「ブラックジャックによろしく」の名言・台詞まとめ

マンガ「ブラックジャックによろしく」の名言・台詞をまとめていきます。

 

ブラックジャックによろしく

1巻

「じゃあ僕の勝ちだ。2時間しか寝てない!」(斉藤英二郎)

 

「食っとけ……食える時に食っとけ……そして寝とけ。寝れるときに寝とけ」(牛田克雄)

 

「急ぐぞ!! こっから先は戦場だ!!」
「落ち込んでるヒマなんかねーぞ。始まるのは……これからだ……」(牛田)

 

「(医者も)結局、金なんだよ……社会奉仕でやってるわけじゃねえ……」(牛田)

 

「受けとっちゃっていいのかな……この8万円……」
「だけど……こんなお金……僕は……汚い大人になんかなりたくない……」(斉藤)

 

「死にたくなければ夜間に車に乗ってはいけない……万が一、事故を起こしたとしても、まともな医者に診察してもらえる可能性はほとんどない……」

「それがこの国の夜だ……」(斉藤)

 

「なぜオペしなかった……? ほっといても死ぬ……どうせ死ぬなら腹を開けろ……」
「なんにもしないよりマシだ……君はあの患者を見殺しにしようとした……」(服部脩、院長)

 

 

「人の命を救うんだ……金をふんだくって何が悪い?」(服部院長)

 

「必ずオペはしろ……聞こえのいい正論を口にするな。正しいってのは弱いって事だ。強いってのは悪いって事だ」

「医師免許を取った瞬間からお前は普通の人間ではない、医者なんだ。強くなれ……」(服部院長)

 

「今でも(院長)は正しくないと思っている……だけどよ……正しいって事で自己満足しても何も変わらねえ……あの人は命を救い続けている……それは事実なんだ……」(牛田)

 

「点滴の中身が何かご存知ですか?」
「500ccの点滴の中身は要するに25gのブドウ糖に過ぎません。牛乳コップ半分程度、わずか100キロカロリーの栄養分です」

「ええ……おまじないのようなものです。脱水症もないのに点滴を打つなんて日本だけですよ」(白鳥貴久)

 

「違う!! 僕は今度こそあの当直での失敗を乗り越えたいんだ!!」(斉藤)

 

「現在の日本の医療費は50兆……15年後には80兆と言われている……その金を君はどこからひねりだす……?」
「このままでは日本の医療財政は崩壊する……無駄な延命治療は社会悪だ……!!」(白鳥)

 

「私はこういう患者を何百も見てきた。死にゆく者は静かにみとるべきだ」(白鳥)
「それじゃあだまって死ぬのを見てろって言うんですか……?」(斉藤)
「その通りだ……」(白鳥)

 

「僕は、医者だ……!!」(斉藤)

 

「私は将来必ずこの大学の教授になる! 教授になってまずはこの大学を変える……全国にある永大の関連病院を変える……そして日本の医療を変える!」

「結果的に……それがより多くの人を救う道だ……!」(白鳥)

 

「これが医者の世界だ。よく見とけ、斉藤……医者も会社員と同じだ」
「医師としての実力がある者が出世するとはかぎらない。”医局”という社会の中でうまく立ちまわった者が上へ行く」(白鳥)

 

「研修医って給料安いじゃん。時間もないしプライドだけは高いし結婚相手には最低ね」(看護婦)

 

「医局制度にどんな不満があるのか知らんが、不満があるなら自分が権力を握って変えるしかないんじゃないのか?」(白鳥)

 

「隣の医局は外国より遠い……大学病院とはそういう所だ……」(久米憲一)

 

「大学病院のシステムの問題は君の責任じゃない。君にできる事はしっかりと患者と向き合う事じゃないのか?」

「医者とは病気を診る者ではない、人間を診る者なのだ。医者にできるのはあくまで”患者が治る手助け”でしかない。”治る”のは患者さんなんだ」(久米)

 

「心臓の事は我々心臓外科医が一番よく分かっておる……我々にまかせてもらえんかね……? ウチは坂の上だよ……永大で無理な事はどこ行っても無理なんだ……」(藤井義也、教授)

 

「ねえ斉藤先生。もしキミが手術受けるなら、どんな病院で受けたい?」
「バカだな……手術の”ウデ”は医者が多過ぎたら鈍くなるんだよ……」

「手術なんてすればするほど上手くなるんだから……患者に対して医者が多過ぎる病院は、手術はあんまり上手くなんないのよ」(赤城カオリ)

