原作小説「銀河英雄伝説(アニメ3期中編相当)」の名言・台詞をまとめていきます。
銀河英雄伝説7巻
第一章 黄金獅子旗の下に
「人材を集めるのは重要だが、その人物が信頼に値するかどうか」
「見きわめる責任を吾々はおうているのではないか」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)
「陛下のもとにつどう者は、ことごとく卿の審問を受けねばならぬというわけか」(オスカー・フォン・ロイエンタール)
「けっこうなことだが、審問者自身が公正にして陛下に忠実であることを」
「誰が確認するのか」(ロイエンタール)
「帝国の兵権は、制度としてはともかく、実質は卿ら両名の手中にある」
「私が公正を欠くと見られるときには、卿らには私を排除する手段があろう」(オーベルシュタイン)
「軍務尚書は何やら誤解しておられる」
「兵権の所在についてだ」(ロイエンタール)
「われらがローエングラム王朝においては」
「兵権はすべて皇帝ラインハルト陛下の掌握したもうところ」(ロイエンタール)
「私にしてもミッターマイヤー司令長官にしても、陛下の単なる代理人にすぎぬ」(ロイエンタール)
「これは意外なことだ。卿の論法を用いるなら、私が陛下に対して公正であるか否かを」
「卿が気に病む必要など最初からあるまい」(オーベルシュタイン)
「私の公正さは、ただ陛下のみが判断なさることではないか」(オーベルシュタイン)
「軍務尚書と舌戦をまじえるのはおれの役だと思っていたが」
「このところ卿に出番をとられつづけだな」(ウォルフガング・ミッターマイヤー)
「皮肉を言わんでくれ、ミッターマイヤー」
「おとなげなかったと自分でもわかっている」(ロイエンタール)
「皇帝は自らの生命と生涯によって自らを表現した」
「彼は詩人であった。言葉を必要としない詩人であったのだ」(エルネスト・メックリンガー)
「去年のワインのまずさをなげくより、今年植える葡萄の種について研究しよう」
「そのほうが効率的だ」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)
「予はむしろこの際、ヤン・ウェンリーと同盟政府との間隙を利用し」
「あの異才を予の麾下にまねきたいと思っている。軍務尚書の考えはどうか」(ラインハルト)
「それもよろしいでしょう」
「ただ、その上は、ヤン・ウェンリーをして自由惑星同盟の命脈をたたせること」
「これが条件となるやに思えますが」(オーベルシュタイン)
「かりにヤン・ウェンリーが陛下の御前にひざを屈したとして」
「どのような地位職責をもって彼におむくいになりますか」(オーベルシュタイン)
「むくいること過小であれば彼が不満でしょうし」
「過大であれば他者の不安をよびましょう」(オーベルシュタイン)
「それにしても、ヤン・ウェンリーひとりを容れることもできない民主政治とは」
「なんと偏狭なものではないか」(ラインハルト)
「陛下、問題は制度よりむしろそれを運用する人間にありましょう」(ミッターマイヤー)
「陛下の英才がゴールデンバウム王朝の容れるところとならなかった」
「つい先日の例をお考えください」(ミッターマイヤー)
「帝国全軍が出撃して、一刀に乱麻をたってやってもよいが」
「せっかく共和主義者どもが踊り狂っているのだ」(ラインハルト)
「いましばらく、奴らが踊り疲れるまで高みの見物を決めこんでもよかろう」(ラインハルト)
…どうか、皇帝よ、私に反抗の隙をあたえないでいただきたい。(ロイエンタール)
私はあなたを歴史の舵手に選び、あなたを擁立し、あなたの軍旗を誇らかにあおいできた。
そのことを後悔させないでほしい。(ロイエンタール)
あなたはつねに私の前をあゆみ、しかも光輝にみちているべきだ。
消極や安定などがあなたの光源になりえるのか。(ロイエンタール)
比類なき覇気と行動力こそあなたの真価であるものを…。(ロイエンタール)
「次官の職責は尚書につぐものだ」(ラインハルト)
「卿の才幹がシルヴァーベルヒをしのぐものであれば」
