しの悪名、あえて俺がかぶろう」
「ケンシロウとの決着をつけるには、むしろ好都合よ」(シン)
「いずれ俺かケンシロウ、どちらかが再びユリアの前に立つ」
「その時まで決して死なすではないぞ」(シン)
「俺は雲。俺は…俺の意思で動く」(ジュウザ)
「何事も力ずくか」
「それはてめえの思い上がりってもんだぜ」(ジュウザ)
「ラオウ、てめえは確かに強え」
「だが、全てが思い通りになると思うなよ」(ジュウザ)
「ジュウザ、せめて奥義で葬ろう」(ラオウ)
「死してなお戦うとはすさまじき男」(ラオウ)
「ここに葬ってやろうというのか?」
「黒王」(ラオウ)
「責めはせぬ」
「この拳王以外、うぬが唯一その背中(せな)を許した男の死」
「その気持ちも分かる」(ラオウ)
「ジュウザよ…うぬが語らずとも」
「その壮絶な死が、俺に将の正体を悟らせてくれたわ」(ラオウ)
「北斗と南斗は表裏一体」
「我が覇道は、ユリアを手にして成就せり」(ラオウ)
「ユリアを、ケンシロウに渡すわけにはいかぬ」
「ユリア、この拳王にふさわしい唯1人の女」(ラオウ)
「わたくしはただ、ケンシロウを待ち続けるだけ」
「今も昔も…」(ユリア)
99話
「待ちます、わたくしはケンシロウを待ち続けます」
「たとえどのような運命が、わたくしに降りかかろうと」(ユリア)
「それが、わたくしの変わらぬ宿命」(ユリア)
「こざかしい」
「我が覇道の前を阻むものなし!」(ラオウ)
「北斗神拳はもともと暗殺拳だ」
「毒に対するには気でもって体内の経絡を活性化し」
「毒を体外に排出させるも奥義の1つ」(ケンシロウ)
「北斗神拳には毒は効かぬ」(ケンシロウ)
「とうとう…お前をこの手に握る時が来た、ユリア!」
「長かったぞ、あの修行の日々」
「俺の心に焼き付いたあの日から…」(ラオウ)
「俺はついに天を握った!」
「そして俺の覇道はユリア、お前を得(う)ることで完成する」(ラオウ)
「誰を愛そうが、どんなに汚(けが)れようが構わん!」
「最後に、このラオウの横におればよい」(ラオウ)
「バカな女よ…思いが届かぬのなら、なぜこの俺を殺さぬ」(ラオウ)
「殺せば、二度と誰の手にも渡らぬわ!」
「一生、お前の心の中に生き続けるものを」(ラオウ)
「このラオウの思い届かねば、ユリア!」
「お前にも死あるのみ!」(ラオウ)
「南斗最後の将よ!」
「服従か死か、自ら決めよ!」(ラオウ)
100話
「海のリハクか。世が世なら万の軍勢を縦横に操る天才軍師」
「この部屋全体が殺気に凍りついておるわ」(ラオウ)
「もはやこれまでだ、ラオウ」
「せめて南斗の聖地で果てるがよい」(リハク)
「今ユリアとは会えん」
「ラオウある限り、ユリアに生はない」(ケンシロウ)
「世紀末覇者ラオウ」
「その黒い野望のためには、必ずや南斗最後の将ユリアを」
「自分の前にひざまずかせる」(ケンシロウ)
「ならば、俺はラオウと戦わねばならん」(ケンシロウ)
「聞こえる、ケンの声が」
「必ずラオウを倒して、ここに戻って来ると…」(ユリア)
「分かりました、わたくしはここで待ちます」
「わたくしはあの人を待つために生きてきました」(ユリア)
「待ち続けるのがわたくしの宿命、そしてケンとの約束」
「ラオウとの戦いを終えて帰ってくるまで待ちましょう、いつまでも…」(ユリア)
「荒波ごときで砕けるラオウではない」(ラオウ)
「そこまでだ、ラオウ」
「荒れ狂う世紀末覇者よ、死すべき時が来た」(ケンシロウ)
「俺はユリアのためにお前と戦う」(ケンシロウ)
「立て、ラオウ」
「天に帰る時がきたの」(ケンシロウ)
「ケンシロウ」
「うぬがどれほど強大になっていようとも、このラオウを倒すことは出来ぬ」
「この天の覇者、拳王の前では赤子同然」(ラオウ)
「俺の拳は敵が強ければ、その倍強くなる剛拳」
「何者にも到達できぬ拳だ」(ラオウ)
「お前が強ければ強いほど、俺の拳もまた強くなる」(ラオウ)
「なんという悲しい目だ」
「まさか、これがリュウケンが最後に言った」
「北斗神拳究極奥義・無想転生!」(ラオウ)
「わしにも教えることは出来ん」
「北斗2000年の歴史の中で、それを体得した者はおらん」(リュウケン)
「この世で最強のものは”無”」
「その無より転じて生を拾う、それが無想転生」(リュウケン)
「うぬがいかに強大になろうとも、この奥義だけはつかめぬ」(リュウケン)
「分かるか、ラオウ」
「うぬはあまりに強大なその野望ゆえに、悲しみを知らぬ」(リュウケン)
「そ…それは、悲しみを背負った人間のみがなしうる…」(リュウケン)
「ラオウ、トキが待っている」(ケンシロウ)
101話
「ケンシロウが…弟が…史上最強の男のはずなどない!」
「たとえ万人が認めても、このラオウだけは認めぬわ!」(ラオウ)
「バ…バカな! 俺が…このラオウが、ふ…震えて!」
「このラオウが震えて…」(ラオウ)
「ラオウよ。それが、恐怖というものだ」(ケンシロウ)
「い…生き方を否定し、軟弱者と断言した男に、この俺が恐怖を…」
「末弟のケンシロウごときに、このラオウが恐怖を…」(ラオウ)
「認めぬわ!」
「恐怖とは感じるものではなく、与えるもの!」(ラオウ)
「ましてや俺は北斗の長兄、そして世紀末覇者・拳王!」
「この俺に後退などない、あるのは前進のみ!」(ラオウ)
「俺にも後退はない」(ケンシロウ)
「ラオウ。今こそ、野望果てる時だ」(ケンシロウ)
「北斗の掟は、俺が守る!」(ケンシロウ)
「この目をえぐれ! この腕を砕け!」
「ケンシロウ。されど、お前には死あるのみ!」(ラオウ)
「運は我にあり!」
「やはり天は、このラオウを望んでいるのだ!」(ラオウ)
「ラオウを追う」(ケンシロウ)
「大丈夫だ。かつて、目が見えずとも闘い続けた男がいた」
「そして、その男も俺の中で生きている」(ケンシロウ)
「今のラオウは手負いの獅子」
「今倒さなければ、ラオウは触れるもの全てを打ち砕き、荒れ狂うであろう」(ケンシロウ)
102話
「このラオウが…世紀末覇者・拳王たるこの俺が…」
「夢にまで怯えるというのか…」(ラオウ)
「わたくしは今でも、ケンシロウを待っています」(ユリア)
「まだ闘うのですか?」
「あなたは負けたのです」
「傷つき疲れ果てた1人の戦士」(ユリア)
「心惹かれた女より受ける情けは、男にとって最大の屈辱」
「この屈辱、無念!」
「このラオウもはや拳王の名はいらぬ!」(ラオウ)
「悪鬼となり修羅と化し、魔王となりて」
「ケンシロウを血の海に砕き沈めてやるわ!」(ラオウ)
「あの男…ただ一度、若い日の俺に恐怖を感じさせたあの男」
「ケンシロウへの恐怖が気の迷いか否か」
「奴の鬼の気迫を飲み込む以外ない!」(ラオウ)
「ありがとう、お前達。よ~し、父さんは行って来るぞ」
「そして必ず、お前達のもとへ帰って来る」(フドウ)
「貴様の拳と命だ!」
「この肉体より恐怖を拭い去り魔王となるには」
「うぬの中に流れる鬼の血が必要なのだ」(ラオウ)
103話
「よかろう。山のフドウ、鬼となろう」
「鬼とならねば貴様を倒せん!」(フドウ)
「俺にとって闘いは生か死か、2つに1つ」
「命懸けで闘う奴はいねえか!?」(フドウ)
「若造! 死の覚悟は出来ておるか?」(フドウ)
「命?」
「命などウジ虫よ、湧いて出るわ」(フドウ)
「ラオウよ、動けぬか?」
「お前でも鬼には勝てぬか?」(リュウケン)
「あの時の気迫、動けなかった」
「あれは、まさに鬼の気迫」(ラオウ)
「このラオウ、恐怖を感じたのは後にも先にもあの時一度限り」(ラオウ)
「今こそ、奴の鬼の気迫を飲み込み」
「ケンシロウへの気の迷いなど吹き飛ばしてくれるわ!」(ラオウ)
「あの頃の俺は、村々へ押し入り、倒し・奪い・食らい・飲む」
「鬼の生活だった」(フドウ)
「この子が命懸けで守ったものは、この犬(の母子)…」(フドウ)
「ね? 生きてるでしょ、暖かいでしょ?」
「これが命よ」(ユリア、子供時代)
「俺は母も知らず父も知らずに育った」
「だからそれまで命など、ウジ虫のごとく湧き出るものと思っていた」(フドウ)
「しかし…その子犬のあまりのか弱さに、ただたじろいだ」
「そして、まだ幼かったユリアに、知るはずもない母を見た」(フドウ)
「その日より、俺は鬼の鎧を捨て」
「南斗慈母星に仕える五車星の男、山のフドウとして生きることを誓った」(フドウ)
「だが今、その鎧を着ける時がきた」
「お許しくだされ、ユリア様」
「このフドウ、汚れなき命のために、鬼と戻り闘おう」(フドウ)
「よいか!」
「俺が一歩でもここより引いたら容赦はいらぬ!」
「この背に全ての矢を打ち放て!」(ラオウ)
「もし、この線より引くならこのラオウ、死あるのみ!」
「弟ケンシロウに勝てぬ愚かな兄よ」(ラオウ)
「フドウ、俺の血をすする気でこい!」
「さもなくば貴様に勝ち目はないぞ」(ラオウ)
「この拳王、かつてのラオウとは違う」
「鬼のフドウの恐怖など微塵も感じぬ」(ラオウ)
「やはりケンシロウに感じた恐怖など気の迷いに過ぎぬ」(ラオウ)
「どうかな…貴様が、俺の中に鬼を見るのはこれからだ!」(フドウ)
「この悲しき目の光こそ、俺がケンシロウに感じた同じ光」
「これだ…これが恐怖だ」(ラオウ)
「フドウ! 今こそ貴様の血と共に恐怖を飲み込んでくれるわ!」(ラオウ)
104話
「そうやすやすと秘孔を突かせるわけにはいかん」
「ラオウ! 貴様はここで死に果てるのだ!」(フドウ)
「お…お前達。その小さな体で、ラオウと闘おうというのか」
「この父さんのために、闘ってくれるというのか」(フドウ)
「そのいたいけな魂の叫びが、このフドウに最後の力を与えてくれよう」(フドウ)
「(音?) ならば、己の耳を閉ざそう」(ケンシロウ)
「無駄な闘いはしたくないと言ったはずだ」(ケンシロウ)
「貴様には分かるまい」
「たとえ、この体が一塊(ひとかたまり)の肉、1滴の血となろうとも」
「俺は闘い続けるであろう」(フドウ)
「このフドウの足を進ませているのは」
「この子供達のいたいけな心だ」(フドウ)
「お前には見えるか」
「この悲しき瞳に宿る力が」(フドウ)
「こ…この拳王が退いている」
「この俺が退くとは…」(ラオウ)
「貴様は子供達の瞳の中にケンシロウを見、この俺の拳の中にもケンシロウを見た」
「その肉体に再び恐怖がよみがえったのだ」(フドウ)
「恐怖に硬直したその肉体は退かねば、砕け散っていたのだ」
「勝ったのは、俺とケンシロウなのだ!」(フドウ)
「こ…ここで俺は倒れても、その体に恐怖が刻み込まれている限り」
