原作小説「銀河英雄伝説8巻(祭りの後)」の名言・台詞をまとめていきます。
(旧アニメ3期相当)
銀河英雄伝説8巻 乱離篇
第六章 祭りの後
「赦してください、赦してください。ぼくは役たたずだ」
「一番肝腎なときに提督のお役にたてなかった…」(ユリアン・ミンツ)
「提督、イゼルローンへ帰りましょう」
「あそこがぼくたち皆の家ですから。家に帰りましょう…」(ユリアン)
「生きるということは、他人の死を見ることだ」(ヤン・ウェンリー)
「戦争やテロリズムは何よりも」
「いい人間を無益に死なせるからこそ否定されねばならない」(ヤン)
あの人が言っていたのは、いつも正しかった。(ユリアン)
だけど、いくら正しいことばを残しても、
当人が死んでしまったら何にもならないではないか!(ユリアン)
「無事ですか、ヤン提督は?」
「あの人は要領が悪いですからね、ちゃんと逃げていてくれればいいんですが…」(ライナー・ブルームハルト)
「…よかった。あの人が生きていないと」
「これから将来、おもしろくないですからね…」(ブルームハルト)
「…おい、よせよ、ここは演劇学校の練習場じゃない」
「悲劇の舞台げいこなんぞやりたくもないぜ…」(ワルター・フォン・シェーンコップ)
「詮索は後だ。犯人の正体がわかれば、いまはそれで充分だろう」
「いずれ奴らの踏んだ地面まで、まとめて火葬場の炉のなかに放りこんでやる」(シェーンコップ)
「きらいな奴に好かれようとは思わない」
「理解したくない人に理解される必要もない」(ヤン)
「おれはこんな気分を味わうために、帝国から亡命してきたんじゃない」
「まさか国を捨てた報いじゃあるまいな」(シェーンコップ)
「だとしたら、どうせのこと、国を捨てるより滅ぼしておいたほうが」
「後顧の憂いがなかったかもしれんて」(シェーンコップ)
「だが、まあ、過去はともかく問題はこれからだ」(シェーンコップ)
「そうだ。ヤン・ウェンリーは死んだ。耳をふさぐな!」
「ヤン提督は死んだ。死んでしまった!」(シェーンコップ)
「それも皇帝ラインハルト以外の手にかかってな」
「最後まで意表をついてくれたよ! 感心なんぞしてやらんがね」(シェーンコップ)
「これから、ですか? そんなこと、考えることもできません」
「ヤン提督がいなくなったのに…」(ユリアン)
「ああ、おれもそう思わないではなかった。それがいいかもしれん」
「こういうとき、男はだらしなくていけない」(シェーンコップ)
「なあ、ユリアン」
「もともとヤンの奴は順当にいけばお前さんより15年早く死ぬ予定になっていたんだ」(アレックス・キャゼルヌ)
「だがなあ、ヤンはおれより6歳若かったんだぜ」
「おれがあいつを送らなきゃならないなんて、順序が逆じゃないか」(キャゼルヌ)
「ユリアン、これはあなたの責任であり義務ですよ」
「あなたはヤンご夫妻の家族だったんですからね」(オルタンス・キャゼルヌ)
「あなた以外の誰が話すというの」
「もし話さなかったら、話したとき以上に後悔するわよ」(オルタンス)
「あの人が死んだのね…?」(フレデリカ・グリーンヒル)
「だって、あなたがそんなに言いづらそうにすることは、他に考えられないわ」
「そう、やっぱりあの人が死んだの…」(フレデリカ)
「…ユリアン、あなたが虚言家だったらよかったわ」
「そうしたらあなたの報告を信じなくてすむのにね」(フレデリカ)
「あの人はね、こんな死にかたをする人じゃないのよ」
「あの人にはあの人らしい死にかたがあったのに」(フレデリカ)
…戦乱が一世紀以上も過去のことになった平和な時代、ひとりの老人が生きている。(フレデリカ)
かつては名声を有した軍人だったというが、それを実見した証人たちもすくなくなり、
当人も誇らしげに武勲を語ることはない。(フレデリカ)
若い家族たちに七割の愛情と三割の粗略さで遇されながら、年金生活を送っている。(フレデリカ)
サンルームに大きな揺り椅子を置いて、食事に呼ばれないかぎり、
まるで椅子の一部になってしまったように静かに本を読んでいる。(フレデリカ)
毎日毎日、時がとまったように。(フレデリカ)
ある日、外で遊んでいた孫娘が、サンルームの入口からなかにボールを放りこんでしまう。
ボールは老人の足もとに転々とする。(フレデリカ)
いつもは緩慢な動作でボールをひろってくれる祖父が、孫の声を無視したように動かない。(フレデリカ)
駆けよってボールをひろいあげた孫娘は、下方から祖父の顔を覗きこんで苦情を言いかけ、
説明しがたい何かを感じる。(フレデリカ)
「お祖父ちゃん…?」
返答はなく、老人は眠りに落ちたような顔を、陽光が斜めから照らしている。(フレデリカ)
孫娘はボールを抱いたまま、居間へ駆けこんで大声で報告する。
「パパ、ママ、お祖父ちゃんが変なの!」(フレデリカ)
その声が遠ざかっていくなかで、老人はなお揺り椅子にすわっている。
永遠の静謐さが老人の顔を潮のように満たしはじめる…。(フレデリカ)
