原作小説「銀河英雄伝説(アムリッツァ会戦)」の名言・台詞をまとめていきます。
銀河英雄伝説1巻 黎明篇
第七章 幕間狂言
「(情人は)ダース単位でないと数えられんな」(アドリアン・ルビンスキー)
軍事的勝利は麻薬に似ている。(世論)
イゼルローン占領という甘美な麻薬は、
人々の心に潜む好戦的幻覚を一挙に花開かせてしまったようであった。(世論)
「何しろ三ヶ月後に統一選挙がある」
「ここしばらく、対内的に不祥事が続いたからな」(アレックス・キャゼルヌ)
「勝つためには外界に市民の注意をそらす必要がある」
「それで今度の遠征さ」(キャゼルヌ)
「吾々は軍人である以上、赴けと命令があれば、どこへでも赴く」(ウランフ)
「まして、暴虐なゴールデンバウム王朝の本拠地を突く、というのであれば」
「喜んで出征しよう」(ウランフ)
「だがいうまでもなく、雄図と無謀はイコールではない」(ウランフ)
「周到な準備が欠かせないが」
「まず、この遠征の戦略上の目的が奈辺にあるかをうかがいたいと思う」(ウランフ)
「もうすこし具体的に言ってもらえんかな」
「あまりに抽象的すぎる」(ウランフ)
「要するに、行き当たりばったりということではないのかな」(アレクサンドル・ビュコック)
「勝敗は結局、相対的なもので…」
「彼が犯した以上の失敗を我々が犯せば、彼が勝って我々が敗れる道理です」(ヤン・ウェンリー)
「貴官の意見に賛同せず慎重論を唱えたからといって」
「利敵行為呼ばわりするのが節度ある発言と言えるか」(ビュコック)
「私も甘かったよ」
「イゼルローンを手に入れれば、以後、戦火は遠のくと考えていたのだからな」
「ところが現実はこうだ」(シドニー・シトレ)
「結局、私は自分自身の計算に足をすくわれたということかな」(シトレ)
「イゼルローンが陥落しなければ」
「主戦派もこれほど危険な賭けに出ることはなかったかもしれん」(シトレ)
「いまは辞められんよ。だが、この遠征が終わったら辞職せざるをえん」
「失敗しても成功してもな」(シトレ)
「この際だから言ってしまうが」
「私は、今度の遠征が最小限の犠牲で失敗してくれるよう望んでいる」(シトレ)
「惨敗すれば、むろん多くの血が無用に流れる」
「かといって、勝てばどうなるだろう」(シトレ)
「主戦派はつけあがり、理性によるものにせよ政略によるものにせよ」
「政府や市民のコントロールを受けつけなくなるのは明らかだ」(シトレ)
「そして暴走し、ついには谷底へ転落するだろう」(シトレ)
「勝ってはならないときに勝ったがため、究極的な敗北に追いこまれた国家は歴史上」
「無数にある。君なら知っているはずだがな」(シトレ)
「君はときどき、鈍感になるな」
「ライバルとは他の誰でもない、君のことだ」(シトレ)
「この際、君が自分自身をどう評価しているかは関係ない」(シトレ)
「フォークの思案と、彼が目的のためにどういう手段をとったか」
「ということが問題なんだ」(シトレ)
「私は権力や武力を軽蔑しているわけではないのです」
「いや、じつは怖いのです」(ヤン)
「権力や武力を手に入れたとき、ほとんどの人間が醜く変わるという例を」
「私はいくつも知っています」(ヤン)
「そして自分は変わらないという自信が持てないのです」(ヤン)
「私もこれでいろいろと苦労もしてきたのだ」
「自分だけ苦労して他人がのんびり気楽に暮らすのを見るのは、愉快な気分じゃない」(シトレ)
「君にも才能相応の苦労をしてもらわんと」
「第一、不公平と言うものだ」(シトレ)
「国務尚書よりの内命があって、この軍事的脅威に対し」
「私が防御、迎撃の任に当たることになった」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)
「両日中に勅命が下るだろう」
「武人として名誉のきわみである。卿らの善戦を希望する」(ラインハルト)
「要するに他の部隊がすべて皇宮の飾り人形、まるで頼りにならないからだ」
「昇進と勲章を手に入れるいい機会だぞ」(ラインハルト)
第八章 死線
「では手短かに申し上げます。閣下、わが軍は危機に直面しております」
「それも重大な危機に」(キャゼルヌ)
「ええ、たしかに(本国から)送ってくるでしょう」
「しかし、それらの物資がイゼルローンにまでは届いたとして、その先どうなりますか」(キャゼルヌ)
「敵の作戦が、わが軍に補給上の過大な負担をかけることにある」
「ということです!」(キャゼルヌ)
ヤン、頼むから生きて還れよ。
死ぬにはばかばかしすぎる戦いだ。(キャゼルヌ)
「(民衆を助けるのは)吾々がルドルフにならないためにさ」(ヤン)
「(食糧は)あと一週間分をあますのみだ」(ウランフ)
「それまでに補給がなかったら占領地から強制的に挑発──」
「いや、言葉を飾ってもしかたないな、略奪するしかない」(ウランフ)
「解放軍が聞いて呆れる」
「もっとも略奪するものがあれば、の話だがな」(ウランフ)
