アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の名言・台詞をまとめていきます。
PSYCHO-PASS サイコパス
1話
「悪いが、刑事課の人手不足は深刻でね」
「新米扱いはしていられない」(宜野座伸元)
「これから会う連中を同じ人間と思うな」
「奴等はサイコパスの犯罪係数が既定値を越えた人格破綻者だ」(宜野座)
「本来ならば潜在犯として隔離されるべきところを」
「ただ1つ許可された社会活動として、同じ犯罪者を駆り立てる役目を与えられた」(宜野座)
「奴等は猟犬、獣を狩るための獣だ」
「それが執行官、君が預かる部下達だ」(宜野座)
「(打ち合わせ?) 俺達が獲物を狩り、あんたが見届ける」
「それだけのことだ」(狡噛慎也)
「俺達には俺達の流儀がある」
「だがその責任を負うのは、監視官であるあんただ」(狡噛)
「だから俺のやり口が気に入らない時は、そいつで俺を撃て」
「俺達も対象と同じ潜在犯だ、ドミネーターは作動する」(狡噛)
「本当に潜在犯なんだこの人も…」
「あんなに普通にしゃべってたのに」(常守朱)
「老婆心で言っとくが、あそこ(訓練所)で教わったことは全部忘れた方がいい」
「現場じゃなんの役にも立たんよ」(征陸智己)
「理不尽だと思うかい?」
「ところがな、そもそも俺達の仕事ってのは理不尽の塊なんだ」(征陸)
「誰が何を思い、何を願うのか、人の心の全てが機械で見通せる時代だってのに」
「それでも誰かを憎んだり騙したり傷つけようとする連中がわんさといる」(征陸)
「これが理不尽じゃなくてなんなんだ?」(征陸)
「あんたが教わってきた事柄は全て理詰めのセオリーだ」
「それがどれだけ無意味なもんか、すぐに思い知る羽目になるだろうさ」(征陸)
「まあ、覚悟だけはしておくんだな」(征陸)
「(リーサル?) シビュラシステムのご託宣だ」
「大倉信夫はもう、この世にいらない人間なんだとさ」(征陸)
「更生の余地なし」
「そう(ドミネーターに)判定されちまったんだ」(征陸)
「(サイコハザード?) ああ、犯罪係数は伝染するからな」
「今どきの若いもんはストレスに耐性がないから」
「暴力衝動や脅迫観念に影響を受けやすい」(征陸)
「言っとくが明日は我が身だぞ、お嬢ちゃん」(征陸)
「あの人は保護対象です!」
「(脅威?) だからって何もしてない被害者を撃つなんて、そんなの納得できません!」(朱)
「もうやめて…そのライターを捨てて」
「でないと…この銃があなたを殺しちゃう」
「お願い、あなたを助けたいの」(朱)
2話
「(なんでメンタルが健康?) まあその…鈍感なのかな」(朱)
「そりゃ私も潜在犯ですけど」
「だからっていくらでも便利にこき使っていいって法はないでしょ」(唐之杜志恩)
「ケダモノはケダモノのにおいを嗅ぎ当てる」(征陸)
「よからぬことを考えてる奴は一目見ただけでピンと来るものさ」
「罪を犯すか取り締まるか、どっちにしても犯罪に関わる才能であることに違いない」(征陸)
「だから俺なんかの犯罪係数もどえらい数値になっちまうのさ」(征陸)
「(非番?) 俺ら執行官は捕らわれの身なんだぜ」
「オフだって刑事課フロアと宿舎のほかには行き場所なんかねえの」(縢秀星)
「公安局のA判定が出たのは私だけだった」
「500人以上いた学生の中で、ただ1人私だけ」(朱)
「だから公安局にはね、私にしか出来ない仕事がきっとあるって思ってた」
「そこに行けば本当の私の人生が…この世界に生まれてきた意味が見つかるはずだって」(朱)
「もう長いこと執行官をやっている」
「迷うことなく、疑うことなく、命じられたままに獲物を仕留める猟犬の習性が」
「俺の手には染みついちまってる」(狡噛)
「あの銃の言いなりになって、何人もの潜在犯を撃ってきた」(狡噛)
「それがこの社会のためになると小綺麗な理屈を鵜呑みにして」
「いつの間にか考えることさえなくなった」(狡噛)
「自分がやってることがなんなのか顧みることさえ忘れていた」(狡噛)
「バカな話だ…」
「デカってのは誰かを狩り取る仕事じゃなくて、誰かを守る仕事だったはずなのにな」(狡噛)
「あんたは何が正しいかを自分で判断した」
「役目より正義を優先できた」(狡噛)
「そういう上司の下なら、俺はただの犬ではなくデカとして働けるかもしれない」(狡噛)
「あのとき俺は迷わなかった」
「迷えば死ぬと思っていた」(狡噛)
「こんなところで終わりたくない、絶対に死ぬわけにはいかない」
「それだけで頭がいっぱいだった」(狡噛)
「俺にはやり残したことがある」
「どうあっても始末をつけなきゃならない役目が…」(狡噛)
「常守監視官は義務を果たした、それだけだ」(狡噛)
3話
「(執行官とうまくやっていけそう?) それは同僚としてやっていけそう…という意味か?」
「それとも調教師としてやっていけそう…という意味か?」(宜野座)
「愚か者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶという」
「君が愚か者でないことを祈ろう」(宜野座)
「あの現場見て直感できなきゃデカじゃねえよ」
「執行官なら全員ピンときたはずだ」
「殺しだよ…殺し」(征陸)
「それ(いじめ)を笑って見過ごせるあんたも、ここの責任者がお似合いってわけだ」
「シビュラシステム様々だな」(狡噛)
