アニメ「るろうに剣心」の名言・台詞をまとめていきます。
目次
→るろうに剣心(1話)
→るろうに剣心(黒笠編、6話)
→るろうに剣心(御庭番衆編、8話)
→るろうに剣心(京都編、28話)
→るろうに剣心(京都編、34話)
→るろうに剣心(京都編、40話)
→るろうに剣心(京都編、46話)
→るろうに剣心(京都編、52話)
→るろうに剣心(京都編、58話)
るろうに剣心
1話
「(伝説の人斬り?) るろうに…拙者はるろうに」
「あてのない旅の剣客でござるよ」(緋村剣心)
「これで人を斬れると思うでござるか?」
「(刃が逆?) 逆刃刀でござる」(剣心)
「人を斬ることは出来ぬ」
「斬った跡もないでござろう」(剣心)
「これ(おにぎり)あなたが作ったの?」
「こ…こんなことって…私よりうまいわ」(神谷薫)
「旅のるろうになんて、何か訳ありなんでしょう?」
「いろいろ聞いたって、しょうがないじゃない」(薫)
「神谷活心流、父が開いた流儀よ。人を傷つけるんじゃなく、人を活かす剣」
「活人剣がその理想なの」(薫)
「たった1人だって、道場を守ってみせる…」(薫)
「神谷活心流は活人剣を目指してるのよ」
「その門下生が人を斬ったりするはずがないわ」(薫)
「私は命に代えてもあいつを倒して、汚名をそそぐわ」
「父の流儀を守るには、それしか…」(薫)
「父上は薫殿が命を捨ててまで、流儀を守ることを望みはしないと思うでござるよ」
「亡くなった父上が願うのはきっと…薫殿の幸せでござる」(剣心)
「(いない?) 名前ぐらい、聞いとけばよかったな…」
「るろうに」(薫)
「剣は人を救うためにあるものよ」(薫)
「(人を活かす剣?) いや…剣は凶器、剣術は殺人術」
「それが真実」(剣心)
「薫殿が言っていることは、一度も自分の手をけがしたことのない者がいう」
「甘い戯言でござる」(剣心)
「けれども拙者は真実よりも、薫殿のいう戯言の方が好きでござるよ」
「願わくば、これからの世はその戯言が真実になってもらいたいでござるな」(剣心)
「1つ言い忘れていた」
「人斬り抜刀斎が振るう剣は、神谷活心流でも、お前の我流でもなく」(剣心)
「飛天御剣流」
「こんな刀でない限り、確実に人を惨殺する神速の殺人剣でござるよ」(剣心)
「抜刀斎の名に未練も愛着もないが」
「それでも…お前のような奴には譲れぬよ」(剣心)
「すまないでござる、薫殿」
「拙者、隠す気はなかった」(剣心)
「ただ…出来れば語りたくなかったでござるよ」(剣心)
「私は、抜刀斎にいてほしいって言ってるんじゃない」
「るろうにのあなたにいてほしい…」(薫)
「どうしても行くっていうんなら、最後に名前ぐらい言って」
「伝説の人斬りの名前じゃない、あなたの本当の名前」(薫)
「拙者も少し旅に疲れた」
「いつまた、どこへ流れていくか分からぬよ」(剣心)
2話
「のどか…のどか過ぎるわよ~!」
「どうして! 弟子が! 1人も入ってこないのよ!」(薫)
「偽抜刀斎事件も片づいたのに、普通10人20人押しかけてくるものよ」(薫)
「こんなに…こんなにかわいい師範代が」
「手取り足取り教えてあげるってんいうんだから」(薫)
「あっ、それとも美しすぎて誰も近寄れないのかしら?」
「私って不幸…」(薫)
「(ブス?) し…失礼ね!」
「これでもみんなに剣術小町って呼ばれてんのよ!」(薫)
「俺は坊主じゃねえ! 東京府士族、明神弥彦!」
「他人から憐れみを受けるほど、落ちぶれちゃいねえんだ」(明神弥彦)
「おぬし、なりはまだ子供だが心根は立派に一人前でござるな」(剣心)
「すまない、拙者が見くびっていた」
「その誇り、大切にするでござるよ」(剣心)
「あんた(弥彦)ね、いくら訳があったってスリはスリよ」
「今の生活から抜け出すの、心まで腐らないうちに」(薫)
「子供は黙ってて!」
「私許せないの、あんたの弱みにつけ込むこの人達が」(薫)
「殴れ、殴りたいだけ」
「俺はもう、お前らやくざもんとは縁を切る!」(弥彦)
「スリなんて情けねえマネも、今日限りだ」
「借金は必ず返す、まともに働いてな!」(弥彦)
「父上は彰義隊に加わり、義に準じた」
「母上は俺を育てるために、命を削って働いた」(弥彦)
「2人共、誇りを持って気高く生きたんだ!」
「悪くいう奴は、俺が許さねえ!」(弥彦)
「呼んでも来ぬよ」
「なかなか入れてもらえぬので、この部屋以外の者にはしばらくの間、眠ってもらった」(剣心)
「助けろなんて誰が言ったよ!」
「俺は1人でも戦えた…戦えたんだ!」(弥彦)
「ちくしょう…強くなりてえ」(弥彦)
「お前の助けなんか、いらなくなるぐらい…」
「父上と母上の誇りを自分で守りきれるぐらい…」(弥彦)
3話
「剣心! 俺、強くなるためにここに来たんだ」(弥彦)
「人を守る剣じゃない」
「お前に、敵を倒す剣を教わりたい」(弥彦)
「拙者の剣は、後世に残す気はないでござるよ」(剣心)
「まったく、あんた(弥彦)って勝ち気なところが恐ろしいぐらい私に似てるわね」
「ホ~ント、出来の悪い弟を持った気分よ」(薫)
「やめろ!」
「なんだか分かんねえけど、おめえ達メチャクチャだ!」(弥彦)
「罪もない人々に切っ先一寸たりとも触れるな」
「相手なら拙者がいたす」(剣心)
「地べたをナメたい者はかかってこい」(剣心)
「あいにくですが、人斬りの手柄で政府の要職につく気は毛頭ないんですよ」(剣心)
「我々はかつて剣を取って戦った」
「権力や栄光のためでなく、人が幸せに暮らせる世をつくるために」(剣心)
「それを忘れてしまったら…ただの成り上がり者ですよ」(剣心)
「剣1本でも、この目に止まる人達ぐらいなら…なんとか守れるでござるよ」(剣心)
「これからおぬし(弥彦)が覚えるのは、人斬りの剣ではない、人を守る剣でござるよ」
「強くなれ、活心流で」(剣心)
4話
「言われねえでも、もうやめだ」
「弱すぎんだよ、おめえら」(相楽左之助)
「たくっ…つまらねえ喧嘩買っちまったぜ」
「どっかにいい猛者はいねえのかよ」(左之助)
「(自由民権運動?) それっていいことみたいだけど」
「あの人達(酔っ払い)を見てると…なんだかね」(薫)
「人に物投げつけといて、何議論してんだ!」
「んなことあとにして、まず謝れ、こらっ!」(弥彦)
「おいおい…」
「自由民権ってのは、弱いもんのためにあるんだろう?」(左之助)
「それともなんだ…」
「あんた達のいう自由民権ってのは、酔いに任せて暴れる自由のことかい?」(左之助)
「(喧嘩を売る気?) そうだな、たまには売ってみるか」(左之助)
「俺は普段は買い専門なんだがよ」
「弱い者いじめは、するのも見るのも大嫌いなんだ」(左之助)
「特に、自由だ正義だ平等だのと、綺麗事を吐きまくる偽善者野郎のいじめは」
「ムカついて、たまらねえ」(左之助)
「まずは、あんたの力試しだ」
「1発、(額に)ぶち込んでみな」(左之助)
「寸鉄使ってこんなもんかよ」
「てんで話になりゃしねえ」(左之助)
「全力出したら弱いもんいじめになっちまう」
「指1本で相手してやらあ」(左之助)
「つまらねえ喧嘩、買っちまったぜ」(左之助)
「酔った上の乱行なれば多めに見ていたが」
「そんなもの(刀)を抜くつもりなら、拙者も容赦せんよ」(剣心)
「自由民権、大いに結構」
「しかし、お前達の場合、政府を正す前に、まず己を正すべきでござるな」(剣心)
「何、好きでやった喧嘩だ」
「礼を受けるもんじゃねえ」(左之助)
「いいか。死ぬかどうかは、そいつの運次第」
「俺は喧嘩を楽しめりゃ、それでいいんだよ」(左之助)
「久しぶりに、この相棒(斬馬刀)を使える相手に巡り合ったぜ」(左之助)
「伝説の人斬り・緋村抜刀斎」
「喧嘩屋・斬左、そういう猛者を探していたのよ」(左之助)
「喧嘩…しに来たぜ」(左之助)
「(喧嘩は遠慮?) そうはいかねえんだ」
「これは喧嘩屋としての喧嘩」(左之助)
「こっちも、引く訳にはいかねえ」
「まして、相手が維新志士・人斬り抜刀斎なら尚更な」(左之助)
「分からねえからこうして、正々堂々、真っ向勝負に出たってわけさ」(左之助)
「やめた」
「しけた話は、喧嘩の前にするもんじゃねえ」(左之助)
「俺はただ、でえきれいな維新志士の中の最強とうたわれる伝説の人斬りを心底」
「ぶっ倒してみてえのよ!」(左之助)
「そういやあ、自己紹介もまだだったな。俺の名は相楽左之助、裏世界での通称は斬左」
「斬馬刀の左之助、略して斬左だ」(左之助)
「殺さずなんてあめえ考えは、今すぐ捨てな」
「さもねえと…死んじまうぜえ!」(左之助)
「モノホンの喧嘩ってえのは、女子供に見せるもんじゃねえや」(左之助)
「さすが抜刀斎」
「だが、これだけは言っておく」(左之助)
「あんたにその気がなかろうと」
「この喧嘩屋・斬左、一度狙った獲物は絶対逃さねえからな」(左之助)
5話
「これだけは忠告しとく。この喧嘩、受けた以上は俺の喧嘩だ」
「余計な手出しは絶対に許さねえ」(左之助)
「(抜刀斎?) るろうにの緋村剣心」
「この刀で相手する」(剣心)
「抜刀斎さんよ」
「だが、喧嘩ってえのは真剣の斬り合いと違って、剣に強えもんが勝つんじゃねえ」(左之助)
「倒れねえもんの勝ちなのよ」(左之助)
「さような台詞は、最後まで立っていられた時に言うでござるよ」(剣心)
「おぬしには一撃は効かない、ならば」
「飛天御剣流・龍巣閃」(剣心)
「赤報隊に全ての罪をなすりつけて抹殺した維新志士共、きたねえ…きたなすぎる」
「俺は許さねえ」(左之助)
「俺は負けねえ!」
「負けてたまるかってんだよ!」(左之助)
「まったくめでてえ奴等だぜ」
「おめえら世間の奴等は、マジで維新志士共を正義と信じてやがる」(左之助)
「あの薄汚ねえ野郎共をよ」
「”勝てば官軍”とは、よく言ったもんだぜ」(左之助)
「相楽隊長に…俺たち赤報隊に、悪の一文字を背負わせ、抹殺し」
「正義ズラしている維新志士の奴等、俺は絶対に許さねえ…絶対に負けねえ!」(左之助)
「赤報隊が崩壊してから、俺は喧嘩屋になった」
「喧嘩をしている間、全てを忘れることが出来たからだ」(左之助)
「そして10年、俺は強くなった」
「その強さで今、最強の維新志士を倒す!」(左之助)
「そんなしみったれた強さでは、拙者は倒せんよ」(剣心)
「喧嘩の相手が違うのではござらんか?」(剣心)
「赤報隊がおぬしに教えたのは、維新志士を倒すことか?」
「それとも、維新を達成することか?」(剣心)
「剣心を人斬り抜刀斎としてしか知らないくせに」
「自分で喧嘩仕掛けといて、勝手なことばかり言わないでよ」(薫)
「剣心をほかの人達と一緒にしないで!」(薫)
「斬左、維新はまだ終わっておらんよ」(剣心)
「確かに新時代・明治になって、形だけの維新は出来た」
「しかし、多くの人々はいまだ弱者が虐げられる古い時代の中にいる」(剣心)
「だから拙者は自由なるろうにとなり」
「そういう人達を守るために、この刀を振るっている」(剣心)
「そうすることが、明治維新の犠牲になった人々の償いになると思っているのでござるよ」(剣心)
「俺は絶望し、諦めちまって」
「喧嘩で自分をごまかすことしか出来なかったっていうのに」(左之助)
「すんません、相楽隊長」
「俺はこの男に完全に負けちまいました…」(左之助)
「斬左は、ほかの連中とは段違いでござったゆえ」
「拙者もあまり手加減できなかったでござるよ」(剣心)
「赤報隊は俺にとって、もう忘れられねえ過去だからな」
「この悪一文字は外せねえよ」(左之助)
「それに、一度ひねくれちまった性格は治りそうもねえ」(左之助)
「それともう1つ、俺はもう斬左じゃねえ」
「喧嘩屋もやめた」(左之助)
「今はただの、相楽左之助」
「今のお前が、人斬り抜刀斎じゃねえようにな」(左之助)
黒笠編
6話
「その黒笠という男、おそらく拙者と同じように、元は幕末の人斬りでござろう」(剣心)
「明治が10年すぎても、血の色と匂いに心を奪われ、人斬りがやめられぬ」
「不幸な男でござる」(剣心)
「こんな面白い喧嘩、おめえ(剣心)に独り占めさせるか」(左之助)
「この感触、いいねえ」(鵜堂刃衛、黒笠)
「逃げたらダメだな」
「一度剣を抜いたらどちらかが死ぬまで斬り合う」
「そうじゃないと楽しくないなあ」(刃衛)
「抜刀斎に会えるとはな」
「あの懐かしい幕末が帰ってきた」(刃衛)
「カネと権力で腐った豚など、もうどうでもよい」
「標的はお前に変更だ、元最強の維新志士!」(刃衛)
「つまらぬつまらぬ」