「もはや二度とケンシロウには勝てぬぞ」(フドウ)
「ラ…ラオウよ…」
「悲しみを…悲しみを知らぬ男に勝利などないのだ」(フドウ)
「お前達…よく最後まで見ていたな」(フドウ)
「そうだ、父さんは勝ったのだ」
「み…みんな、強くなったな」(フドウ)
「どこまでもゲスな奴等よ!」
「この拳王、敗れてまで命を拾おうとは思わぬわ!」(ラオウ)
「泣くな、お前達」
「父さんが頑張れたのは、お前達のおかげだ」(フドウ)
「これからはみんなで力を合わせて生きていくのだぞ」
「いいな?」(フドウ)
「これで父さんも心おきなく…」(フドウ)
「ケ…ケンシロウさん」
「こ…これからは、その手でこの子供達を…」
「いや、この時代の全ての子供達を抱き包んでくだされ」(フドウ)
「そ…それが、山のフドウの願いです」(フドウ)
105話
「五車の魂、決して無駄にはせん」
「ユリアは必ず、この俺の手に」(ケンシロウ)
106話
「あの人は…ラオウは、北斗の長兄なのです」
「闘いのみに生きる男」(ユリア)
「ラオウには、ケンシロウとの闘いのみが宿命となっているのでしょう」(ユリア)
「ラオウの心、分かってあげて下さい」(ユリア)
「また宿命が動き出した」
「ラオウ…あなたは今、何を思う」(ユリア)
「フドウ。お前もまた、俺の心に生きる」(ケンシロウ)
「悲しみとは…愛か!」(ラオウ)
「ユリア。お前の命、俺にくれ!」(ラオウ)
「技も肉体も闘気も、ケンシロウには劣らぬ」
「だが俺は、未だ悲しみを知らぬ。愛を知らぬ」(ラオウ)
「愛は悲しみを生み、悲しみが愛を呼び起こすと聞く」
「それをお前を失って初めて知ることが出来るかもしれぬ」(ラオウ)
「うぬらも、ユリアの母の星の光に打たれたか!?」
「だが、聞けぬ!」(ラオウ)
「ユリア、恨んでも構わぬ」(ラオウ)
「傷が気になっていては、存分に闘うことは出来ないでしょう」(ユリア)
「壮絶な男達の闘いに、わたくしが出来ることは」
「心おきなく送り出すことだけ」(ユリア)
「わたくしに見つめられていては突きにくいでしょう」
「わたくしも、天に帰りましょう」(ユリア)
「(命は)新しき光のために」
「わたくしには見えます、新しき光の時代が」(ユリア)
「その光の時代のために、あなたとケンシロウの闘いは避けられない定め」
「そのために必要とあれば、わたくしの命捧げましょう」(ユリア)
「それは野望ではない」
「それが愛だ、ラオウ」(トキ)
「今は分かるまい」
「だがいずれそれは涙となって、お前の心を突き動かすだろう」(トキ)
「その時こそ、お前は愛を…悲しみを知ることになる」(トキ)
「な…涙? あ…愛?」
「こ…これが愛だというのか? トキ」(ラオウ)
「愛ゆえに、俺はユリアを追い続けていたというのか?」(ラオウ)
「今はユリアとケンシロウ、2つは望めぬ」
「このラオウ…いや、拳王の生き方は1つ」(ラオウ)
「許せ、ユリア!」
「我が心に悲しみとなって生きよ!」(ラオウ)
「雨…みんなが待っていた雨。でもなぜなの?」
「とっても悲しい、お空が泣いているみたいな気がする」(リン)
「ラオウが呼んでいる」(ケンシロウ)
「ケーーン! 死なないでーーっ!」(リン)
「北斗練気闘座」
「北斗2000年の歴史の中で、最も神聖な修行の場」
「代々の継承者争いの決着は、この場でつけられた」(ケンシロウ)
「ケンシロウ」
「うぬの骨と北斗2000年の歴史を葬るには、ここより他に場所はない」(ラオウ)
「ラオウ、お前の野望も拳も今ここに終わる」(ケンシロウ)
107話
「もう天など、どうでもよいわ!」
「いや、俺が望んだ天とは、貴様だったのかもしれぬ」(ラオウ)
「ケンシロウよ、最強の北斗を屠る者の名はラオウ」
「このラオウより真の強者の歴史は始まるのだ」(ラオウ)
「死ぬのはお前だ」(ケンシロウ)
「北斗の掟を破った唯1人の男、ラオウ」
「北斗神拳正統継承者として、貴様を許すわけにはいかん」(ケンシロウ)
「北斗神拳究極奥義・無想転生の前には”死”あるのみ」(ケンシロウ)
「この俺も、心を血に染めて悲しみを背負うことが出来たわ」(ラオウ)
「生まれて初めて、女を手にかけたわ」
「だがユリアの命が、この俺に無想転生を吹き込んでくれた」(ラオウ)
「何もいらぬ、光もいらぬ」
「この俺の望むものは拳の勝利」(ラオウ)
「お前を倒して、地上最強の男になることのみ」(ラオウ)
「互いに究極奥義・無想転生を身にまとった今、他の奥義は武器にならん」
「いわば無に戻ったのだ」(ラオウ)
「ならばこの戦いは赤子の戦いと同然」(ラオウ)
「神に感謝せねばなるまい」
「我が前に、これだけの男を送り出してくれたことを」(ラオウ)
「もはや次の一撃が、我ら最後の別れとなろう」(ケンシロウ)
「俺もトキと同じく目指した、あの偉大なる長兄ラオウ」
「その思い未だ消えず、この心に焼き付いている」(ケンシロウ)
「ユリアさん、見て」
「ケンが、ユリアさんの心と一緒に戦っている」(リン)
「もうすぐ来るわ」
「長かった2人の闘いに終わりの時が」(ユリア)
「そして、あの2人の魂に安らぎが訪れる時が」(ユリア)
「よかろう、ならば打ち砕いてみせよう」
「北斗2000年の歴史を、この拳に我が生涯の全てを込めて」(ラオウ)
「受けてみよ、我が全霊の拳を!」(ラオウ)
108話
「天に滅せい! ケンシロウ!」(ラオウ)
「お前の心は1人」
「だが俺の中には長兄ラオウへの思い」
「そして、ユリアへの思いが生きている」(ケンシロウ)
「天地を砕く剛拳でさえ、この思いだけは砕くことは出来ぬ」(ケンシロウ)
「わたくしに与えられたのは、限られた命」
「ならば何事にもあらがうことなく、天命の流れのままに生きようと思いました」(ユリア)
「南斗の将動けば、北斗も動き、天また動く」
「その南斗六聖拳最後の将の宿命、そのままに…」(ユリア)
「このわたくしの命で、世紀末に光をもたらすのであれば」(ユリア)
「こ…殺せぬ」
「このラオウに、この女を捨てることは出来ぬ!」(ラオウ)
「ユリアよ、うぬへの愛を一生背負っていってやるわ!」(ラオウ)
「この北斗の長兄ラオウが、愛を背負ったなど恥辱」(ラオウ)
「俺は北斗の長兄、死にも誇りがある」(ラオウ)
「見せようぞ!」
「世紀末覇者、ラオウの死に様を!」(ラオウ)
「今こそ悟った」
「お前は今日まで、死を見切って生きてきたのだと」(ラオウ)
「凄絶なる友たちとの戦いの中で」
「生と死のはざまを見切ったのだと」(ラオウ)
「友か…思えば、俺には友と呼べる男がトキしかいなかった」(ラオウ)
「見せてくれ…このラオウを倒した男の顔を」(ラオウ)
「見事だ…我が弟よ」(ラオウ)
「ユリア! お前の命は後数年は持とう」
「残る余生、ケンシロウと2人で静かに、そして幸せに暮らせよ」(ラオウ)
「さらばだ、ケンシロウ」
「俺もまた天へ…トキのもとへ帰ろう」(ラオウ)
「来るな! 何をしにここへ来るつもりだ?」
「お前の目には、もはやユリアしか見えないはず」(ラオウ)
「ましてやこのラオウ、天に帰るに人の手は借りぬわ!」(ラオウ)
「我が生涯に、一片の悔いなし!」(ラオウ)
「もしラオウが、自らの闘気をユリアに分け与えていなかったら」
「俺は負けていたかもしれん」(ケンシロウ)
「この暴力の荒野は、恐怖によって統治するよりすべはありませんでした」
「しかし、恐怖による統治には本当の安らぎはありません」(ユリア)
「ラオウは、愛を持つ者に倒されることを」
「そしてこの荒野に再び暖かい光が降り注ぐことを」
「きっと願っていたのでしょう」(ユリア)
「わたくしには、そんな気がしてなりません」(ユリア)
「ラオウよ…俺にはあなたが最大の友だった」(ケンシロウ)
「ラオウ、トキと共に眠れ」
「俺はあなたの生き様を胸に、北斗神拳伝承者として生きる」(ケンシロウ)
「ダ…ダメ、絶対に追わないって約束したでしょう」(リン)
「お願い、2人だけにさせてあげて」
「2人だけで、静かに暮らさせてあげて」(リン)
「でも、いつか…いつかきっとケンは帰ってくる」
「きっと…」(リン)
北斗の拳2 天帝編
→北斗の拳(天帝編、116話)
→北斗の拳(天帝編、121話)
110話
「かつて、たった1人で戦い続けた男がいた」(バット)
「その愛と勇気の心、私達が受け継ぐ!」(リン)
「私達に…私達にもう少し力があったら…」(リン)
「言うな! その人のことは言うな」
「言ってはならんことだ…」(バット)
「ケンシロウさん、見ていなさるか?」
「北斗の旗を立てて戦う2人を…」(リハク)
「傷を負いながらじっとあなたを待っている2人を」
「”ケンさえいれば”、その言葉を飲み込み戦い続ける2人の姿を」(リハク)
「もし…もしこの若者達の心が聞こえるならば、現れてくだされ!」
「今またあなたの力が…乱世を斬る北斗の光が必要となったのですぞ」(リハク)
111話
「そんなもので、俺は斬れぬ」(ケンシロウ)
「ハル、父の心を忘れるな」
「強く生きろ」(ケンシロウ)
112話
「か…体が熱い。ち…血が震える」
「な…何かが…何かが始まろうとしている」(リハク)
「リンと俺が、これを黙って見ていることが出来ると思うのか!」(バット)
「もとより、北斗の旗を掲げ戦いを始めた時から」
「この命捨てている!」(バット)
「私には出来ない」
「自分が助かるために、身代わりになった人を見殺しにするなんて」(リン)
「私は潔く名乗り出て、戦いのうちに死ぬことを選びます」(リン)
「バット、あの女は助かる」
「1人だけそれが出来る男がいる」(リハク)
「そして私達は、その男の名を知っているはずだ」(リハク)
「わ…我等の心からの叫びが」
「今、奇跡の男をよみがえらせたのだ」(リハク)
「北より、お前達に死を告げるために」(ケンシロウ)
「臭い息を吐くのは、それぐらいにしておけ」(ケンシロウ)
「俺の名を知ったところで、人に語ることは出来ん」(ケンシロウ)
「(化け物?) ただの人間だ」(ケンシロウ)
「先に行くのは私じゃない」
「バット、あなたが先に行くべき人よ」(リン)
「ケン…見て、このバット…」
「この傷だけじゃないの」
「バットの体には、数えきれないくらいの傷が…」(リン)
「その傷の全てが、私を…私を助けるために」
「1つひとつの傷が、全てこの私を守るために」(リン)
「リンを…リンをもう一度、あなたに会わせたかった」(バット)
「バット…男の顔になったな」(ケンシロウ)
113話
「短い人生だったが…ユリアは、安らかに逝った」(ケンシロウ)