「(殺人で好転?) 金原以外の職員は金原を痛めつけることでストレスを解消してるんだ」
「何も不思議なことじゃない」(征陸)
「サイマティックスキャンなんてなかった時代には、別段珍しい話じゃなかったんだぜ」
「こういうの」(征陸)
「またお得意の刑事の勘か?」
「そいつはただの妄想だ」(宜野座)
「なるほど…君は愚か者の道を進もうというわけか」(宜野座)
「君も監視官の端くれだ」
「猟犬共を上手く手なづけられると思うなら、やってみろ」(宜野座)
「愚か者は愚か者らしく、何もかも経験で学んでみるがいい」
「それが理解への早道だ」(宜野座)
「(無謀?) 人の生き死ににまつわる真相なんだ」
「それを暴こうと思ったら、こっちも命懸けになるのは当然だ」(狡噛)
「相変わらずしびれるねえ」
「ドミネーターの本気は」(縢)
「猟犬でなく刑事でありたいと、そう言っていた彼(狡噛さん)の眼差しは」
「だが紛れもなく獲物を追い詰める肉食獣のそれだった」(朱)
4話
「狡噛を理解するってのはな」
「狡噛のようにものを見て、狡噛のように考えるってことだ」(征陸)
「それが出来るようになったとしたら」
「その時あんたのサイコパスは狡噛と同じ数字を叩き出してることだろうよ」(征陸)
「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」(征陸)
「狡噛はな、闇を見つめ過ぎたんだ」
「そして今でもまだ見つめ続けてる」(征陸)
「あいつにとって世界でたった1つの正義ってやつは」
「その闇の奥底にしかないんだろう」(征陸)
「そんなものをお嬢ちゃんも奴と一緒に探したいと思っているのなら」
「俺にはもう何も言えない」(征陸)
「俺はあんたを止められないよ」
「コウの時もそうだった」(征陸)
「無職って…いるんですか?」
「今どきそんな人」(朱)
「度胸と根性はあるが、素人の殺しだな」(狡噛)
「征陸のとっつぁんならこの程度、部屋に踏み込んだ途端に嗅ぎ当てるぜ」
「ギノ、猟犬の嗅覚をナメるなよ」(狡噛)
「(ホロでのオフ会?) 誰が誰だか分からない状況で、こんな狭い場所に押し込められて」
「こいつら不安じゃないのか?」(狡噛)
「これはバーチャルじゃない」
「殴れば血が出るし、ナイフ1つで命を奪えるリアルな空間だ」(狡噛)
「なのに隣にいる奴の正体すら分からない」
「正気の沙汰とは思えんな」(狡噛)
5話
「ギノ、犯罪者の心理を理解しようとするな」
「飲み込まれるぞ」(狡噛)
「こういうアバターとかバーチャルとか、俺にはいまいち理解できん」
「息をして汗をかいて、飯を食うのは結局この体だろう」(征陸)
「ネットって、ものを調理するための刃物とか、記録するための紙とか」
「そういうレベルのものじゃないですかね」(朱)
「いい悪いじゃない」
「そこにあるんだから受け入れる、使うっていう」(朱)
「ゆうべの時点で犯人を捕まえていたら、菅原昭子は死なずに済んだ」
「俺たち全員の落ち度だ」(狡噛)
「今はただ責任を果たすことだけを考えろ」
「犯人を追うぞ」(狡噛)
「つまるところ、ほとけの供養にはそれ(逮捕)しかないんだよな」(征陸)
「(なぜ偽物に気づかない?) 本物も偽物をないからさ」(狡噛)
「こいつらはネットのアイドル、偶像だ」
「偶像ってのは本人の意思だけでは成立しない」(狡噛)
「アイドルの本音や正体と、そのキャラクターとしての理想像とはイコールじゃない」(狡噛)
「本人よりむしろファンの方が」
「アイドルに期待されるロールプレイをより上手く実演できたとしても…」
「不思議じゃない」(狡噛)
「あらゆるアバターの個性を熟知し、完全に模倣する」
「何者にも成り得る君の個性とはどのようなものなのか」(槙島聖護)
「僕はとても興味があった」
「だから人を貸した…力を貸した」(槙島)
「何者としても振る舞うことの出来る君自身が、結局のところは何者でもなかった」
「君の核となる個性は”無”だ、空っぽだ」(槙島)
「君には君としての顔がない」
「のっぺらぼうだからこそ、どのような仮面でもかぶることが出来たというだけだ」(槙島)
「それが執行官だ」
「犯罪者と同じ心理傾向を持っているからこそ出来ることだ」(宜野座)
「監視官は監視官としての役目だけを果たせ」
「執行官とは一線を引け」(宜野座)
「(仕事の鉄則?) いや、俺の経験則だ」(宜野座)
「かつて俺は過ちを犯した相棒を失った、俺には彼を止められなかった」
「君に同じ轍を踏んでほしくない」(宜野座)
6話
「あのね朱ちゃん、俺ってば人生の先輩よ」
「恋どころか悪い遊びは一通りこなしてるんだぜ」(縢)
「健全優良児の朱ちゃんなんて想像もつかない世界をのぞいてきたわけさ」(縢)
「人間に出来て、動物に出来ないことが山ほどある」
「その内の1つが安全制御だ」(宜野座)
「明らかに類似点がある」
「同じプログラマーが書いたって線に、私は今日つけてる◯◯ジャーを賭けてもいい」(志恩)
「(手伝った動機?) 動機は金原と御堂にあった」
「奴はきっと、それだけで十分だったんだ」(狡噛)
「殺意と手段、本来そろうはずのなかった2つを組み合わせ、新たに犯罪を創造する」
「それが奴の目的だ」(狡噛)
「ギノ、あの事件と同じだ」
「ただ殺意を持て余していただけの人間に手段を与え」
「本当の殺人犯に仕立て上げてる奴がいる」(狡噛)