「(撤退は)余力のあるうちにです」
「敵はわが軍の補給を絶って、吾々が飢えるのを待っています」(ヤン)
「それは何のためでしょう」
「おそらく全面的な攻勢です。敵は地の利をえており、補給線も短くてすむ」(ヤン)
「だが、へたに後退すればかえって敵の攻勢を誘うことになりはせんか」
「とすればやぶへびもいいところだぞ」(ウランフ)
「反撃の準備は充分に整える、それは大前提です」(ヤン)
「いまならそれが可能ですが、兵が飢えてからでは遅い」
「その前に整然と後退するしかありません」(ヤン)
「まったくみごとだ、ローエングラム伯」(ヤン)
自分にはここまで徹底的にはやれない。
やれば勝てるとわかっていてもやれないだろう。(ヤン)
それがローエングラム伯と自分の差であり、自分が彼を恐れる理由でもあるのだ。(ヤン)
──この差が、いつか重大な結果を招くことになるかもしれない…。(ヤン)
「私は総司令官閣下に面談を求めたのだ。貴官に会いたいと言った覚えはないぞ」
「作戦参謀ごときが、呼ばれもせんのにでしゃばるな!」(ビュコック)
「そもそも、貴官らがこのような無謀な出兵案を立てなければすんだことだ」
「いますこし責任を自覚したらどうか」(ビュコック)
「そうか、では代わってやる。私はイゼルローンに帰還する」
「貴官が代わって前線に来るがいい」(ビュコック)
「不可能を言いたてるのは貴官のほうだ」
「それも安全な場所から動かずにな」(ビュコック)
「大言壮語を聞くのに飽きただけだ」
「貴官は自己の才能を示すのに、弁舌ではなく実績をもってすべきだろう」(ビュコック)
「他人に命令するようなことが自分にできるかどうか、やってみせたらどうだ」(ビュコック)
「彼のヒステリーを治めるために、3000万もの兵士が死地に立たねばならんというのか?」
「上等な話じゃないかね。感涙の海で溺死してしまいそうだな」(ビュコック)
「チョコレートを欲しがって泣き喚く幼児と同じていどのメンタリティーしか持たん奴が」
「3000万将兵の軍師だなどと知ったら、帝国軍の連中が踊り出すだろうて」(ビュコック)
「総司令官は昼寝中です」(ドワイト・グリーンヒル)
「敵襲以外は起こすな、とのことですので、提督の要望は起床後にお伝えします」
「どうかそれまでお待ちを」(グリーンヒル)
「…よろしい、よくわかりました」(ビュコック)
「このうえは、前線指揮官として、部下の生命に対する義務を遂行するまでです」
「お手数をおかけした」(ビュコック)
「総司令官がお目ざめの節は、よい夢をごらんになれたか」
「ビュコックが気にしていた、とお伝え願いましょう」(ビュコック)
「勝つためだ、キルヒアイス」(ラインハルト)
「わが補給部隊は被占領地の奪還と同時に、住民に食糧を供与する」(ラインハルト)
「叛乱軍の侵攻に対抗するためとはいえ、陛下の臣民に飢餓状態を強いたのは」
「わが軍の本意ではなかった」(ラインハルト)
「またこれは、辺境の住民に、帝国こそが統治の能力と責任を持つことを」
「事実によって知らしめるうえでも必要な処置である」(ラインハルト)
「勝利はすでに確定している」
「このうえはそれを完全なものにせねばならぬ」(ラインハルト)
「叛乱軍の身のほど知らずどもを生かして還すな」
「その条件は充分にととのっているのだ」(ラインハルト)
「卿らの上に大神オーディンの恩寵あらんことを」
「乾杯(プロージット)!」(ラインハルト)
「五機は撃墜して来るからな、シャンペンを冷やしておけよ」
「不粋な奴だ」(オリビエ・ポプラン)
「何たるざまだ!」
「あのていどの敵に、何をてまどっているか」(カール・グスタフ・ケンプ)
「後方から半包囲の態勢をとって艦砲の射程内に追いこめ!」(ケンプ)
「機銃の照準が9度から12度も狂っていたぞ!」
「ちゃんと整備しているのか、この給料盗人が!」(ポプラン)
「ああ、やってやる」
「おれはな、いままでの戦闘で、きさまより上等な帝国人を何人殺したか知れないんだ」(ポプラン)
「きさまなんか片手で充分、ハンディつきでやってやらあ!」(ポプラン)
「撃てばあたるぞ!」(フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)
「不名誉な二者択一(降伏か逃亡)だな、ええ?」
「降伏は性に合わん。逃げるとしよう、全艦隊に命令を伝えろ」(ウランフ)
「よし、全艦隊、逃げろ!」(ヤン)
「つけこむ隙も逃げ出す隙もない」(ヤン)
「ローエングラム伯は優秀な部下を持っているようだ」
「けれん味のない、いい用兵をする…」(ヤン)
「当然、わが軍もアムリッツァに集結する」
「敵がアムリッツァを墓所としたいのであれば、その希望をかねてやろうではないか」(ラインハルト)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
アマゾンリンク
コミックシーモアリンク