 

「そりゃ天下の永大だもんね……自分達より優秀な人間がいるなんて想像すらしないんだよ。だから”一流”はアブナイのよ」(カオリ)

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2巻

「第一、真実を告げて何が変わる? 結局オペは必要なんだ」(久米)

 

「はっきり申し上げて、このままでは助かる見込みはほとんどありません……僕も……どうしたらいいか分かりません……ごめんなさい……」(斉藤)

 

「いい? 永大の心臓外科にはっきり言って実力なんかない……宮村さんを本気で助けたいなら技術水準の高い病院へ転院させればいい。これは分かるね?」

「だけどこれも分かる? 永大の人間である君が他の病院へ患者を転院させる事の意味……これは……永大に対する重大な裏切り行為だよ」(カオリ)

 

「オレはさっきの歌をもう何年も毎晩ここで歌っている……だが一度として同じように歌えた事はない……」
「心臓も同じだ。何千という手術をしてきたが、一つとして同じ心臓はなかった」(北三郎)

 

「なに……金にならん事のために動ける若さは嫌いじゃない……だがな……5年後にも同じ事をしてなかったら……アンタ……ニセモノだぜ」(北)

 

「アンタ……手術で一番大切なものが何か分かるか……?」
「技術は基本だ。もっと大事なのは想像力だよ」(北)

 

「俺があきらめたら患者は死ぬ。俺は逃げ出したい気持ちと必死に闘う。結局演歌も手術も自分と向き合う作業だ。一番大切なのはよ……己に克つ力だぜ……」(北)

 

「俺は今まで何千という手術を手がけてきた。当然の事だが全ての患者を救えた訳じゃない。極論すれば、俺はこの手で何人もの患者を殺している」(北)

 

「極論すぎます……その何百倍もの患者の命を救っているじゃ……」(斉藤)
「殺したんだ。その自覚が無い者は医者をすべきではない」(北)

 

「宮村さん……僕はもう……医者としてあなたに何もできない……だったら僕は、人間としてあなたに関わる……!!」(斉藤)

 

「真実なんてどうでもいいの! 永大の権威を落とす者は全員敵あつかいだよ」(カオリ)

 

「もっと……外を見て下さい……外にも……世界はあるんです……」(斉藤)

 

「そこ(患者が死ん)で泣く者はプロ失格です」(藤井教授)
「じゃあ平然としてたらプロなんですか!? 泣いて自分を許すなら確かにプロじゃありません……だけど……だけど……」(斉藤)

 

「医者への信頼に人格は関係ない、問われるのはその能力だ。どうしても俺じゃなきゃいけないと思ってるなら……それはアンタのエゴだぜ……」(北)

 

「この病院で一番偉いのは私だ。だから患者さんの事を思って早く来るんだ」(プロフェッサー・M)

 

「私だって北先生が再びメスを持つ姿を見たい。だが……医療はギャンブルじゃない。万が一があったら私は許さないよ……」(鳥一郎)

 

「100%の自信を持って手術場に立っている医者などいない……もしもそんな医者がいたとしたら……それは己を過信し、そのことにすら気付いていない人間だ……」

「誰もが不安を押し殺し……恐怖と闘っている……」(北)

 

「(誰が責めなくても)俺が責める。人工心肺は使わない……俺は……俺の決断を信じる……!!」(北)

 

「俺は今まで……ずっと堤防の先へ向かって歩いていたのかもしれないな……ただ……振り返ればよかったんだ……」(北)

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3巻

「まさか……解雇で済まないから怖いんだよ……」(カオリ)

 

「それで(永大から離れても)解決しないのが医者の世界なのよね……」

「他大学の医局に入ろうとしても同じ……変な噂を流されて間違いなく犯罪者扱いだよ。キミがたとえ永大をやめようと……医者である限り永大からは逃げられないよ……」(カオリ)

 

「知っての通り、大学病院とは臨床機関であると同時に研究機関でもある……私の本分は”研究”でね、現在も私の下で多くの医師たちが重要な研究に時間を費やしている」

「教授の使命は教室の研究業績を重ねることだ。臨床能力が特別に優れている必要はない。君が救えるのは……君が出会った患者だけだ。せいぜい幼稚な自己満足にひたっていたまえ」

「私はすでに、私の研究成果で数百万人の患者を救ったよ」(藤井教授)