「人を殺したがっている者と、そのための道具を作れる者とを引き合わせている奴がいる」
「そいつが本当の黒幕だ」(狡噛)
「佐々山は突き止める寸前までいった」
「あいつの無念を晴らす…そのための3年間だった」(狡噛)
「辱めを受けた命から解放されて、ラヴィニアは幸せだったと思うかい?」(槙島)
「美しい花も、いずれは枯れて散る」
「それが命あるもの全ての宿命だ」(槙島)
「ならいっそ、咲き誇る姿のままに時を止めてしまいたいと思うのは」
「無理もない話だね」(槙島)
「だがしかし、もし君が彼女を実の娘のように愛していたと言うのなら…」
「君は、あの子のために流した涙で盲目になってしまうのかな?」(槙島)
7話
「余計な先入観にとらわれた刑事を、初動捜査に加えるわけにはいかない」(宜野座)
「奴の報告書には目を通してある」
「あれは、ただの妄想の羅列だ」(宜野座)
「(戦闘訓練は)必要だ」
「強くて優れた武器を扱うからこそ、その使い手はより強くタフでなきゃいけない」(狡噛)
「相手を殺すのはドミネーターじゃなく、この俺だと」
「それを肝に命じておくためにも、ここ(拳)にちゃんと痛みを感じておかないとな」(狡噛)
「怒らないさ」
「俺が怒るとすれば、その対象は自分自身以外あり得ない」(狡噛)
「あの事件、藤間幸三郎の背後で糸を引いていた黒幕に」
「俺はかすることすら出来なかった」(狡噛)
「やり方はあるってことだよ」
「上手い口実を見つけて、俺達が戻らざるをえない状況を作り出せばいい」(狡噛)
「(佐々山?) 女好きで凶暴で、実に楽しいクソ野郎だと」
「少なくとも、あんな死に方をするような男じゃなかった」(狡噛)
「自分の行動に後悔はない」
「問題は未解決なこと…この1点に尽きる」(狡噛)
「サイコパス診断が恒常化してしまった結果、ストレスの感覚が麻痺しすぎて」
「刺激そのものを認識できなくなる患者が出てきた」(槙島)
「こうなると生ける屍(しかばね)も同然です」
「やがては自律神経そのものが自らの機能を見失い、生命活動を維持できなくなる」(槙島)
「王陵牢一は二度殺されたようなものです」
「まずは科学技術によって才能を殺され、そして社会によって魂を殺された」(槙島)
「(復讐?) さて、どうでしょう?」
「願わくば、さらに向こう側の意義を見出してほしいものですが」(槙島)
「あの人と一緒にいると童心に帰るっていうか」
「どんないたずらを仕掛けて世間をあっと言わせてやるか」
「そればっかり夢中になっちまう」(チェ・グソン)
8話
「貞淑さと気品、失われた伝統の美徳」
「それが桜霜学園の掲げる教育の理念」(王陵璃華子)
「男子には求められない、女子だけに付加されるプライオリティー」(璃華子)
「それを刻みつけられたあとで、私達は深窓の令嬢というブランド品として出荷され」
「そして良妻賢母というクラシックな家具を求める殿方に購入される」(璃華子)
「結婚という体裁でね」(璃華子)
「この学校にいる生徒は誰もが、淑女と言う名の工芸品に加工されるための素材なんです」
「磨き上げられ、完成されるのを待つ原石」(璃華子)
「悲しく、そして退屈な命ですわ」
「ほかに花開くはずの可能性は、いくらだってあるのに」(璃華子)
「今回の2件からは、ゆがんだユーモアやメッセージ性も感じない」
「美しく悪魔的で芸術作品のようだが、何かが致命的に欠けている」(狡噛)
「オリジナリティー」
「こんな手間をかけた殺しなのに、犯人の主張が薄い」
「少なくとも俺には感じられない」(狡噛)
「今のうちに泣いておきなさい」
「じゃないと、色相が濁っちゃうわよ」(六合塚弥生)
「自覚がなければ反省のしようもない」
「やはり君にはこれ以上の成長は期待できないようだ」(槙島)
「この女の生涯は野獣に似て、哀れみに欠けていた」
「死んだ今は、野鳥程度の哀れみが似つかわしい」(槙島)
「(狡噛の)あの洞察力と理解力、とても興味深い」
「きっと楽しませてくれるんじゃないかな」(槙島)
9話
「すまなかった」
「感情的になっていたのは俺の方だった」
「奴はお前の妄想じゃなかった」(宜野座)
「獲物の尻尾が鼻先をかすめたみたいな感じだ」
「俺は今、久しぶりにとてもいい気分だよ、ギノ」(狡噛)
「(サイボーグ化?) 興味ないな」
「潜在犯の人生は末長く続けたくなるようなもんじゃない」(狡噛)
「(どうやった?) ただ観察しただけさ」(雑賀譲二)
「人は無意識の内に様々なサインを発している」
「コツさえ覚えれば、簡単にそのサインを読み取れる」(雑賀)
「底が見えない黒い沼がある、沼を調べるためには飛び込むしかない」
「先生は何度も調査のために潜ったことがあって慣れている」(狡噛)
「でも全ての生徒が沼に潜って無事に戻ってこれるわけじゃない」
「能力差や単純に向き不向きもある」(狡噛)
「肉体の老いは克服した、あとは心…ですか?」
「スリルによる活力、それは死と隣り合わせの危険な報酬ですな」(槙島)
「そんなのチームワークじゃありません!」
「犯罪を解決するのと、自分のサイコパスを守るのと、一体どっちが大切なんですか!?」(朱)
「私は…私は確かに新人です」
「宜野座監視官は尊敬すべき先輩です」(朱)
「しかし、階級上はまったくの同格ということを忘れないで下さい!」
「自分の色相はちゃんと管理できています」(朱)
「いくら先輩とはいえ、職場で…執行官達の目の前で」