「今のお前は幕末の抜刀斎には遠く及ばぬ」(刃衛)
「人斬りが人を斬ることをやめれば、10年1人も殺さずにいれば」
「剣気がいかに落ちたか自分で分かっているはずだ」(刃衛)
「1日だけ時間をやろう」
「それまでに戻っておけ、昔のお前に」(刃衛)
「戻れ! 血も凍る人斬りに!」
「俺が殺したいのはあの幕末の抜刀斎だ」(刃衛)
「確かに、奴(刃衛)の言うとおりかもしれん」
「今の拙者では、おそらく奴に勝つことは出来ん」(剣心)
「しかし、拙者は奴を倒す」(剣心)
「幕末、人斬りとして存在した者同士」
「これは拙者にとって、避けて通れぬ戦いでござる」(剣心)
「(どこへ?) 決まってるでしょ、剣心を探すのよ!」(薫)
「剣心が…剣心がもうここには戻らないつもりだったらどうするよの!」
「そうよ、きっと戻らないつもりよ」(薫)
「黒笠を倒したら昔に戻っちゃう」
「そのまま旅に出ちゃうつもりなのよ」(薫)
「父さんや母さんに死なれて、そのうえ剣心まで行ってしまったら」
「また独りぼっちになるなんて嫌…嫌よ!」(薫)
「誰かを守りながらの戦いになると、刃衛にはとても勝てない」(剣心)
「1番気に入ってる藍色のリボン、剣心に貸すわ」
「いいから借りる!」(薫)
「いい。あくまで貸すだけだからね、ちゃんと返すのよ」
「刃衛と戦ったあと、それ忘れてそのまま旅に出たら許さないからね」(薫)
「分かった。必ず返しに帰るから、安心して道場で待つでござるよ」(剣心)
「よし」(薫)
7話
「(まともに戦えば?) 分かっちゃないねえ」
「今の抜刀斎なら、タバコ1本吸い尽くす前に倒せる」(刃衛)
「お前こそ知らないのさ、本当のあいつを」
「幕末の…人斬り抜刀斎の、鳥肌が立つほどのすごさをな」(刃衛)
「同じ京都で戦っていたあの頃の抜刀斎と、ギリギリの一線で殺し合う」
「面白い…こんな面白いことがほかにあるか」(刃衛)
「剣心は違う。ただ血を求めてた、あなたとは」
「もう二度と剣心は、人斬りには戻らないわ!」(薫)
「昔何があったか知らねえけどな、俺には幕末なんて関係ねえ!」
「今の剣心と薫を助けるんだ!」(弥彦)
「(怒っている?) ああ」
「薫殿を巻き込んだ貴様と、それを阻止できなかった俺自身にな」(剣心)
「なかなか心地よい殺気だ。あとはそのけったいな刀の刃を返せ」
「それで、伝説の人斬り様の復活だ」(刃衛)
「まだだな、昔の抜刀斎には遠く及ばない」
「まだ俺を殺そうと思っていないからだ」(刃衛)
「殺さずに倒そうなどと甘えているうちは、タバコ3本吸う間に殺せる」
「ふん…つまらないな」(刃衛)
「おしゃべりの時間はないぞ」
「言いたいことはその剣で言え」(刃衛)
「おしゃべりの時間はないんだ」
「殺してやるから、さっさとかかってこい!」(剣心)
「我、不敗なり!」
「我、無敵なり!」
「我、最強なり」(刃衛)
「心の一方の影技、憑鬼の術」
「これを使うのは新選組を抜けるとき以来、15年ぶりだ」(刃衛)
「どんな技でも好きなだけ使え」
「だが…俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」(剣心)
「来い」
「抜刀斎の名の由来、とくと味あわせてやる」(剣心)
「抜刀術の全てを極めた」
「それが、抜刀斎の名の由来だ」(剣心)
「肘の関節を砕いて筋を断った、お前の剣の命は終わった」
「そして…これで人生の終わりだ」(剣心)
「薫殿を守るため…俺は今一度、人斬りに戻る!」(剣心)
「ダメ!」
「人斬りに、戻らないで…」
「殺人剣は…ダメ」(薫)
「大丈夫でござるか?」(剣心)
「大丈夫で、ござるよ」(薫)
「いや、まだ終わらぬ」
「残っているさ、後始末が!」(刃衛)
「この感触、いいね…」(刃衛)
「お前の本性はやっぱり人斬りだよ」
「同じ人斬りが言うんだから間違いはない」(刃衛)
「人斬りは、しょせん死ぬまで人斬り」
「ほかの者には決してなれない」(刃衛)
「お前がいつまで”るろうに”などと言っていられるかな」
「地獄の淵で見ていてやるよ」(刃衛)
「刃衛」
「たとえ拙者の本性が人斬りだとしても、拙者は二度と人斬りには戻らぬ」(剣心)
「死ぬまでるろうにでいられるでござるよ」
「この仲間がいれば」(剣心)
御庭番衆編
8話
「帰って観柳に伝えな」
「私はどんなことをしたって、絶対に逃げ切ってみせるってね!」(高荷恵)
「事情はよく飲み込めぬが」
「拙者、いたずらに人を傷つける輩は見過ごせぬたちでな」(剣心)
「(我慢強い?) 癋見(べしみ)達の頭(かしら)は、あくまでこの私だ」
「余計な口出しはつつしんでもらおう」(四乃森蒼紫)
「(なぜ?) 言いたくないの」
「女の過去を詮索するなんて、野暮よ」(恵)
「ひでえぜ、俺だけ仲間外れかよ」
「俺だって剣心組の一員だぜ」(弥彦)
「(御庭番衆?) なんでも構わねえ!」
「あの女を守るつもりはさらさらねえが、売られた喧嘩は買うまでよ!」(左之助)
「いい年をして、火遊びはやめるでござるよ」
「そんな小細工では、拙者の髪1本燃やせぬでござるよ」(剣心)
「(勝てるわけない?) 剣心は、あなたのために戦っているのよ」
「その隙に逃げ出すなんて卑怯だわ」(薫)
「どんなに強い相手だろうと、必ず剣心が守ってくれる」
「剣心は約束を破ったりするような人じゃないわ」(薫)
「(強い? 何者?) 私の自慢の…仲間よ!」(薫)
「俺だって剣心組の1人だからよ」
「ちょっとぐらいいいところ見せないとな」(弥彦)
「(毒を吸い出す?) よしなさい」
「傷口から毒を吸い出すのは、細菌の感染を引き起こしてかえってよくないのよ」(恵)
「どいて」
「素人が出る幕じゃないわ」(恵)
「何ボサッとしてるの!」
「解毒治療は時間との勝負よ、急ぎなさい!」(恵)
9話
「(家族?) そんなもの、いないわ…」(恵)
「父のような立派な医師になりたいと必死に頑張ってきた私が」
「よりによって、人を死に追いやる薬を作るはめになるなんて…」(恵)
「何度死のうと思ったことか…」
「でも、死にきれなかった」(恵)
「もう自分を責めるのはやめるでござるよ」
「恵殿は長い間苦しんできた、それで十分ではござらんか」(剣心)
「どうしても死にきれなかっただけ」(恵)
「生きて、医学に携わってさえいれば」
「いつか離ればなれになった家族に会えるかもしれない」(恵)
「そう思うとどうしても…」
「でも、やっと決心がついたわ」(恵)
「もう家族に会えなくたっていい」
「これ以上多くの人を死に追いやる薬を作るぐらいなら、死んだ方がマシよ!」(恵)
「安心なさい」
「あんたの友達を死なせた阿片なんか二度と作らない、約束するわ」(恵)
「約束は必ず守るって言ってるでしょう」
「だから邪魔しないで、急ぐのよ」(恵)
「そんなに死に急ぐんじゃねえよ!」(左之助)
「嬢ちゃん達には剣心と、この左之助がついてんだ」
「余計な心配はするんじゃねえよ」(左之助)
「えらそうにほざくんじゃねえ!」(左之助)
「消したくたって、消せやしねえ過去を背負ってんのは」
「何もおめえ1人だけじゃねえんだよ!」(左之助)
「おめえが死んだところで、俺のダチが生き返るわけでもあるめえ」
「生きてりゃ罪を償うことも出来る」(左之助)
「いつかきっと、家族に会える日も来る」
「死んだらなんにもなんねえよ」(左之助)
「最強だとか、無敵だとか」
「そんな奴は、この世に剣心1人で十分よ」(左之助)
「武田観柳みてえなクソ野郎の手下に成り下がった」
「御庭番衆なんぞが、ふかしこいてんじゃねえ!」(左之助)
「”いくら頭が硬くても、中身はそうはいかねえ”…だったよな」(左之助)
「ここは命懸けでも助けにいく」
「それが出来ねえで、何が活人剣の神谷活心流だ!」(弥彦)
10話
「覚悟はしてるわ」
「武田観柳を殺して、私も死ぬ…その覚悟が!」(恵)
「人斬り抜刀斎が損得で動くような男なら、今頃は軍の幹部にでもなっている」
「あんたのような男には理解できないだろうが」(般若)
「恵殿は、こちらから受け取りにいく」
「心して待っていろ、観柳!」(剣心)
「勘違いをするな、観柳。御庭番衆を束ねるのはお頭だ」
「貴様のような男に指図される覚えはない」(般若)
「我等に命令できるのは、お頭・四乃森蒼紫様ただ1人」
「そして、お頭のためなら我々はいつでも喜んで死ねる」(般若)
「抜刀斎は必ず倒す」(蒼紫)
「ただし、お前のためなどではない」
「我ら御庭番衆こそ、最強であることの証しとしてだ」(蒼紫)
「貴様のような金の亡者には理解できまい」(蒼紫)
「維新志士というのは、我々と立場は違えど」
「己の理想のために準じていった、そういう連中だった」(蒼紫)
「明治の世になって、多くの志士が見る影もなく腐ってしまったが」
「あの男はまだまだ活きがよさそうだ」(蒼紫)
「10年ぶりに大物が姿を現した」
「あの男は、俺達の獲物」(蒼紫)
「お前のようなクズ、どうなろうと知ったことか」
「ここで大人しく、金勘定でもしていろ」(蒼紫)
「江戸城御庭番衆密偵方・般若」
「お頭の命により、この場を死守する」(般若)
「神谷道場の者達が、お前を奪い返しにきた」
「ただし、下手に希望は持たない方がいい」(蒼紫)
「どうせ奴等は、ここまでたどりつけはしない」
「お前を待つのは救済などではなく、観柳の拷問による死だろう」(蒼紫)
「お前の短刀だ」
「苦痛の生か安楽の死か、自分で選べ」(蒼紫)
「お頭の命令は絶対だ」(般若)
「どうした? 抜刀斎。お前の力はこんなものではないはず」
「この般若の術が破れないようでは、お頭と戦っても1分ともたないぞ」(般若)
「今まで、無数の修羅場を経験し、何度も地獄のような目にも遭った」(般若)
「だが、お頭様を信じ」
「最強の江戸城御庭番衆としての誇りを守るために戦い抜いてきたのだ」(般若)
「その誇りに懸けて抜刀斎、必ずや貴様を倒す」(般若)
「その程度の腕では、蒼紫様の足元にも及ば…ない」(般若)
「2人の居場所が知りたいのなら、その逆刃刀で問うのだな、緋村抜刀斎」
「俺はこれ(小太刀)で応えてやろう」(蒼紫)
「(般若と同じ拳法?) 1つ間違えている」
「般若に拳法を教えたのはこの俺」(蒼紫)
「師弟の拳では速さも重さもまったく違う」
「同じだと思っているとそうなる」(蒼紫)
11話
「抜刀斎」
「お前に恨みはないが、最強の維新志士として、ここで死んでもらう」(蒼紫)
「あの時、官軍と幕府が江戸決戦を行っていれば、間違いなく勝利はこちらのものだった」
「江戸中に火を放ち、我ら御庭番衆が官軍の中枢を担う志士共を皆殺しにする」(蒼紫)
「そうなれば官軍は統制を失い、数で優る幕府軍が一気に官軍を叩き潰す」
「それで終わりだ」(蒼紫)
「(出来るわけない?) そうかな? なんなら今から再現してみせてもいい」
「この東京で」(蒼紫)
「だが、今更そんなことをしてもなんの意味もない」(蒼紫)
「我等にとって意味があるもの、それは幕末維新における真の最強」
「それこそが我ら御庭番衆だったという証しだ」(蒼紫)
「あの時代…多くの者が戦いに身を投じた」
「立場こそ違え、この国の未来と幸福を考え命を懸けた」(剣心)
「だがお前(蒼紫)は違う」
「お前にあるのは、氷のように冷たい闘争心だけ」(剣心)
「そして今も、人々を苦しめることに加担している」
「るろうにとして拙者、お前を見過ごすわけにはいかぬ!」(剣心)
「俺の防御を崩すのは不可能」
「立て、抜刀斎」(蒼紫)
「大丈夫でござるよ」
「やっとあの小太刀を防ぐ手段が見えてきたところでござる」(剣心)
「小太刀より長い刀では、お前の速さに勝てない」
「だから拙者も、お前の小太刀と同じ間合いに切り替えたのでござるよ」(剣心)
「人斬りの真髄、しかと見せてもらった」
「返礼として、御庭番衆の真髄で仕留めてやろう」(蒼紫)
「これが四乃森蒼紫・真の刀法、実戦剣舞」
「いかに抜刀斎といえども、この緩急自在・流水の動きはとらえられまい…死ね」(蒼紫)
「回天剣舞」
「この技で、今まで倒せなかった敵は1人としていない」(蒼紫)
「許さねえ…絶対に許さねえ」
「たとえ刺し違えても、てめえは必ずぶっ殺す!」(弥彦)
「弥彦は神谷活心流の大事な後継者」
「こんな所で、死なせはせぬ!」(剣心)
「それに、拙者もまだこんな所で死ぬわけにはいかぬ」(剣心)
「蒼紫」
「最強の称号など、そんなに欲しければくれてやる」(剣心)
「今の拙者には、拙者の助けを待つ人と」