「彼ではなく卿を尚書に任じたであろう」(ラインハルト)
「卿は恭謙にして自分自身を知る」
「それでよし」(ラインハルト)
「陛下は敵を欲しておられる」
「戦うために生まれていらした方であるのに、戦いが終わるのがあまりに早すぎた…」(ナイトハルト・ミュラー)
「陛下がフェザーンにうつられることはよいが、私はすこし軍制改革が不安だ」
「軍事力は中央集権でよい」(メックリンガー)
「軍管区のそれぞれに兵権を与えれば、ひとたび中央の統制力がおとろえたとき」
「割拠の原因となるではないか」(メックリンガー)
「なるほど、意思はあるかもしれんが、能力の欠如は明らかではないか」(フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)
「ヤン・ウェンリーはいまどこにいる? レンネンカンプはどこへ行った?」
「この疑問がすなわち、奴らの限界をしめしていると思うが」(ビッテンフェルト)
「いっそヤン・ウェンリーに、反皇帝勢力を糾合統一させてしまえばよい」
「しかる後にヤンを処断すれば、一撃で火山脈は絶ちきれる」(ビッテンフェルト)
「熔岩がいくら流れ出ようと、冷えきって無力になるだけではないか」(ビッテンフェルト)
「結婚? おれにはまともな家庭など持つ意思もないし、その資格もない」
「誰よりも卿はそのことを知っているはずではないか」(ロイエンタール)
「どんな形であれ、出口をつくることだ。卿は迷路の奥へ奥へとはいりこんでいる」
「おれにはそうとしか見えぬ」(ミッターマイヤー)
「心配するな、ミッターマイヤー。いちおうおれも武門の男だ」
「滅びるなら剣に滅びる。女に滅んだりはせぬよ」(ロイエンタール)
「陛下がこれまで常勝を誇られたゆえんは、歴史を動かしていらしたことにあります」
「今回にかぎり、御手をつかねて歴史に動かされるのをお待ちになるのですか」(ビッテンフェルト)
「ビッテンフェルトの言やよし。予は考えすぎた」
「大義名分の最大にして至高なるものは、宇宙の統一である」(ラインハルト)
「予に居城など必要ない。予のあるところがすなわち銀河帝国の王城だ」
「当分は戦艦ブリュンヒルトが玉座の置きどころとなろう」(ラインハルト)
「さあ、祝杯をあげるために同盟首都まで出かけるとしようか」(ビッテンフェルト)
第二章 すべての旗に背いて
「宇宙はひとつの劇場であり、歴史は作者なき戯曲である」(ヤン・ウェンリー)
「最高指導者は文民でなくてはならない。軍人が支配する民主共和制など存在しない」
「私が指導者なんかになってはいけないんだ」(ヤン)
「あなたと皇帝ラインハルトとの差というものを考えたことがありますか、元帥」
「いや、才能の差ではありません、覇気の差です」(ワルター・フォン・シェーンコップ)
「皇帝ラインハルトは、運命が彼にことわりなく傍を通過しようとすれば」
「その襟首を力ずくでつかんで、彼にしたがわせようとします」(シェーンコップ)
「よかれあしかれ、それが彼の身上です」
「ところがあなたときたら…」(シェーンコップ)
「さあてね、両手に贈物をかかえたところにナイフを突き出されたら」
「よけようがないからね」(ヤン)
「まあやめておきましょう。シェーンコップ中将をお義父さんと呼ぶのは」
「どうもあまり楽しい未来の夢に結びつきませんから」(ダスティ・アッテンボロー)
「…しかし、もしキャゼルヌの娘とシェーンコップの娘がユリアンをとりあって争うということになると観物だな」(ヤン)
「不肖の父親どうし、どうはりあうやら」(ヤン)
「そうね、どちらが勝っても、ヤン家にはすてきな親戚ができることになりますわね」(フレデリカ・グリーンヒル)
「ユリアン、お前さんは何でもよくできるがな、注意しろよ」(オリビエ・ポプラン)
「戦略戦術はヤン・ウェンリーにおよばず」
「白兵戦技はワルター・フォン・シェーンコップにおよばず」(ポプラン)
「空戦技術はオリビエ・ポプランにおよばず、なんてことになったら」