「私の能力に疑問符をつけるような発言はつつしんでいただきたい!」(朱)
「刑事が捜査に深くのめり込めば結局は」
「シビュラシステムから犯罪者の同類としてマークされるようになる」(征陸)
「犯す側も取り締まる側も、同じ犯罪という現象に直面していることに違いはない」(征陸)
「だからあいつは、自ら進んで危険を冒す奴を許せない」
「なのに同僚だった狡噛も…」(征陸)
「父親と相棒に、二度も裏切られたという思いがあるんだ」
「だからお嬢ちゃんに対する態度もあんなふうになっちまう」(征陸)
「間違っちゃいないさ」
「お嬢ちゃん、あんたにだって家族や友達はいるんだろ?」(征陸)
「あんたのサイコパスが曇ったら、今度はその人達が伸元と同じ苦しみを背負うことになる」
「そうならないために、俺たち執行官がいる」(征陸)
10話
「(罠なら危険?) だからだよ」
「2人そろってやられたら、誰が助けを呼ぶ?」(狡噛)
「目当ての獲物は常守じゃない」
「俺なのか?」(狡噛)
「僕はここで起こる出来事そのものに興味があるのでね」
「第三者の視点で観察するのが1番です」(槙島)
「あいつ(常守)は…信念を持ってる」
「デカっていうのはどういう仕事なのか、直感的に理解してる」(狡噛)
「世の中に本当に必要なのは、ああいうタイプだと思う」(狡噛)
「慌てるな、怖がるな。落ち着いて慎重に逃げ道を探すんだ」
「焦れば焦るほど敵の思うつぼだ」(狡噛)
「キツネといえど、イヌ科の獣です」
「あるいはオオカミの眷属かもしれない」(槙島)
「人は恐怖と対面した時、自らの魂を試される」
「何を求め、何を成すべくして生まれてきたか、その本性が明らかになる」(槙島)
「さて、狡噛慎也」
「君はこの問いの意味を理解してくれるかな?」(槙島)
「このキツネ狩り、ただのワンサイドゲームじゃない」
「奴等は俺にも勝ち目があるとちらつかせてる」(狡噛)
「つまり、俺は試されてる」
「途中であんたを見捨てるか否か、きっとそいつも勝敗を握る鍵の1つなんだ」(狡噛)
11話
「あなたの命の輝き、最後まで見届けさせてもらいます」(槙島)
「君と語り明かしたいのはやまやまだが、今は具合が悪そうだね」
「いずれまた会おう」(槙島)
「まるで戦場…いや、処刑場だ」(宜野座)
「どうやらそのくそったれなゲームとやらは、まだ終わっていないらしいな」(宜野座)
「僕はね、人は自らの意思に基づいて行動した時のみ、価値を持つと思っている」
「だから様々な人間に秘めたる意思を問いただし、その行いを観察してきた」(槙島)
「そもそも何をもって犯罪と定義するんだ?」
「君が手にしたその銃、ドミネーターをつかさどるシビュラシステムが決めるのか?」(槙島)
「その(ドミネーターの)判定には人の意思が介在しない」
「君達はいったい何を基準に、善と悪をより分けているんだろうね?」(槙島)
「僕は人の魂の輝きが見たい」
「それが本当に尊いものだと確かめたい」(槙島)
「だが己の意思を問うこともせず、ただシビュラの神託のままに生きる人間達に」
「果たして価値はあるんだろうか?」(槙島)
「止めたければ、そんな役に立たない鉄くず(ドミネーター)ではなく」
「今あげた銃を拾って使うといい」(槙島)
「引き金を引けば弾は出る」(槙島)
「この体のありとあらゆる生体反応が、僕という人間を肯定しているんだろうね」
「これは健やかにして善なる人の行いだ…と」(槙島)
「君達では、僕の罪を測れない」
「僕を裁ける者がいるとしたら、それは…自らの意思で人殺しになれる者だけさ」(槙島)
「さもなければ僕は殺される、君の殺意によってね」
「それはそれで尊い結末だ」(槙島)
「ほら、人差し指に命の重みを感じるだろう?」
「シビュラの傀儡でいる限りは決して味わえない」
「それが決断と意思の重さだよ」(槙島)
「さあ、殺す気で狙え」(槙島)
「残念だ…とても残念だよ、常守朱監視官」
「君は僕を失望させた」(槙島)
「だから、罰を与えなくてはならない」
「己の無力さを後悔し、絶望するがいい」(槙島)
「あの男と…会いました」
「槙島聖護は…ドミネーターで裁けません!」(朱)
12話
「芸術活動にのめり込むうちに、色相が曇った例は多いと聞く」
「芸術のような人を動かす強い思いは、薬にもなるが毒にもなるということだろう」(宜野座)
「慣れてしまったんだろう」
「人間はどんな苛烈な状況でも、そこに身を置き続ければ」
「全てを日常として飲み込んでしまう」(宜野座)
「更生施設から正常な状態で社会復帰する人間はまれだ」
「いや…ほとんどいないと言っていい」(狡噛)
「色々いるが、ほとんどの潜在犯が慣れるんだ」
「あの場所で奪われ続ける生活にな」(狡噛)
「ただ楽しいだけじゃ、なんにもならない」
「そこに力がなければ、なんの意味もない!」(滝崎リナ)
「私…執行官になる」
「私、執行官になる」(六合塚)
13話
「いかに万全を期したシステムであろうと」
「それでも不測の事態に備えた安全策は必要とされる」(禾生壌宗)
「万が一の柔軟な対応や機能不全の応急処置」
「そうした準備までをも含めて、システムとは完璧なるものとして成立するのだ」(禾生)
「システムとはね、完璧に機能することよりも」
「完璧だと信頼され続けることの方が重要だ」(禾生)
「君達はシステムの末端だ」