「喜びや悲しみを分かち合える仲間の方が、何万倍も大事でござる!」(剣心)
「お前達を…御庭番衆として育て上げたのは、この私だ」
「せめてお前達には、”最強”という艶(あで)やかな花を添えてやりたかった」(蒼紫)
「とどめを刺すんだ、抜刀斎」
「でなくば、この先何度でもお前を狙うぞ」(蒼紫)
「構わぬ、気の済むまで挑んでこい」
「だが…ほかの者を巻き込む戦いは決して許さぬでござるよ」(剣心)
「命乞いなら、お金様に頼んでみろ!」(剣心)
「無駄死になんかではない」
「御庭番衆4人の命が、観柳のガトリングガンに勝ったのでござる」(剣心)
「己が死んだところで…殺した人がよみがえるわけではござらん」
「それより、1人でも多くの人を救うために剣を振るうことが本当の償いとなるはず」(剣心)
「人斬り抜刀斎は、そうやって今を生きているでござるよ」(剣心)
「今は…今はまだ、花は添えん」
「だがいずれ、必ず」(蒼紫)
京都編
28話
「言いたいことは、それだけか」
「どう時代が揺れ動こうと、我々の真実は何1つ変わることはない」(斎藤一)
「悪は直ちに断つ。すなわち、悪・即・斬」
「それが俺たち新選組だ」(斎藤)
「俺の目は節穴じゃないよ」
「あの男は…人斬り抜刀斎は、この新選組三番隊組長・斎藤一が取る!」(斎藤)
「死ね、抜刀斎!」(斎藤)
「(新選組) 拙者も幾度となく剣を交えたことがある」
「1番の宿敵でござったよ」(剣心)
「一と二、そして三番の組長とは幾度か戦ったが、結局決着はつかずじまいでござった」
「その幹部達も今では、ほとんど死んだと聞く」(剣心)
「ただ敵ではあったが、私怨はなかった」
「立場は違えど、互いに剣に命と信念を懸けて戦ったことに変わりはない」(剣心)
「そうか、抜刀斎は留守か」
「それじゃあ…置き土産をしなくてはね」(斎藤)
「いいだろうよ、受けて立つぜ」
「てめえの正体は、この拳で聞いてやる!」(左之助)
「なるほど」
「ケンカ1番と噂されるだけあって、なかなかいい拳打をしている」(斎藤)
「だがそれも明治という太平の世での話」
「幕末の京都においては、この程度の拳打はまったく…通用しない」(斎藤)
「やれやれ…仕込杖は携帯には便利だが、強度がまるでおもちゃ並だ」
「やはり刀は日本刀に限る」(斎藤)
「酒が入ると無性に人が斬りたくなるたちなんで」
「明治に入ってからは控えているんです」(斎藤)
「殺しは私の得意技ですから、暗殺稼業は願ってもない副業です」
「その上、最初の仕事が宿敵の抹殺とくればもう」(斎藤)
「斎藤一の剣腕は、まったく衰えていない」
「”壬生の狼”と呼ばれたあの頃のままだ」(剣心)
「逆刃刀で殺さずのままで、果たして奴を退けられるか?」(剣心)
「この太平の明治の世が、再びあの時代のように揺れ動こうとしている」
「もはや、殺さずのるろうに等という戯言は通用せん」(斎藤)
「お前が選ぶべき道は、昔に戻るか、それとも死か」
「2つに1つだ、抜刀斎」(斎藤)
29話
「危険を伴う大金よりも、確実に入る小金を狙う」
「藤田五郎はそういう男なんですよ」(斎藤)
「井の中の蛙の1番争いなんぞは、俺の眼中にはないんだよ」(斎藤)
「拙者、人から狙われて当然の身でござるが」
「いわれなきことで命をくれてやる気は毛頭ござらん」(剣心)
「サーベルはもろくて、頼りないんでね」
「私は特別に許可してもらったんです」(斎藤)
「やはり刀は日本刀に限るからね」(斎藤)
「赤末ごときに手こずるとは、お前も随分と弱くなったものだな」
「最後に戦ったのは確か”鳥羽伏見”だったから10年ぶりか」(斎藤)
「剣が鈍ったとは思っていたが、頭の方もここまで鈍っていたとはな」
「赤末がかませ犬だと?」(斎藤)
「あんな男は、かませ犬にすらならんことぐらい百も承知だ」
「人斬り抜刀斎の強さは、俺たち新選組が誰よりも深く分かっている」(斎藤)
「だが、今のお前は赤末ごときに手こずった」
「殺さずのるろうにが明らかにお前を弱くしたんだ」(斎藤)
「今の拙者は、自分の目に映る人々を守れる、るろうにとしての強さがあればそれでいい」
「人を殺める人斬りとしての強さなど、もう必要ござらん」(剣心)
「半端な強さなどないに等しい」
「口先だけの偽善者の言葉なぞ、胸糞悪くなるだけだ」(斎藤)
「殺さずのるろうに等と、自己満足のエセ正義に溺れおって」
「人斬り抜刀斎が人を斬らずにどうして人を守れる?」(斎藤)
「忘れたか? 悪・即・斬」
「それが俺達、新選組と人斬りがただ1つ共有した真の正義だったはず」(斎藤)
「今のお前をこれ以上見ているのは、もはや我慢ならん」(斎藤)
「お前がなんと言おうと…拙者はもう、人を殺めるつもりはござらん」(剣心)
「そうか…ならば、お前の全てを否定してやる」(斎藤)
30話
「突きを外されても間髪入れずに横薙ぎの攻撃に変換できる」
「戦術の鬼才、新選組副長・土方歳三の考案した平刺突(ひらづき)に死角はない」(斎藤)
「まして、俺の牙突なら尚更だ」(斎藤)
「無銘だが、幕末の頃から今に至るまで、数々の苦難を払い続けたこの技と愛刀」
「今のお前では傷1つ付けられはせん」(斎藤)
「俺と戦うことで、一気に抜刀斎に立ち戻ったか」
「ならば、正真正銘の牙突、手加減なしだ!」(斎藤)
「あの頃…京都では、相手を確実に仕留める必殺の技が必要だった」
「斎藤、お前でいえば牙突がそれだ」(剣心)
「しかし、いかな牙突でも4回も見せられれば、返し技の1つや2つ思いつくさ」
「立て、10年ぶりの戦いの決着がこれしきではあっけないだろう」(剣心)
「決着か? そのつもりはなかったが、気が変わった」
「もう殺す」(斎藤)
「”もう殺す”のは、俺の方だ」(剣心)
「同じだ…刃衛の時とまったく同じ」
「止めて…誰か」(薫)
「このままじゃ…」
「剣心が…剣心がいなくなってしまう」(薫)
「(止めて?) 無理だぜ、嬢ちゃん」
「俺達には止められねえ」(左之助)
「剣心達は今、明治の東京ではなく、幕末の京都の中で戦っている」
「俺達の声はもう…届かねえ」(左之助)
「この戦いを止められるのは、幕末の動乱を生き抜いた者」
「激動の京都、味わった奴だけだ」(左之助)
「今いいところなんだよ」
「警視総監といえども邪魔はさせないぜ」(斎藤)
「任務報告。緋村剣心の方はまったく使いものにならん」
「…が、緋村抜刀斎ならそこそこいける模様、以上」(斎藤)
「(馬車で?) ここで聞かせてもらう」
「この一件に巻き込まれたは、俺1人では…」(剣心)
「この一件に巻き込まれたは、拙者1人ではござらん」
「話はここにいるみんなで聞く」(剣心)
「志々雄真実は、拙者と同じ幕末の人斬りでござるよ」(剣心)
「拙者が裏から表に出たのち、陰の人斬りの役を引き継いだ、もう1人の長州派維新志士」
「志々雄はいわば、人斬り抜刀斎の後継者でござる」(剣心)
「志々雄がやった暗殺の中には」
「表に出れば明治政府が根底から覆されるほどの重大なものもある」(大久保利通)
「そこにつけ込まれれば」
「日本は志々雄1人の手でもてあそばれることにもなりかねない」(大久保)
「緋村! この国の人々のため今一度、京都へ行ってくれ!」(大久保)
「冗談じゃないわよ!」
「取引の材料に使われて、剣さんの枷になるくらいなら」
「私は死刑台の方を選ばせていただくわ!」(恵)
「薄汚え政府なんざ、いっそ滅んじまえ!」
「その方がみんなのためだぜ!」(左之助)
「俺はお子様だからよく分かんねえけど」
「まかり間違えば」(弥彦)
「剣心も志々雄みてえに抹殺されてたかもしれねえってことは分かったぜ」
「おっさん達の勝手な都合でな」(弥彦)
「大久保卿」
「あなた方が人斬り抜刀斎を必要としていることは分かりました」(薫)
「でも剣心は今、人斬りではないんです」
「私達は絶対に、剣心を京都へは行かせません」(薫)
「すぐに答えが出るとは思わん」
「よく考えてくれ、お前自身の明治維新を終わらせるためにも」(大久保)
「上海よりもっと安全な逃げ場があるぞ」
「地獄という逃げ場がな」(斎藤)
「お前ら維新志士共は、自分達だけで明治を築いたと思っているようだが」
「俺たち幕府側の人間も敗者という役で明治の構築に人生を懸けた」(斎藤)
「俺が密偵として政府に服従しているのは、明治を食い物にするダニ共を始末するためだ」
「明治を生きる新選組としてな」(斎藤)
「犬はエサで飼える、人はカネで飼える」
「だが、壬生の狼を飼うことは何人(なんぴと)にも出来ん」(斎藤)
「旧時代を壊すことより新時代を築く方が遥かに難しい」
「そういうことだ」(大久保)
31話
「どうやら相当嫌われたらしいな」
「まあいい、いつの時代も新選組は嫌われる性分だ」(斎藤)
「心配性なんですね。この国の行く末なんて無用な心配ですよ」
「今から死ぬ人にはね」(瀬田宗次郎)
「あなた(緋村さん)も…志々雄さんに歯向かわない方がいいですよ」
「あんなふうになりたくなかったらね」(宗次郎)
「(これから?) 道は1つ、京都」
「そこに志々雄がいる、そういうことだ」(斎藤)
「人斬りは、しょせん死ぬまで人斬り」
「抜刀斎もまた、拙者の真の姿に違いはない」(剣心)
「戦いの中にしか、生きられぬさだめ…」(剣心)
「時代は、再び流れ始めた」
「とどまることはもう…許されない」(剣心)
「このまま志々雄を放っておくわけにはいかない」
「拙者は京都に行くでござるよ」(剣心)
「今までありがとう」
「拙者はるろうに、また流れるでござる」
「さようなら」(剣心)
32話
「俺も京都へ行くぜ!」
「1発ぶん殴ってやんねえと気が済まねえ!」(左之助)
「(文句?) ああ、お前らのような弱っちいのについてこられちゃあな」(斎藤)
「相手の弱点をつくのは戦術の基本中の基本」
「お前らが京都へ行けば志々雄は必ず狙ってくる」(斎藤)
「だが、今の抜刀斎ではとてもお前ら全員を守りきることは出来ない」
「だから奴は1人で旅立った」(斎藤)
「抜刀斎にとってお前らの存在など、弱点以外の何ものでもないんだ」(斎藤)
「(傷ばかり狙う?) 言ったろ? 相手の弱点をつくのは戦術の基本だと」
「卑怯でもなんでもない」(斎藤)
「正々堂々なんて通用しない」
「これから京都で始まるのはやったもの勝ちの殺し合いなんだ」(斎藤)
「こんな傷より…剣心に弱点扱いされたことの方が、万倍痛えんだよ!」(左之助)
「俺は京都へ行く」
「京都で奴の力になれるってことを、この拳で証明してやるぜ!」(左之助)
「いくら鳥頭が阿呆でも、自分の戦い方に合わされてなおボロ負けすれば」
「いやがおうでも思い知る」(斎藤)
「身の程ってやつをな」(斎藤)
「分かったか」
「お前は俺や抜刀斎には実力も経験も、ありとあらゆる面で遠く及ばない」(斎藤)
「俺達からすればお前など、口うるさいだけのひよっこに過ぎん」(斎藤)
「どうでえ?」
「ひよっこにだって、てめえの腕を潰すぐらいは出来るんだぜ」(左之助)
「てめえも剣心も、はなから今の強さだったわけじゃねえだろ」
「ひよっこだからって甘く見てんじゃねえぞ」(左之助)
「そんなに京都に行きたくば勝手に行け」
「そしてさっさと殺されてこい」(斎藤)
「天性の打たれ強さにうぬぼれて、守りのイロハも知らんバカは」
「どの道長生き出来ん」(斎藤)
「強くなる…強くなってやる」
「京都にたどり着くまでに、絶対強くなってやる」(左之助)
「追えなかった…」
「どうしてだか、なぜだか分からない」(薫)
「けど、あのとき剣心の”さよなら”のひと言が、私の体を金縛りにした」
「そしてそれは、今でも続いている」(薫)
「甘く見ないでほしいのは、こっちの方よ」
「自分の犯した罪の償いとして、医者になって多くの人を助ける」(恵)
「いい? これが私の生きる道なの」
「そしてこの道を私に示してくれたのは、ほかならぬ剣さんなのよ」(恵)
「恵さんには分からないわよ」
「面と向かって”さよなら”言われた私の気持ちなんか、絶対分からないわよ!」(薫)
「けどそれはお互いさまよ」
「”さよなら”すら言ってもらえなかった私の気持ちは、あたなには分からないんだから」(恵)
「安心しな、剣心は必ず連れて帰る」
「だから、泣かないで待ってろ」(弥彦)
「剣心に”さよなら”言われたのはお前(薫)だけだろう?」
「分かんねえのかよ?」(弥彦)
「それって、つまり剣心にとってお前との別れが1番名残惜しかったってことじゃねえか」