 

「道場くん……医者はくだらないかい……? たとえ医者の世界に失望したとしても……人の命を救うのはくだらない事かい……?」

「僕はこのままじゃ嫌だ……だから闘ってやる……理屈なんてどうでもいい、自分の感情を信じる……僕は……医者が好きなんだ!!」(斉藤)

 

「末期の患者に医者ができる事など……痛みの緩和と体調の管理ぐらいじゃ……」
「入院先の病院としても悪気はないんじゃろうが……放っておかれてる気がしてさみしかったんじゃろう……」(道場の祖父)

 

「薬を使わず治すのが名医なのです。胃潰瘍の時はいくらでも出すって言ったじゃないですか」(道場の祖父)

 

「徳さん……私は不公平です……お金はあるかたからいただきます」(道場の祖父)

 

「そうか……病気やケガを治す事だけが……医者が患者にできる何かじゃない……命を救うだとか……最先端の研究だとか……そんな事だけが医者の仕事じゃない……」(斉藤)

 

「そう言うけどオメー……NICU(新生児集中治療室)がどんな場所か分かってんのか……?」
「NICUってのはよ……人間の領域をふみこえた場所かもしれないぜ……」(高砂春夫)

 

「同じ人間とは思えない?」
「よく言われるの……そういう事……だけど甘く見ないでね……この子達ちゃんと分かってるから……お医者さんの表情……手のあたたかさ……自分に対する愛情をね……」(皆川由紀子)

 

「NICUのナースは赤ちゃんの母親がわりでもあるから、遠慮なんてしてらんないのよね」
「子供の一生が左右されるんだからね! ここにいる何週間かで……」(由紀子)

 

「大凶って決めてかかれば大凶にしかならないのよ。本当は無限の可能性があるのに……」
「私達はいつも思ってる……可能性に気付けるようにちょっとでも手をかせればって……」(由紀子)

 

「産んだ人間と生まれた人間を親と子にしてやる……ここからがオレ達の仕事だ……」(高砂)

 

「主人は病院に来るのに2日かかりました……2日間ずっと悩んでたはずです……」

「彼が子供達を死なせてやってくれって言った時、私は悲しかったけれど心のどこかでホッとしました……自分の子なのに……ホッとしてしまったんです……」

「どうすれば……あの子達を受け入れられるんですか……?」(田辺佳子)

 

「じゃあなんて言えば良かったんですか!?」(斉藤)

「オメーの中に答えがねーんだ……何か言えるワケねーだろ。まずはオメーの答えを見つけろ……親が親であるという事の意味……子が子である意味をな……」(高砂)

 

「リスクを背負う覚悟がないのなら……子供なんて作っちゃいけねえのさ……」
「理屈じゃそうだろ……? 要は理屈じゃ子供は産めねえんだよ」(高砂)

 

「あの夫婦は今、周囲の全てから責められている。親族……社会……自分の良心……周り中、追いつめるものばかりだ……」

「彼らに今必要なものはよ……近くに追いつめねー奴がいてやる事じゃねーのかなぁ~……」
「時間がね……かかるのよ……」(高砂)

 

「(赤ちゃんに)触ることが始まりです……体で感じて下さい」(高砂)

 

「一つだけ忠告がある……これだけは必ず守れ……絶対に……あの家族と親しくするな……」(高砂)

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4巻

「誤解しないでいただきたいのは……これが不妊治療によるものでも、あなた達夫婦の遺伝によるものでもないという事です」

「ダウン症児はどこのご夫婦にも生まれてくる可能性があります」(高砂)

 

「ダウン症=知的障害と結びつける方が大半ですが間違いです。寿命に関しても昔は長生きしないような説が一般的でしたが、決してそんな事はありません」

「全ては千差万別です」(高砂)

 

「(サインは)拒否します」
「君も医者なら感情を交えず話してみたまえ」(田辺秀勝)

 

「オレ達は他人だ……だからこそできる事があると信じている……そして……それが限界だ……」(高砂)
「高砂先生……あなたは同じ事を赤ん坊の前で言えますか!?」(斉藤英二郎)

 

「そうです、悪意はないのです。だから差別は無くしがたい」(田辺)

 

「無関心が人を傷つける」(田辺)
「無知は罪だ」(高砂)
「悪意はなくとも、全員共犯者だ」(田辺)

 

「見殺しですか……? 許されるはずない……だってそれって殺人じゃないですか……」(斉藤)