「そして人々は末端を通してのみシステムを認識し、理解する」(禾生)
「よってシステムの信頼性とは」
「いかに末端が適正に厳格に機能しているかで判断される」(禾生)
「君達がドミネーターを疑うならば」
「それはやがて全ての市民がこの社会の秩序を疑う発端にもなりかねない」(禾生)
「落ちこんでばかりじゃいられません、槙島聖護を捕まえないと」(朱)
「友達の仇ですもんね」
「私にとっても、狡噛さんにとっても」(朱)
「1つだけ、ある意味では嬉しいと思えることもあります」
「槙島聖護は実在した、もう誰も狡噛さんのことを疑いません」(朱)
「私達、これでようやく1つの目標を一緒に追いかけられるようになりました」(朱)
「そのために犯罪係数が上がったとしても構いません」
「私は執行官になってでも、槙島聖護を追い詰めます」(朱)
「大丈夫ですよ」
「私ってサイコパスが曇りにくいのだけが取り柄ですから」(朱)
「常守は…あいつは、もういっぱしのデカだ」(狡噛)
「こんな俺でも、昔はあの子みたいに正義とか言うもんを信じていたような気がする」(征陸)
「ところがある日いきなり言葉をしゃべる銃を渡されて」
「これからはそいつの言いなりになって人を撃ち」
「捕まえるなり殺すなりしろと命令された」(征陸)
「腹が立ったよ、こんなやり方は俺が信じた刑事の仕事じゃない」
「そう思えば思うほど、サイコパスも曇っていった」(征陸)
「結局は俺が間違っていたのかもしれん」(征陸)
「今の時代を認めて諦めがついた頃合いに、俺の犯罪係数は横ばいになった」
「まあいささか以上に手遅れだったが」(征陸)
「この仕事に疑問があるなら、何か疑わしいと思うようなことを抱えこんだら気をつけろ」
「そこから先には、俺がはまったのと同じ落とし穴が待ち構えているかもしれん」(征陸)
14話
「何を考えてるのかはなんとなく分かる」
「だが今は、目の前の事件に集中しろ」(狡噛)
「現行のセキュリティーはサイマティックスキャンの信頼性を前提に設計されてる」(宜野座)
「だからこそサイコパスに問題がなければ」
「問題を起こす可能性すらないものとして素通りだ」(宜野座)
「実際の傷害も窃盗も、それを犯罪行為と断定できる機能が」
「ドローンのAIには備わっていない」(狡噛)
「みんな対象のサイコパスだけを判断基準にしているからな」(狡噛)
「こんな(色相が濁らない)犯罪に対処できる方法は、もう…この街には残ってない」(朱)
「これはいい感じにろくでもないな」(グソン)
「昔は玄関に物理的なロックをかけるのが当然だった」
「まずは他人を疑うことを前提に秩序を保っていたからだ」(宜野座)
「今は誰かを疑ったり、用心したりする心構えは必要なくなった」(宜野座)
「道端で会う赤の他人は、全てサイコパスの保障された安全で善良な人物」
「その前提でこの社会は成り立っている」(宜野座)
「あのヘルメット男のように、サイマティックスキャンを欺く方法があると知れ渡ったら」
「パニックは避けられん」(宜野座)
「槙島の犯罪…賭けてもいい」
「いや…そもそもこの世界における犯罪とはなんだ?」(狡噛)
「人が人を殺してるだけだ」
「大変なことなんて、まだ何も起きていない」
「大変なことは、これから起きる」(槙島)
「目撃者の証言は似たりよったりです」
「”何が起きているのか理解できなかった”と」(朱)
「無理もないと思います」
「目の前で人が殺されるなんて、想像もつかないし思いつきもしない」(朱)
「そういう出来事が起こり得る可能性なんて見当もつかないまま」
「今日まで暮らしてきた人達ばかりなんです」(朱)
「(なんで?) 間抜けだったぜ」
「犯行があまりにも異常で、なんとなく通り魔的な犯罪に見えていたが…」(狡噛)
「2件目の被害者、あれだけ憎しみを込めた手口なら」
「むしろ動機がなきゃおかしい」(狡噛)
「これは、啓蒙のための道具だったんだ」
「人が人らしく生きるために…家畜のような惰眠から目を覚ましてやるために…」(槙島)
「シビュラに惑わされた人々は、目の前の危機を正しく評価できなくなった」
「その意味では君達も、あの哀れな羊達と等しく愚かしい」(槙島)
15話
「君のそういう普通なところ、すごくいいと思う」
「僕も君も、ごく普通で本質的にありきたりな人間だ」(槙島)
「自分のことを欲張りだと思ったことはないよ」(槙島)
「当たり前のことが、当たり前に行われる世界」
「僕は、そういうのが好きなだけで」(槙島)
「”普通でない街”か…なんだろうな」
「昔読んだ小説のパロディーみたいだ、この街は」(槙島)
「紙の本を買いなよ、電子書籍は味気ない」(槙島)
「本はね、ただ文字を読むんじゃない」
「自分の感覚を調整するためのツールでもある」(槙島)
「調子の悪い時に本の内容が頭に入ってこないことがある」
「そういう時は、何が読書の邪魔をしているか考える」(槙島)
「調子が悪い時でも、スラスラと内容が入ってくる本もある」
「なぜそうなのか考える」(槙島)
「精神的な調律、チューニングみたいなものかな」(槙島)
「調律する際大事なのは、紙に指で触れている感覚や」
「本をペラペラめくった時、瞬間的に脳の神経を刺激するものだ」(槙島)
「”破壊の先”…か」
「先があればよし。なければ、それはそれで受け入れる」(槙島)
「こいつらも被害者だ」
「違う、ヘルメットの方だ」(狡噛)