「器用貧乏ということばの生きた見本になってしまうからな」(ポプラン)
「だからな、ユリアン、せめて色事ぐらいはおれを上まわるよう努力しろや」(ポプラン)
「私はあいつ(トリューニヒト)のシェークスピア劇風の演説を聞くと」
「心にジンマシンができるんだよ」(ヤン)
「残念ですね」
「身体にジンマシンができるなら有給休暇がとれるのに」(ユリアン・ミンツ)
「代理の字をとるのは、ヤン・ウェンリーがわが軍に復帰したときにしましょう」
「彼以外に司令長官をつとめうる者はいません」(チュン・ウー・チェン)
「ヤン・ウェンリーと戦えとおっしゃるなら、私は戦います」
「勝算などありませんけどね」(チェン)
「第一、兵士たちがあの常勝提督と戦うことを欲するとお思いですか」
「武器を持ったまま彼の陣営へ走りこむのがおちですよ」(チェン)
「私が問題にしているのは兵士たちの心情です」
「あなたの見解ではありません」(チェン)
「一時の利益のためには国家の功労者も売る」
「直後にはひるがえって、予の代理人を売る」(ラインハルト)
「共和政体の矜持とその存在意義はどこへいったのか」
「もはや現時点においての不正義は、このような政体の存続を認めることにある」(ラインハルト)
「バーラトの和約の精神はすでに瀆された」
「これをただすには実力をもってするしかない」(ラインハルト)
「わしはヤン提督とちがって、50年以上も同盟政府から給料をもらってきた」
「いまさら知らぬ顔を決めこむわけにもいかんでな」(アレクサンドル・ビュコック)
「ふむ、残念だな。30歳以下の未成年は、今回、同行することはできんよ」
「これはおとなだけの宴会なのでな」(ビュコック)
「いいかね、スール少佐、貴官には重要な任務を与える」
「おろそかに考えてはいかんよ」(ビュコック)
「ヤン・ウェンリー提督のもとへおもむけ、そして伝えてくれ」(ビュコック)
「司令長官の仇を討とうなどと考えてはいかん」
「貴官には貴官にしかなしえぬ課題があるはずだ、とな」(ビュコック)
「いや、こんな伝言を託してもむだになるかもしれんがな」(ビュコック)
「わしとしては50も年下のひよっこに二度も負けるとは思えんしな」
「あくまでも、万が一、不覚をとった場合のことだ」(ビュコック)
「30歳以下の者はつれていかないとおっしゃったそうですね」
「私は38歳です、同行させていただく資格があると思いますが…」(チェン)
「あまり先輩面が多いと、若い者はもてあましますよ」
「ヤン提督にはキャゼルヌひとりで充分でしょう」(チェン)
「…皇帝ラインハルトは、貴官やわしを戦争犯罪人として処断しなかった」
「個人的には恩義すらあるが、あえてそれに背こう」(ビュコック)
「こんなだらしない国に、若い者はこだわる必要もないが、わしはもう充分に生きた」(ビュコック)
「イゼルローンに帰るか…」(ヤン)
第三章 「神々の黄昏」ふたたび
「フロイライン・マリーンドルフは、ものごとの道理をよくわきまえている」
「密告などを予が喜ぶものと思っている輩には、よい教訓になったろう」(ラインハルト)
「他人を非難しおとしいれることで自己の栄達をはかろうとする風潮に」
「先制の一撃を加えていただきたいのですけど」(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ、通称:ヒルダ)
「この策がおそらく成功した後で陛下の後味がお悪くなりましょう」
「正面から同盟軍を撃砕することを、お望みなのでしょうから」(ヒルダ)
「フロイライン・マリーンドルフは、人の心を映す銀の鏡を持っているようだな」(ラインハルト)
「ですけど、あたしたちが策を弄せずとも、崩壊に直面して人心の動揺するところ」
「かならず、こちらの求めもしない商品を売りつけにくる者がいるでしょう」(ヒルダ)
「あれ(エミール)がいるもので、予は身辺に不自由せずにすむ」
「いい医者になるだろう、たとえ技術が完璧でなくとも患者が喜んで生命を託すような…」(ラインハルト)
「予には弟がいないから」(ラインハルト)
