「永遠の0(ゼロ)」の名言・台詞まとめ

マンガ「永遠の0(ゼロ)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

永遠の0

1巻

「宮部久蔵。大正8年生まれ 昭和9年海軍に入隊 昭和20年南西諸島沖で……戦死」
「一行で書けば……僕の祖父の人生はそういう事だ」(佐伯健太郎)

 

「私は知りたいの! 私のルーツなのよ。健ちゃんのルーツでもあるのよ!!」(佐伯慶子)

 

「特攻隊ってテロリストらしいわよ」
「9・11のニューヨーク貿易センタービルに突っ込んだ人達と同じなんだって」(慶子)

 

「80歳を超える当時の戦友たちもほとんど亡くなっているだろう……ちょっと遅すぎた。いや……今が間に合う最後の時かもしれない……」

「生きる事さえ止まっていた僕を、小さな疑問が突き動かす」
「ジイさん……アンタ本当に、テロリストなのかよ!?」(健太郎)

 

「奴は! 宮部久蔵は、海軍航空隊一の臆病者だった!」
「宮部久蔵は、何よりも命を惜しむ男だった!!」

「そのものズバリ、命が惜しくて惜しくてたまらない……という男だ」(長谷川梅男)

 

 

「わしは戦闘機乗りになった時から、命は自分のものとは思っていなかった……絶対に畳の上では死ねない──と思っていた……」

「考えることはただひとつ! どう死ぬか──だ」(長谷川)

 

「石岡さん……戦闘に必勝法などありませんよ……あるのは──ただ……生きて帰る。この気持ちを強く持つ事です!」(宮部久蔵)

 

「わしが左腕を撃たれている間──宮部! お前はどこを飛んでいたのだ」(長谷川)

 

「……私は、(長谷川さんは)かわいそうな人だと思った……」(慶子)

 

「私はね、正直言っておじいさんには少しガッカリしちゃった」

「特別……勇敢な兵士であってほしいわけじゃないけど……元特攻隊員っていうから、もっと勇ましい人かと思ったのに、臆病者だったなんて──」(慶子)

 

「初めてじゃ……こんな話を人にしたのは……あんたには一度……こんな話を聞いてもらいたかった……」
「ありがとう……あんたらには会えて……本当に感謝しているよ」(長谷川)

 

「まだまだ僕なんかの想像では手の届かない……生と死がそこにあるのだ。そして……もう逃げ出せない自分がそこにいる事に……気がついた」(健太郎)

 

2巻

「零戦の正式名称はね、三菱零式艦上戦闘機。名馬は千里を走って千里を帰るっていうけれど……零戦こそまさに名馬だったのね!」

「三千キロを越す長大な航続距離、卓越した格闘性能。零戦はこのすべてを兼ね備えた、無敵の戦闘機なのよ!」(慶子)

 

「戦争の体験は決して自慢出来るもんじゃあありませんが……ワシは今でも零戦に乗って大空を駆け巡った事は……人生の誇りにしとります」(伊藤寛次)

 

 

「確かに宮部は勇敢なパイロットではなかったと思います。しかし……優秀なパイロットでした!!」(伊藤)

 

「伊藤さん。直衛は攻撃よりも大切な任務だと思います……母艦を守る事は大勢の人の命を守る事だからです」(宮部)

 

「上海から戻って大村に行く前に結婚したのです。新婚生活はたった一週間でした……」
「真珠湾攻撃に参加するとわかっていたら……結婚はしませんでした」(宮部)

 

「今日眼の前で、艦攻が自爆するのを見ました」
「被害状況を把握し帰艦をあきらめ、自爆を決意したんです……彼らの笑顔はすがすがしく、死にゆく人間の顔とは思えなかった」(宮部)

 

「私は死にたくありません」
「私には妻がいます……妻のために死にたくないのです……自分にとって、命は何よりも大切です!!」(宮部)

 

「私は帝国海軍の恥さらしですね」(宮部)

 