「今やったように、時間はかかるがいずれヘルメット着用者は全員狩り殺される」
「俺達がやらなくても、市民がリンチにかける」(狡噛)
「今、投降してヘルメットを脱いだ連中の顔を見てみろよ」
「ヘルメットがなけりゃ、なんの犯罪も出来ないクズ共だ」(狡噛)
「ある意味、槙島の手のひらの上で踊っていただけさ」(狡噛)
「全てが奴の筋書きどおりだったと仮定する」
「今、俺達がやってることさえ奴の思うつぼだとしたら…」(狡噛)
16話
「狡噛は僕を狙ってくるだろう」
「なら、陽動を引き受けるのが合理的だ」(槙島)
「さて、パーティーもいよいよ大詰めか」(槙島)
「槙島の目的を阻止することよりも、槙島本人を追い詰める方が優先だ」(狡噛)
「勘違いすんじゃねえよ、ゲス野郎が!」
「シビュラもクソだが、てめえらもクソだ!」(縢)
「他人をいいように踊らせて生かすの殺すの、何様のつもりだよ」
「シビュラが神様だってんなら、てめらは悪魔にでもなった気分か?」(縢)
「正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている」
「そのため、人は正義に力を与えることが出来なかった」(槙島)
「悪いな」
「俺は”誰かがパスカルを引用したら用心すべきだ”とかなり前に学んでいる」(狡噛)
「(忙しい?) 知ったことか、この場で殺してやる」(狡噛)
「お前に黒幕はいない、ほかの雑魚はお前に操られているだけだ」
「事件の真相は、お前を殺したあとでゆっくり調べればいい」(狡噛)
「思っていたより拍子抜けの結末だが…それでも久々に退屈を忘れた」
「感謝してるよ」(槙島)
「やってらんねえよ、クソが…」(縢)
17話
「デカの仕事は基本的に対処療法だ。被害者が出てから捜査が始まる」
「そういう意味じゃはなから負けている」(狡噛)
「だが負け試合をせめて引き分けで終わらせることは出来た」
「それだけで良しとするしかない」(狡噛)
「安全・完璧な社会なんてただの幻想だ」
「俺達が暮らしているのは今でも危険社会なんだ」(狡噛)
「便利だが危険なものに頼った社会のことさ」(狡噛)
「誰もが目をそらしていたのかもしれない」(狡噛)
「危険がそこに確かに存在するが故に」
「逆に存在しないものとして扱わないと正気が保てなかった」(狡噛)
「人間は器用なものだと思う」
「自分の責任を回避する努力を無意識に行うことが出来る」(狡噛)
「余計な話だったな」
「俺も浮足立っているのかもしれない」(狡噛)
「槙島聖護をどう裁くか、問題はこれからだ」
「こいつはドミネーターをぶっ放すより遥かに難しくて厄介な仕事だ」(狡噛)
「だが、逃がすわけにはいかない」
「奴が罪を犯したことは厳然たる事実だ」(狡噛)
「大規模なメンタルケア、パンクした収容施設、都市機能の麻痺による経済的損失…」
「槙島というのはとんでもない男でしたね」(六合塚)
「禾生壌宗は僕1人ではないし、僕もまた常に禾生壌宗というわけではない」(禾生)
「僕等の脳は簡単に交換できるようユニット化されていてね」
「いつも持ち回りでこの体を使っているんだ」(禾生)
「あいつ(縢)はどんにテンパっても逃げたりはしない」
「どんな時でも自分が生き残る計算が出来る男だ」(狡噛)
「消えたのはあいつ自身の意思じゃない」(狡噛)
「お笑いぐさだな」
「人間のエゴに依存しない機械による公平な社会の運営」(槙島)
「そううたわれていたからこそ、民衆はシビュラシステムを受け入れてきたというのに」
「その実体が人間の脳の集合体である、君達による恣意的なものだったのか」(槙島)
「あいにく審判やレフェリーは趣味じゃないんだ」
「そんな立場では試合を純粋に楽しめないからね」(槙島)
「僕はね、この人生というゲームを心底愛しているんだよ」
「だからどこまでもプレイヤーとして参加し続けたい」(槙島)
「神の意識を手に入れても、死ぬのは怖いか?」(槙島)
18話
「誰だって納得しちゃいないよ、コウ」
「機密区分だ、監視官だって答えは知るまい」
「お前は問いただす相手を間違えてる」(征陸)
「悔しいです。でも…この間の暴動で改めて思い知りました」
「正義の執行も、秩序の維持も、私はどっちも大切だと思います」(朱)
「(ほかに方法?) あっただろ。もっと手っ取り早く、誰の迷惑にもならない方法が」
「あの時、槙島を殺しておけばよかった」(狡噛)
「それは法の執行ではありません」
「ただ殺人犯が2人になるだけです」(朱)
「狡噛さん、いつだったか言ってましたよね」
「”犬ではなく刑事として働きたい”って」(朱)
「(何が正解?) 正解はない、あるのは妥協だけだ」(征陸)
「こいつはご主人様と犬のボール遊びだ」
「逆らえば折檻(せっかん)されるだけ」(征陸)
「だったら身の置き所を変えるんだよ」
「犬でもご主人様でもない、第三の立場に…」(征陸)
「ボールだよ」
「ただ投げられて弾んで転がるだけのボールになりきる」(征陸)
「一見ぶざまに見えるかもしれんが、実は1番傷つかないし疲れない」
「それが賢い立ち回りってもんだ」(征陸)
「犯罪係数300以下の対象には、パラライザーモードが適用されます」
「宜野座さん、そのドミネーター故障してますよ」(朱)
「なんかさあ、初々しい新人がどんどんタフになっちゃうのって」
「頼もしいような寂しいような…複雑なもんね」(志恩)