「いいか、剣心を連れ戻せる1番の人間は、誰がなんといおうとお前なんだ」(弥彦)
「私…私は、会いたい」
「私、やっぱり剣心に会いたいよ」(薫)
「行こう、京都へ」(薫)
33話
「お前(斎藤)との戦いにはいつでも応じてやる」
「だが拙者は、この件に誰1人巻き込む気はない」(剣心)
「そのために1人を選んだ」(剣心)
「抜刀斎をやれるのは、この俺だけだ」(蒼紫)
「(志々雄が会いたい?) 帰って伝えろ」
「”俺に会いたいなら自分で出むけ”と」(蒼紫)
「俺は誰ともつるむつもりはない」
「特に、相手の力量を測るために、自分の部下を捨て駒にするような無情な男とはな」(蒼紫)
「でも、捨て駒と分かっていながらためらいなく刻み殺したあなたも」
「十分、無情ですよ」(宗次郎)
「幕末、そして今回」
「時代の変わり目に二度も出会いながら」(宗次郎)
「もし二度とも戦いの中にいないまま終わってしまったら」
「御庭番衆お頭の名が泣くんじゃないですか」(宗次郎)
「京都…」
「お前達に花を添えるなら、早い方がいいか」(蒼紫)
「(四乃森蒼紫?) 気に入った」
「特に、人間をごみ同然に斬るところがな」(志々雄真実)
「いずれ奴にも出番が来る」
「使い方は俺が考えるさ」(志々雄)
「(楽しんでいる?) これからは俺が時代をもてあそぶのさ」(志々雄)
「あたしのどこがお子様だ! このボケカス!」
「あたしはこれでも16よ!」(巻町操)
「腕ずくだけの男なんかに、あたしをとらえることは出来ないよ」(操)
34話
「盗みを働いたおぬしらも悪ければ、追い剥ぎをした操殿も悪い」
「拙者も付き合うから、両成敗ということで勘弁するでござるよ」(剣心)
「川辺や橋での戦いは、昔嫌というほどやって慣れているから」(剣心)
「この程度の橋なら、相手が攻めてきて中央に重量が寄れば」
「切り崩すことぐらいわけないでござるよ」(剣心)
「でもやっぱり、あたしが捜してる人達の方がもっとすごいけどね」
「幕末の激動の中で、江戸城を陰で守り抜いた人達だもの」(操)
「今頃何してるのかなあ」
「蒼紫様と御庭番衆のみんな」(操)
「どういう経緯(いきさつ)で、蒼紫がおぬしを預かったのかはよく分からぬが」
「なぜ1人置いて去ったのかは分かるような気がする」(剣心)
「戦いに生きる御庭番衆と共にいれば、常に危険に見舞われる」
「蒼紫もそれを思い、おぬしを京都のじいやの所へ置いていったのでござろう」(剣心)
「思いを断ち切って忘れた方がよい」
「それがおぬしの幸せのため」(剣心)
「好き勝手なことを言うな!」
「このウスラトンカチ!」(操)
「何が”忘れろ”よ!」
「忘れられないから、こうして捜してるんじゃない!」(操)
「1番想ってる人を忘れることの、どこが幸せなのよ!」(操)
35話
「(覚悟?) 覚悟するのは、お前達だ」(剣心)
「普段なら”ケガをしたくない者は下がれ”と言うところだが、今この場ではそうもいかん」
「1人残らず叩き伏せる!」(剣心)
「おいなんだ、この…イタチ娘は?」(斎藤)
「怒るな」
「自分の命を懸けてまで、人間の誇りと尊厳を守れる者などそうはいないもんだ」(斎藤)
「ただ生き延びるだけなら、誇りも尊厳も必要ないからな」(斎藤)
「人はとかく暴力の恐怖に弱く、その統制下では」
「ただただ生きることだけが目的となり、誇りも尊厳も失う」(斎藤)
「政府の連中も結局は人間」
「我が身かわいさのあまり、問題は誰かがどうにかしてくれると思ってるんだよ」(斎藤)
「村も、警察も、軍隊も、政府も、そして何もかも」
「このままでは志々雄真実の思いのままになる」(斎藤)
「だからこそ今、俺やお前のような、人斬りが必要なんだよ」(斎藤)
「気持ちは分かるよ」
「あたしだって、もし御庭番衆のみんなが殺されでもしたら」(操)
「命を捨てても絶対かたきを討つ」
「悪いけど緋村、あたしはこの子に力を貸すよ」(操)
36話
「警戒したところで始まらんさ」
「行くぞ」(斎藤)
「(志々雄真実?) ”君”ぐらい付けろよ」
「無礼な先輩だな」(志々雄)
「(一足飛びで斬り込む?) 大丈夫ですよ」
「緋村さんは斎藤さんと違って、不意打ちなんて汚いまねは絶対しませんから」(宗次郎)
「やすい挑発だ」
「どっかの小娘みたいにムキになるな」(斎藤)
「この村を取ったのは、東海地区制圧の軍事拠点にするためさ」
「まあ、温泉が気に入ってるのもホントだがな」(志々雄)
「10年前…陰の人斬り役として抜刀斎のあとを引き継いだ俺は」
「維新政府のために命懸けで働いた」(志々雄)
「ところが奴等は散々俺を利用したあげく」
「秘密を知り過ぎたこの俺を抹殺しようとしやがった」(志々雄)
「ご丁寧に全身まで焼いてな」
「しかし、俺は死ななかった」(志々雄)
「だがその火傷のせいで」
「俺の体は常人では考えられぬほどの高熱を宿すようになった」(志々雄)
「いわば地獄の業火の残り火が、ずっと俺の体の中で…燃え続けているのさ」(志々雄)
「だが俺はね、今さら奴等に復讐する気なんて更々ないんだよ」
「むしろ感謝してるくらいさ」(志々雄)
「この傷は身に染みるほどいろんなことを教えてくれた」
「信じれば裏切られる、油断すれば殺される、殺される前にやれ」(志々雄)
「それからホントにいい男はどんなになっても女の方から寄ってくる…ってこともな」(志々雄)
「あんたも俺も先輩も、同じ幕末を生きた男だろう」
「なのになんで…俺の気持ちが分からないのかね」(志々雄)
「攘夷だ・勤王だ・佐幕だのといっても」
「しょせん幕末ってのは戦国以来300年を経てやってきた久々の動乱なんだぜ」(志々雄)
「佐幕派も倒幕派も、それぞれがそれぞれの正義って名の錦の御旗を掲げて」
「日々争い殺し合った動乱の時代」(志々雄)
「そんな時代に生まれ合わせたのなら」
「天下の覇権を狙ってみるのが男ってもんだろう」(志々雄)
「ところがどうだ」
「暗殺されかけて、やっと傷を癒やして出てきてみれば」(志々雄)
「動乱は終わって、明治政府なんてもんが出てきやがった」
「しかも、俺1人を抹殺することも出来ない弱々しい政府だ」(志々雄)
「こんな政府に国は任せられねえだろう」
「ならば!」(志々雄)
「動乱が終わったのなら、俺がもう一度起こしてやる」
「俺が覇権を握りとってやる」(志々雄)
「そして、俺がこの国を強くしてやる」
「それが俺がこの国を手に入れる正義だ!」(志々雄)
「だが…その正義のために血を流すのはお前ではない」
「その血を流したのは、今を平和に生きていた人々だ」(剣心)
「この世はしょせん弱肉強食…と言っても、先輩は納得しそうにないな」(志々雄)
「志々雄真実」
「お前1人の正義のために、これ以上人々の血を流させるわけにはいかぬ!」(剣心)
「俺もやるならやるで構わんがな」
「どうせやるなら、花の京都と洒落込みたいもんだ」(志々雄)
「そんな奴にまで情けをかけるとはな」
「その甘さが命取りになるぞ」(斎藤)
「(命取りになる?) 別に構わんさ」
「後輩相手に、そう気張ることもあるまい」(剣心)
37話
「先輩が人斬りをやめたとは聞いていたが、この目で見るまでは信じ難かった」
「そんなんで俺を倒そうなんて…100年早え」(志々雄)
「つまらねえ戦いはしたくねえ」
「京都で待っていてやるから、人斬りに戻って出直してきな」(志々雄)
「緋村さん。僕を倒さないと、この部屋からは出られませんよ」
「まず僕と戦って下さい」(宗次郎)
「後の先が取れない相手なら、己の最速の剣で先の先を取るのが最良策だ」(斎藤)
「殺さずの信念を捨てない限り、抜刀斎は宗次郎に…勝てない」(志々雄)
「この勝負、確かに勝ち負けなしですね」
「今日はこれで失礼しますけど、また戦って下さい」(宗次郎)
「その時までに新しい刀を用意しておいて下さいね」(宗次郎)
「刀はまた作ればいいし、志々雄達もまた追えばいい」(剣心)
「とりあえず、この村から志々雄一派を退けた」
「それだけでもよしでござるよ」(剣心)
「敵討ちせんでも、どのみちこいつは取り調べの拷問って付録付きで死刑台送り決定だ」
「気絶したままとどめを刺されるより、よっぽど苦しいぜ」(斎藤)
「死んだ者が望むのは、敵討ちなどではなく」
「生きている者の幸せでござるよ」(剣心)
「時がたてば、この小さな手も大きくなり、おぬしも大人になる」(剣心)
「その時、志々雄一派のように力で虐げる男にはなるな」
「村人のように、暴力に怯えて何も出来ない男になるな」(剣心)
「最後の最後まで、おぬしを案じ続けた兄のようになって幸せになるでござるよ」(剣心)
「逆刃刀で、まさかこの長曾禰虎徹をここまで壊すとは」
「少し甘く見ていたか」(志々雄)
「緋村剣心の中に押し込められてる人斬り抜刀斎を、引きずり出したくなった」(志々雄)
「大変なのはこれからさ」(斎藤)
「この一件で村人同士、互いの心根の醜さが露呈された」
「人間関係しばらく荒れるぜ」(斎藤)
「俺もお前も、連れていくわけにいかんだろう」
「しばらくは時尾のところへ預けて、落ち着いてから身の振り方を考えるさ」(斎藤)
「(時尾?) 家内だ」(斎藤)
「お前はさっさと京都へ行って、とっとと人斬りに戻れ」(斎藤)
「この戦いで分かっただろう」
「るろうにのお前じゃ志々雄はおろか、その側近にも歯が立たない」(斎藤)
「逆刃刀が折れたのはちょうどいい、いい加減覚悟を決めることだ」
「昔のお前に…期待してるぜ」(斎藤)
「拙者が本当に人斬りに戻らねばならぬかいなか」
「答えは必ず京都にある」(剣心)
38話
「あれは法力などではない」
「法力などそもそも人の信仰心をあおるための吹聴」(悠久山安慈)
「仏道にいた私自身、今まで一度も見たこともない」
「もし仮にあるとしても…今の私には使えん代物(しろもの)だ」(安慈)
「私は破戒僧だ」
「仏の定めた戒めを破った、堕落した僧のことだ」(安慈)
「信心は捨てても世を救いたいという救世(ぐぜ)の心は捨てておらん」(安慈)
「そして救世は仏の手では行われん」
「人の世を救世できるのは人の手でのみ」(安慈)
「私の修行はその力を得るためのもの」
「そしてそれには神仏をも凌駕する力がいる」(安慈)
「(なぜ力を欲する?) いろいろあるけど、ひと言でいやあ」
「今よりもっと強くなりてえってとこかな」(左之助)
「俺には力がいる」
「力が必要な理由があるんだ」(左之助)
「あんたの救世(ぐぜ)に比べりゃあ個人的な理由だが」
「けど、俺にとっちゃあ命を懸けるに値する理由さ」(左之助)
「まず拳を立てて石に第1撃を加える」
「そして第1撃目の衝撃が石の抵抗とぶつかった瞬間、拳を折って第2撃を入れる」(安慈)
「すると第2撃目の衝撃は抵抗を受けることなく完全に伝わり、石を粉々に粉砕する」
「これが私が10年の修行で会得した破壊の極意”二重の極み”だ」(安慈)
「それではただの2連打にすぎん」
「衝撃というのはとてつもなく速い」(安慈)
「それはまさに一瞬、刹那の瞬間」
「その瞬間に第2撃を打ち込む」(安慈)
「ひと月なんざ要らねえ」
「7日間で、この”二重の極み”を極めてやらあ!」(左之助)
「命も懸けねえでやられる程度のものなら、最初っからやらねえんだ!」
「俺が欲しいのは…俺が望んでいるのは…」(左之助)
「”二重の極み”は私の10年に渡る修行の結晶」
「気迫1つで会得できるほど、安くはない」(安慈)
「あの時、俺たち赤報隊が偽官軍の汚名をきせられ」
「その罪で斬首された隊長の首がさらされた時、維新政府を心底憎みました」(左之助)
「それと同じくらい、自分が憎かった」(左之助)
「1番尊敬した人を無惨に殺されても」
「何1つ出来ずにいる非力な自分自身が悔しくてたまらなかった」(左之助)
「あれから10年…腐りかけた俺に活を入れてくれたいい奴が」
「今でけえ戦いに巻き込まれて死ぬかもしれねえんです」(左之助)
「俺はもう、あの10年前の悔しい思いを繰り返したくない」
「そして、誰にも繰り返させはしない」(左之助)
「だから、俺は今こそ強くならなきゃならねえ」
「全ての理不尽な暴力を打ち砕ける力を、この手にして」(左之助)
「(大した才能?) 才能なんてチンケなひと言で片づけてくれるなよ」(左之助)
「あれから10年、もう二度と訪れることはないと思っていた京都に拙者が」
「再びあの地に修羅の世界が待っていることだけは間違いない」(剣心)
39話
「”嫌だ”と言っても無駄じゃよ、無駄」
「なんせわしゃ、操の育ての親なんじゃよ」(柏崎念至、翁)