「皇帝の本領は果断速行にある」
「座して変化を待つのは、考えてみれば皇帝にふさわしくない」(オーベルシュタイン)
「ひとつ卿に問うが、もしここにいる提督たちのひとりが同盟首都に使者としておもむき」
「卿らの元首を侮辱したとする」(ミッターマイヤー)
「死をもってその罪をあがなわせようと望む者が、いま同盟軍の幹部にいるだろうか」(ミッターマイヤー)
「では、ヤン・ウェンリーの部下はどうだ」
「生命をかけて上官を救出したが」(ミッターマイヤー)
「わが皇帝は、大なりといえど同盟政府を恐れず」
「小なりといえどもヤン・ウェンリー一党を恐れたもう」(ミッターマイヤー)
「そのゆえんを、卿自身が明らかにしたわけだな」(ミッターマイヤー)
「そのときは、おれもろとも惑星ハイネセンを吹きとばせ」
「積年の混乱は、大半がそれで一掃される」(カール・ロベルト・シュタインメッツ)
「どうかお考えいただきたいものです」
「長年にわたって、ビュコック元帥はあなたと親交がありました」(チェン)
「なのに、なぜあなたと会おうとしないのか」(チェン)
「元首の座につかれる以前のあなたをあまりに御存知だからだ」
「とお思いになりませんか」(チェン)
「ビュコック元帥が変わったのではありません」
「それはお認めくださるでしょう」(チェン)
「わざわざこのような書類をつくる必要があるのですか」
「形式も度がすぎるように小官には思われますが」(ムライ)
「わからないかね?」
「むろんジョークだよ」(チェン)
「ジョークとおっしゃるなら、それでけっこうですが」
「帝国軍に対して戦力を糾合せねばならないときに」(ムライ)
「このだけの艦艇と物資をさいたのでは」
「帝国軍の侵攻に対処しえないのではありませんか」(ムライ)
「どうせ糾合しても対処しえないよ」(チェン)
「ムライ中将、本心をいつわっている余裕はない」
「時間を浪費することなく、最善の道を行くとしよう」(エドウィン・フィッシャー)
「ランテマリオ会戦で敗れたとき、わしは死ぬべき身だった」(ビュコック)
「貴官に説得されて半年ほど永らえることになったが」
「結局のところ命日が移動するだけのことだな」(ビュコック)
「いや、おかげで多少は女房孝行ができたか」(ビュコック)
「ヤン・ウェンリーは何かと欠点の多い男ですが」
「何者も非難しえない美点をひとつ持っています」(チェン)
「それは、民主国家の軍隊が存在する意義は民間人の生命を守ることにある」
「という建前を本気で信じこんでいて」(チェン)
「しかもそれを一度ならず実行しているということです」(チェン)
「ヤンが敗北するとしたら」
「それはラインハルト・フォン・ローエングラムの偉大な天才によってではない」(ビュコック)
「それはヤン自身の、理想へのこだわりによってだろう」(ビュコック)
第四章 解放・革命・謀略その他
「おい、資金がないぞ」
「これからどうするか決めてくれ」(アレックス・キャゼルヌ)
「なに、いったん借りれば、こちらのものだ」
「フェザーン人は利にさとい」(キャゼルヌ)
「おれたちに皇帝ラインハルトを打倒する可能性ありとみなせば」
「かならず将来にそなえて投資してくる」(キャゼルヌ)
「そしてひとたび投資すれば、それをむだにしないためにも」
「つづけて投資せざるをえない」(キャゼルヌ)
「先に投資した資金、それ自体が双方のつながりを増大させる最初の一滴になる」(キャゼルヌ)
「美人局の成功は、女性の魅力しだいだな」(キャゼルヌ)
「鷹と雀では視点がちがう」
「金貨の一枚は、億万長者にとってとるにたりないが、貧乏人には生死にかかわるさ」(ヤン)
「このていどでうんざりしないでくださいよ、ヤン提督」
「将来もっと高い山が出てくるにきまってるんですからね」(アッテンボロー)
「全人類の数が400億人、そのうち半数が女」(ポプラン)
「うち半数が年齢制限にひっかかり、さらにまた半数が容姿で落第するとしても」
「50億人は恋愛の対象になりますからな」(ポプラン)
「一秒でも惜しんでいられません」(ポプラン)