「あの頃の私達は、現代の条理の世界ではありません。死と隣り合わせの世界というか……生の中に死が半分混じり合った世界で生きていたのです」

「死をおそれる感覚では生きていけない世界なのです……」
「なのに宮部は死をおそれていた……彼は戦争の中にあって、日常の世界を生きていたのです。なぜそんな感覚を持つ事が出来たのでしょう」(伊藤)

 

「誤解しないでもらいたいのですが、宮部の信念を非難しているのではありません。ただ……宮部のあの時の考えは、立派であるとは決して言えない」

「戦争は一人で戦うものではない……時には自分を犠牲にして戦わねばならない……わかりますか、これ!?」(伊藤)

 

「私! 戦争の話をきちんと聞く……って、とても大切な事じゃないかと思うんです」(愛澤海波)

 

 

「空母がいませんでした」
「我々が今日やったように、いずれ米国の空母が我々を襲ってきます。そのためにも空母を叩いておきたかった」(宮部)

 

「(敵空母と)まともに戦えば! まず……我が方の圧勝と思います!!」(宮部)

 

「戦争をしている人達……いや、戦争をしなければならない人達の気持ち……が今の僕にはまだわからない」(健太郎)

 

「昭和16年12月10日、マレー沖海戦。艦載機に比べ鈍足の爆撃機が、イギリスの誇る新型戦艦『プリンス・オブ・ウェールズ』を航空機の攻撃だけで撃沈した」

「それまでの艦船同士の決戦から航空兵力主体の戦い方へと、世界の海戦のあり方が大きく変わってゆく……」(健太郎)

 

「あの頃の私達・日本海軍は連戦! 連勝!!」
「太平洋を縦横無尽、向かうところ敵はなし!」

「そんな見くびった気持ちで大国アメリカと戦争をしていたのです……完全な驕りです」(伊藤)

 

「なぜこんなのんびりとした事をやっているんだ。すぐに攻撃しないと……」
「沈めなくたっていい!! とにかく先手を取らないと……」(宮部)

 

「ではなぜ最初の雷装を爆装に変更したんです!?」
「一番の目的が空母なら、雷装のまま敵空母発見の報を待っているべきだったんです」

「今……攻撃されたら、爆弾と魚雷がむき出しです。巨大な火薬庫が……浮かんでいるようなものではないですか!!」(宮部)

 

 

「それはまっすぐに降りてきました」
「まるでそれは、審判を告げる天空の使者。米空母エンタープライズのTF16爆撃隊マクラスキー少佐、ドーントレスSBD急降下爆撃機4機。奴が襲ってきたのです」

「瞬間──私達は悟りました……もうダメだと。空気を切り裂く乾いたその音は、私達の油断と驕りを……地獄のそこで嗤う鬼の声。戦争の歴史を大きく変えた、一撃です」(伊藤)

 

「運命の5分間。その結末はあまりにも有名です。そして、惨めなものです」(伊藤)

 

「あと5分猶予があれば!? 我々日本海軍はミッドウェーで勝利していた。あれは運が悪かったのだ……と言われているが、それは嘘です」(伊藤)

 

「僕はこの時初めて実感した……祖父──宮部久蔵は、歴史の1ページに登場する、生きた人間だったのだと」(健太郎)

 

「ソロモンの海こそが搭乗員の墓場。ラバウル転属の辞令は、地獄への片道切符と言われていたんです」

「宮部はそんな地獄の戦場で一年以上も生き残ったと聞いています。もしかしたら臆病ゆえに命をながらえる事が出来たのかもしれませんね……」

「さきほどの話ではないですが、空の上では勇敢な者から死んでいく世界ですから……」(伊藤)

 

「終戦直前に、宮部のような熟練搭乗員までも特攻機に乗せるとは……」

「ヒドイ話ですが、特攻で散った多くは予備学生と若い飛行兵です。それは……体当たりするだけの搭乗員なら、彼らでいいという事だったんです……」(伊藤)

 

「あれほど生きて帰りたがっていた宮部に、特攻の出撃命令が下された。それも8月終戦間際に行われるとは……どれほど……悔しかった事だろうか……」(伊藤)

 

「時が流れ……戦争の真実を語ってくれる人達がこの掩蔽壕と同じようにみんないなくなってしまったら……世界がまた戦争をしてしまうような気がして……私は怖いです」

「そんな事は絶対にない……って、言える自信のない私が怖いです」(海波)