「文句があるならオメーがオレを訴えろ……もっともそんな事を言えば……日本中に訴えられる新生児科医は随分いるだろうがな……」(高砂)

 

「大人は武器を持たない。なぜなら武器を持てば闘わねばならないと知っているからさ……」
「もう何十年も変わらないままだ。その結果……多くの子供が見殺しにされているというのにな……」

「助けても育てる人間がいないだと……? お前が育てりゃいいじゃないか。それができないなら、結局お前もその親と同じだ」(服部院長)

 

「何もできないのは……お前に覚悟がないからだ……」(服部院長)

 

「バカはあんた達よ。立ち向かう勇気すらないんなら……何も言う資格はないわ」(カオリ)

 

「最後はお医者さんの判断だって言いきかせて……必死で自分を抑えてた……アンタだけじゃない……あたし達だってつらいの。あんな風に子供達が殺されていくのは……」(由紀子)

 

「まだ病院には言ってないんだけど……そうするつもり」
「不思議ね……今までは赤ちゃんが死んでもなんとか乗り越えてきたのに……きっとあんたのせい……」(由紀子)

 

「僕達にできる事は……患者を救う努力だけです……生死の決定権なんて……医者になんかない!!」(斉藤)

 

5巻

「アンタちょっとマジメ過ぎよ。純朴なふりしてるけど……周りを傷付けてるのが分からないの?」(由紀子)

 

「今、小児科医療が危ないって言われてるのは知ってるな?」
「小児科はひどいぞ──……赤字赤字で10年後には、この世から消えてるかもしれん……」(高砂)

 

「想像以上でした……注射一本打つのがあんなに大変だなんて……」(斉藤)
「大人なら自分で症状を説明できますからね……口うるさい保護者が付いてくる事もないですし……」(安富良之)

 

「先生は確かに一人の命を救ったかもしれない……だけどやっぱり……何も変えられないんだよね……」(由紀子)

 

「夜には夜の事情があるんですよ……」
「親は自分がカゼならガマンしますが……子どもは放っておけないんですよ……」(安富)

 

「どんなに理不尽でも親とケンカしてはいけませんよ……割を食うのは患者(こども)ですから……」(安富)

 

「小児科は赤字部門……これ以上、人件費は割けません……」
「子供の処置には大人の何倍も手間も人件費もかかります……どうあがいても赤字になるんです……」(安富)

 

「人手が足りないから夜間診療まで手がまわらないってのも分かります。だけどそれで命を落とす子が出たらどうするんですか……?」(斉藤)

「皆そう思ってます。このままじゃ危険だってね……だからどうしろと言うんですか……?」(安富)

 

「小児科医には……いや医師には二つの段階があるようです……」

「まずは医師としての使命に燃え……理想を追う段階……そしてその次……全てをあきらめ、目前の患者だけを黙々と診療し続けていく段階です……」

「さあ……だけどこれだけは言えます……早かれ遅かれ……心ある医者は必ず第二段階にいきます……」(安富)

 

「だけど……今の電話の子は見殺しですか……?」(斉藤)

「じゃあ……受け入れれば助けられるんですか? ひとつ言い忘れてました……早く成長して第2段階目にいかないと……君はいつか患者を殺す……」(安富)

 

「一夜明けた今……何を言おうと全ては結果論です……目の前の患者に責任を果たせない者に、医者である資格はありません……受け入れは物理的に不可能でした……」

「努力や根性で解決できる世界じゃない……要するに君は……自分がそんな事に加担したと思いたくないだけじゃないですか……?」

「僕を否定する事で自分を正当化するのなら……それはただの自己満足です……」(安富)

 

「ホントはホッとしてるんでしょう……?」
「だって……自分が殺さなくて済んだんだもんね……」(カオリ)

 

「安富先生が……小児科医を続ける理由はなんですか……?」(斉藤)
「僕がやらなきゃ……誰がやるんですか……?」(安富)

 

「僕には……何も無いんです……医者になりたかった理由も……どんな医者になりたいかも……何も……無いんです」

「このままじゃ僕は……どこにも行けない……」(斉藤)

 

「知らんね……」「私は分をわきまえない人間が嫌いでね」

「がん細胞というのは……早期に発見して治療しなければどんどん増えていきます。私が何を言いたいのか……分かりますか……?」(堀内清司、教授)

 