「緋村君」
「君はこの国の人々のために志々雄達と戦うのじゃろう?」(翁)
「ならば、常に正々堂々構えておれ」
「それが正しき男の流儀」(翁)
「十本刀が集結次第、国取り開始だ」(志々雄)
40話
「拙者を突き殺そうとするなら、斎藤の牙突を超える技を繰り出してこい」(剣心)
「貴様にとってたかがガキでも、幕末に大勢の人間を斬った拙者にとっては」
「かけがえのない新時代の申し子」(剣心)
「命に代えても、伊織は両親のもとに無事返す」(剣心)
「(時代をつくる?) 生憎だが、お前には到底無理でござる」
「時代をつくるのは刀ではなく、それを扱う人でござる」(剣心)
「赤空殿。俺はまだ、あなたと同じく甘い戯言に懸けてみたい」
「だから…”逆刃刀・真打”、ありがたく頂戴いたす」(剣心)
「なんか緋村、急によそよそしくなった」(操)
「自分が”人斬り抜刀斎”だって知れたから?」
「そんなこと関係ないのに」(操)
「あんたがどうであろうと、あたしが出会ったのは”人斬り”のあんたじゃなくて」
「”るろうに”のあんたなんだから」(操)
「こんな緋村…1人でなんでも背負い込んで、あんた1人が不幸になるなんて結末」
「あたしは絶対納得しないからね」(操)
41話
「もしあなただったら、東京からこんな遠くまで」
「たった1人の人に会うために、生半可な気持ちで旅をする?」(薫)
「同じ御庭番衆でも、俺達の気持ちは、俺達にしか分からない」(蒼紫)
「蒼紫よ。お前がもし御庭番衆の誇りを失い、真の修羅となるならそれは」
「お前をお頭にしたわしの過ち」(翁)
「その時は全力をもってわしが、お前を潰す」(翁)
「うざったい人付き合いをせずに暮らすには、芸術家が1番手っ取り早い」
「まあ、真の天才はなんでもこなしてしまうのさ」(比古清十郎)
「俺はお前の師匠だぞ」
「バカ弟子の考えなどお見通しさ」(比古)
「15年前にやり残した、飛天御剣流奥義の伝授」
「今こそ、お願いしたい」(剣心)
「教えたはずだぜ。剣は凶器、剣術は殺人術」
「どんな綺麗事を並べてみても、それが事実であり真実」(比古)
「自分の薄甘い理想と今ある現実の危難と、どっちも守りたいなんてのは」
「てめえ勝手なわがままなのさ」(比古)
「飛天御剣流はその強さゆえ、加担した方に間違いなく勝利をもたらしちまう」
「言わば陸(おか)の黒船なんだよ!」(比古)
「よいか、飛天御剣流は時代の苦難から人々を守るのが本来のことわり」
「だがそれはあくまでも、いかなる権力にも属さぬ自由の剣としてだ」(比古)
「それが分からなかった貴様に、飛天御剣流の奥義を得る資格はない」(比古)
「(それで?) ただ…ただ会いたかったから」
「もう一度会いたいと思ったから、それだけで…」(薫)
「明治になって10年、あの朴念仁が俺の教えた飛天御剣流で何をやっていたのか?」
「俺の1番知りたいのはそこなんだ」(比古)
「あいつ本人からではなく、俺の知らないあいつを見てきた者の口からな」(比古)
「昔と同じ言葉を吠えやがる」
「よし。飛天御剣流・最後の奥義、お前に伝授してやる!」(比古)
「なんだかんだいって、志々雄を放っておくわけにはいかんだろう」
「お前が志々雄真実を食い止めてみせろ、飛天御剣流として」(比古)
「(京都に来たの怒って?) 半分」
「もう半分はどこか…ホッとした」(剣心)
「始める前に1つ言っておくことがある」
「最後の奥義を会得すれば、お前は俺に匹敵する強さを得ることになるだろう」(比古)
「だが、自惚れるなよ」
「お前1人が全てを背負って犠牲になるくらいで守れるほど、この時代は軽くないはずだ」(比古)
「そして同様に、人1人の幸せも軽くない」(比古)
「お前が犠牲になれば、ただお前に会いたいという気持ち1つで京都へ来た女が1人」
「確実に不幸になる」(比古)
「覚えておけ」
「どんなに強くなろうとお前はただの人間、仏や修羅になる必要はないんだ」(比古)
42話
「勘違いするな。俺は抜刀斎の情報を聞きにきただけだ」
「貴様(志々雄)とつるみ気は、一切ない」(蒼紫)
「(翁を潰す?) 構わん」
「抜刀斎を斬ることが、俺の全てだ」(蒼紫)
「(人間が壊れてる?) いいじゃねえか、そんなことは」
「壊れてるのは俺達だって同じだろ?」(志々雄)
「まともな精神じゃ生きていけねえ」
「修羅とはそういう…生き物さ」(志々雄)
「刀を振りかぶったからとて剣が飛んでくるとは限らんぞ」
「読みの速さに頼りすぎなんだよ」(比古)
「飛天御剣流・最強の奥義を、鈍った腕で会得できるとでも思ったのか?」
「このバカ弟子が!」(比古)
「まずはこの俺から1本取ってみろ!」
「奥義の伝授はそれからだ!」(比古)
「腕の方とは違い、眼光はまったく鈍っていないな」
「お前に飛天御剣流を教えた、あの頃のままだな」(比古)
「それでこそいじめがい…もとい、鍛えがいがあるってもんだ」(比古)
「御庭番衆・翁は、先代お頭と唯一対等に戦えたほどの手練だ」
「甘く見ればこうなる」(蒼紫)
「この手で、翁の息の根を止める日が来ようとは…」(蒼紫)
「蒼紫よ。お前は御庭番衆の誇りを失い、修羅に落ちた」
「もはやこのわしが潰すしかない」(翁)
「(地獄を信じるか?) いえ、善人も悪人もしょせん肉の塊」
「死ねば腐って土に還るだけです」(佐渡島方治)
「だがな…俺は地獄を信じてる」(志々雄)
「こんな血で血を洗う修羅どもがうごめく現世(うつしよ)こそ」
「地獄と呼ぶにふさわしくないか」(志々雄)
「通じないのは、先代お頭の小太刀二刀流だろう?」(蒼紫)
「鋼だろうが、かつての同志だろうが、緋村抜刀斎だろうが」
「俺の小太刀二刀流に斬れないものはない」(蒼紫)
「ナメられたもんじゃな」
「老兵といえどもこの翁、貴様と違って敵に同志を売るなど…断じてせん!」(翁)
「抜刀斎に伝えておけ」
「”志々雄のアジトで待っている”とな」(蒼紫)
「10年前の全身やけどで、汗をかく組織がほぼ全滅しちまってな」
「それ以来、俺の体は高熱を発するようになった」(志々雄)
「いわば、地獄の残り火だ」
「この炎熱は俺の全身を焼き、そして脳を焼きながら俺に真実を語り始めた」(志々雄)
「人間の本性は修羅。そしてこの現世こそ地獄」
「殺さず、四民平等、そんなものは小さくもろい」(志々雄)
「修羅のみが生きる国」
「これこそ、俺の作ろうとしている地獄なんだとな」(志々雄)
「いい、みんな」
「今日から蒼紫様…いいえ、四乃森蒼紫に代わり、このあたしが新しいお頭よ!」(操)
「緋村と力を合わせ、志々雄一派の野望を阻止する」
「敵は誰であろうと…たとえ四乃森蒼紫だろうと倒してみせる! 必ず!」(操)
「御庭番衆はあたしが守る」
「もうこれ以上、誰も死なせたりしない」(操)
「御庭番のみんなは、かけがえのないあたしの家族」
「だからじいや、あたしの幸せは御庭番衆なくしてありえない」(操)
43話
「これから死ぬ奴に名乗っても意味ねえよ」(比古)
「飛天御剣流継承者、第13代目・比古清十郎」
「腕は間違いなく最強」(剣心)
「だが、性格は陰険・ぶっきらぼう・人間嫌い」
「本人ですら忘れている他人の恥を、逐一覚えている人の悪さ」(剣心)
「手取り足取りで教えられた技は身につかない」
「一度くらってそこから学び取った技こそ、いざって時に役立つ」(比古)
「いつもそうやって修行してきただろうが」(比古)
「(不完全?) いや、完璧だったぜ」
「だが、同じ技でも使い手が違えば威力が当然異なる」(比古)
「斬撃術では腕の力、突進術では重量がものをいう」
「…が、そのどちらもお前は俺より圧倒的に劣る」(比古)
「つまり、俺の”九頭龍閃”の前では、お前の”九頭龍閃”は通用しない!」(比古)
「神速を超える抜刀術、それが”天翔龍閃”だ」
「抜刀に不利な逆刃刀で、神速を超えることが出来てこその話だが」(比古)
「(無謀?) 承知しています」
「しかし…奥義伝授を前に、死など恐れてはおりません」(剣心)
「今のお前には、”天翔龍閃”は会得できん」
「やはりお前はバカ弟子だ!」(比古)
「ひと晩時間をやる」
「心の中を探って、自分に欠けているものを見つけ出せ」(比古)
「それが出来ねば奥義はおろか、お前は本当に命を捨てることになる」(比古)
「飛天御剣流のことわりに従い刀を振るっても、結局誰1人救えぬ」
「俺が出来ることといえば、犠牲者の骸を葬ってやることぐらいか…」(比古)
「坊主、名は?」
「(心太?) 優しすぎて剣客にはそぐわないな」(比古)
「今日からお前は”剣心”と名乗れ」
「お前には俺のとっておきをくれてやる」(比古)
「(奥義を会得して?) でも…剣心」
「何もかも1人で背負い込みすぎて、自分さえ犠牲にしてしまいそうで」(薫)
「より強い技を身につければ確かに志々雄達との戦いは有利になるかもしれない」
「でも、剣心の中の人斬りと、殺さずの戦いは逆に…」(薫)
「大丈夫だよ、緋村なら」
「あのじいやが見込んだ男だよ」(操)
「あたし、信じてんだ」
「緋村が帰ってくれば、じいやが目を覚ます」(操)
「緋村は薫さんの気持ちを裏切るような結果なんか出しゃしない」
「そんな奴じゃないよ」(操)
「所詮、お前はここまでが限界の男だったか」
「そんな中途半端な男が志々雄に勝つことは出来ん」(比古)
「心に住みついた人斬りにも勝てん」
「もし生き延びたとしても、お前は生涯悩み・苦しみ、孤独にさいなまれ…人を斬る」(比古)
「ならばいっそ、奥義の代わりに引導をくれてやるのが、お前の師としての最後の務め」
「覚悟はいいな? 剣心」(比古)
「恐れているのか? 比古清十郎を」
「その後ろにある、絶対の死を」(剣心)
「俺は、まだ…」(剣心)
「そうだ…それでいい」
「多くの人を斬ったお前は、己の命すらも軽(かろ)んじてしまう」(比古)
「それが時として、心に巣食った人斬りの心に自分を支配されてしまう」(比古)
「己を犠牲にした人斬りの強さをもって、愛しい者や弱い者を守ったところで」
「所詮、連綿と続く時代のひと時に過ぎない」(比古)
「生きよ、剣心」(比古)
「さすればお前は”天翔龍閃”を自在に使いこなし」
「己の中の人斬りになど決して負けたりせん」(比古)
「気にするな」
「これも御剣流の師弟の定めだ」(比古)
「俺自身も先代の命と引き換えに”天翔龍閃”を会得した」
「お前の殺さずの誓いの外のことだと思え…」(比古)
44話
「驚いたか? こら」
「前の俺と同じだとナメてかかると…てめえも、こうだぜ」(左之助)
「何を怒っている」
「”隙あらばいついかなる時でも斬りかかって構わない”」(魚沼宇水)
「そういう条件で、私は志々雄の仲間になってやったんだぞ」(宇水)
「(兵隊を殺害?) 私が千人分動けば済むことだ」
「雑兵など死んでもどうってことなかろう」(宇水)
「京都が焼かれて、1番困るのは政府じゃねえ」
「京都に住んでる人達だ」(左之助)
「幕末の動乱から10年、やっと安息の生活を手に入れたっていうのに」
「志々雄一派も、維新政府も、ふざけあうのも大概にしやがれ!」(左之助)
「この背中の”悪一文字”にかけて、京都は絶対に焼かせねえ!」(左之助)
「新選組の狼達の鎮魂のためにも京都大火は絶対に阻止だ」(斎藤)
「いよいよ国取りの始まりだ」(志々雄)
「明晩11時59分をもって、京都大火を実行にうつす」
「この京都を紅蓮の炎で焼き尽くせ!」(志々雄)
「なかなか際どかったが、奥義の伝授はこれで終わりだ」
「”天翔龍閃”はお前のものだ」(比古)
「この先は、お前自身がるろうにとして」
「この技の全て、意のまま自在に操れるように昇華しな」(比古)
「師匠。奥義は会得しても、俺は14代・比古清十郎を襲名する気などまったくありませんよ」
「受け継ぐのは飛天御剣流のことわりだけです」(剣心)
「ただ…俺が飛天御剣流を教えたのは」
「お前を不幸にするためではないということだけは覚えておけ」(比古)
「余計な心配は無用」
「お前はさっさと志々雄を倒しに行きな」(比古)
45話
「”どうしてここに”って?」
「おめえ(剣心)の力になってやるために決まってんだろうが」(左之助)
「(力になる?) ”足手まといになる”の間違いじゃないのか」(斎藤)
「頭(かしら)として命令する」
「御庭番衆の名に懸けて、京都大火は絶対阻止!」(操)
「人斬りの中でも、志々雄真実は拙者のあとを継いだ人斬り」(剣心)
「こんな時、奴はどんな方法でそれを成すか?」
「人斬り抜刀斎ならば手に取るように分かる」(剣心)