 

3巻

「戦争の真実を語ってくれる人達がいなくなってしまったら、それを語り継ぐ自信がない……」

「バイトのつもりでつい引き受けちゃったこの調査……実は後悔している部分があったんだ。それがね……始めてよかったなって思い始めてる……」(健太郎)

 

「そしてこの旅でひとつだけ僕はハッキリわかった事があるんだ。前に記事で読んだんだけど、平和の原点は人の痛みがわかる心を持つ事、なんだって……」

「だとしたら!? その痛みはどんな強烈なものなのか!? 本当にわかる事ができるのか!? 宮部久蔵はきっと僕らをためしている」(健太郎)

 

「たまたま彼らは飛行機のパイロットだっただけで……普通の人達と同じだったんではないですか!?」(健太郎)

 

「井崎さん! 米軍は侮れません……手強い相手です。気を抜けば命はありません」(宮部)

 

「あの戦争で日本はアメリカとだけ戦っていた訳ではないのだよ……南太平洋の島や国々を巻き込み、アメリカの同盟国・豪州や英国など世界を敵に回し戦っていたんじゃ」(井崎源次郎)

 

「私はラエでポートモレスビー駐留の米英戦闘機隊と毎日のように戦った。初めての空戦も経験したし……本当に鍛えられた。空戦の経験こそが最大の勉強です」

「ただし! 学校の勉強と違うところは、学び損うと死ぬ事」(井崎)

 

「ラバウルに多くの撃墜王が誕生したのは当然です。彼らは毎日くり返される死の篩にかけられて、生き残った人達だからです」(井崎)

 

 

「雲という奴は、飛行機乗りにはイヤなものです。雲の向こうに敵がいても見えない。雲の中から突然現れた敵機にバッサリやられる危険がある」(井崎)

 

「いいか井崎! 敵を墜とすより敵に墜とされない方がずっと大事だ!」
「それともアメリカ人一人の命と自分の命を交換するのか!?」(宮部)

 

「では何人くらいの敵の命なら交換してもいい!?」(宮部)
「……十人くらいならいいでしょうか!?」(井崎)
「おいおい! お前の命はそんなに安いのかあ!?」(宮部)

 

「たとえ敵機を討ち漏らしても生き残る事が出来れば、また敵機を撃墜する機会はある。しかし! 一度でも墜とされればそれでおしまいだ」

「だからとにかく、井崎! 生き延びる事を第一に考えろ──」(宮部)

 

「すべては慣れだよ。あとは続ける根気だ。続けていくうちに力がついてくる」(宮部)

 

「立派じゃないよ、こんな事はみんなやってる」
「誰もわざわざ皆の見ている前でしないだけさ」(宮部)

 

「楽ではない。しかし! 死ぬ事の苦しさに比べたら、何ほどの事もない」(宮部)

 

「辛い……もうやめよう、そう思った時は、それを見るのです。それを見ると勇気が湧いてきます」(宮部)

 

「娘に会うためには……何としても死ねない」(宮部)

 

「生き残るという事がいかに大切なものであるかという事を、その時……私は百万の言葉より教えられた気がしました──」(井崎)

 

「しかし! まもなく、どんなに努力をしても……生き残る事さえ困難な戦いが始まりました。そこは本当の地獄でした」(井崎)

 

「560浬(カイリ、約千キロ)! 無理だ……こんな距離では戦えない!」(宮部)

 

「井崎……今度の戦いはこれまでとはまったく違ったものになる……」
「いや……(ガダルカナルは)知らない。しかし……560浬がどういう距離かはわかる……零戦が戦える距離ではない!」(宮部)

 

「片道560浬は容易な距離ではない。巡航速度で三時間以上かかる……ガダルカナル上空での戦闘時間は十分少々だろう。帰りの燃料を考えると、それ以上の空戦は危険だ!」

「方位を見失って無駄な航路を取ると、帰還できない恐れもある」(宮部)

 

「行きは大丈夫だ。しかし空戦になって編隊とはぐれたら、あとは自力でラバウルまで帰投しないといけない……560浬の洋上を地図とコンパスだけで飛ぶのは簡単な事ではない!」(宮部)