「君は自分を非常識な人間だと思うかい……?」
「常識なんて多数決で決まるのさ……多数派が常識人……つまり常識が正しいとは限らない……」(宇佐美孝志)

 

「命を救う事だけが……医者の仕事でしょうか?」
「私は医者です……少なくとも……患者を研究対象としか見なさないこの男よりはね……」(宇佐美)

 

「意外に知られていないが……実は全ての人間はがんの因子を持っている……」

「つまり……人は生きていればいずれ必ずがんになる……その前に寿命や他の病気で死んでしまうだけなんだ……」

「すぐに分かるよ、誰が正しいのかね……」(庄司直樹)

 

「彼ら(がん患者)ほど一日一日を必死で生きている人達はいない……かわいそうなのはそれに気付いてない僕達のほうさ」(庄司)

 

「進行したがんでも患者本人が自分の状態を告知されている場合……患者が望めばやれる治療はいつくかある」
「逆に言えば……告知されなければ、患者はろくな治療を受けられない……」(庄司)

 

「僕は真実を告げる。そこに……希望があるならね……」(庄司)

 

「医学というのは自然に抗う学問だ……」
「死に抗うのが医学……だとしたら……例え副作用があろうとも、抗がん剤を否定する医者は医者ではない」(庄司)

 

「待ってる時間はない。今やってる検査が終わり次第切るぞ。ギャンブルの……始まりだ」(庄司)

 

「そんなに永大のやり方が気に入らないなら、君がここにいる理由はなんだ!?」
「君なら全部知りたいか……? 知った先にあるのは……絶望だけだぞ……」(庄司)

 

「薬はあります。だけどあなたには使えません。知っても地獄……知らなくても地獄……選べよ……」
「お好きな方をお取り下さい……中に入っているのは……どちらも”絶望”です」(庄司)

 

「斉藤くん、これから分かるよ……辻本さんの思いが……治療の上で重要だという意味がね……」(庄司)

 

6巻

「辻本さん……大切なのは闘うことです。この苦しみを乗り越える勇気があれば……がんはきっと良くなります……闘いなくして……勝利という言葉はありえません……」

「がんが治った人はすべて……がんと闘った人達なのです……」(庄司)

 

「私はもうすぐこの世からいなくなります……」
「死は誰にでも訪れます……だったら私達に選べるのは死に方だけですから……」

「私はイヤです……効くかどうか分からない薬に苦しんで死んでいくのは……」(内海まどか)

 

「前はやってたんですよ。宇佐美先生に出会う前は抗がん剤も……だけど決めたんです……」
「私はがんと共に生きていくの……」(まどか)

 

「怖く……ないですか……?」(斉藤)
「どうして……そんなことを訊くんですか……?」(まどか)

 

「君はまた同じ事をくり返すのか……?」
「薬は使えない……それがルールだ」(庄司)

 

「この手は何のためにある……?」
「何もしないという事は……無力という事なのだろうか……?」(宇佐美)

 

「洗脳されてんじゃねーのか、宇佐美……がんと死はイコールじゃねえ」(庄司)

 

「私は医者です。医者が患者のために何かする時……そこに理由はいりません」(庄司)

 

「生きるって何ですか……!?」
「そんな事に答えられない人が……どうして医者なんてしてるんですか……?」(児玉典子)

 

「先生……自分がもうすぐ死ぬって分かってて……それでも生きる事がどんなに怖いか分かりますか……?」
「だけど死の恐怖と引きかえに得た延命に……どれだけ意味があるんですか……!?」(典子)

 

「一人の患者を特別視する事は……他の患者に不利益を生む……」

「だけど”告知”をするならそれは違うんです……告知をするというのは……その人の人生に踏み込む事なんです……僕を……あなたの人生に踏み込ませて下さい……」(宇佐美)

 

7巻

「オレは常に全体の事を考えている……一人の患者を救うためには……医療全体が変わらなきゃいけない……」(庄司)

 

「医者にとって患者は三人称だ……患者にホレちまった時点で……お前は負けてるんだよ……」(庄司)

 

「死は……敗北なのでしょうか……? 生き延びる事が勝利で……死ぬ事が負けだとしたら……人間は……負ける事しかできない生き物なのでしょうか……!?」

「僕は児玉さんに”生きろ”としか言えませんでした……人はいつか必ず死ぬのに……僕は児玉さんに……生を強いる事しかできませんでした……!!」(宇佐美)

 