「これは、ユリアからお前にと」
「生きろよ、リン」(ケンシロウ)
「行こう、リン、バット」(ケンシロウ)
「初めて…初めて私達に”一緒に来い”と言った」(リン)
「あなた達も既に戦士ということだ」(リハク)
「あの賞金首は俺の物だ、失せろ」(アイン)
「お前ら、女はいるのか?」
「なら気兼ねする必要もないか」(アイン)
「俺の名はアイン」
「恨みはねえが、貴様の首もらい受けるぞ」(アイン)
「(何のため?) これ(女)のためだ!」(アイン)
「俺は今までこいつ(ケンカ拳法)で負けたことはねえ」
「気に入らねえ奴はこの拳でぶっ潰すだけだ」(アイン)
「お前には女がいるな?」(ケンシロウ)
「ごめんな、やっぱり俺は強いよなあ」(アイン)
「ケンシロウ、お前の首は必ずこのアインが取ってやるぜ」(アイン)
「参ったなあ…」
「負けたなんて、俺の女は許してくれねえからなあ」(アイン)
「今すぐに楽にしてやる」(ケンシロウ)
「息をするのも面倒だと言ったな」
「秘孔”喘破”を突いた」
「息は吐けても、もう吸えん」(ケンシロウ)
114話
「リンとバットが…あの子達も戦ってる」
「レイ。あなたの心は、あの子達にも受け継がれているのね」(マミヤ)
「天帝がお怒りだ」
「北斗南斗は、今よりこの世から消滅する」(ソリア)
「今日より、北斗南斗の歴史を後世に語り継いではならん」
「北斗南斗を口にする者は容赦せん」(ソリア)
「天空に輝くは我が母星・太極星のみ」
「北斗七星は天帝の戦車といわれ、天帝の一戦士に過ぎん」(ソリア)
「その北斗が反旗を翻すとは、重罪に値する」
「北斗抹殺は天帝の命令なのだ」(ソリア)
「これよりは天帝の時代」
「我が元斗皇拳の時代だ!」(ソリア)
「おせっかいの好きな野郎だぜ」
「まあ、お手並み拝見といこうじゃないの」(アイン)
「(逃げる?) ダメよ、アイリ。ここはレイの眠る村」
「私のために、命を懸けてくれたレイが眠る村よ」
「捨てることは出来ないわ」(マミヤ)
「もう二度と…二度と使わないと誓って、ここに封印したの」
「ごめんなさい、私はまた戦います」(マミヤ)
「マミヤ。戦いを捨てたお前が、なぜ武器を取る?」(ケンシロウ)
「すぐにこの村から立ち去れ」
「さもなくば、俺が相手になる」
「後ろのお前達のことだ」(ケンシロウ)
「やはり口で言っても無駄か」(ケンシロウ)
「俺は帝都の将軍・紫光のソリア」
「逆賊北斗は滅ぶべし」(ソリア)
「元斗皇拳とは、肉体の細胞を滅殺する拳法」
「体内の闘気を刃とし、その切り口は、ある者は蒸気と消え去り」
「ある者は氷のごとく凍てつく」(ソリア)
「元斗皇拳ソリア、その名前は覚えておこう」
「だが! 後のたわ言は地獄の鬼に言え」(ケンシロウ)
「北斗は、滅せず!」(ケンシロウ)
「全く…大したタマだぜ」
「これでまたあいつの賞金が上がるなあ」(アイン)
「俺のカワイ子ちゃんが喜ぶぜ」(アイン)
「天帝。あくまで北斗を滅ぼすつもりであれば」
「俺の手で天帝に死を!」(ケンシロウ)
「北斗を抹殺せよ、天帝の勅命だ」(ファルコ)
「北斗2000年の歴史、我ら元斗皇拳により葬り去るのだ」(ファルコ)
115話
「天帝はお怒りだ」(ファルコ)
「おっと、いけねえ」
「俺の食いぶちが動き出したぜ」(アイン)
「北斗、滅ぶべし」(ファルコ)
「(礼?) いや、ただ通りすがっただけだ」(ケンシロウ)
「恩義には恩義で応えねばなるまい」
「ここには緑もある、水もある」
「遠慮はいらん、ここで自由に暮らすがいい」(ショウキ)
「お前は、名を聞かぬのか?」(ケンシロウ)
「聞かぬ方がいいだろう」
「聞けば戦うことになるかもしれん」(ショウキ)
「女の命は長くないと見た」
「見過ごすことは出来ん」(ショウキ)
「久しぶりに心が温かくなったわ」(ショウキ)
「あの村で、ユリアは死んだ」
「だが、あの地がなければ、ユリアに最期の安らぎはなかった」(ケンシロウ)
「俺はお前との恩義を取る」
「行け、ケンシロウ」(ショウキ)
「次から次へと邪魔者が出てくるぜ」
「早いとこ片付けて賞金をもらわなきゃ、俺のかわいい女に怒られちまうぜ」(アイン)
「無念だ…ここに進退窮まったか」(バット)
「北斗軍を名乗る反乱軍、貴様らは敗退したのだ」
「これ以上の殺戮を私は好まん」(ファルコ)
「貴様ら兵士は、いずれ天帝の子として歴史を語り継ぐ」
「だが、リーダーだけは許さん」(ファルコ)
「北斗南斗を名乗る者は、その子孫まで血を断つ」
「天帝に仕える身でありながら、刃を向けた罪は重い」
「リーダーは前へ出よ」(ファルコ)
「俺1人の命でみんなが助かるんなら本望だぜ!」(バット)
「確かに俺がリーダーだ」
「だがな! ただでやられるわけにはいかねえぜ!」(バット)
「てめえの命を一緒に連れてってやらあ!」(バット)
「しょせん北斗は夜に光る星、我が元斗皇拳の敵ではない」
「死ぬがいい」(ファルコ)
「リン、みんな…さらば!」(バット)
「違う…俺の目は節穴ではない」
「貴様の目はおのが命より大事な者に殉ずる目」
「真のリーダーは他にいよう」(ファルコ)
「ま…まさか、神のいたずらか、運命の皮肉か」(ファルコ)
「みんな、ありがとう」
「でも、覚悟は出来ています」
「だから、みんな下がって!」(リン)
「女子供とて、情けはかけん」(ファルコ)
116話
「リンとやら、これも宿命」
「死ぬがいい」(ファルコ)
「この役には、帰り道はねえんだ」(ハズ)
「おめえさんには荷が重いってもんだ」(ギル)
「愚か者、わざわざ息の根を止められに来おったか」(ファルコ)
「よかろう、天帝の名において逆斗は砕く」(ファルコ)
「何人もこのファルコの皮膚一枚、一筋の傷も付けることは叶わぬ」(ファルコ)
「アイン、お前の相手をしている暇はない」(ケンシロウ)
「将軍は…ファルコ様は…」
「今まで我等のために涙を使い果たし、すでにその涙は枯れているのだ」(天帝軍兵士)
「ファルコ様こそ、我等の心を震わす光なのだ」(天帝軍兵士)
117話
「あいにく俺は群れをなすのが嫌いでね」
「獲物は1人で取るのが主義なんだ」(アイン)
「バットに心配は要らぬことは、お前が一番よく知っているはずだ」(ケンシロウ)
「その時には、中央を潰せばいいんだよ」
「もうすでに、反逆ののろしは上げられたのだ!」(バット)
「俺達にはあの人がいる!」
「後は突き進むだけだ!」(バット)
「(賞金稼ぎは)好きでやってるわけじゃねえよ」
「俺には大事な女がいる、そのためだ」(アイン)
「こんな時代だ。生きてたって死んでたって、どっちみちおんなじだ」
「俺達もいずれ死ぬ」(バット)
「だったら、俺は自分の好きな奴のために、この世の中を少しでも変えてやる」
「あんたはそうは思わないかい?」(バット)
「お前は今日、愛する者のために戦った」
「その心をいつまでも忘れずに生きていけ」(ケンシロウ)
「アスカよ、お前のために歴史を作ってやろう」
「お前がいつか、この父を語る時が、胸を張って誇れる歴史をな」(アイン)
「飛行船はその後だ」(アイン)
118話
「(戦うか退くか?) どちらも選ばん。このまま村を素通りしてもらいたい」(ファルコ)
「今ここでラオウを倒すことは出来よう」
「だが、このファルコも死ぬ」(ファルコ)
「ラオウ倒れればラオウの軍は統率を失い、暴徒となって村人に襲いかかる」
「村は荒らされ、村人は皆殺しにされるであろう」(ファルコ)
「ただでとは言わん、土産を渡そう」
「元斗皇拳最強を自負する男の片足…」
「持っていけ!」(ファルコ)
「ラオウよ!」
「村人の血は、たとえ1滴たりとも流したくはないのだ!」(ファルコ)
「ジャコウ総督が呼んだとなれば」
「それは天帝がお呼びになったと同じこと」(ファルコ)
「このショウキも、天帝の将軍」
「この手で弔ってやりたいと存じます」(ファルコ)
「天帝は、既にジャコウ総督の手に落ちている」
「奴を殺せば、天帝も殺される」(ファルコ)
「我が元斗皇拳は天帝を守る宿命の星」
「我が一族2000年の歴史を、俺の代で覆すわけにはいかんのだ」(ファルコ)
「ショウキよ、お前はもう死んだんだ」
「もはや天帝に忠誠を尽くすことはない」
「これよりは自由に生きよ」(ファルコ)
「さらば、友よ」(ファルコ)
「我が恩人ショウキよ」
「この仇、必ず取る!」(ケンシロウ)
119話
「ショウキ、つまらぬ者だが仇は討った」
「次は天帝、お前だ」(ケンシロウ)
「思えば今日(こんにち)のこの混乱は、全てこのファルコの甘さが原因だった」
「あの時、ラオウの言葉通りにしておれば…」(ファルコ)
「年老いた母の祈る姿が、俺を思いとどまらせた」(ファルコ)
「天帝を守るは我が元斗の使命、全てが俺の甘さゆえに起きた混乱」
「ならば、この俺の手で始末をつける」(ファルコ)
「すまぬ、元斗の先人達よ」
「このファルコで元斗皇拳2000年の歴史…終わるかもしれぬ」(ファルコ)
「道を阻む者は、全て死ぬ」(ケンシロウ)
「ケンシロウ、俺を呼ぶのか」(ファルコ)
「使うまいと思っていたが…それは、帝都の中心部に仕掛けた爆薬の起爆装置だ」
「もしこの俺がケンシロウに敗れたならば、サイヤ、そのボタンを押せ」(ファルコ)
「この帝都は、ジャコウも天帝も飲み込み崩れ去るだろう」(ファルコ)
「全ての発端はこのファルコにある」
「ならばこの身の死と共に、全てを天に持って帰ろう」(ファルコ)
「その起爆装置は私に押させて下さい」
「私1人が残されるのは嫌でございます」(ミュウ)
「ファルコ様の死は、このミュウの死と同じこと」
「一緒に連れていっていただきます」(ミュウ)
「元斗皇拳2000年の定めを背負い、この戦いに挑もう」
「もはや思い残すことはない」(ファルコ)
「お前がファルコか」
「退けぬか?」(ケンシロウ)
「退けぬ」(ファルコ)
「天帝のために生き、天帝のために死す」
「それが元斗の定め」(ファルコ)
「確かにお前の闘気には、一片の迷いも曇りもない」(ケンシロウ)
「このファルコ、生きることを望んでお前に戦いは挑まぬ」
「この体、帝都への最後の門と心得い」(ファルコ)
「渡ろう、友のために」
「他に渡る橋はない」(ケンシロウ)
「渡さぬ。このファルコ、死を懸けて」(ファルコ)
「聞こえる…」
「泣いている…天帝が私を呼んで、泣いている」(リン)
120話
「お前は、まだ北斗神拳の真の力を知らぬ」
「北斗神拳の奥義を見た時が、お前の死ぬ時だ」(ケンシロウ)
「貴様こそ思い知ることになる」