 

4巻

「何度も言うように、私が生き残れたのは宮部小隊長の列機でいたからです。そして生き残る事で、逆に死ぬ事の怖さを知ったのです」(井崎)

 

「今だから言えますが、私は死ぬ事をまったく怖れてはいませんでした。19歳の若者に、命の本当の尊さなどわかるはずはなかったのです」

「たいした大金も持たないでギャンブルに行き……どうせ負けるだろうと思って平気で全額賭けていた」

「しかしどうした訳か勝ち続けてしまい……恐怖を覚え……負けたくないと思い始めるのです──」(井崎)

 

「朝……一緒に飯を食った仲間が、夜にはいない。日本海軍航空隊の誇る名人級の搭乗員が、連日帰らぬ人となるのです──」(井崎)

 

「宮部小隊長……私は昨日見てしまいました」
「撃破したはずの敵の航空機が、元の数に戻っていました。我々の敵はいったい……」(井崎)

「井崎……いいか、よく聞け。時間があれば休め! たっぷり食べて、とにかく寝ろ……どれだけ休めるかが戦いだ!!」(宮部)

 

「自分たちがしている事は戦争だ……戦争は敵を殺す事だ。米国の工業力は凄い! 戦闘機なんかすぐに作る。だから我々が殺さないといけないのは搭乗員だ!」(宮部)

 

「俺は自分が人殺しだと思っている!!」

「米軍の戦闘機乗り達も、同じ人殺しだと思っている。奴らの攻撃で中攻一機が墜ちれば、7人の日本人が死ぬ! しかし……中攻が艦船を爆撃すればもっと多くの米国人が死ぬ!」

「だから米軍の搭乗員は、それを防ぐために中攻の搭乗員を殺すんだ!!」(宮部)

 

 

「あの搭乗員の腕前は確かなものだった……反転してきた時、一発の銃弾が俺の操縦席の風防を突き抜けた。一尺ずれていたら、俺の胴体を貫通していた……」

「恐ろしい腕だ! この男を殺さなければ……この男を生かして帰せば、後に……何人もの日本人が殺される……その殺される一人は──俺かもしれない!!」(宮部)

 

「勝てたのは、少し俺の運がよかったから……」(宮部)

 

「これが戦争! 自分が殺されずに……ひとりでも多くの敵兵を殺す事。所詮は殺し合いなのです……」(井崎)

 

「なぜ(宮部を)恨む!?」
「それは戦争だから当然だ! 我々はまだ戦いの途中だった……彼は捕虜を撃ったのではない」(トニー・ベイリー)

 

「ミヤベは本物のエースだった……あれ程のパイロットは後にも先にも私は闘っていない」

「そのミヤベがカミカゼで死んだ……俺達の仲間もたくさん死んだ……俺はそんな過去が悲しい……でも! それが戦争だったんだ!」(トニー)

 

「死ぬのはいつでも出来る。オレ達は生きるために努力するべきだ」(宮部)

 

「どうせ自分達は生き残る事は出来ません! もし……私が被弾したなら、潔く自爆させて下さい」(井崎)

「井崎ィ! バカな事を言うなあ!! 命は一つしかない!」
「貴様には家族がいないのか!? 貴様が死ぬ事で悲しむ人間がいないのかあ!? それとも貴様は天涯孤独の身の上かあ!? 答えろ井崎! 答えてみろ!!」(宮部)

 

「俺はこの飛行機を作った人を恨みたい……零戦は優れた戦闘機だ……1800浬も飛べる単座戦闘機。しかし今……その類い稀なる能力が自分達を苦しめている……」(宮部)

 

「560浬を飛んで……そこで戦い……また560浬を飛んで帰る……こんな恐ろしい作戦が立てられるのも、零戦にそれだけの能力があるからだ」

「しかしそこには……それを操る俺達の事が考えられていない! 俺達は機械じゃない──生身の人間なんだ!!」(宮部)

 

「井崎! 死ぬな! どんなに苦しくても、生き延びる努力をするんだ──!!」(宮部)

 