「今ここで諦めても、いずれ俺は槙島聖護を見逃した自分を許せなくなる」
「そんなのはまっぴらだ」(狡噛)
「すまない…俺は約束を守れなかった」(狡噛の手紙)
「あの男(槙島)はこれからも人を殺め続けるだろう」
「なのに法律では奴を裁けない」(狡噛の手紙)
「俺は刑事でいる限り、あの男に手出しが出来ない」(狡噛の手紙)
「今度の一件で思い知った、法律で人は守れない」
「なら、法の外に出るしかない」(狡噛の手紙)
「許してくれ…とは言わない」
「次に会う時はおそらく、あんたは俺を裁く立場にいるだろう」(狡噛の手紙)
「その時は容赦なく務めを果たせ」
「信念に背を向けてはいけない」(狡噛の手紙)
「ほんのいっときだったが、あんたのもとで働けて幸いだった」
「礼を言う」(狡噛の手紙)
19話
「彼女(常守)を見てると、希望が湧いてくるんですよ」
「心の持ちようでどうにかなるって」(宜野座)
「(高飛び?) いいえ、必ず仕掛けて来ます」
「あの男は追い詰められて諦めるようなタイプじゃない」(朱)
「最後の最後まで、この世界を試さずにはいられない」
「システムに守られたこの社会に、むき出しの人間性を突きつけてくる」(朱)
「狡噛さんが…潜在犯じゃなくて、本物の人殺しになっちゃうなんて…絶対に嫌です」(朱)
「(心とサイコパスは別?) じゃあ、サイコパスってなんなんですか?」
「心って…なんなんですか?」(朱)
「シビュラシステム運営下に政治犯というものが存在するとすれば」
「あの男(槙島)のことだろうな」(雑賀)
「マックス・ウェーバーの言葉を借りれば」
「”理想的な官僚とは憤怒も不公平もなく、さらに憎しみも激情もなく」
「愛も熱狂もなくひたすら義務に従う人間のことだ”という」(雑賀)
「シビュラシステムは、そういう意味では理想の官僚制的行政に近いかもしれない」
「ただしそれは、公表されているシビュラの仕様が全て真実という前提の上での話だ」(雑賀)
「マックス・ウェーバーからもう少し引用しよう」
「”官僚制的行政は知識によって大衆を支配する」
「専門知識と実務知識、そしてそれを秘密にすることで優越性を高める”」(雑賀)
「自分のサイコパスを自在にコントロール出来る体質」
「それを特権だと思う人間もいるでしょう」(狡噛)
「でも、槙島は違った」
「奴が覚えたのは、おそらく疎外感です」(狡噛)
「どいつもこいつも俺を置き去りにして、勝手に向こう側に行きやがって…」(宜野座)
「正義じゃない…執念だ」(征陸)
「ほかにもっと賢い生き方があると分かっていても」
「そこに背を向けたら自分の積み上げてきた全てが嘘になる」(征陸)
「そういう瞬間があるんだよ」(征陸)
「執行官だからじゃない」
「こいつは男の意地ってやつだ」(征陸)
「(バカげた冗談ばかり?) ならお前が1番おもしろいと思ったジョークを探せ」(雑賀)
「お前と槙島は似た者同士だ」
「そのインスピレーションを信じてみるといい」(雑賀)
「お前に手を貸したことで、俺は俺の役目を果たせたと思ってる」(雑賀)
「だが…それでも結局汚れ仕事は」
「狡噛、お前1人に押し付けてしまうことになるんだな」(雑賀)
「それこそ気にしないで下さい」
「なぜだか、俺以外の誰かがあいつを殺すってのが想像もつかないんですよ」(狡噛)
20話
「いかに緻密で堅牢なシステムを構築しようと」
「必ずそれを逸脱するイレギュラーは一定数で出現します」(シビュラ)
「まず初めに、善と悪といった相対的な価値観を排斥することで」
「絶対的なシステムが確立されるのです」(シビュラ)
「必要なのは完璧にして無謬のシステムそのもの」
「それを誰がどのように運営するかは問題ではありません」(シビュラ)
「あらゆる矛盾と不公平の解消された合理的社会の実現」
「それこそが全ての人類の理性が求める究極の幸福です」(シビュラ)
「再確認しましょう」
「常守朱、あなたはシビュラシステムのない世界を望みますか?」(シビュラ)
「そう、うなずこうとして躊躇してしまう」(シビュラ)
「あなたが思い描く理想は、現時点で達成されている社会秩序を否定できるほど」
「明瞭で確固たるものではない」(シビュラ)
「うん、すごいよね。誰もが自分の人生を手探りで選んでた」
「それが当たり前の世界があったなんてね」(朱)
「そうだね、重たくてつらい悩みだよ。でもね、今では思うんだ」
「それを悩むことが出来るって、本当はとても幸せなことじゃないかって」(朱)
「きっと大切だったのは、善か悪かの結論じゃない」
「それを自分で抱えて、悩んで、引き受けることだったんだと思う」(朱)
「あなた(槙島)が価値を決めるっていうの?」
「誰かの家族を、友達を…あなたの知らなかった幸せを!」(朱)
「あなた達(シビュラ)の理論なんてどうでもいいわ」
「狡噛さんが助からないなら、私は槙島も見殺しにする」
「いざとなればこの手で殺してやる」(朱)
「試されてるんです、私達」
「槙島を追うために狡噛さんと同じか、それ以上の執念を持っているかどうか」(朱)
「その覚悟がない人間は、ここで足止めされ出遅れる」(朱)
21話
「ずうたいが大きい獲物ほど狙いやすい」
「クジラも殺すほどの毒針を使うとなれば、なおさら」(朱)
「公安局をナメないで下さい」
「あなただけが槙島を追い詰められるわけじゃありません」(朱)
「私はあなたも救います」
「狡噛慎也を殺人犯にはさせません」(朱)