「なあ由美、お前は俺の見てくれに惚れたのかい?」(志々雄)
「お前が惚れたのは俺の中身だろう?」
「だったらこいつの底を見てみろ」(志々雄)
「これが俺達の切り札、名づけて”煉獄”」
「どうだ由美、惚れてくれるか?」(志々雄)
「感傷にひたる理由なんざどこにある?」
「これは俺の栄光への船出だぜ」(志々雄)
「俺が待っている京都大火は、その船出と宣戦布告の祝い花火さ」(志々雄)
「だがしかし…」
「あの男との勝負がうやむやになるのは、心残りといえば心残りか」(志々雄)
「奴と俺はもっとも近い人斬り」
「俺の思考読みやがったな」(志々雄)
「こいつが東京中を恐怖のどん底に突き落とす明治の黒船”煉獄”の真の姿よ」(志々雄)
46話
「驚いてくれたようだな」
「まぁ、この大型甲鉄艦”煉獄”には全財産の5分の3を注ぎ込んだんだ」(志々雄)
「もっと驚いてくなきゃ、張りがねえ」(志々雄)
「甲鉄艦か」
「あんな代物が一個人の手に入るようじゃあ、どのみち明治政府も…長くないな」(斎藤)
「左之。拙者と斎藤で敵の銃砲を引きつける」
「その隙に小舟を探して忍び寄り、炸裂弾で敵艦後方の機関部を破壊してくれ」(剣心)
「おぬしの力量に命運を懸けるでござるよ」(剣心)
「こいつらを甘く見ていたこの俺…志々雄真実の隙が最大の原因だ!」(志々雄)
「煉獄1隻は高い代償になったが」
「この国を取るにはまずお前ら3人を葬る必要があると分かった」(志々雄)
「(新月村の決着?) ああ、ただし…場所は比叡山六連ねの鳥居のほこら」
「俺達のアジトでだ」(志々雄)
「抜刀斎…あんたは俺にとって国取りのついでの余興に過ぎん」
「だがそれは、今この時からこちらも命を懸けるに値する余興になった」(志々雄)
「この先俺に隙はない」
「覚悟してかかってこい」(志々雄)
「これでもう、無関係の人を戦いに巻き込むようなことはないでござるよ」(剣心)
「(頼りになる?) 言われずともその程度のことは百も承知だ」
「だが、それでも奴が阿呆であることに変わりはない」(斎藤)
「(薫を引っ張ってきた?) 男の約束だろ」
「当然さ」(弥彦)
「お忘れか? 生殺与奪、それが私が十本刀の一員になった条件だ」
「無益な殺生は私の好むところではない」(安慈)
「面白え」
「あんた(安慈)の言ってた”救世(ぐぜ)”ってやつを、この拳で確かめてやるぜ」(左之助)
「蒼紫は…まだ、修羅になってござらん」(剣心)
「もし本当に修羅と成り果てて技を繰り出していたのなら」
「翁殿は今ごろ墓の下にいておかしくないはず」(剣心)
「おそらく無意識の一瞬の手加減でござろう」
「それは、まだ蒼紫が人である証拠」(剣心)
「たとえ体が修羅に支配されたとしても」
「拙者は人であろうとする心の方を信じるでござる」(剣心)
「蒼紫の安息の地は死ではござらん、ここ(葵屋)にある」
「拙者は、蒼紫をここに連れて帰る」(剣心)
「奥義は…”天翔龍閃”は危険な技でござる」(剣心)
「もし斎藤や張との戦いのように、我を忘れてしまえば」
「今度こそ確実に拙者は人斬りに立ち戻る」(剣心)
「だが、力を抑えれば速さは損なわれ、奥義足りえない」
「死闘という極限のはざまで、紙一重の生死を見極める」(剣心)
「それが出来て初めて、拙者の”天翔龍閃”は完成する」
「全ては拙者の心次第」(剣心)
「大切な仲間達と、みんなの思いに支えられている」
「恐れるものは何もない」(剣心)
「剣心」
「みんなで一緒に、東京に帰ろうね」(薫)
47話
「私が考えていることは常に1つ」
「志々雄様の完全勝利です」(方治)
「(だまし討ち?) 忘れてはなりません」
「我々の最終目標はこの国の覇権を握ること」(方治)
「これこそ、志々雄様の完全勝利」(方治)
「そのためにはだまし討ちも当然!」
「今ここで緋村抜刀斎とその一同を同時に抹殺するのが最良!」(方治)
「その拳で志々雄様から修羅の覚悟をいただいてのち」
「私は密かに1つの決心をしました」(方治)
「私は志々雄様を絶対の勝者へと導くべく、全身全霊をもって策を練り、遂行すると」(方治)
「勝てば官軍! 歴史は勝者がつくります!」
「”煉獄”を失った今、十本刀は残された切り札」(方治)
「それを無駄に浪費する策には、何がどうなろうとこの方治」
「賛同することは出来ません!」(方治)
「私は志々雄様に完全勝利を捧げると誓った」(方治)
「そのためには、どんな卑劣で卑怯な手段を使おうとも」
「そのために人に、同胞に、そして志々雄様にさえ忌み嫌われようと」(方治)
「私は…私は…一向に構わない…と」(方治)
「本当のこと話せよ、方治」
「私の心眼の前に、嘘は一切通用しない」(宇水)
「私は…真実しか語らない」
「十本刀7人への裏切りは、全て私の独断によるもの!」(方治)
「その償いと、志々雄様への不信と疑念は、この罰をもって!」
「全て…流していただきたい」(方治)
「覚悟のほど、見届けた」
「以後汚れ役は任せる」(志々雄)
「その代わり、お前(方治)には常にいの1番に勝利を味わわせてやる」
「この俺の傍(かたわ)らでな」(志々雄)
「拙者、決闘は承知したが、殺し合いはごめんこうむる」(剣心)
「(救世?) どうしたも何もない」
「この破壊こそ、救世の第1歩だ」(安慈)
「この世には救うにまったく値しない者共が、我が物顔に生をむさぼっている」(安慈)
「そして、その人面獣心の輩(やから)が」
「本来救われねばならない心清き者達の未来を奪っているのが、この現世」(安慈)
「今こそ、救えぬ者に罰を与えなければならない」(安慈)
「そのために私は十本刀”明王の安慈”」
「人に罰を与える憤怒の化身・不動明王になることを受け入れたのだ」(安慈)
「この世の全てを破壊し、一度無に戻す」
「そして救うべき者を救い、罰するべき者を罰し、まず人の心から再生を図る」(安慈)
「それが真の救世なのだ」(安慈)
「その明治の中で、懸命に生きてる連中はちゃんといて」
「その連中のために、未来を信じて戦ってる奴だっているんだよ」(左之助)
「時代に絶望するのはてめの勝手だが安慈、まだ希望を持ってるもんがいる限り」
「生殺与奪だなんて思い上がりは、この俺が許さねえ」(左之助)
「俺は負けねえ!」
「絶対に!」(左之助)
「せめて我が救世の正しきを身をもって味わい、そして死ね!」
「黄泉(よみ)のはざまから我が救世を見届けよ!」(安慈)
「(まぐれ勝ち?) 違うぜ」
「拳の速さでは敵わねえと、とっさに”極み外し”に切り替えたのは」(左之助)
「一か八かでも、ましてやまぐれなんかじゃねえ」
「命懸けで”二重の極み”を会得した拳なら、絶対できると確信してた」(左之助)
48話
「分かるか?」
「祈りや願いなどでは何1つ救われはせぬ…何1つ」(安慈)
「この子達が輪廻の輪をくぐり、再びこの世に転生(てんしょう)する時まで」
「”明王の安慈”は負けるわけにはいかんのだ!」(安慈)
「ちくちょう、同じだ…同じなんだよ!」
「てめえはあの時の俺なんだ!」(左之助)
「もういいだろう? 安慈。おめえは十分すぎるほど傷ついて生きてきたんだ」
「ここいらで傷だらけの人生に終止符を打ってもいい頃だぜ」(左之助)
「傷だらけで結構、既に痛みなど感じぬ」
「私は明王として戦い続ける」(安慈)
「救世をこの世にもたらすその日まで」
「あの子達もそれを望んでいるはず!」(安慈)
「子供達はおめえが明王になることなんざ望んじゃいねえ!」
「見ろ。お前の流した血に濡れて、泣いてるじゃねえか!」(左之助)
「(優しさでは救えない?) そんなこと、10年前に承知してるさ」(左之助)
「だがよ、その位牌の子供達は死ぬ直前まで、あんたの優しさに救われてたはずだぜ」
「その子達のためにも、お前はこんなところで終わるんじゃねえ」(左之助)
「どっちでも構わん」
「前に進むのみ」(斎藤)
49話
「全身ボロボロだ。だがよ、気持ちのいい痛みだぜ」
「こんなのは、剣心と戦ったとき以来だ」(左之助)
「礼を言うぜ」
「あんた(安慈)と二度会わしてくれた、運命の神…いや、仏様にな」(左之助)
「怒るのは大いに結構だが焦るな」
「焦りは余計な緊張を生み、実力を半減させる」(斎藤)
「こいつ(宇水)は俺が相手する」
「お前はさっさと先へゆけ」(斎藤)
「(甘い男?) どうやら心眼とやらも底が見えたようだな」(斎藤)
「いまだ殺さずを引きずっている抜刀斎がいると、邪魔なんだよ」
「お前を殺すにはな」(斎藤)
「目が見えなくとも心眼で私には手に取るように分かるのだよ」
「お前の気持ちがな」(宇水)
「心眼の前で隠しごとは不可能」
「復讐もまた、1つの正義。結構、結構」(宇水)
「心眼で見えぬなら教えてやろう」
「この俺が高ぶるのは唯1つ。悪・即・斬という、俺自身の正義のためだけだ」(斎藤)
「一度死の淵を渡り、よみがえったことで、私は異常聴覚を身につけていたのだ」(宇水)
「これぞ我が無敵の心眼」
「心眼の前では牙突など、ただの突き同然!」(宇水)
「1つ俺の心眼も見せてやろう」
「俺の心眼はお前のような異常聴覚じゃない」(斎藤)
「あまたの死線をくぐり抜けた剣客だけが持つ読み」
「ひと言でいうなら洞察力だ」(斎藤)
「戦いもせず、尻尾を巻いた負け犬が偉そうに吠えるな!」(斎藤)
「亀甲の盾」
「中に何を仕込んでいるか知らんが、この牙突に貫けぬものなぞない!」(斎藤)
「”仕込む”? なんのことかな」
「このティンベーは甲羅の丸みで相手の武器をさばく道具」(宇水)
「同時に相手の視界を封じ、このローチンで…突く!」(宇水)
「これが我がふるさと琉球に伝わる、王家秘伝武術の1つ」
「ティンベーとローチンの基本的戦法」(宇水)
「”志々雄が気づいていない”だと?」
「あの男がそんな阿呆なわけないだろう」(斎藤)
「牙突にはいくつかの型分けがある」
「通常の”壱式”、斜め上から突き下ろす”弐式”、対空迎撃用の”参式”」(斎藤)
「そして…今のが奥の手」
「間合いのない密着状態から上半身のバネのみで繰り出す”零式”」(斎藤)
「いずれ抜刀斎と決着をつける時のためのとっておきだ」(斎藤)
「惨めだな」
「戦わずして志々雄に負けた時、お前は剣を捨てるべきだった」(斎藤)
「己の信念を貫けなかった男など、死んでも生きていても惨めなものだ」(斎藤)
「(どこまで?) 無論、死ぬまで」(斎藤)
「(まず自分達の身を?) 当然!」
「このあたしが誰1人仲間を死なせたりしないわ」(操)
50話
「約束でござるよ」(剣心)
「”蒼紫を必ず連れて帰る”という、操殿との約束」
「そして、蒼紫との”再戦”の約束」(剣心)
「この機を失えば、2つの約束は永遠に失われるでござる」
「約束を果たすのは、今…この戦いの扉だけは、拙者自らの手で開けねばならぬ」(剣心)
「抜刀斎と再戦を誓った時から、俺は全てを捨てた」
「誇り、情け、善と悪」(蒼紫)
「そしてかつての同胞達をも」
「それも全ては、この日のためだ」(蒼紫)
「(変わった?) 変わるさ」
「お前を倒して”最強”という花を手にするためなら、俺はなんにでも変わってみせる」(蒼紫)
「(約束を破棄?) 約束は守る」
「だがその相手は、おぬしではござらん」(剣心)
「拙者が約束したのは、隠密御庭番衆お頭の蒼紫であって」
「今のおぬしではござらん」(剣心)
「この蒼紫、地の利だけで抑えて、今のままでは前以上に拙者には勝てぬと突きつける」
「そしてそこに、今の蒼紫を元の蒼紫に戻す可能性を見いだすでござる」(剣心)
「(まずい戦況?) そうでもねえさ」
「安慈相手に戦って無事に済む奴など、まず間違いなくいねえし」(志々雄)
「宇水はおそらく斎藤に負けるだろうが、奴だって意地の1つでもかけて」
「それなりの傷は負わせるはずだ」(志々雄)
「手負い2人と抜刀斎なら、俺と宗で十分かたがつくだろう」
「お前はオロオロとうろたえる俺が見たいのか?」(志々雄)
「俺に言わせれば、これしきのお前を倒したところで、なんの意味もなさん」
「俺が倒さねばならぬのは、幕末最強と謳われた伝説の人斬り抜刀斎だ」(蒼紫)
「人斬りのお前を倒すことで、死んだ4人に花を手向けてやれるのだ」
「俺たち隠密御庭番衆こそ、最強だという花をな」(蒼紫)
「最強となるためならば、たとえ地獄に堕ちようと悔いなどあろうはずもない」
「あえて俺は、自ら修羅の道を選んだのだ」(蒼紫)
「今こそ俺はお前を倒し、最強という花をこの手中に収める」