「医者とは常に正しくあるために……倫理や法で自らを縛らなくてはならない……ルールをはみだす事は……誰の利益にもならない……」(堀内教授)

 

「庄司……私はお前を許さない……だけど私が一番許せなかったのは……自分だ……」(宇佐美)

 

「だっておかしいのはルールじゃないですか……!!」(斉藤)

 

「大学病院というのは、単に臨床を目的とした病院ではありません……大学病院の目的は3つ……臨床……研究……教育です」(堀内教授)

 

「告知しましょう……」
「全てを告知した後で……何が起きるかは分かりません……だけど何かは起きるんです……何かが変わるなら……告知に意味はあるはずです……!!」(斉藤)

 

「がん医療の現場から去っていく医師は珍しくないが……現場を去る理由はいつも同じだ……治せないがんがあまりにも多すぎるから……」

「治せないがんの患者と向き合う事はつまり、地獄と向き合う事だ……」(庄司)

 

「君は人の気持ちが分からない男だものね……自分の気持ちさえもね……」(カオリ)

 

「でも治せないんだとしたら……そこは行き止まりじゃなくて出発点じゃないのかな……? 君が当たっている大きな壁は……重いけど扉なのかもしれないよ……」(カオリ)

 

8巻

「医学というのは……手術をしたり薬を飲ませる事を言うのではありません……ケガや病気を治す事……死を克服する事が医学ではありません……」

「医学とは……いかに死と向き合うかを考える学問なのです……」(宇佐美)

 

「必死に生きようとする事は……死を受け入れる事とそんなに違う事ですか……? 生と向き合う事は……死と向き合う事と同じ事ではありませんか……!?」(斉藤)

 

「申し訳ありませんが……治せない以上、ここから先に医療は踏み込む事はできません……この先の答えは多分……あなたにしか出せません」(庄司)

 

「医療の主役は我々医者じゃない……辻本さん……あなたです」
「医療を変えていくのは、我々医者じゃない……患者が望めば……医療は変わります」(庄司)

 

「私の治療の目的は……がんの痛みを取る事です……がんの痛みというものは……大きく分けて2つあります……体の痛みと……心の痛みです……」

「TS-1を使う事で……辻本さんの心が満たされるなら……私は抗がん剤というものを認めるしかないと思います……」(宇佐美)

 

「まだ終わりじゃない……患者が必要とする限り……君は医者なんだ……」(庄司)

 

9巻

「斉藤先生……ネクタイは外したほうがいいですよ……患者に引っぱられて首が締まる可能性がある……」(伊勢谷)

 

「君は将来、精神科医になるつもりはありますか?」
「この病気は手術や薬で必ず治る種類の病気ではありません……2ヵ月や3ヵ月の研修で何かできるとも思ってませんから……」(伊勢谷)

 

「私は記者としてもう10年近く精神の問題に取り組んできました……だけど何も変わらない……差別も偏見も……何も変わらないんです……」(門脇耕太郎)

 

「これは賭です……”表現”によって何かが変えられるのか……? これは……体を張った賭なんです……」(門脇)

 

「誰も気づかないうちに呼び名だけが変わっている……気づくと分裂症という言葉を使っちゃいけない事になってる……それこそが……差別の根を深くするんですよ……」(門脇)

 

「どうですか……? 思ったとおりの場所でしたか……精神科は……」

「結局精神科の患者というのは……他人とうまく係わる事の難しい人達なんです……言い換えると精神障害とは……人と交わる事の障害なんです……」(伊勢谷)

 

「先生、かわいそうな人が好きなだけなんでしょ……!?」

「私、かわいそうだよ……好きな人がいるんだけど……その人、私の事なんか好きじゃないの……つき合ってる人がいるのに……その人は私と向き合ってくれないの……」

「私の事……ちゃんと見てよ……」(由紀子)

 

「残念ながら……いまだ社会には精神障害者に対する差別が根強く残っています……差別の原因は精神障害者への社会の無知です」

「世間が病を正しく理解すれば……この差別はなくなります……」(伊勢谷)

 

「理想のために……目の前の患者さんが犠牲になるかもしれないんですよ……理想のためなら……多少の犠牲は仕方ないんですか……?」(斉藤)

「斉藤先生……誰が精神障害者を差別しているか教えてあげましょうか……君です」(伊勢谷)

 