「性格の良い女はアッテンボロー提督にまかせますよ」
「おれは性格が悪いほうの半分を引きうけてあげますからね」(ポプラン)
「いいか、ポプラン中佐、心得ちがいをするなよ」
「おれたちは伊達や酔狂でこういう革命をやっているんだからな」(アッテンボロー)
「せいぜい精励なさることですね」
「閣下の世代で決着がつかなかったら、ユリアンの世代が苦労することになるんですから」(フレデリカ)
「いずれ必ず枯れるからといって、種をまかずにいれば草もはえようがない」
「どうせ空腹になるからといって、食事をしないわけにもいかない」(ヤン)
「ユリアンはもうすこしむほん気を持つべきだ」
「むほん気は独立独歩の源だからな」(ボリス・コーネフ)
第五章 蕩児たちの帰宅
「イゼルローン要塞は逃げやしないが、新年の乾杯はいましかできないからな」(ポプラン)
「美人か?」
「美人だったら、おれの娘だ。そうでなかったら同姓同名の別人だ」(シェーンコップ)
「平和になったら──退屈きわまるが」
「おれは善良な青少年相手に人生相談室でも開くとしようかと思ってる」(ポプラン)
「人徳あらたかなせいか、おれは年少者に信用があるんでね」(ポプラン)
「おれに言わせれば、問題はカリンが不幸なことじゃない」
「自分は不幸だとカリンが思いこんでいることさ」(ポプラン)
「智者は智におぼれる」
「ヤン・ウェンリーのカレンダーも残りすくないぞ」(コルネリアス・ルッツ)
「いつものことさ、やるしかない」(ポプラン)
「不愉快だな、どうも」
「何がって、地球といいここといい、床に足をつけて闘うことに慣らされてしまった」(ポプラン)
「こんなに不愉快なことがまたとあるか」(ポプラン)
「まさに神算鬼謀というべきだな」(ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ)
「ぼくたちはヤン・ウェンリーに頼りきっていた」
「彼が不敗であることはむろんのこと、不死であるとすら信じていた」(ユリアン)
第六章 マル・アデッタ星域の会戦
「同盟軍にせよ、政府から離反した諸部隊にせよ」
「ヤン・ウェンリーあるところ勝利ありととなえています」(ヒルダ)
「それを裏がえせば、ヤンなきところに勝利なし、ということになるでしょう」(ヒルダ)
「ヤンがいない場所で戦略上の処置をかさね、彼を奔命につかれさせ」
「抗戦を断念させてはいかがでしょうか」(ヒルダ)
「フロイライン・マリーンドルフは」
「予をどうしてもヤン・ウェンリーと戦わせたくないようだ」(ラインハルト)
「比類なく聡明なフロイラインでも錯覚することがあるとみえる」
「もしヤン・ウェンリーに敗北することがなければ、予は不老不死でいられるのだろうか」(ラインハルト)
「ヤン・ウェンリー一個人に対する復仇など、どうかお考えなさいますな」
「陛下は遠からず全宇宙をお手になさいます」(ヒルダ)
「ヤン・ウェンリーはそれをはばむことはできないでしょう」(ヒルダ)
「陛下が最終的に勝利なさるゆえんです」
「誰が勝利を盗んだなどと申しますでしょうか」(ヒルダ)
「ヤン・ウェンリーは言うまい」
「だが、彼の部下たちがそう主張するにきまっている」(ラインハルト)
「老いてなお気骨ある者は賞すべきかな」(ナイトハルト・ミュラー)
「言うは易し、だ」
「卿らのいう白髪の老将に、卿らこそ手玉にとられるなよ」(オスカー・フォン・ロイエンタール)
「卿の進言は誤っていない」
「だが、歴戦の老提督がおそらくは死を賭しての挑戦、受けねば非礼にあたろう」(ラインハルト)
「他にも理由がないわけではないが、予と予の軍隊にとってはそれで充分のはずだ」(ラインハルト)
「この一戦に意味があるとすれば、理性の面ではなく感情の面においてだな」
「老いた獅子と若い獅子とが、ともに戦いを望んでいる」(ロイエンタール)
「名誉がそれに色どりをそえることになろうが、結局のところ」
「抜かれた剣は血ぬられずして鞘におさまるものではないさ」(ロイエンタール)
「おれにはわかる。卿にもわかっているはずだ」