「そしてその時、俺の幕末も…最後のお頭としての人生も、全て終わりに出来る」(蒼紫)
「剣の戦いは、命のやり取り。ましてや、最強を決める戦いだ」
「どちらかが生き、どちらかが死ぬ以外に決着はない」(蒼紫)
「俺は生と死の狭間で修行を重ね、全てを捨ててこの戦いに挑みに来た」
「お前も詭弁はやめ、ここで俺を殺す覚悟を決めろ!」(蒼紫)
「だがその紙一重が、今のお前と拙者の決定的な違いなんだ」(剣心)
「生と死の狭間の中で、是が非でも生き抜こうと決意した時」
「拙者は捨て身とは違う力を引き出され、最後の奥義を会得した」(剣心)
「生きようとする意志は何より強い」(剣心)
「お前は”全てを捨ててきた”と言ったが、捨てるなんてその気になれば誰にでも出来る」
「簡単なんだ」(剣心)
「お前は剣の上ではこの上なく強くなった」
「だが心の上では、見る影もなく弱くなってしまったんだ」(剣心)
「心を弱くしてしまった今のお前が、そのことを口にしても」
「生きることからお前自身が目をそむけるための、ただの言い訳でしかない!」(剣心)
51話
「(蒼紫が勝ったら?) そん時は四乃森蒼紫を倒して、俺が最強だ」(志々雄)
「強き心を取り戻せ」
「失った誇りを呼び返せ」(剣心)
「観柳邸で止まった時間を動かすのは、今なんだ!」
「目覚める時は今なんだ!」(剣心)
「それでも俺は…この戦いに決着をつけねば、先に進めん」(蒼紫)
「勝っても負けても遺恨なし」(蒼紫)
「すまんな…癋見、火男、式尉、般若」
「結局俺は、お前達のためと言いつつ」(蒼紫)
「その実、精神の袋小路に迷い込んだ自分の弱さをお前達のせいにして」
「誤魔化そうとしていた」(蒼紫)
「だが、それももうじき終わる」
「勝っても負けても、ここで終わる」(蒼紫)
「いいな…勝って終わりにしてみせる」(蒼紫)
「(見えなかった? 役立たず?) そうでもねえさ」
「蒼紫の回天剣舞のあとに発動してもなお先に決まった」(志々雄)
「つまり奴の奥義は、それほどまでに速い超神速の抜刀術だということだ」(志々雄)
「また…紙一重でござったな」(剣心)
「随分と、分厚い紙一重だ」(蒼紫)
「最強の証しを添えられなかったが、全てを出し尽くした戦いが出来た」
「悔いはない」(蒼紫)
「奴は約束を守った、今度は俺が応える番だな」
「翁を手にかけた俺を、あいつらが許してくれればの話だが…」(蒼紫)
「1人じゃなんにも出来ねえような、やわな修行させてきたわけじゃねえだろ!」
「だったら、自分の門下生を信じろ!」(弥彦)
「分かったわ」
「今はあなた(弥彦)を信じてあげる」(薫)
「けど、神谷活心流の厳しい修行はまだ、たくさん残っているんだからね」
「こんな所でくたばったら、絶対に承知しないわよ」(薫)
「この明神弥彦は、お前のいうただのガキじゃねえ」(弥彦)
「ガキはガキでも、お前が戦ってみてえといった緋村剣心の戦いを」
「この目でずっと見てきた」(弥彦)
「1番多く、1番そばで、俺は剣心の戦いを見てきたんだ」(弥彦)
「ガキごときに背中を見せるてめえに、剣心は100年早え」
「まずはこの俺から、やれるもんならやってみろ!」(弥彦)
52話
「助けに入ったって無駄だって」
「どうせ最後にはみんな死ぬんだから」(本条鎌足)
「かかってくるのは2人同時になさい」
「せっかく2対1にしてあげたんだし」(鎌足)
「飛天御剣流もどき、見よう見まね」
「龍槌閃」(弥彦)
「さほど違わないわよ」(薫)
「ただ、こうしてリボンをとって、道着に身を包んでいる時は」
「男とか女とかじゃなく、一介の剣士として覚悟を決めているだけよ」(薫)
「でもこんなところで…何1つ出来ないまんまで…」
「くたばってなんか…いられない!」(操)
「せっかく蒼紫様が帰ってくるってのに、これ以上般若君に面倒かけてらんないからね」(操)
「神谷活心流が目指すのは、人を活かす活人剣」
「その極意は、相手を殺すことでなく、相手を制すること」(薫)
「だから刃の部分がなくても、柄(つか)だけでも十分戦えるわ」(薫)
「(やっと真剣に?) 何言ってんの、あたしはいつでも真剣そのもの」
「ハンパな覚悟じゃ、オカマはやってられないのよ」(鎌足)
「ごめんなさい、私も譲れないの」
「剣心と…みんなで一緒に、東京に帰るって約束だけは」(薫)
「そいつは嫌いだし、オカマの気持ちなんかよく分からないけど」
「大好きな人の力になりたいってとこだけは、すごく分かっちゃったからね」(操)
53話
「まだだ!」
「まだ、終わっちゃいねえ」(弥彦)
「もうじき、剣心が帰ってくる…ここへ、志々雄達を倒して帰ってくるんだ!」
「それまで諦めるんじゃねえ!」(弥彦)
「俺は戦う」
「化け物が出てきたって…この世に終わりがきたって、剣心との約束を守るんだ!」(弥彦)
「(希望は皆無?) だからなんだってんだ!」(弥彦)
「理屈なんて関係ねえ」
「誰がなんとぬかそうと、俺は剣心を信じるんだ!」(弥彦)
「いいぜ小僧、よく吠えた」
「この勝負、最後まで俺のバカ弟子を信じ抜いた、お前の勝ちだ」(比古)
「じいさん、独り言ならよそでやってくれ」
「俺は破軍の不二という男と話をしているんだ」(比古)
「たった一太刀受け止めれば、俺には十分だ」
「その剣がお前自身を雄弁に語ってくれたぜ」(比古)
「お前はそのじいさんが思ってるような、ただ図体だけの奴じゃねえ」
「ましてや化け物なんかじゃ決してねえ」(比古)
「おめえそこ今は数少ない、本当の武人だ!」(比古)
「お前は武人なんだ」
「誇りを取り戻せ」(比古)
「不二、鎧を取んな」
「体と心にその重い鎧を着たままじゃあ、俺には到底敵わねえ」(比古)
「次は必ず死ぬぜ」(比古)
「だがそろそろ、自分自身の意志で戦いを選ぶ時なんじゃないのか?」
「お前が全力を出しても倒せない男が、今初めて目の前に立ってやってるんだぜ」(比古)
「悔しいけどあそこまでかっこつけられちゃあ、本当にかっこいいと思うしかねえよ」(弥彦)
「間合い…」
「恐らく不二の止まったあの位置が、比古さんの間合いギリギリ1歩外」(薫)
「あれほどの達人の間合いとなれば、いわば剣の結界」
「不二はあれ以上踏み込めない」(薫)
「どいつもこいつもごちゃごちゃうるせえよ」
「比古清十郎は剣心の師匠なんだぜ」(弥彦)
「俺達がいちいち案じなくても、全てお見通しに決まってる」
「そして、必ず勝つ」(弥彦)
「今の一撃、申し分ない」
「だが惜しかったな、不二」(比古)
「やれやれ…生きて帰ってくるかどうか知らんが、バカ弟子の頼みはこれで果たした」
「あとは信じて待ってりゃいい」(比古)
「(信じてる?) 比古清十郎は約束を違(たが)えたことは一度たりともない」(剣心)
「(敗北などありえない?) 向こうがこっちより強かった」
「それだけのことですよ」(宗次郎)
「この世はしょせん弱肉強食」
「強ければ生き、弱ければ死ぬ」(宗次郎)
「でも…大丈夫ですよ、僕は強いから」
「あとは僕が十本刀10人分戦えば済むことでしょう」(宗次郎)
「強ければ生き、弱ければ死ぬ」
「それがあいつ(宗次郎)の行動理念だ」(志々雄)
「俺があいつに教えた言葉」
「そしてこの世の唯一の真実だ」(志々雄)
「この俺が見いだし、作り上げた最強の修羅・瀬田宗次郎」
「果たして打ち破れるか?」(志々雄)
「お手並み拝見だ、抜刀斎」(志々雄)
54話
「今度はこっちの時間がないんですよ」
「僕1人で、十本刀10人分の働きをしなくちゃならなくなりましたから」(宗次郎)
「緋村さん1人に長々と時間を費やせません」(宗次郎)
「腕を上げましたね、緋村さん」
「もともと強かったけど、更に強くなるなんてすごいですよ」(宗次郎)
「でも不思議ですね」
「あなたみたいな人がなんでそんなに強いのか、僕には理解できないや」(宗次郎)
「まあ、いいや。それでも志々雄さんには到底敵うほどじゃないし」
「ちょっと本気を出せば、僕にだって…」(宗次郎)
「(目にも止まらぬ速さ?) 違うな。そいつはせいぜい抜刀斎の神速のこと」
「宗次郎の超神速”縮地”は、目にも映らねえ速さなんだよ」(志々雄)
「(やった?) いえ、やるのはこれからです」(宗次郎)
「あれ? おかしいなあ…今度はちゃんと仕留めたと思ったのに…」
「やっぱりおかしいや…」(宗次郎)
「どうしてだろう? 理解できないや」
「”殺さず”…緋村剣心」(宗次郎)
「志々雄さんは間違っていない」
「間違っているのは緋村さん、あなたなんだ」(宗次郎)
55話
「どんなに強くても、僕や志々雄さんに敵うはずないんだ」
「なぜなら…弱い者を守る剣なんて間違いだから」(宗次郎)
「(悪い人?) 悪いのは明治政府の方さ」
「この俺を利用するだけ利用して、焼き殺そうとしやがった」(志々雄)
「(いい人?) いや…極悪人だぜ」(志々雄)
「(仕方ない?) 違うな」
「生まれがどうのこうのじゃねえよ」
「お前が弱いから悪いんだ」(志々雄)
「所詮この世は弱肉強食」
「強ければ生き、弱ければ死ぬ」(志々雄)
「どんなに上手に嘘の作り笑いをしたところで、この真実からは逃れられねえぜ」(志々雄)
「弱い人間は死に、強い者だけが生き残る」
「宗次郎はそう言った」(剣心)
「今まで宗次郎のために、あたたかい涙を流してくれる者がいなかったのでござろう」
「そんな人間と出会えていれば、まったく違った人生になっていたはずでござるよ」(剣心)
「着いてくるか?」
「お前(宗次郎)なら、俺の次に強くなれるさ」(志々雄)
「もしあの人が間違っていないなら、あのとき僕を守ってくれたはずなんだ」
「でもあの人と戦っていると、なんかこう…イライラするな」(宗次郎)
「”縮地”を使えば、緋村さんに勝つ自信はありますよ」
「でも…あの人の間違った剣に全力を出すなんて…もっとイライラしちゃいますよ」(宗次郎)
「あの時あなたは…僕を守ってくれなかったじゃないですか」
「あなたが正しいというのなら…なんで守ってくれなかったんです」(宗次郎)
56話
「あのとき僕を守ってくれたのは、志々雄さんの教えてくれた真実と」
「ただ一振りの脇差しだったんだ」(宗次郎)
「だから正しいのは志々雄さんなんだ」(宗次郎)
「僕は間違ってなんかいなかった」
「間違っているのは、あなたなんだ!」(宗次郎)
「封じ込めた意識のその底で、おぬし(宗次郎)は…悔いてきたのではないか?」
「本当のおぬしは、誰も傷つけずに生きたかったのではないか?」(剣心)
「まだ手遅れでなくば、今からでもやり直しはきくのではないか?」(剣心)
「弱いってことは、そんなに悪いことなの?」
「僕は人を殺したけど、ホントは殺したりなんか…」(宗次郎)
「僕はあの雨の中で笑っていたけど」
「ホントは泣いていたんだ」(宗次郎)
「緋村さん」
「あなたの存在は…邪魔なんだ」(宗次郎)
「あなたと戦っていると、僕はおかしくなってくる」
「何が正しいかなんて、もういい!」(宗次郎)
「僕が唯一名前をつけた技、”瞬天殺”」
「その名のとおり一瞬で死ねますから、痛みは感じません」(宗次郎)
「先読みしたところで、絶対に反応はできませんよ」
「”瞬天殺”の速さにはね」(宗次郎)
「拙者は、常に本気でござるよ」
「そうでなくては、この口から出た言葉を、相手に本気とは思ってもらえぬ」(剣心)
「僕も慢心を捨てて、本気でいきます」
「でなければ…勝ったところで、やっぱり答えは出ない」(宗次郎)
「”殺さず”を貫かれたままで、これほどの強さを会得できるなんてな」
「なんか、ちょっと…ズルいや」(宗次郎)
「間違って組み上げた組み木細工を、正しく組むには」
「一度、全部壊さないと出来ないんですよ」(宗次郎)
「(拙者が正しい?) いや…そうではござらん」
「勝負に勝った方…つまり、強い方が全て正しいというのは、志々雄の論理でござる」(剣心)
「一度や二度の戦いで真実の答えが出るくらいなら、誰も生き方を間違ったりはせぬ」
「人1人の人生は、そんなに簡単なものではござらんよ」(剣心)
「真実の答えは、これからおぬし自身が、自分の生き方の中から見いだすでござるよ」(剣心)
「厳しい人だな…緋村さんは」
「簡単に答えをくれないなんて…志々雄さんより、よっぽど厳しいや」(宗次郎)
「この国の情報収集なら、この国の国家機構が1番優れている」
「俺が警視庁の密偵をやっている理由の1つさ」(斎藤)
「(抜刀斎が命を落としたら?) その時は生き残った方の勝ちに決まっている」(斎藤)
「元新選組三番隊組長・斎藤一」