「元斗皇拳の威力をな!」(ファルコ)
「やっと手応えがありそうなのが出てきたか」(アイン)
「天は2つ、貴様らの中にも天帝はいるのだ」(ファルコ)
「私が、もう1人」(リン)
「天を2つに割ったのは、このファルコ」
「今日(こんにち)の乱れを呼んだのは、若き日のファルコなのだ」(ファルコ)
「すまぬ。これも元斗皇拳伝承者の背負う、十字架なのだ」(ファルコ)
「この笑いが俺を…この俺を救ってくれた」
「やはりこのファルコ、人間の心は捨てられぬ」(ファルコ)
「分かる…俺にはファルコの気持ちが痛いほどよく分かるぜ」
「女子供を殺せる奴は人間じゃねえや!」(アイン)
「これ以上何も聞くな」
「俺は俺の手で、全ての決着をつけねばならんのだ」(ファルコ)
「そして悲しき2つ星の定めに、終止符を!」(ファルコ)
「その足では…わずかに間合いの中に踏み込めぬようだな」(ケンシロウ)
「その足も、戦わずしてラオウに与えたもの」
「お前を殺してもラオウは喜ばぬ」(ケンシロウ)
「(借り?) 違う!」
「これ(対等)が北斗神拳・拳士の戦い方だ」(ケンシロウ)
「さすがは北斗の男。あえて誇り高き死を選ぶか」(ファルコ)
「お姉さん…捨てられた私の方が幸せでした」(リン)
121話
「どけ! これは大人の仕事だ!」(アイン)
「俺は片足ゆえに攻守に一切の死角を作らず、お前の体力の消耗を待った」
「鍛え抜いたこの足は必殺の武器となる」(ファルコ)
「見切れるか、この蹴りを!」(ファルコ)
「秘孔”戈穴(かけつ)”を突いた」
「もはや勝負はついた」(ケンシロウ)
「(勝負はついた?) それはどうかな?」
「元斗皇拳2000年の歴史、既に北斗封じの奥義は伝授されている」(ファルコ)
「戦いはこれからだ、ケンシロウ」(ファルコ)
「待て! 俺は大丈夫だ」
「お前が拭くのは俺の傷ではない」(アイン)
「ファルコとケンの戦いを止められるのは、お前とルイだけだ」
「無意味に流された2人の血を拭ってやってくれ」(アイン)
「ケンシロウ、なぜもう1寸突き込まぬ」
「さすればこの命、奪えるはず」(ファルコ)
「分からぬ。だがお前の…何かを語るお前の目が」
「俺の…俺の拳を止める」(ケンシロウ)
「(道具もない?) 確かにお前らにゃ無理だろうさ」
「だが俺にはとっておきの武器がある」(アイン)
「こいつよ、この拳でぶち抜けねえ物はねえ」(アイン)
「見くびられたもんだなあ、俺も」
「バカ野郎! 一刻も早くケンとファルコを止めなきゃ手遅れになるぞ!」(アイン)
「こういう時のためにとっておきのもんを使うのさ」
「頼むぜ、我が愛しのゲンコツさんよお!」(アイン)
「汚れた男の手で、貴様は倒れるべき男ではないと、思っただけのこと…」(ケンシロウ)
「俺はお前達のためだけじゃなく、アスカのためにも戦っているんだ」
「だから、邪魔はしないでくれ」(アイン)
「たとえこの命燃え尽きようとも、全てをこの拳に懸ける!」(アイン)
「な…なぜ…なぜ砕けねえんだ」
「な…なぜだ。この俺の命じゃ不服だっつうのか」
「贅沢な野郎だなあ、クソッタレめ…」(アイン)
「ケン! ファルコ! 天帝は無事だ!」
「敵は…敵はジャコウ1人だけだ!」(バット)
「お…俺はお前がいるから何も心配しちゃあいねえよ」
「み…緑の土地はお前達が、きっと作ってくれるんだろう?」(アイン)
「バットよ。こ…これのために死ぬってえのは、なかなかのもんだぜ」(アイン)
「少し、かっこよすぎるかな…」
「まあ、いいか…」(アイン)
「見えるぜ…綺麗な緑の国がよ…」(アイン)
122話
「ケン、ファルコ。友の…俺達と同じ血を持った友の、愛の死に応えてくれ」(バット)
「リンと天帝ルイは、悲しい定めを背負った実の姉妹」
「そして倒すべき敵は、天帝を利用しこの世の支配をもくろんだジャコウのみ」(バット)
「天帝ルイ様が救い出された今、もはや戦う理由はない」(ファルコ)
「待て、雑魚は俺に任せておけ」(ケンシロウ)
「ファルコ、決着をつけるのはお前だ」(ケンシロウ)
「何を勘違いしている」
「ケンシロウ以外の男に(義足が)折れるものか」(ファルコ)
「たとえこの体が9分9厘死んでいようとも、うぬらごとき指1本で倒せる」(ファルコ)
「貴様のために何人が苦しみ、地獄に落とされたことか」
「その度に、何度この心を殺したことか」(ファルコ)
「恨みなどという言葉ではなまぬるい」(ファルコ)
「この世から失せろ、ジャコウ!」
「消え失せろーーっ!」(ファルコ)
「ファルコ…あなたがいる限り、私は死にません」(ルイ)
「ありがとう、ファルコ」
「私のために今日まで、どれだけの血と涙を流し続けてくれたことか」(ルイ)
「あなたに比べれば、私が背負った苦労などほんのわずか」
「せめて…せめてその傷だけは、私に拭わせて」(ルイ)
「アイン、見えるか?」
「お前が死を懸けて望んだ光景だ」(バット)
「確かに告げよう、お前の最期をアスカに…」
「そして語り続けよう、お前の生き様を」(バット)
「心配はいらぬ」
「この俺がいる限り、リンは死なん」(ケンシロウ)
「アイン…お前もまた、俺と共に生きよ…」(ケンシロウ)
北斗の拳2 修羅の国編
→北斗の拳(修羅の国編、126話)
→北斗の拳(修羅の国編、131話)
→北斗の拳(修羅の国編、136話)
→北斗の拳(修羅の国編、141話)
→北斗の拳(修羅の国編、146話)
→北斗の拳(修羅の国編、151話)
123話
「あの…あの死の海の向こうには…」
「修羅の国」
「その国を治めるのは強者の掟のみ」(リハク)
「そしてそこには、我等が北斗・南斗・元斗の源流ともなった」
「4000年の歴史を持つ拳法があると聞く」(リハク)
「男子の生存率は1%」
「15歳までに100回の死闘を繰り返し、勝ち残った者にしか生きる資格を許さぬ」
「恐るべき国じゃ」(リハク)
「この海を渡り生きて帰った者は1人もおらぬ」
「だが、いかなる地獄があろうとも、俺はこの海を渡る」(ファルコ)
「タイガは元斗の将軍」
「全ては元斗の継承者であるこの俺の手で、始末をつけねばならぬ」(ファルコ)
「ケンシロウ。リンはこのファルコが、命を懸けて連れ帰る」(ファルコ)
「お前達のおかげで、俺の船は使い物にならん」
「この船をもらうとしよう」
「この海を越えた陸まで運んでもらおうか」(ケンシロウ)
「(なんのため?) 失ってはならぬもののために」(ケンシロウ)
「赤鯱、あんたの息子の名は?」
「そのつもりで俺をここまで運んだのだろう」
「万が一の期待を込めて…」(ケンシロウ)
「会ったら伝えよう、あんたのことを」(ケンシロウ)
「ケ…ケンシロウ」
「不覚であった」(ファルコ)
「この国は、俺の想像を遥かに超えて強大だった」
「このファルコの力を持ってしても通じぬ…」(ファルコ)
「これは…俺との戦いの傷」
「お前はこの体のまま海を渡ったのか…」(ケンシロウ)
「ああ、それが我が使命」
「戦わねばならぬ敵がいる、救わねばならぬ人間がいる」(ファルコ)
「ならば、この肉体は動かずとも魂は這ってでも前へ進む」(ファルコ)
「ケンシロウ、俺もまた拳士」
「そして元斗皇拳の継承者よ」(ファルコ)
「俺はまだ戦う」
「最後の一片の肉、一滴の血になるまで」(ファルコ)
124話
「心配するな、ルイ」
「リンはいつも試練に耐えてきた」(バット)
「必ずケンが、ファルコが助けてくれる」(バット)
「やはりな」
「ファルコの足が折れねば、貴様は勝てなかった」(ケンシロウ)
「来るがいい、その意味を教えてやる」(ケンシロウ)
「ケンよ。北斗神拳には、一瞬の生を呼び覚ます”刹活孔”があると聞く」
「この海を渡る時、死は既に覚悟していた」(ファルコ)
「このままでも俺はじきに死ぬ」
「ならば誇りと共に死を」(ファルコ)
「だが生は一瞬、それでもいいのか?」(ケンシロウ)
「俺は拳士、元斗皇拳の継承者」
「あえて誇り高き死を選ぼう」(ファルコ)
「お前の魂、しかと受け取った」(ケンシロウ)
「俺はここで負けるわけにはいかぬ」
「我が元斗皇拳の誇りのために」(ファルコ)
「我が元斗皇拳の誇りを汚す者には、死こそふさわしい」(ファルコ)
「ケンシロウ、見届けよ」
「これが俺の最後の秘奥義・黄光刹斬」(ファルコ)
「この国では死は消滅ではない」
「勝利者の血の一部となってよみがえるのだ」(カイゼル)
「う…美しい夕日だ」
「この夕日が沈む頃、元斗皇拳は俺と共に潰える」(ファルコ)
「無念だ…」(ファルコ)
「ミュウが、俺の子を…」
「頼んだぞ、我が魂をミュウのもとへ」(ファルコ)
「ファルコ…お前の心は受け取った」
「リンは必ず助け出す」(ケンシロウ)
125話
「だからおめえじゃ役不足だって言ったんだよ」(シャチ)
「”琉”とは輝く玉」
「すなわち北斗琉拳とは、あらゆる拳法の中で唯一輝く拳」
「最強無比の拳法なのだ」(シャチ)
「ケンシロウという男、あいつは強い」
「これから多くの修羅を倒すだろう」(シャチ)
「奴の出現でこの国は大きく揺れる」
「だが…奴は血を巻き上げる赤いハリケーン」
「いずれ修羅共と共に消え去る」(シャチ)
「そしてこの俺の、もう1つの北斗が輝く」(シャチ)
「俺の名は初めから決まっている」
「シャチだ」(シャチ)
「それと、もう1つ望むものがある」
「俺の正体を見た貴様の首だ」(シャチ)
「修羅の後ろに道はない」
「愚か者が」(カイゼル)
「味わう?」
「食い尽くしてやるわ、貴様の存在ごと」(シャチ)
「俺の狙いはこの女を追ってくる男だ」(シャチ)
「この国の人間には分かるまい」
「男は、己のためのみに生きるにあらず!」(シャチ)
「だが、お前達が死ぬことに変わりはない」(ケンシロウ)
「シャチ…北斗琉拳…北斗がもう1つあるというのか」
「北斗琉拳とはいったい…」(ケンシロウ)
126話
「もし、お友達や好きな人が死んだら悲しいでしょ?」
「その気持ちは、誰が教えたものでもないわ」
「生まれた時から誰もが知っている、決して消すことは出来ない心なのよ」(レイア)
「たとえどんなに人殺しや裏切りがあっても、人が最後に安らげる場所」
「それが”愛”なのよ」(レイア)
「確かに群将だけのことはあるようだな」
「我が北斗琉拳も、ちょうど雑魚の修羅は食い飽きていたわ」(シャチ)
「それがどういうことか分かるか?」
「貴様の動きは既に見切ったということだ」(シャチ)
「殺してもおらぬのに、勝利を確信したがお前の油断よ」
「油断すれば不意の攻めに無防備な受けの構えに転じ、隙を作る」(シャチ)