「(心配?) ああ、狡噛の時と一緒だ」
「突っ走り過ぎた監視官の末路なんて、俺はそう何度も見たかない」(征陸)
「それなら、私の犯罪係数確かめてみます?」
「ねっ、今の私はシステムの望みどおりの人間なんですよ」(朱)
「(逃げ出す?) そうでしょうか?」
「槙島のこれまでの行動は確かに周到でしたけど」
「損得勘定だけでは割り切れなかった気がします」(朱)
「そう嫌そうな顔をするな」
「荒事は男が引き受けるもんさ」(征陸)
「厚生省で何かあったんですか?」
「今のあなたは誰よりも前向きなのに、誰よりも落ち込んでいるふうに見えます」(六合塚)
「立ち止まっていても何1つ解決しない」
「今はただ進むしかない」(朱)
「どんなに小さくても希望はある」
「それを諦めない限り、私は最後まで刑事のままでいられる」(朱)
「あなたになら命を預けられます、常守さん」(六合塚)
「あの男(狡噛)も潜在犯で執行官」
「俺と同じ穴のむじなだよ」(征陸)
「だがお前は今でも違う道を歩み続けてる」
「それでよかったと心底俺は思ってる」(征陸)
「(道連れに自爆?) そんなつまらないことをすると思うかい?」(槙島)
「デカなんて…ろくなもんじゃねえよ」
「やっぱ親子なんだなあ…目元なんざ若い頃の俺に…そっくりだ」(征陸)
「ついにまがい物の正義を捨てて、本物の殺意を手に取ったか」
「やはり君は、僕が期待したとおりの男だった」(槙島)
「貴様は孤独に耐えられなかっただけだ」
「仲間外れは嫌だって泣きわめいてるガキと変わらない」(狡噛)
「面白いことを言うなあ、孤独だと?」
「それは僕に限った話か」
「この社会に孤独でない人間など誰がいる?」(槙島)
「他者とのつながりが自我の基盤だった時代など、とうの昔に終わっている」(槙島)
「誰もがシステムに見守られ」
「システムの規範に沿って生きる世界には人の和なんて必要ない」(槙島)
「みんな小さな独房の中で、自分だけの安らぎに飼いならされているだけだ」(槙島)
22話
「君だってそうだろ? 狡噛慎也」
「誰も君の正義を認めなかった、君の怒りを理解しなかった」(槙島)
「だから君は信頼にも友情にも背を向けて、たった1つ」
「自分に残された居場所さえかなぐり捨てて、ここまで来た」(槙島)
「そんな君が僕の孤独を笑うのか?」(槙島)
「だがね…僕はむしろ評価する」
「孤独を恐れない者を…孤独を武器にしてきた君を」(槙島)
「槙島はパラライザーで麻痺させるだけ」
「それ以上のことをしようとしたら、私はあなたの足を撃ちます」(朱)
「驚いたね」
「タフになると思っちゃいたが…まだもう少し可愛げがあってもよかったと思うぜ」(狡噛)
「(なぜ殺さない?) 違法だからです、犯罪を見過ごせないからです」
「法が人を守るんじゃない、人が法を守るんです」(朱)
「これまで、悪を憎んで正しい生き方を探し求めてきた人々の思いが…」
「その積み重ねが法なんです」(朱)
「それは条文でもシステムでもない」
「誰もが心の中に抱えてる、もろくてかけがえのない思いです」(朱)
「怒りや憎しみの力に比べたら、どうしようもなく簡単に壊れてしまうものなんです」(朱)
「だから、よりよい世界をつくろうとした過去全ての人達の祈りを…」
「無意味にしてしまわないために」(朱)
「それは最後まで頑張って守り通さなきゃいけないんです」
「諦めちゃいけないんです」(朱)
「いい加減、僕達を侮辱するのは…やめてほしい」(槙島)
「これは、俺とあいつだけの問題なんだ」(狡噛)
「誰だって孤独だ、誰だってうつろだ」
「もう、誰も他人を必要としない」(槙島)
「どんな才能も、スペアが見つかる」
「どんな関係でも取り換えが利く」(槙島)
「そんな世界に…飽きていた」(槙島)
「でも、どうしてかな?」
「僕が君以外の誰かに殺される光景は…どうしても思い浮かばないんだ」(槙島)
「なあ、どうなんだ? 狡噛。君はこのあと、僕の代わりを見つけられるのか?」(槙島)
「いいや…もう二度とごめんだね」(狡噛)
「尊くあるべきはずの法を、何よりも貶めることはなんだか分かってる?」
「それはね、守るに値しない法律をつくり、運用することよ」(朱)
「人間を甘く見ないことね」
「私達はいつだって、よりよい社会を目指してる」(朱)
「いつか誰かがこの部屋の電源を落としにやって来るわ」
「きっと新しい道を見つけてみせる!」(朱)
「シビュラシステム、あなた達に未来なんてないのよ!」(朱)
「犯罪係数140までいったよ、もう回復の見込みはない」
「だが隔離施設で腐ってるのも性に合わなくてね…結局、古巣に戻ることにした」(宜野座)
「違う道を進めとあんたは言ったが、ご期待には添えなかったわけだ」
「どこまでも親不孝な息子だよ」(宜野座)
「でもな、不思議と後悔はしてないんだ」(宜野座)
「デカなんてろくなもんじゃない、それでも誰かが引き受けなきゃならない仕事だ」
「そうだろ? 親父」(宜野座)
「時代遅れな男達には、この仕事は向いてないってこと」(六合塚)
「時代遅れはひどいんじゃない? ロマンチストって言ってあげなよ」(志恩)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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