「このような猛者達で、幕末の京都はひしめきあっていたのか」(蒼紫)
「もしあの時、俺達も戦うことが出来ていたなら…」(蒼紫)
「未練だな」
「過去よりも今…戦うべきは、今」(蒼紫)
「あの時、殺される寸前の僕を助けてくれたのは、その脇差しと志々雄だったんです」
「それは紛れもない事実です」(宗次郎)
「でもやっぱり、緋村さんの言ったように、これからは自分1人で」
「僕は本当の答えを探してみようと思います」(宗次郎)
「だから…ここで…お別れします」(宗次郎)
「所詮、誰1人として、この俺の強さにはついてこれないというわけだ」(志々雄)
「(10年遅れる?) 心配するな、俺1人で十分よ」
「10年を取り戻すくらいな」(志々雄)
「そうだ、心配など無用」(方治)
「西欧の強国が次々と弱国を植民地化している今」
「近代日本が生き残るためには絶対の力を持つ存在が必要なのだ」(方治)
「そう、志々雄真実という絶対の強者が」(方治)
「全ては志々雄様のために」
「必要とあれば、私は再び蛇蝎となる」(方治)
「(手出し無用?) ここでおめえを死なすわけにはいかねえ」
「弥彦や嬢ちゃんにはおめえが絶対必要なんだよ」(左之助)
「いや、2人だけじゃねえ」
「今の日本には、おめえのような男を必要とする、まだ見ぬ人達が大勢いるはずなんだ」(左之助)
「誰に”嘘つき”とも、”卑怯者”ともののしられようが」
「ダメだと思ったら、この右腕最強の”二重の極み”で、俺は割って入る」(左之助)
57話
「志々雄様はどんなことがあっても、自分の野望を捨てるような人じゃないわ」(駒形由美)
「こんな私だって、少しでも志々雄様の役に立てることが出来るなら」
「たとえ…」(由美)
「確かにこの計画は予期せぬ緋村抜刀斎の出現によって延期を余儀なくされました」(方治)
「しかしそれは逆に、この国の政府は一介のるろうにに頼らざるをえない程」
「脆弱であることをはっきりと露呈したともいえるのです」(方治)
「先ほど日本掌握の計画はこれで10年遅れたと申しました」
「…が緋村抜刀斎さえいなければ、あと5年…」(方治)
「いや、3年で再び志々雄様のために今以上の組織を作り上げて御覧にいれます」(方治)
「伝説の人斬り・緋村抜刀斎の最期、その目にしっかり焼き付けておくんだな」(志々雄)
「昔も今も弱肉強食こそ、この世の絶対普遍の摂理」
「強ければ生き、弱ければ死ぬ」(志々雄)
「そして最強は、この俺1人で十分だ」(志々雄)
「見直したぜ、抜刀斎」
「この俺の作り上げた最強の修羅・宗次郎を殺さずのまま倒すとはな」(志々雄)
「だが、この俺と戦うにおいて、そんな甘い考えは…絶対に通用しねえぜ」(志々雄)
「弱者を糧に、己の強さを高めていく」
「これぞ剣術における、俺の弱肉強食だ」(志々雄)
「不服そうだな」
「ならば自分の剣で、己の正しさを明かしてみな」(志々雄)
「この技は新月村で既に見せてもらった」
「一度見せた技はこの俺に効かねえ」(志々雄)
「抜刀斎、お前もここで、俺の糧となるか」(志々雄)
58話
「この俺より弱え明治政府の連中に、この国の覇権を握る資格はねえ」(志々雄)
「覇権を握るのは、この俺1人」
「俺の国取りは、この国の摂理」(志々雄)
「お前が”糧”と呼ぶ人達は、あの動乱の時代を耐え」
「やっと平和の世を手に入れた人達」(剣心)
「誰かのために、何かのために犠牲になって当然の命など」
「今の世にあってはならぬ」(剣心)
「お前が再び動乱を繰り返そうとするなら、どんなわけであろうと」
「それを放っておくことなど拙者には出来ぬ」(剣心)
「みっともない生き恥さらすより、あんた(抜刀斎)はここいらで」
「華々しく散った方がいいと思うぜ」(志々雄)
「そうすりゃ俺が作る新しい歴史の中に、名前くらいは残してやるぜ!」(志々雄)
「お前の作る歴史にも、今の歴史にも、拙者の名など残す気はござらん!」(剣心)
「残したく思うのは、動乱の果てに訪れた」
「この平和の世、唯1つ!」(剣心)
「折角の忠告も聞く耳持たずか」
「じゃあ仕方ねえ、俺がすっぱり散らしてやるぜ!」(志々雄)
「手負い1人片づけた程度で油断するその甘さが、今も昔も貴様の命取りだ」
「志々雄真実、その首もらった!」(斎藤)
「まだくたばるわけにはいかん」
「お前を抹殺するまではな」(斎藤)
「俺が戦う目的は昔も今もただ1つ、俺自身の正義のためだ」
「すなわち、悪・即・斬」(斎藤)
「言ったそばからまた油断」
「バカは死ななきゃ治らない」(斎藤)
「油断? なんのことかな」
「これは余裕と…いうもんだ」(志々雄)
「命なんざ惜しくもねえ。だが、決して俺1人では死なねえ」
「てめえも地獄の道づれにしてやる」(左之助)
「かかってくるなら、このいかんともし難い実力の差を」
「ちっとは埋めてから、かかってこい!」(志々雄)
「(とどめ?) そう急ぐな、久々にこの俺自ら戦ったんだぞ」
「もう少しくらいは勝利の余韻にひたらせろ」(志々雄)
59話
「事実は事実」
「”負け犬”と言われれば否定はしない」(蒼紫)
「だが、その負け犬との戦いを避けずに応じたため」
「抜刀斎は本来受けるはずでなかった傷を負い、体力をも消耗した」(蒼紫)
「そのこともまた、否定できない事実だ」(蒼紫)
「抜刀斎を倒せなかった技が…」
「その程度の技が、この俺に通じるとでも思っていやがったか」(志々雄)
「四乃森蒼紫。お前は緋村より偏狭な枠組みを持つものの」
「人のために剣を振るうという点においては、奴と同類」(志々雄)
「抜刀斎と同じく俺に巡り合った時点で既に、お前の命運は尽きていたのさ」(志々雄)
「奴がお前(志々雄)より弱いとは、どうしても思えん」(蒼紫)
「心地いい剣気だ」(志々雄)
「そうだ、全力の俺の相手をするからには」
「限界の1つや2つ、せめて超えてもらわねえとな」(志々雄)
「さあ、この俺の灼熱とかした血肉の全てを」
「もっと熱く、もっと楽しませてみろ」(志々雄)
「信じるのだ、由美よ」(方治)
「我々は志々雄様に選ばれた臣下」
「あるじを信じるのは臣下として当然の務め」(方治)
「傷の痛みなど、それを超える気迫と覚悟で耐えればいい」
「戦いの中に身を置く者にすれば、至極当然」(剣心)
「だが、力弱くとも懸命に生きる人達にまで、その痛みを強いる貴様の時代など」
「拙者の命が続く限り、絶対にこさせはせん!」(剣心)
60話
「久々に楽しい戦いだったぜ」(志々雄)
「こんなに楽しいのは幕末以来だが、この先国取りが控えているんでな」
「これ以上遊んでやる時間はねえ」(志々雄)
「(人斬りの時間は終わった?) 終わりはしねえさ」
「俺がこの無限刃を手にしている限り」(志々雄)
「(人斬りの時代は)終わっているんだ」
「拙者がこの逆刃刀を手にした時に」(剣心)
「(見事に壊れた?) 何、戊辰戦争の時に比べれば、軽い軽い」
「また1からやり直せば済むことじゃよ」(翁)
「俺が授けた”天翔龍閃”は不敗の奥義」(比古)
「天翔龍の牙をかわしたところで、吹き荒れる風に体の自由を奪われ」
「爪によって引き裂かれる」(比古)
「”天翔龍閃”は超神速の抜刀術」
「そして、飛天御剣流の抜刀術は全て、隙を生じぬ二段構え」(比古)
「甘えよ」
「戦いはまだ続いてるんだぜ」(志々雄)
「”裏切る”だと? てめえの物差しで語るんじゃねえよ」
「こいつ(由美)は誰より俺を理解し、俺は誰よりこいつを理解している」(志々雄)
「う…れ…しい…初めてあたし…戦いの中で…役に…」
「それも、志々雄様の1番大事な戦いの中で役に立てた…」(由美)
「勝って…勝って下さいませ、志々雄様」
「由美は一足先に地獄で…お待ちして…おります」(由美)
「人の死をどうこう言ってる時じゃ…ねえだろう」
「お前も、俺もよ」(志々雄)
「先に立ち上がって、次の一撃を入れた方が…」
「最後まで生き残った方が、この戦いの…勝者だ!」(志々雄)
「俺にはもう、俺の帰りを待っている人がいるんだ」
「生きる意志は何よりも…何よりも強い!」(剣心)
「(志々雄が勝っていた?) 違うな」
「この勝負、生き残った方の勝ちだ」(斎藤)
「全員死ねば、勝者はいない!」
「全員死ねば、志々雄様は無敵!」(方治)
「志々雄様こそが、唯一! 無敵なのだ!」(方治)
61話
「やれやれ」(斎藤)
「お前らとはくぐった修羅場の数が違うんだよ」
「阿呆が」(斎藤)
「なぜ助けた?」
「なぜ私を志々雄様と一緒に、死なせてくれなかった…」(方治)
「(どこへ行く?) さあ…けど、本当のことを自分自身で確かめるため」
「行きます」(宗次郎)
「私は罪を償うためにこれから警察に出頭する」(安慈)
「私も出頭しよう」
「だが罪を償うためではない」(方治)
「私は法廷の場でこのたびの戦いの全てを語り」
「そして弱肉強食の政策の必要生を政府のバカ共に諭す」(方治)
「志々雄様とこの国のために!」(方治)
「バカ弟子でもこの比古清十郎の弟子だ」
「そう簡単にくたばるわけないからな」(比古)
「志々雄真実と駒形由美」
「そして十本刀」(剣心)
「たとえ歴史に残らなくとも、拙者の胸にしかと留めておくと」
「その佐渡島方治の霊前に伝えてくれ」(剣心)
「”勝った者が正しい”というのなら、それは志々雄真実と同じでござるよ」(剣心)
「拙者達は自分の正しいと思うことを信じて戦い、志々雄を倒した」
「だが、その志々雄も勝つことで自分の正しさを証明しようとしていた」(剣心)
「信じた上の行動だったのでござる」
「その点では、拙者達とまったく変わりはない」(剣心)
「強いていえば、時代が拙者達に味方をしてくれたのかもしれない」
「何が正しいかは、次の世代の人々が歴史を学び、判断してくれるでござろう」(剣心)
「ただ、”強ければ生き、弱ければ死ぬ”という弱肉強食の時代だけは」
「絶対に間違っているんだ」(剣心)
「方治、さっさと行くぜ」
「(どこへ?) 決まってんだろう、閻魔相手に地獄の国取りだ」(志々雄)
「抜刀斎との戦いは時代が俺を恐れて奴に力を貸したが、ここには悪人しかいねえからな」
「今度はそうはいかねえぜ」(志々雄)
「(どこへ?) う~ん…どこにしようかなあ、まだ決めてないんですよ」
「ただ…少なくとも10年は流れてみようとは思ってるんですけど」(宗次郎)
「ある2人の…同じ道を歩んでいた男の人は」
「その後まったく正反対の真実を見いだすまでに、それくらいかかってるんですよ」(宗次郎)
「だから僕も、10年もすれば自分の真実が分かるかもって思うんです」(宗次郎)
62話
「みんな剣さんのこと超人みたいに思ってるから、大丈夫だって信じてるようだけど」(恵)
「医者の目から見れば、剣さんの体自体は人より運動神経が極めて優れているだけで」
「それ以外はまぎれもなく普通の人と同じ」(恵)
「どんなケガでも、たび重なれば損傷は蓄積される」
「まして、剣さんが戦い始めたのは昨日今日のことじゃない」(恵)
「今回は切り抜けたけど、この次は死んだっておかしくないのよ」(恵)
「京都は…この手で殺めた、ここに眠る者を思い出させる」
「だから、どうしても避けてしまった」(剣心)
「けど…けれど…やっと、この墓に花を添える決心がつきました」(剣心)
「人の生き死には、本来どうしようもないことだけど」
「強く生きると望んだ方が、より生き残るものよ」(恵)
「やっぱ、超えるしかねえよな」
「(斎藤を?) 強さだけでなく、そのもの全てをな」(左之助)
「そうだ…超えるんだ」
「未熟ならそれを乗り越えて前へ進むんだ」(弥彦)
「後ろ向きな自分にケリをつけて、少しでも前へ」
「そうすれば、確実に剣心達に…すごい男達に近づけるんだ」(弥彦)
「(酒を?) 俺は下戸だ、酒は飲めん」
「茶の湯ならば…いずれ付き合おう」(蒼紫)
「抜刀斎とは一時的に共闘しただけのこと」
「任務が完了すればそれまでだ」(斎藤)
「だがお互い戦いの中に身を置く宿命」
「機会があれば、いずれ鉢合わせをするだろう」(斎藤)
「その時には敵同士であればいうことはない」
「さすれば、幕末からの勝負に今度こそ決着をつけられる」(斎藤)
「剣心、この場所覚えてる?」
「ここはあの日、剣心に”さよなら”を言われた場所」(神谷薫)
「あの時、剣心になんの言葉もかけられなかった」
「だから、今度は私が…」(薫)
「剣心…おかえりなさい」(薫)
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