「死ぬもんですか! ラバウルで一年以上も生き延びたんです。むざむざと死ねませんよ」

「それに……わたくしの命は小隊長に二度も救われています。簡単に落とされたりしたら、小隊長に申し訳が立たんです」(井崎)

 

「(違いは)乗っていればわかります」(宮部)

 

「別に(専門棋士になれなかったことは)残念ではありません。父と母が死んだ事に比べたら、何ほどの事もありません。いや! 今ではそれさえも大した事ではありません」

「今……戦地では、毎日多くの男達が亡くなっています……内地でこの戦死の知らせを受け取っている家族がどれほどいるでしょう……」(宮部)

 

「今の私の一番の夢が何かわかりますか!?」
「生きて家族の元に……帰る事です!」(宮部)

 

「俺は絶対に特攻に志願しない。今日まで戦ってきたのは死ぬためではない──妻に生きて帰ると約束したからだ!!」(宮部)

 

「軽々しく平和という言葉を持ち出さないでもらいたい」(武田貴則)

 

「当時の手紙の多くは上官の検閲があった。時には日記や遺書さえもだ。戦争や軍部に批判的な文章は許されなかった。また軍人にあるまじき弱々しい事を書く事も許されなかったのだ」

「特攻隊員達はそんな厳しい制約の中で、行間に思いを込めて書いたのだ……それは読む者が読めば読み取れるものだ……」(武田)

 

「死にたくないという本音が書かれていなくとも、愛する家族にはその気持ちはわかる……なぜなら多くの遺書には愛する者に対する限りない思いが綴られているからだ」

「喜んで死にゆく者に、あれほど……愛のこもった手紙が書けるものか」(武田)

 

「我々が特攻で狙ったのは、無辜の民が生活するビルではない!」
「爆撃機や戦闘機を積んだ航空母艦だ。米空母は我が国土を空襲し、一般市民を無差別に銃爆撃した。そんな彼らが無辜の民だというのか!!」(武田)

 

「君は正義の味方のつもりか!? 私はあの戦争を引き起こしたのは新聞社だと思っている!」(武田)

 

「戦後多くの新聞が国民に愛国心を捨てさせるような論陣を張った……まるで国を愛する事は罪であるかのように……」

「一見、戦前とは逆の事を行っているように見えるが、自らを正義と信じ、愚かな国民に教えてやろうという姿勢は全く同じだ……」(武田)

 

「死を決意し、我が身なき後の家族と国を想い、残る者の心を思いやって書いた特攻隊員達の遺書の行間も読みとれない男を、私はジャーナリストとは呼ばん──」(武田)

 

「せっかくたぐり寄せた大きな手がかりを自ら放棄するなんて……僕はイヤだな」(健太郎)

 

「敵を何機墜としても、一度でも墜とされたらそれでおしまいです。航空隊にとって敵機を何機墜としたかは重要な事でしょう。戦争は互いに損失を与える戦いですから」

「こちらの損失が一機で相手の損失が十機なら大勝ですね……でも……その一機が自分ならどうです」(宮部)

 

「自分もそう思っています。だから何機墜としたかという事より、自分が墜とされないように必死で戦います!」(宮部)

 

「景浦一飛は宮本武蔵を気取っているようだが、武蔵は生涯に何度か逃げている。それにもうひとつ……武蔵は勝てない相手とは決して戦わなかった。それこそ剣の極意じゃないか」(宮部)

 

5巻

「何もいうな! これは命令だ──!」
「お前は俺を撃った……しかし俺は生きている、だから何も言うな。無駄死にするな!!」(宮部)

 

「どんな事があっても宮部の機を守り抜く! 敵の銃弾は一発も当てさせない!! 敵機は全て俺が叩き墜とす! 弾がなくなれば体当たりしてでも守る!」

「だから宮部ェ、死ぬんじゃねえぞォォ。貴様を殺せるのは俺だけなんだからなあ~~ははは」(景浦介山)

 

「くくく……なんてこった!! ここまで無様な運命なのかよ、俺は……」
「宮部さん許して下さい。どうやら俺はアンタを守ることすら許されない器の男だったんです」(景浦)

 