「(狙うは)それ以上、神こそ我がしもべよ」(シャチ)
「北斗琉拳は神にさえ挑む拳」
「全ての伝承者がその血の一滴に至るまで、野望という名の色に染まってしまう」(レイア)
「北斗を名乗るもう1つの拳」
「やはりこの俺を引き寄せたか」(ケンシロウ)
「野心はないのか?」
「だったら生きていても仕方があるまい」(ハン)
「もう葬っている」(ハン)
「俺の拳は疾風」
「その速さにこの拳の影すら見た者はおらん」(ハン)
「やはり、あなたはこの国の男ではないわ」
「この国の男達は、そんな悲しい目はしません」(リン)
「わざわざそんなことをしなくとも、ケンは来ます」
「ハンという羅将が、倒すべき男であるならば」(リン)
「こいつには恐怖がないのか」
「分からぬ」
「あの男ケンシロウへの深き信頼か…さもなくば愛か」(シャチ)
「レイア…今これを捨てることはない」(ケンシロウ)
「待つがいい、愛する心を忘れぬために」(ケンシロウ)
127話
「親父…俺はやっぱり、レイアを捨てられない」(シャチ)
「俺はこの国にとどまった、勝つことが全ての修羅の国に」
「ならば俺は、戦いの鬼とならねばならぬ」
「神をも食らう鬼に」(シャチ)
「誰の差し金かは知らぬが、この程度の毒で俺は倒せん」
「お前は一生捕らわれ人、逃れることは出来ぬ」(ハン)
「秘孔”頭しょう”を突いた」
「お前が語らずとも、お前の体がハンの居城を示す」(ケンシロウ)
「さすが羅将ハン、やはり見えぬわ」
「これがなければ命はなかった」(シャチ)
「やはり貴様の拳を見切るには捨て駒が必要だな」
「貴様にこの女をくれてやるわ」(シャチ)
「この女がいずれ貴様に死を呼ぶことになろう」
「それまでせいぜいかわいがってやるがいい」(シャチ)
「もうすぐあなたが倒されるということでしょう」(リン)
「そうか、無敵不敗の北斗琉拳」
「このハンが倒されるというのか」(ハン)
「しかし嘘とは言っても興味深い女よ」
「貴様のような鋭い目をした女は初めて見たわ」(ハン)
「その女の言葉に嘘はない」(ケンシロウ)
「チェックだ」
「お前には命を投げるしか他に手はない」(ケンシロウ)
「リン、迎えに来たぞ」(ケンシロウ)
「この俺を倒さねばこの女は渡せぬ」(ハン)
「”なぜ”か…貴様が強い男だからだ」(ハン)
「何、北斗神拳?」
「同じ北斗の名を持つ拳、知らぬはずはあるまい」(ハン)
「よかろう、久しぶりに退屈から解放されそうだわ」(ハン)
「来い。せめて敬意を表して、天のもとで眠らせてやるわ」(ハン)
「雪か…この国では白い雪も、すぐ血の色に変わる」
「この俺が変わったように」(シャチ)
「雪か…貴様の血を誘っておるわ」(ハン)
「少しは骨のある奴だと思ったが、やはりお前も俺の敵ではない」
「少しも退屈から解放してくれん」(ハン)
「お前の間合いは俺の間合いでもある」
「貴様も俺の拳が見えぬらしいな」(ケンシロウ)
「嬉しくて肌が泡立つわ」
「この世に命のやり取りほど面白いゲームはない」(ハン)
128話
「見える、見えるぞ」
「血しぶきが尾を引き、ハンの拳が手に取るように見える」(シャチ)
「今まで影すら見切れなかったハンの拳、見切ったわ!」(シャチ)
「これで奴の役目も終わった」
「後は死んでも構わぬ」(シャチ)
「お前には分かるまい」
「この国に生きるということが…」
「この修羅の国を支配する掟の本当の恐ろしさが…」(シャチ)
「(救世主?) 待てぬ」
「見ろ、戦いを捨てた結果を」(シャチ)
「弱い者はこの国では待つことも出来ぬ」
「俺は強大な拳が欲しいんだ」(シャチ)
「(覚悟?) 修羅を殺した俺だ」
「もはや後戻りは出来ん!」(シャチ)
「鬼となり、修羅と戦ってやる」(シャチ)
「レイア、お前の愛するシャチはさっき死んだ」
「今より俺は、修羅をも超える」
「そして悪鬼の道を歩む」(シャチ)
「俺は悟った、この国で生きるには力がなくてはならぬ」
「強くならぬばならぬ、勝たねばならぬのだ」(シャチ)
「老師ジュウケイより北斗琉拳を学び、野望は育った」(シャチ)
「俺は修羅を食らう」
「羅将共に代わり、この国を制圧するのだ」(シャチ)
「救世主など待てぬわ」(シャチ)
「(救世主は) 魔人よ、世紀末覇者だ」
「その名は…ラオウ」(シャチ)
「ケンは…ケンは、そのラオウを倒した男です」(リン)
「やるな。この俺に拳を当てたのは貴様が初めてだ」(ハン)
「赤鯱よ、俺にはまだやらねばならぬことがある」
「この土地で、2人の男を倒さねばならぬのだ」
「2人の弟を」(ラオウ)
「その2人を倒さずして、かの国には行けぬ!」(ラオウ)
「見よ、まだ俺の力を知らぬバカ共がいる」
「この国をまず制し、2人の弟を倒さねば、修羅の国には行けぬ」(ラオウ)
「いつの日か俺はこの海を渡る」
「そして、修羅の国をもこの手に握ろう」(ラオウ)
129話
「この国は北斗神拳のふるさと、そしてラオウのふるさとなのじゃ」
「人はいつかふるさとを目指すものよ」(ジュウケイ)
「久しぶりだ、これほどの腕を持つ男と戦えるとは」
「嬉しくて胸が高鳴るわ」(ハン)
「強くなったものよ」
「あの時ラオウに抱かれて、この国より船で出た乳飲み子が」(ハン)
「お前は北斗琉拳継承者ジュウケイによって」
「この国から送り出された3人の子の1人だ」(ハン)
「全てが無から始まる時、時代を握るのは拳の力」
「いつの日か、このふるさとへ帰れ」(ジュウケイ)
「見たか、無敵不敗の北斗琉拳を」
「戦いの勝者こそ全て、これが修羅の国の非情の掟よ」(ハン)
「貴様とは実戦の鍛え方が違うわ」
「戦いながら徐々に足の自由を奪っていったのよ」(ハン)
「貴様が俺の足を封じたように、俺は貴様の目の神経を封じていたのだ」(ケンシロウ)
「終わりだ、ハン」
「修羅の国を蝕む非情の掟、自らの体で受け止めよ」(ケンシロウ)
「俺の完敗だ…さすがラオウを倒した男」
「だがお前ではヒョウを倒せん」(ハン)
「ラオウでなければ倒せん」
「たとえお前がラオウより強くてもな」(ハン)
「これより先、お前には地獄よりつらい道が続く」
「帰れ…帰らねば貴様はその宿命に身も心も砕け散ろう」(ハン)
「なんだ? この血のたぎりは」
「ラオウと戦ったあの時のように、この国に血の宿命を感じる」
「なぜだ?」(ケンシロウ)
「俺は行かねばならぬ」(ケンシロウ)
「(リン) 帰れ。帰って、愛する男のために子を産み育てるのだ」(ケンシロウ)
「俺は帰らないぜ」
「俺は親父を捨てた」(シャチ)
「すでに修羅の地獄は揺れ始めた」
「俺はこの国で野望と共に生きる」(シャチ)
「だったら、ケン」
「私はこの国に残ります」(リン)
「一生に一度のわがままかもしれない」
「でも、たとえ許されなくても…私はケンについていく」(リン)
130話
「村人達の悲しみ、貴様には分かるまい」(ケンシロウ)
「修羅の掟にたわ言は要らぬはず」
「汚れなき人々を殺した罪、地獄で悔いよ」(ケンシロウ)
「ラオウ…もはや俺に、帰る道はない」(ケンシロウ)
131話
「強い者が弱い者を虐げ、反抗すれば殺す」
「これがこの国の悲しき現実だ」(シャチ)
「不思議な女よ」
「お前といると俺まで不思議になってしまうぜ」(シャチ)
「暗く長い夜が続くのね」(リン)
「旅の人…彼等の冥福を祈ってやってくれ」(ロック)
「俺達は名もない雑草」
「いつか花咲く時を待っていた」(ロック)
「なんのために…なんのために俺は待ち続けてきたんだ」
「ラオウ様と共に戦う日だけを信じ、今日まで腕を磨いてきたのに」(ロック)
「ラオウ伝説は、俺が引き継ぐ」(ロック)
「化け物が相手じゃ、大変だな」(ケンシロウ)
「もう、料理は終わった」(ケンシロウ)
「ハン…安らかに眠れ」
「お前の仇は俺が討つ」(ヒョウ)
「我が敵はケンシロウ」(ヒョウ)
132話
「俺を倒そうという人間には、この拳で応えるのみ」
「だが、お前をやる気はない」(ケンシロウ)
「お前の目に宿っているのは、殺気ではなく悲しみ」(ケンシロウ)
「命を大切にしろ、ロック」
「お前が死んだら、村人達はどうなる?」
「土に染み込んだ母の血は?」(ケンシロウ)
「この国の新しい希望が、やっと俺にも見えてきたようだ」
「ラオウ伝説を継ぐのは俺じゃない、ケンシロウさんだ」(ロック)
133話
「ハン…共に闘い道を極めた同門の兄弟よ」
「その恨み、ケンシロウの血をもって拭おう」
「この俺の北斗琉拳で」(ヒョウ)
「流派の無念は俺がそそぐ!」(ヒョウ)
「勝てぬ」
「恐らくケンシロウとヒョウの腕は互角、だがケンシロウはヒョウに勝てぬ」
「絶対にヒョウを倒せぬのだ」(ジュウケイ)
「ヒョウは…ケンシロウと血を分けた実の兄弟」(ジュウケイ)
「あまりにも優しすぎる男、ヒョウ」(ジュウケイ)
「だがその優しさが、命取りになる時代」
「そう思ったわしは、あろうことかヒョウの記憶を…」
「この手でヒョウの記憶を奪ってしまったのだ」(ジュウケイ)
「勝てぬ…ケンシロウに実の兄は倒せぬ」
「このジュウケイ、一生の不覚じゃった」(ジュウケイ)
「義に殉ずるか」
「せめて奥義でほふってやろう」(ヒョウ)
「(追う?) 無用だ。あの男の命、長くはない」
「仲間の死を背負っていくのだ、行かせてやれ」(ヒョウ)
134話
「挨拶はよい」
「今日はお前の命をもらいにきた」(ジュウケイ)
「奴の名はカイオウ、第1の羅将だ」
「カイオウの影は人にあらず、魔人の影と共に現れる」(シャチ)
「天帝の子リンとはその女のことか?」
「確かに、この世の全てを背負う宿命の瞳をしている」(カイオウ)
「よかろう。その宿命、俺が引き受けよう」(カイオウ)
「見よ、この俺の憤りを」
「俺の中の魔の闘気が耐えきれぬほどうずいている」
「それは、あの男ケンシロウが現れたからだ」(カイオウ)
「この国4000年の歴史には、ラオウ以前にも救世主伝説があった」
「かつてこの国が滅亡の危機に見舞われた時には」
「必ず恐るべき救世主が現れたという」(カイオウ)
「その力は一瞬にして鬼共を焼き尽くし、その様はまさに神のみがなせる奇跡以外にはなく」
「人々はその男を神と崇めた」(カイオウ)
「その男達こそ、まさに北斗神拳の継承者だった」(カイオウ)
「だが同じ力を持ちながら北斗琉拳はその歴史から抹殺されてきた」
「2000年の長きに渡り、魔道の拳として虐げられてきたのだ」(カイオウ)
「しかし、その屈辱の歴史も我が代で変わる」
「北斗神拳救世主伝説は終わるのだ」
「この北斗琉拳のカイオウこそ、新世紀の創造主となるのだ」(カイオウ)