「ひょっとして先生……あなたは患者をかわいそうな人達だと思ってるんじゃないですか……? 弱くてかわいそうな患者達を……正義の味方の自分が守ってあげている……」

「その感覚こそが……差別と呼ばれているものなんですよ……」(門脇)

 

「要は都合のいい所だけ見るなって事だろ……」(高砂)

 

「小沢さん……僕はあなたとどう接していいか、まだよく分かりません……」

「だけど僕は医者で……あなたは患者です……だとしたら僕にできる事はひとつです……あなたと……正面から向き合わせて下さい……!!」(斉藤)

 

10巻

「たとえその恋愛によって傷付く事があろうとも……それは小沢さん個人の問題です……」
「患者は病院に飼われた羊でもなければ……社会に出すと危険な狼でもありません……病気を持った……人間です」(伊勢谷)

 

「皆幸せになれる……理由はよく分からないけど……そんな気がした……それともその時僕は……そう思い込もうとしただけだったんだろうか……?」(斉藤)

 

「閉じた医療体質が憶測を呼び……イメージを1人歩きさせてしまう結果になっています……」
「今この局面で情報を閉じる事になれば……精神医療はまた過去に逆戻りしてしまいます……!!」(伊勢谷)

 

「結局患者を差別しているのは、まずは医者なんですよ……見せるべきじゃないと思っているんです……”こんな狂ったモノ”はね……」(伊勢谷)

 

「本当に差別をなくしたいなら……血を流す覚悟が必要なんです」(伊勢谷)

 

11巻

「精神障害者を装えば、無罪になると思ったんでしょうね……」
「キチガイのフリをすれば……何をやっても許される……」(伊勢谷)

 

「これ(この情報)は毒です……単なる推論を世間にたれ流すような事をすれば……私も男を精神障害者と決めつけ断罪するマスコミと同じです……」(伊勢谷)

 

「売れる事は悪じゃない……だけど売れない記事を書く奴は……ゴミだ」(種本)

 

「絶対的な正常と言うものはありません……多数派が正常で少数派は異常……ただそれだけの事かもしれないんです……」(伊勢谷)

 

「子供を殺された親だったら、誰かを傷つけても許されるんですか……!? 人を傷つけて平然としていられるなら……皆あの男と同じじゃないですか……」(斉藤)

「自分が何を言ってるか分かっているんですか……? 政治やマスコミは別としても……遺族の感情は責められるべきものではありません……」(伊勢谷)

 

12巻

「あなたは正しいと言えますか……? それらの国が(精神病患者に)してきた事が……」(伊勢谷)

 

「自分が何をすべきなのかよく分かりません……だけど今の僕に出来る事は……全てを見せる事です……」(斉藤)

 

「いい事をしたつもりですか……?」
「小沢さんはギリギリのところで強がって見せているだけです……君のやった事は……限界に近づいている彼の心をまた1歩追いつめただけです……」(伊勢谷)

 

「1人でも多くの患者を救うためです……医療の側から何も変えられないなら……社会問題にするしかないんです……」(伊勢谷)

「じゃあ小沢君は生け贄ですか……!? あなたは理想のためなら、患者の命まで犠牲にするんですか……!?」(門脇)

 

13巻

「今の僕にとって大事なのは……小沢さんの命だけです……」(斉藤)

 

「別れようと思った事もありますよ……だけど私……あんなに本気の人と出会ったのは初めてですから……だから私は肯定してあげようと思ったんです」(由紀子)

 

「伊勢谷先生……結局私は何かを変える事ができたんでしょうか……?」(門脇)
「変化を感じたければ、変わらずにいる事です……この先どこへ行っても……自分が変わらなければそれでいい……」(伊勢谷)

 

「永大での2年の研修期間も残り4ヵ月、行き先はまだ見えない。そう言えば最近考えなくなった、”医者って一体何なんだ……?”」

「これは前進か……? それとも後退か……?」(斉藤)

 

「ねえ、皆川さん……結婚しようか……」(斉藤)
「嫌だよ。先生お金ないじゃん」
「だって居場所を見つけたいだけなら私でなくてもいいじゃない……でもうれしいな……」(由紀子)

 

「ねえ斉藤先生。自転車も倒さないようにするには、どうしたらいいか分かる?」
「走り続ける事……自転車を安定させるには止まっちゃダメなんだよ……」(由紀子)

 

「僕は自由だ──」
「僕が全部壊してやる……僕が全部創ってやる……」(斉藤)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 
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