「数日後、戦争が終わった! 玉音放送を聞いて俺は号泣した……まわりじゃ何人か同じように泣く者があったが、俺ほど声を限りに泣く者はいなかった……」

「しかしそれは日本が負けて泣いたんじゃねェ、日本などどうなってもよかった……どうせ負けるのはわかっていたからな」

「俺が泣いたのは他でもない、宮部の事だ……あと一週間生きていれば命が助かった……奴の愛してやまない妻の元へ戻れたんだ」(景浦)

 

「宮部さん……もうすぐアンタに……会えるな」(景浦)

 

「では聞く! 沖縄戦では二千機以上の特攻機が出たが、突入の電信を打ってきたのはどのくらいだ!?」

「俺はマリアナの時でも凄いと思ったが、今や米軍の対空砲火はそれをはるかに上回る凄さだ。そんな実態を司令部は何も知らない……いや!」

「知っていて知らないふりをしているのか!」
「今日……俺の目の前で、六機の中攻が全機墜とされた──!!」(宮部)

 

「俺は一機も守れなかった──ただの一機も守れなかったんだ──」
「仕方がない訳がないッ──!!」(宮部)

 

「何人……死んだと思っている……直掩機は特攻機を守るのが役目だ。たとえ自分が墜とされてもだ……しかし俺は彼らを見殺しにした……俺の命は彼らの犠牲の上にあるんだ……」

「違わない……彼らが死ぬ事で俺は生き延びている……」(宮部)

 

「戦争は非情にも、本人に死の合図を送らせ戦果確認をさせていた。そして彼らは左手に操縦桿を持ち替え、死ぬ寸前にあっても自らの任務に忠実であろうとした……」

「宮部さんはそんな立派な男の一人でした」(大西保彦)

 

「でもそれが運命というなら、祖父は……宮部久蔵は自ら死への道を選んだのではないですか。いや……違う! そんなはずはない」

「ジイさんはずっと生きて戻る事を望んでいたんだ。こんな出来すぎた偶然……」(健太郎)

 

「亡くなった伊藤少尉は立派な男でした。軍人の風上にも置けない男ではありません!!」
「伊藤少尉は、立派な男でしたあ!!」(宮部)

 

「無事でしたか、宮部教官……」
「宮部教官……は、日本に必要な……人です。死んでは……いけない人です」(大石賢一郎)

 

「狂気の時代の中にあって、狂った思考であったかもしれない。しかし……あの時ほど真剣に家族や国の事を……自分がなき後の行く末を考えた事はなかった」(大石)

 

「美しいな……この美しい国を守るためなら死んでも惜しくはないな……」(大石)

 

「お母さんごめんなさい、私の一生は幸せでした」
「もう一度生まれる事があるなら、またお母さんの子どもに生まれて来たいです。出来るなら、今度は女の子として一生お母さんと暮らしたいです」(大石)

 

「よしッ、全ての未練は断ち切った! ここから先はこの世であってこの世ではない。私は鬼となる! この命を差し出し、人を殺す鬼となるのだ」(大石)

 

「宮部は私達のために死んだのです。いえ……宮部だけではなくあの戦争で亡くなった方達は、みんな私達のために死んだのでしょう」(宮部の妻)

 

「でも……あの人は私に……ウソをつきましたね。必ず帰って来ると約束したのに……必ず……帰って来ると……」(宮部の妻)

 

「必ず生きて帰って来る」
「たとえ腕がなくなっても……足がなくなっても……戻って来る! たとえ死んでも……それでも僕は戻って来る。生まれかわってでも、必ず君の元に戻って来る!」(宮部)

 

「今の私は父の気持ちが理解出来る。追いつめられた父の気持ちが。私が……あの機体に乗って生き残れる可能性にかけるには」

「そうなんだ、私は……あまりにも多くの部下の命を……仲間の命を……そして人の命を……失いすぎたのだ──」(宮部)

 

「私にはもう神に選ばれる資格がないのだ」(宮部)

 

「つらい、悲しい、くやしい! でも……別れの時が来た──」
「わかってほしい……私の前にはこの道しかないのだ!」(宮部)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 
 
 
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