「リン、天帝の子よ」
「北斗神拳の死を見届けよ」(カイオウ)
「”死を越えてこそ拳士”」
「それはあなた自身の教え、受けて立ちましょう」(ヒョウ)
「その”死葬武衣”を見せられては、手を抜くわけにはいきませぬ」
「どこからでもどうぞ」(ヒョウ)
「あなたは年を取りすぎたようだ」
「ではこちらから参ります」(ヒョウ)
「撃つべきはお前が帯びた偽りの仮面よ」(ジュウケイ)
「体の中に呪文を埋めておいた」
「再び記憶を呼び戻す日のために」(ジュウケイ)
「ラオウ亡き今、カイオウを倒す唯一の道」
「真の北斗を呼び覚ます封印を解く鍵よ」(ジュウケイ)
「鎧に仕掛けをする前に、気配を消す訓練をするべきだな」(ケンシロウ)
135話
「だが拳の優劣ではない」
「拳の業深きゆえに、北斗琉拳は存在してはならぬ拳なのだ」(ジュウケイ)
「北斗琉拳・究極を極めた時、愛する者の命まで奪おうとは…」
「業深き拳よ!」(ジュウケイ)
「カイオウには、得体の知れない何かが取り憑いている」
「私には見える。恐ろしい…恐ろしい何かが」(リン)
「俺の魔闘気が血を求めて、もう我慢できぬほどに怒っておる」
「それも北斗神拳の血が欲しいとな」(カイオウ)
「お前達2人は、北斗を継承してきた北斗宗家の血を引く男達なのだ」
「その北斗の拳こそ、神拳と琉拳の源流の拳」(ジュウケイ)
「そして北斗宗家2000年の歴史の中で、もっとも拳の天分に恵まれた者が生まれた」
「それがまさにケンシロウだ」(ジュウケイ)
「ラオウ亡き今、カイオウを倒せるのは北斗宗家に伝わる秘拳のみ」
「そして、その秘拳を呼び覚ますものの在りかは…」(ジュウケイ)
「ヒョウ、それはお前にのみ継承されておるのだ」(ジュウケイ)
「お前は何も知る必要はない」
「ただ”死”あるのみ」(カイオウ)
「このカイオウこそ、北斗琉拳こそが新世紀の創造主となるのだ」(カイオウ)
136話
「もろい、もろすぎる」
「こんな男に倒されたとあっては、ラオウもさぞや無念であったろう」(カイオウ)
「ほう、これが北斗神拳”無想転生”か」
「さすがだ、ケンシロウ」
「究極奥義なしでは、このカイオウは倒せぬと踏んだか」(カイオウ)
「誰にも俺の実態は捉えられぬ」
「無より転じて生を拾う」
「それが、北斗神拳・究極奥義”無想転生”」(ケンシロウ)
「ならばその”無”を破壊してくれよう」(カイオウ)
「”無”なくして実体を捕まんとすれば、”気”寄るところにあり」
「貴様は自分の闘気を抑えられぬのか」(カイオウ)
「あれが魔人カイオウの拳…恐るべき拳よ」
「だがどちらが勝つにせよ、これでこの国は変わる」(シャチ)
「なんという手応えのなさよ」
「これが北斗神拳・継承者とは」(カイオウ)
「愚かにも、この国の者共はラオウ伝説を信じ、北斗神拳の救世主を待ち続ける」
「だがこのカイオウある限り救世主など現れぬ」(カイオウ)
「北斗琉拳は負けぬ」(カイオウ)
「ほう、よく起きたな」
「しかし、俺を倒すことは出来ぬ」(カイオウ)
「万が一でも俺を倒せるのは、北斗の封印を解いた時のみ」(カイオウ)
「解けぬ、解かせぬ」
「あれは封じ込まれた災いなのだ」(カイオウ)
「優しすぎる男よ」
「その失われし記憶に封じられている北斗宗家の秘拳を思い出させるために」(ジュウケイ)
「ヒョウ。お前は秘拳の在りかを言うより、死を選ぶというのか」(ジュウケイ)
「あ…あの拳は、ケンシロウのためにある拳です」
「あ…あれは弟、ケンシロウのための拳」
「ケ…ケンシロウが帰ってくるまで誰にも」(ヒョウ、子供時代)
「そ…それが、別れた弟のために出来るたった1つのこと」
「だから…だから、言えない」(ヒョウ、子供時代)
「おのれ、ジュウケイ」
「北斗琉拳への裏切り、師といえども許せぬ」(ヒョウ)
「これでよいのだ…」
「今こそこの老いさらばえた身を捨て、過ちを償う時がきた」(ジュウケイ)
「よみがえれ記憶よ!」
「優しい心と共に、”ジ・ザイ”」(ジュウケイ)
「(子供の)俺が泣いている」
「この手の温もりは…どこかで?」
「これは! ああ…」(ヒョウ)
「許せよ、ヒョウ。この国を救うためとはいえ」
「お前から愛すら奪い去り、地獄の底へ導いたことを」(ジュウケイ)
「この命捨てるは、わしに出来るせめてもの償いじゃ」(ジュウケイ)
「北斗神拳に絶望はない」(ケンシロウ)
「まだ気がつかんのか?」
「闘気を操るにおいては、北斗神拳は北斗琉拳の足元にも及ばぬことを」(カイオウ)
「我が魔闘気は、貴様の拳が俺に届く前に、全ての闘気を吸収してしまう」
「北斗神拳など敵ではない」
「その血一滴といえども、この世に残さぬ」(カイオウ)
「この修羅の国こそ北斗琉拳の理想郷、強き者だけが生き残る」
「北斗神拳など、この世に残る価値はない」(カイオウ)
「ジュウケイよ、たわ言はやめろ」
「北斗琉拳が栄えるのを、あの世で見るがいいわ」(ヒョウ)
「お…遅かった、手遅れだった、全ては終わった」
「ほ…北斗の秘拳なくしては、ケンシロウはカイオウに勝てぬ」(ジュウケイ)
「ケンシロウは敗れ去り、時代は大きくゆがもう」
「己の過ちを、ついにこの命でも償いきれなかった」(ジュウケイ)
「ゆ…許せ、この大バカ者を」(ジュウケイ)
「処刑は日没の後。天に北斗七星輝く時」(カイオウ)
「北斗神拳抹殺の時は来た」
「我が北斗琉拳こそ最強の拳」(カイオウ)
「魔道の拳とされてきた北斗琉拳が、今、北斗神拳を超えた」(カイオウ)
「天帝の子、リン」
「お前は俺の子を産むのだ、このカイオウの子を」(カイオウ)
「その日より、北斗琉拳の新創造主伝説が始まる」(カイオウ)
137話
「俺は戻ってきたぜ!」
「おめえらをやっつけるためによ」(赤鯱)
「一度で倒せるチャンスを狙っていたのよ」(赤鯱)
「待て、深追いはするな」
「修羅の奴等は侮れねえ、昔の二の舞はゴメンだぜ」(赤鯱)
「100人の部下と息子を失った、昔の二の舞はな」(赤鯱)
「泣け! わめけ! 北斗の星共よ」
「今こそ北斗神拳の歴史は終焉する」(カイオウ)
「そして、北斗琉拳がこの世の最強拳として君臨する」(カイオウ)
「(なぜ?) 気まぐれさ」(シャチ)
「修羅を食らう鬼、羅刹と言われたこの俺だ」
「簡単には負けねえぞ」(シャチ)
「なかなかの悪ぶりだ、かわいいぞシャチ」
「だが、貴様では俺の鎧に傷1つ付けることも叶わぬ」(カイオウ)
「歯が立たない、なんて奴だ」(シャチ)
「魔界の入り口をうろついていたような拳が」
「このカイオウに通用すると思うか?」(カイオウ)
「貴様は真の悪にはなりきれぬ」
「ゆえに魔闘気を身につけることは叶わぬ」(カイオウ)
「このカイオウに刃を向けた者は何人も許さぬ」
「死ぬがよい!」(カイオウ)
「個体は砕けても液体は砕けぬ」
「これが海に生きる男の知恵よ」(赤鯱)
「俺は海賊・赤鯱様よ」
「狙った獲物は逃さねえぜ!」(赤鯱)
「あんたのおかげで息子と会えた」
「今度は俺があんたを助ける番だ」(赤鯱)
「赤鯱め…俺は魔人、誰1人として生かして帰さぬ」(カイオウ)
「シャチよ、大きくなったな。やっと会えたぜ」
「それもこれだけ強くたくましくなった息子に」(赤鯱)
「聞かせてくれ、お前がこの国でどう生きてきたのかを…」(赤鯱)
「親父、俺の心を…本当の心を聞いてくれ」(シャチ)
「強い者が全て、それがこの国の非情な掟」
「修羅を恐れ、羅将を恐れた人々は、ひそかにラオウ伝説を信じ」
「救世主が現れるのを待った」(シャチ)
「しかし俺は待てなかった」
「老師ジュウケイより禁断の秘拳・北斗琉拳を学び、そして俺は始めたのだ」
「たった1人の反乱を」(シャチ)
「天空に北斗七星輝く時、貴様らの命は消える」
「俺は修羅を食らう鬼・羅刹!」(シャチ)
「俺の戦いは始まった」
「この手で、1人でも多くの修羅を倒す」
「もはや戻る道はない」(シャチ)
「いいのだ、これでいい」
「これで俺が死んでも、野望に憑かれた男が1匹くたばっただけ」
「レイアの心に傷は残るまい」(シャチ)
「俺は、この国を少しでも変えたかった」
「レイアの住む、この国を」(シャチ)
「分かってたぜ、シャチよ」
「俺はお前の親父だ」
「お前のツラを見た時、すぐ分かったぜ」(赤鯱)
「もし腐った目をしてたら、たとえ息子でも助けやしなかった」(赤鯱)
「お前の戦いをやり遂げろ、ケンシロウと共に戦うのだ」(赤鯱)
「泣くな、シャチ」
「鯱は海の虎、そしてお前はこの赤鯱の子」
「お前のために死ねるんだ、嬉しいぜ」(赤鯱)
「それによお…親より先に子が死んじゃ親不孝ってもんよ」(赤鯱)
「ほら、100人の霊が…俺の部下が迎えに来た」
「あの世でも、海賊になってひと暴れするか」(赤鯱)
「いいもんだ」
「わ…我が子に抱かれるってのは」(赤鯱)
138話
「ケンシロウは必ずよみがえる…俺は信じる」(シャチ)
「見ろよ、親父。親父の帰る海は穏やかだぜ」(シャチ)
「(船長?) 断る」
「俺は親父に誓ったんだ。あの人を守り、共に戦うことを」(シャチ)
「ケンシロウを守るのが、俺の務めだ」(シャチ)
「いや、全てはこれからさ」
「俺はケンシロウと共に、この国を変える」(シャチ)
「誰1人血を流さずに生きていける、そんな国を作りたい。そう心に誓った」
「レイア、お前のためにもな」(シャチ)
「見ていてくれ」
「お前がいつも言っていた、愛に満ちたそんな国を作ってみせる」(シャチ)
「行って…私のことは気にしなくていいから行って」(レイア)
「傷ついたケンシロウさんがいる上に、女の私がついていったのでは」
「あなたの足手まといになるだけです」(レイア)
「私1人なら、自分でこの身は守ります」(レイア)
「永久(とわ)の別れじゃないのよ、シャチ」
「また会う日まで、そのペンダントを私だと思って」
「その日まで…その日まで、決して死なないで!」(レイア)
「命を捨て俺を守った親父、みんなの死」
「そしてこのレイアの気持ち、決して無駄にはしない」(シャチ)
「仁義信とはこの魔人カイオウがもっとも嫌うもの」
「このカイオウの時代にそんなものは要らぬのだ!」(カイオウ)
「こ…殺させぬ、命に懸けて」(シャチ)
「こ…この幻影はなんなのだ?」
「我が魔闘気が臆したというのか」(カイオウ)
「北斗神拳の真髄は、極限の怒りと悲しみと聞く」
「その真髄が、魔闘気を怯えさせた」(シャチ)
「心臓が止まっているというのに、なお魂で戦い続ける男」
「今こそ確信した」
「俺はこの男を待つために、この国にとどまっていたのだと」(シャチ)