そんな死にかたこそがヤン・ウェンリーにはふさわしい。(フレデリカ)
「でも、かえってあの人らしいかもしれないわ」(フレデリカ)
「ヴァルハラが実在するとしたら、あの人」
「ビュコック元帥にお目にかかって頭の下げっぱなしでしょうね」(フレデリカ)
「元帥から後事を託されたのに」
「半年もたたないうちにのこのこ後をついていって仲間になりたがるんだもの…」(フレデリカ)
「お願い、ユリアン、しばらくひとりにしておいて」
「もうすこし落着いたら、あの人に会いに行くから…」(フレデリカ)
「人間は主義だの思想だののためには戦わないんだよ!」
「主義や思想を体現した人のために戦うんだ」(ダスティ・アッテンボロー)
「革命のために戦うのではなくて、革命家のために戦うんだ」(アッテンボロー)
「おれたちは、どのみち死せるヤン提督を奉じて戦うことになるが」
「その場合でも、この世に提督の代理をつとめる人間が必要だ」(アッテンボロー)
「ユリアン、いいか、政治における形式や法制というものは」
「二代めから拘束力を持つのだぜ」(キャゼルヌ)
「初代はそれを定める立場にある」(キャゼルヌ)
「いいさ、脱落したい者には脱落させよう。数が力と言いきれるような状態ではないからな」
「少数でもとにかく核を確立しておかんことには…」(キャゼルヌ)
「あたりまえよ、ユリアン、ヤン・ウェンリーみたいなことは誰にもできないわ」
「いえ、(才能ではなく)個性の差よ、ユリアン」(フレデリカ)
「あなたはあなたにしかできないことをやればいい」
「ヤン・ウェンリーの模倣をすることはないわ」(フレデリカ)
「歴史上にヤン・ウェンリーがただひとりしかいないのと同様」
「ユリアン・ミンツもただひとりなのだから」(フレデリカ)
「わたしはあの人と12年間つきあったわ」
「最初の8年間は単にファンとして、つぎの3年間は副官として」(フレデリカ)
「つぎの1年間は妻として」
「そしてこれから、未亡人としての何年か何十年間かがはじまる」(フレデリカ)
「月日を自分で培わねばならないとしたら、わたしはあの人の築いた土台に」
「埃以外のものを1ミリでもいいから積みあげたいわ」(フレデリカ)
「りっぱですって? わたしはりっぱなんかじゃないわ」
「真実を言うとね、わたしは民主主義なんか滅びてもいいの」(フレデリカ)
「全宇宙が原子に還元したってかまわない」
「あの人が、わたしの傍で半分眠りながら本を読んでいてくれたら…」(フレデリカ)
「なぜユリアンのような亜麻色の髪の孺子に兵権をゆだねるかって?」
「おれたちにとって必要なのは過去の日記ではなくて未来のカレンダーだからさ」(アッテンボロー)
「ユリアン、私はヤン艦隊における最後の任務をこれからはたすつもりだ」
「君の許可をもらいたいのだが」(ムライ)
「不平分子や動揺した連中をひきつれて、イゼルローンを出ていく」(ムライ)
「いや、むしろ私がいないほうがいいのだよ。もう私がいて君の役に立つことは何もない」
「引退させてくれんものかね」(ムライ)
「それに、フィッシャーやパトリチェフもいなくなった」
「疲れもしたし寂しくもなったよ」(ムライ)
「私はヤン提督の麾下にいたおかげで、才能や実績以上の地位をえた」
「ありがたい、と思っている」(ムライ)
「いま私が離脱を公表すれば、動揺している連中は私のもとに集まってくる」
「ムライのような幹部でさえ離脱するのだから、という自己正当化ができるからな」(ムライ)
「私がいないほうが、貴官らにとってはよかろう」
「羽を伸ばすことができて」(ムライ)
「否定はしませんよ」
「ですが、酒を飲む楽しみの半分は禁酒令を破ることにあるのでね」(アッテンボロー)
「世間はきっとあんたのことを悪く言いますよ」
「損な役まわりをなさるものだ」(アッテンボロー)
「なに、私は耐えるだけですむ」
「君らと同行する苦労にくらべればささやかなものさ」(ムライ)
「あなたがたが出て行かれるのを、ぼくは制めはしません」
「ですから、あなたがたも気持よく出発なさってください」(ユリアン)
「何も今日までのあなたがた自身を否定なさる必要はないでしょう」(ユリアン)
「わしはいままで何度か考えたことがあった」(ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ)
「あのとき、リップシュタット戦役でラインハルト・フォン・ローエングラムに」
「敗北したとき、死んでいたほうがよかったかもしれないと…」(メルカッツ)
「だが、いまはそうは思わん」
「60歳近くまで、わしは失敗を恐れる生きかたをしてきた」(メルカッツ)
「そうではない生きかたもあることが、ようやくわかってきたのでな」
「それを教えてくれた人たちに、恩なり借りなり、返さねばなるまい」(メルカッツ)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
アマゾンリンク
コミックシーモアリンク