「歴史というやつは、人間同様、眠りからさめるとき咽喉をかわかしている」(ロイエンタール)
「ゴールデンバウム王朝はすでに滅びた」
「自由惑星同盟も今日までは生きながらえたが、明日には滅びる」(ロイエンタール)
「歴史は大量の血を飲みほしたがっている」(ロイエンタール)
「だが、おれは思うのだ」
「歴史が血を飲みあきたとしても、それは量だけのこと」(ロイエンタール)
「質的にはどうかな」
「犠牲は高貴なほど、残忍な神に喜ばれるものだし…」(ロイエンタール)
「いずれにしても、この戦いは儀式というべきだ」
「自由惑星同盟の葬列にたむけるためのな」(ロイエンタール)
「この形式を踏まねば、生者も死者も、滅亡の事実を受けいれることはできぬだろう」(ロイエンタール)
「やはり戦う以上は納得のいく戦いをしたいのでな」(ビュコック)
「それにしても、わし自身はともかく、多くの者を死なせることになるな」
「いまさらではないが罪深いことだ」(ビュコック)
「考えてみると、わしは多分、幸福者だろう」(ビュコック)
「人生の最後に、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーという」
「ふたりの比類なく偉大な用兵家に出会うことができた」(ビュコック)
「そして、ふたりのうちいずれかが傷つき倒れる光景を見ないですむのだからな」(ビュコック)
「あの老人を殺したくないものだな、バイエルライン」
「敵ながら敬愛に値するじいさんだ」(ミッターマイヤー)
「同盟軍め、楽しませてくれるではないか」(ラインハルト)
「皇帝を守りまいらせよ!」(ミュラー)
「あれはあれでよい。ビッテンフェルトが自重に度をすごすようなことがあれば」
「黒色槍騎兵の長所をかえって殺ぐことになろう」(ラインハルト)
「敗敵に手をさしのべるのは勝者の器量をしめすもの」
「それを受けいれぬ敗者こそが狭量なのですから」(ヒルダ)
「わしはあなたの才能と器量を高く評価しているつもりだ」(ビュコック)
「孫を持つなら、あなたのような人物を持ちたいものだ」
「だが、あなたの臣下にはなれん」(ビュコック)
「ヤン・ウェンリーも、あなたの友人にはなれるが、やはり臣下にはなれん」
「他人ごとだが保証してもよいくらいさ」(ビュコック)
「なぜなら、えらそうに言わせてもらえば、民主主義とは対等の友人をつくる思想であって」
「主従をつくる思想ではないからだ」(ビュコック)
「わしはよい友人がほしいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う」
「だが、よい主君もよい臣下も持ちたいとは思わない」(ビュコック)
「だからこそ、あなたとわしは同じ旗をあおぐことはできなかったのだ」
「ご好意には感謝するが、いまさらあなたにこの老体は必要あるまい」(ビュコック)
「…民主主義に乾杯!」(ビュコック)
「他人に何がわかる…」(ラインハルト)
「お前は予などよりずっと気宇が大きいな。予には銀河系だけで充分だ」
「他の星雲はお前が征服するといい」(ラインハルト)
第七章 冬バラ園の勅令
「してやられたか、またしてもあの男に」(ミッターマイヤー)
「これは相互に独立した個人プレイが競作した結果であるにすぎません」(ヒルダ)
「銀河帝国の名将ことごとくヤン・ウェンリーのためのひきたて役となるか」(ロイエンタール)
「吾ら10万光年の征旅をおそれざるも」
「ヤン・ウェンリーの頭蓋骨の内容物をおそれざるあたわず──というわけだ」(ミッターマイヤー)
「あの男に吾らと同数、あるいはそれ以上の兵力があったら」
「運命の女神はあちらに媚を売ったかもしれんな」(ミッターマイヤー)
「…ジークフリード・キルヒアイスが生きていたら」
「こんな形でイゼルローンをふたたび失うことはなかったかもしれんな」(ロイエンタール)
「そのとおりだ。キルヒアイスが生きていたら」
「あのオーベルシュタインがしたり顔で軍務を専断することもなかったろうよ」(ミッターマイヤー)