「あれが、無限の可能性を秘める北斗神拳」
「北斗宗家の真髄か」(カイオウ)
「お…恐るべしケンシロウ」
「だ…だからこそ、だからこそ!」
「北斗宗家は、この世に残してはならないのだ」(カイオウ)
「ケンシロウ、長い旅が始まったぜ」(シャチ)
139話
「あの北斗宗家を絶やさぬ限り、真のカイオウの時代は到来せぬ」
「たとえ神を食らっても、ケンシロウをこの世から葬るのだ」(カイオウ)
「どんな命令が出ているのか知りませんが」
「私にはこの場を見過ごすことは出来ません」(サヤカ)
「(棺の男?) 全て!」
「たとえこの体が八つ裂きにされようと、守るべき全て!」(シャチ)
「あの(棺の)男が俺の記憶の中に…あの男が俺の抱いていた光?」
「まさかあの男が弟ケンシロウ…」(ヒョウ)
「俺が兄弟と呼べるのは2人だけ」
「今は亡きハン、北斗琉拳最強継承者カイオウ」(ヒョウ)
「そしてケンシロウは、我が北斗琉拳に刃向かう最大の敵」(ヒョウ)
140話
「俺はケンシロウを助けるため、この左目を失った」
「だが、後悔していない」
「いや…むしろ俺は、自分自身を誇りに思っている」(シャチ)
「親父もそう思うだろ?」
「よくやったと、褒めてくれるかい?」(シャチ)
「お前の父・赤鯱の命、この老人の心」
「そしてお前の目が、俺の傷を癒やしてくれた」(ケンシロウ)
「ケンシロウ、我等の望みは1つ」
「あんたの望みと同じく、カイオウの命」
「その他にはない」(シャチ)
「見届けるがよい、この俺の戦いを」(ケンシロウ)
「妹だからこそ兄のために死ぬのは当然」
「許しは請わぬ、感謝もせぬ」
「この世に生きる者全てカイオウのためにあるのだ」(カイオウ)
「北斗琉拳のため、このカイオウの新世紀創造のため、犠牲が必要なのだ」(カイオウ)
141話
「情熱きゆえに怒りもまた熱い」
「ヒョウよ、お前も魔界に入ってくるがよい」
「そして弟であるケンシロウと闘うのだ」(カイオウ)
「滅びよ北斗宗家」
「共に食らい合い、共にこの世から消滅するがいいわ」(カイオウ)
「ケンシロウは、北斗宗家の男にして北斗神拳継承者」
「ましてや死の淵から帰ってきた男」(シャチ)
「地獄で何かを得てきたはず」
「再びむざむざとカイオウにやられるわけはないわ」(シャチ)
「俺は、今まで貴様らを降りかかる火の粉だと思って払ってきた」(ケンシロウ)
「だがこれからは違う」
「カイオウに与する者はこの俺が自ら戦い、葬ってやる」(ケンシロウ)
「カイオウのもとへ行き、そして伝えるのだ」
「この俺に二度の敗北はない」
「北斗琉拳カイオウは、北斗神拳ケンシロウが葬ると」(ケンシロウ)
「ケンシロウ…うぬが命以外、もはや何もいらぬ」(ヒョウ)
142話
「カイオウ、聞けばこんな小舟で海を渡るとか」
「この者共、二度とこの国に帰れるとは思えませぬ」(ヒョウ)
「十中八九、海の藻屑と消えましょう」
「ここは行かせるのも将としての器量かと」
「どうか…これ以上は」(ヒョウ)
「(俺を)知っているなら早く決めろ、戦うのか去るのか」
「俺は先を急ぐ」(ケンシロウ)
「この国はカイオウの国、カイオウの命に従わぬ者には死」
「例外はないぞ」(ヒョウ)
「涙とは笑止笑止」
「悲しんで闘う男がどこにいる」(ヒョウ)
「このヒョウの体、どこをえぐっても涙など1滴も見つからぬわ」(ヒョウ)
「たとえ兄でも…否」
「兄ならばこそなお! 我が拳で倒す!」(ケンシロウ)
143話
「カイオウに与し、修羅の地を支配するヒョウ」
「実の兄だからこそ、この俺が倒さねばならぬ」
「それが北斗神拳継承者のさだめ」(ケンシロウ)
「北斗琉拳を継承しながら北斗神拳の影に隠れ」
「世に出ることもなくこの地に果てていった男達よ」(ヒョウ)
「あなた達の怨念、北斗神拳への恨みが、妖気となって羅聖殿を押し包んでいる」
「ケンシロウの最後を飾る場所は、この羅聖殿をおいて他にない」(ヒョウ)
「ケンシロウ。北斗の長き怨念、この場で晴らしてくれる」
「北斗神拳の時代はここで終わる」(ヒョウ)
「そして俺とカイオウの北斗琉拳の時代が始まるのだ」(ヒョウ)
「この俺がいる限り、貴様も、そしてカイオウにも明日はない!」(ケンシロウ)
「俺はもっとも敬愛し、兄とも呼んだラオウすらこの手で葬った」
「たとえ実の兄でも…」(ケンシロウ)
「この男に遠い昔、出会ったような気がする」
「いつだ、思い出せぬ」(ヒョウ)
「お待ちしておりました、ケンシロウ様」
「私は黒夜叉」
「ケンシロウ様の永久(とわ)の従者として、生まれし時より遣わされた者」(黒夜叉)
「お前の拳は見切った」
「もはや北斗琉拳は敵ではない」(ケンシロウ)
「お前の命と引き換えに、その意味教えよう」(ケンシロウ)
「ヒョウ、魔人墜つる時が来た」(ケンシロウ)
144話
「さすが北斗神拳だな」
「だが貴様はやっと俺と同じ土俵に立てたに過ぎぬ」(ヒョウ)
「無駄口を叩けるようでは、少し突きが浅かったかな」(ケンシロウ)
「北斗神拳は一度戦った相手の拳法を、全て自らの体の中に覚えてしまいます」
「あなたと戦ったケンは、もう北斗琉拳には負けません」(リン)
「お前は重要なことを忘れておる」
「ヒョウも北斗宗家の一族、無限の可能性を秘めた北斗宗家のな」
「故に俺はこの闘いを仕組んだ」(カイオウ)
「いざとなれば、必ずやヒョウも目覚めよう」
「そしてその後は、北斗宗家同士の壮絶な闘い」(カイオウ)
「2人の優劣はつかぬ」
「後に残るのは、相打ちとなった2人の骸(むくろ)よ」
「あの2人で北斗宗家は途絶える」(カイオウ)
「魔闘気が引いてゆく」
「奴等の…北斗宗家一族の滅亡の時は近い」(カイオウ)
「もはや、この顔を仮面で覆う必要もあるまい」(カイオウ)
「情などというものを持ったがために」
「ケンシロウの北斗神拳ごときに敗れた弱者ラオウは」
「このカイオウの恥ずべき弟」(カイオウ)
「あなたはラオウには勝てない」
「闘っていれば、必ず敗れたはず」(リン)
「たとえ愚か者と言われても、最後に勝つのは愛に生きる者です」(リン)
「愚か者は勝者になれぬ」
「最後の勝者になるのは…底知れぬ悪」
「悪こそが勝者となるのだ」(カイオウ)
「情に縛られ、愛に死す」
「それがなんになる」
「全ては、己自身を束縛するもの」(カイオウ)
「だが、悪には一切の制限はない」
「悪こそ、この世を制覇するのだ」(カイオウ)
「秘孔が突けぬなら、その体砕き叩き割る」(ケンシロウ)
「これほどの男なら小細工はいらぬ」
「カイオウの命欲しくば、対等に闘える男」
「これほどの男が、なぜサヤカを手にかけたのだ」(ヒョウ)
「それにこの男の目、激情に任せて女を殺すような者には見えぬ」
「分からぬ、なぜお前はサヤカを殺したのだ」
「なぜ…なぜなんだ」(ヒョウ)
145話
「闘神のオーラが泣いている」(ケンシロウ)
「また過去に、俺の意識が飛んでいく…」(ヒョウ)
「危なかった。後1センチ前にいたら…」(ケンシロウ)
「これが北斗宗家、我が兄の拳か」
「しかし、負けるわけにはいかん」(ケンシロウ)
「それ以上、近づかないで!」
「それ以上近づいたら、私は死にます」(リン)
「俺の子を産みたくなければ構わぬ…死ね!」(カイオウ)
「俺の中に愛や情があれば、この心も少しは痛もう」
「だが、俺にあるのは悪」
「お前が死んでも、俺の心にはわずかな波さえも立たぬわ」(カイオウ)
「来い、ケンシロウ」
「命を懸けて、かかってこい」(ヒョウ)
「我が兄よ、出来れば魔界より目覚めさせたかった」
「だが今ここに至っては、あえてこの俺の拳で!」
「ヒョウ、お前を倒す」(ケンシロウ)
「なんだ? この悲しみをたたえた目は…」(ヒョウ)
「卑怯者と蔑まれても構わん」
「俺は愚か者だ」(シャチ)
「死をもって詫びよう」
「さらばだ、ケン!」(シャチ)
「こ…これでいいのだ、シャチよ」(ヒョウ)
「(記憶?) 俺の中で悲しみがはじけた時」(ヒョウ)
「ケンシロウの一撃ごとに記憶はよみがえっていった」
「しかし全てが手遅れだった」(ヒョウ)
「ならば拳士としてお前と闘い、お前の拳を確かめて死ぬ気だった」(ヒョウ)
「俺はつくづく愚かな男だ」
「またカイオウに踊らされていたとは」(ヒョウ)
「カイオウは愛を愚かだと笑う」
「だが見よ。その愚かな愛がシャチを動かし、ケンシロウを救った」(ヒョウ)
「俺はそんな愛に…」
「そんな愚かなほどの愛に生きたことを、決して後悔はしない」(ヒョウ)
「ケ…ケンシロウ」
「俺は、お前が帰ってくるのを待っていた」(ヒョウ)
「立派になった、強くなった」
「あの小さかったケンシロウが…」(ヒョウ)
「やっと会えた、ケンシロウ」
「待っていたぞ、ケンシロウ」
「我が弟よ」(ヒョウ)
146話
「ケン…ケンが無事ならば、私も死んではいけない」(リン)
「大丈夫だ、シャチよ」
「お前の一片の情が俺の破孔を外していた」
「致命傷ではない」(ヒョウ)
「安心しろ、俺はまだ死なん」
「ケンシロウに伝えられるべき秘拳の封印を解くまでは…」(ヒョウ)
「ケンシロウ、お前は強い」
「カイオウと対等に闘い、そして勝てるだろう」(ヒョウ)
「だが秘拳を手にすれば北斗宗家の全てを受け継ぎ、真の伝承者として最強の」
「いやそれ以上の存在となるだろう」(ヒョウ)
「秘拳を…北斗宗家の秘拳を手にするのだ、ケンシロウ」(ヒョウ)
「俺は行く。ケンシロウのために、ヒョウのために」
「そして、この国の未来を案ずるレイアのために」(シャチ)
「(そばにいたい?) いいだろう」
「たとえどんなことがあろうとも、お前の命はこの俺が守る」(シャチ)
「たかが小虫にこれほどの怒りを覚えたことはない」
「うぬの体、叩き散らしてくれるわ」(カイオウ)
「ぼつぼつ死ぬか」(カイオウ)
「女も男もない、このカイオウに逆らう者は全て消し去る」(カイオウ)
147話
「カイオウは己のために実の妹をも殺す男」
「まさに魔神」(ヒョウ)
「愛を信じぬ者が支配する国に喜びはない」
「あるのは、血で血を洗う闘いだけだ」(ヒョウ)
「魔神が支配する世界は終わらねばならぬ」
「この国の未来のためにも、俺は残り少ないこの命をケンシロウのために使おう」(ヒョウ)
「カイオウ、人を愛する心を力で踏みつけようとしても無駄だぞ」(シャチ)
「愛は滅びぬ」
「俺は今この瞬間も、レイアの愛を感じながら闘っている」(シャチ)
「見て、レイアさん」
「シャチを思うあなたの気持ちと、あなたを守りたいというシャチの願いが」
「女人像に届いてシャチに力を与えたんだわ」(リン)
「女人像が伝え語りかけているのは…愛」
「愛こそが、北斗宗家の秘拳なのでは」(リン)
「それほどまでに北斗琉拳のカイオウを忌み嫌い」
「シャチに力を与え、シャチごときに与するか」(カイオウ)
「北斗琉拳は…それほど劣っているというのか!」(カイオウ)
「亡霊など魔神の前では幻想にすぎぬ!」(カイオウ)
「北斗神拳の奥義は愛、ならば北斗琉拳の奥義は悪」(カイオウ)
「悪が愛をも支配するということを、亡霊共に知らしめるためにも」
「秘拳を得たケンシロウを倒してみたくなったわ」(カイオウ)
「(石柱には) 北斗神拳創始者の凄絶なる生涯」
「そして、大いなる遺産が刻まれていた」(ケンシロウ)
「ケ…ケン、もう俺の血は枯れてしまった」(シャチ)
「あんたは俺に、愛のために闘う勇気を教えてくれた」
「だからこそ、くじけずに闘ってこれたのだ」(シャチ)
「レ…レイア。俺は闘いながら、いつも新しい時代を夢見ていた」
「お前が暗い地下室ではなく太陽のもとで子供達に愛を説ける、そんな時代を」(シャチ)
「レイア、最後にこれだけは聞いてくれ」
「俺はお前の愛に生き、お前の愛に死ぬ」
「この生涯に悔いはない」(シャチ)
「シャチ、俺の成すべきことは唯1つ」
「お前の愛は、俺と共に生きる」(ケンシロウ)
148話
「シャチの心と共に闘おう」(ケンシロウ)
「俺は愛を憎み、情を葬る」
「俺にあるのは悪のみ」(カイオウ)
「涙を流しながら俺は誓った」
「母者が北斗の宿命のために犠牲になったというなら」
「俺はその北斗の宿命に反逆しよう」(カイオウ)
「情愛のために死んだというのなら、全ての情愛を抹殺しよう」
「そして悟った」(カイオウ)
「情愛に打ち勝てるもの、情愛に微動だにせぬもの」
「それは唯1つ、悪であるということを」(カイオウ)
「あなたの心は、愛を見失いさまよっている」
「なのにどうして、愛を恐れ憎むの?」(リン)
「今の世に愛なぞ無用」
「愛はすでに朽ち果てているのだ」(カイオウ)
「人を支配できるのは恐怖と暴力」
「愛など塵芥(ちりあくた)同然」(カイオウ)
「ならば俺は、愛のために闘おう」(ケンシロウ)
「北斗神拳は進化する」
「無想転生が敗れたわけではない」(ケンシロウ)
「うろたえるな、ケンシロウ」
「今の貴様はただのカカシに見えるわ」(カイオウ)
149話
「人は俺を”魔神”と呼び、”悪魔”と呼ぶ」
「もっと憎むがよい、その憎しみが俺を強くしてゆく」(カイオウ)
「そのゆがんだ心、許せぬ!」(ケンシロウ)
「この沼は俺にとっての聖地、そして…お前の墓場だ」
「この地ではカイオウは不滅」(カイオウ)
「カイオウ…あの男の心をゆがめ魔神にしたのは、この俺かも知れぬ」(ヒョウ)
「俺が…この俺がたぐいまれなる才能に恵まれていたら」
「北斗宗家の嫡男としての強さを持っていたなら」(ヒョウ)
「死は、常に覚悟している」
「だが見よ!」
「お前の母にもらったこの体を」(ケンシロウ)
「俺は傷を負うごとに、その心をもらってきた」
「カイオウ! この傷と共に、お前の心も刻もう」(ケンシロウ)
「ない心をどうやって刻むか」
「すでに、このカイオウに心は存在せぬのだ」(カイオウ)
「もはや拾おうとしても俺の心は拾えぬ」(カイオウ)
「だが…だが、拾わねばならぬ。それがラオウとの誓い」(ケンシロウ)
「俺が…北斗神拳継承者となった時の、ラオウとの誓いだ」(ケンシロウ)
「ケンシロウ。俺には、幼き日に別れた兄がいる」
「俺たち兄弟が、何を望むか分かるか?」
「それは、栄光のうちの死だ」(ラオウ)
「もし兄がゆがんでいたら、お前の手で倒してくれ」
「お前が偉大な拳士となることを見込んで…頼む」(ラオウ)
「この世に善も悪もない、あるのは強者のみ」
「情など弱者のたわ言にすぎぬわ!」(カイオウ)
「ならば…今こそラオウとの約束を果たそう」
「お前が真に魔王の名に汚れる前に」(ケンシロウ)
「カイオウは英雄として死ぬのだ」(ケンシロウ)
150話
「俺は手段を選ばぬ」(カイオウ)
「北斗七星の形は、お前の動きの死角」
「北斗神拳継承者は必ずその動きをとる」
「拳を極めれば極めるほど、無意識に死角に滑り込むのだ」(カイオウ)
「これぞ、北斗宗家打倒のため、我ら一族に伝えられた必殺の陣”北斗逆死葬”だ」(カイオウ)
「そして見よ! 俺のいる位置を」
「これがお前の運命、お前達の言う”死兆星”の位置だ」(カイオウ)
「俺を卑劣と呼ぶなら呼べ」
「うぬを倒し、北斗宗家を滅すれば、卑劣という言葉も心地よく響くわ」(カイオウ)
「リン、お前だけはカイオウの意のままにはさせぬ」(ヒョウ)
「ま…まだ目を開いてはならぬ」
「お前の見るべき男はたった1人」(ヒョウ)
「分かったか、ケンシロウ」
「心を捨てた者が勝ち、心を残す者は滅びる」(カイオウ)
「カイオウ! お前は今こそ知る」
「愛ある者の強さを」(ケンシロウ)
「体内の毒は抜けた」
「後はお前を倒すのみ」(ケンシロウ)
「見せてやる、カイオウ不敗の拳を」
「誰に教えられたわけでもない、生まれついてより染みついた構え」(カイオウ)
「この構えより打ち出す拳は、未だかつて一度たりともかわされたことはない」(カイオウ)
「思えば、ラオウもトキも愛にさまよっていた」
「その高き誇りをこれ以上汚すというのなら、倒すことが愛」(ケンシロウ)
151話
「今ようやく分かったわ」
「何故このカイオウが北斗宗家をここまで憎悪し、全霊でその抹殺を図ったのか」(カイオウ)
「伝承者となる資格を持ちながら弾き出され、のけ者にされた魂が…」
「怒っていたのだあ!」(カイオウ)
「恨むのなら、この身を思う存分打つがいい」
「だが許すわけにはいかぬ」
「貴様の魂は、ゆがみ汚(けが)れているのだ」(ケンシロウ)
「どうやらここまでのようだ」
「このヒョウ、修羅の国で第2の羅将と呼ばれた男」
「命を懸ければ時間を稼ぐことは出来る」(ヒョウ)
「(リン) 守ってみせよう」
「このヒョウ、最後の力見せてくれるわ」(ヒョウ)
「分からぬか?」
「それが北斗宗家の拳の限界なのだ」(ケンシロウ)
「カイオウ」
「今お前が使った拳は、まぎれものなく北斗宗家の拳」(ケンシロウ)
「だが極められた拳ゆえに受けの技も極められ」
「実戦での戦闘力はすでにない」(ケンシロウ)
「それ故、2000年前に無敵の暗殺拳が切望された」
「それこそが北斗神拳」(ケンシロウ)
「完成された宗家の拳に、それ以上はない」
「だが、北斗神拳は戦場の拳」
「千変万化する闘いの中で、常に奥義を見出してゆく」(ケンシロウ)
「故に無敵なのだ」(ケンシロウ)
「実戦では、打ち出されるコブシにこそ隙がある」
「拳に互角であれば、我が拳は敵のコブシそのものを破壊する」(ケンシロウ)
「惜しむらくは、今日までのお前は井の中の蛙」
「己より強い男と闘ったことがなかった」(ケンシロウ)
「だが俺は、俺よりも強い男達の戦場を生き抜いてきた」(ケンシロウ)
「認めぬ…断じて認めぬ」
「戻れ、この腕に再び力を」(カイオウ)
「俺とカイオウが何ゆえこの地に残されたか分かるか?」
「俺は…脆弱さゆえに」(ヒョウ)
「だがカイオウは違う」
「カイオウはそのあまりに激しき気性ゆえに!」(ヒョウ)
「英雄への道を閉ざされ、なおかつ無尽の天分がありながら」
「その激しすぎる性格ゆえに北斗神拳への道を閉ざされた」(ヒョウ)
「思えばカイオウも哀れ」
「これ以上カイオウに悲しみを背負わせることは出来ぬ」(ヒョウ)
「いかに貴様の拳が強くとも、俺にも天を目指した意地がある」
「俺はただ、覇者への道を歩くのみ」(カイオウ)
「貴様の拳で、この俺を止めることは出来ぬ」(カイオウ)
「確かに、俺が今までに味わったことのない戦場の拳」
「だが負けぬ、貴様にだけは断じて負けぬ!」(カイオウ)
152話
「行くぞ、ケンシロウ。今こそ北斗琉拳2000年の屈辱を晴らさん」
「我が母の、始祖リュウオウの、そして俺の恨みを込めて」(カイオウ)
「拳に命を懸けた男と男の勝負」
「見守ることが我等の努め」(リハク)
「通じぬ…お前の魔闘気は通じぬ!」(ケンシロウ)
「は…母者よ。たとえ天地逆となっても、己の道は変えぬ」
「最後に…最後に今一撃の力を…母者!」(カイオウ)
「長かった…2000年前に創られし北斗の悲劇」
「今、その決着はついた」(ケンシロウ)
「だが…これでよかったのか?」
「北斗の創始者よ」(ケンシロウ)
「見事だった。史上最強の拳・北斗神拳、しかと見届けた」
「初めて俺は負けたのだな」(カイオウ)
「北斗琉拳2000年の怨念…」
「もしも立場が逆だったら、俺が始祖リュウオウが北斗宗家となり」
「俺が北斗神拳の伝承者となっていたら…」(カイオウ)
「俺がこの場に倒れていたかもしれぬ」(ケンシロウ)
「お前もまた、友であった」(ケンシロウ)
「やはり天はお前を選んだ」
「俺のは儚い夢だった」(カイオウ)
「突きに来たのではない」
「お前にひと言、言いたかった」(ヒョウ)
「俺が強かったら…北斗宗家の嫡男としての力量が十分であったら」
「お前はゆがまなかったはず」(ヒョウ)
「全ては俺の責任」
「許せ…カイオウ、この軟弱な弟を」(ヒョウ)
「やがて…サヤカにも会える」
「その時こそ…3人で」(ヒョウ)
「ヒョウよ…またあの幼き日に戻って、共に遊ぼうぞ…」(カイオウ)
「この地は…母者の眠る地」
「このカイオウ、すでに死に場所は決めてある」(カイオウ)
「さらば、カイオウ」
「さらば、ヒョウ…」(ケンシロウ)
「リンのことは、ヒョウに聞いた」
「今までの記憶は失われ、目覚めた時、最初に瞳に映った男を愛するということを」(バット)
「これでやっと、リンも自分の願いが…」
「リンは…リンはずっとあなたを慕い続けてきた」(バット)
「リンは今日まで、つらく悲しい日々を耐えてきた」
「だが、もはやその必要はない」(ケンシロウ)
「リンが、自分の幸せのために生きる時が来たのだ」(ケンシロウ)
「俺の行く手には闘いが待っている、それが俺の宿命」
「バット…リンを頼む」(ケンシロウ)
「リンの愛に応えられるのは、お前しかいない」(ケンシロウ)
「バット…リンと共に幸せに暮らせ」
「さらばだ」(ケンシロウ)
「友が今日の俺を作った」
「友の心、友の愛が」(ケンシロウ)
「友のコブシは我がコブシ」
「だが、俺は闘い続ける」
「そこに、友がいる限り」(ケンシロウ)
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