「陛下、お急ぎになることはありません」
「堂々として同盟首都にお近づきあれば、その圧力のみで同盟政府は潰えましょう」(ヒルダ)
「黒色槍騎兵に退却の二字なし」(ビッテンフェルト)
「不満か」
「卿の忠誠心は貴重だが、度をすぎればそれが予をルドルフにするぞ」(ラインハルト)
「卿らのためにさく時間は、予には貴重すぎる。ひとつだけ聞いておこう」
「卿らがことをおこなったとき、卿らの羞恥心はどの方角をむいていたのか」(ラインハルト)
「前王朝ならいざ知らず、ローエングラム王朝には裏切者を保護すべき法はない」
「無益な哀願をするな」(アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト)
「…フロイラインの予言したとおりだった」
「腐肉を食う輩は、自分の嗜好で他人を量るものらしいな」(ラインハルト)
「たぶん人間は自分で考えているよりもはるかに卑劣なことができるのだと思います」
「平和で順境にあれば、そんな自分自身を再発見せずにすむのでしょうけど…」(ヒルダ)
「…奴らが下水の汚泥とすれば、マル・アデッタで死んだ老人はまさに新雪だったな」(ラインハルト)
「不死鳥は灰のなかからこそよみがえる」
「生焼けでは再生をえることはできぬ」(ラインハルト)
「あの老人は、そのことを知っていたのだ」
「奴らを処断して、ヴァルハラであの老人にわびさせよう」(ラインハルト)
「りっぱな男たちだ。そのような男たちが中堅以下の地位にとどまっているようだからこそ」
「同盟は滅びたのだ」(ラインハルト)
「その者たちに危害を加えてはならぬ」
「さしあたり従順な者たちだけを登用して政務を担当させよ」(ラインハルト)
第八章 前途遼遠
「吉報はひとりでしか来ないが、兇報は友人をつれて来る」(キャゼルヌ)
「ピクニックが研修旅行になってしまった」(アッテンボロー)
「おれたちは武人を天職と思っているのだ」(ビッテンフェルト)
「ヤン・ウェンリー一党のように」
「他にやることがなくて戦争ごっこや革命ごっこをやっているのと事情がちがうぞ」
「無原則なことをするな」(ビッテンフェルト)
「何が智将だ」
「私は救いがたい低能だ」(ヤン)
「司令長官のお人がらからいって、こうなる可能性は小さくなかったのに」
「それを予測もできなかった」(ヤン)
「まったくそうさ、ばかな連中だ」(キャゼルヌ)
「ひとりの例外もなくね」
「わたしが後方勤務本部長の令夫人になりそこなったのは、どなたのせいだったかしら」(オルタンス・キャゼルヌ)
「当然です。あなたが自分ひとり地位を守って友人を見すてるような人なら」
「わたしはとうに離婚していましたよ」(オルタンス)
「自分の夫が友情にうすい人間だったなんて子供に言わなきゃならないのは」
「女として恥ですからね」(オルタンス)
「さあ、あなた、ヤンご夫妻をお呼びしてくださいな」
「生きている人間は、死んだ人の分まできちんと食べなきゃなりませんからね」(オルタンス)
「ビュコック元帥は同盟軍なんぞにはもったいないみごとな爺さんだった」
「過去形を使わなきゃならないのが残念だがね」(ポプラン)
「悼むのは自然かつ当然としても、そろそろ、真の慰霊法を考えるべきさ」
「帝国軍と戦って勝つ」(ポプラン)
「ノウハウはわれらが元帥どのが考えるさ」
「それしか特長がないんだからな」(ポプラン)
皇帝ラインハルトには多くの忠実な臣下がいる。
メルカッツにもせめて自分ひとりぐらいいてもいいではないか…。(ベルンハルト・フォン・シュナイダー)
「非常の時である」
「非常の策を用いてしかるべし」(シェーンコップ)
「信念など有害無益のものだと他人にはお説教しておきながら、ご本人の頑固なこと」
「言行不一致とはこのことだな」(シェーンコップ)
「愛してもいない女を抱くには、人生は短すぎるだろうな」
「愛してもいない男に抱かれるにも、人生は短すぎるだろうよ」(シェーンコップ)
「閣下、わたしに生命をくださったことには感謝しています」(カーテローゼ・フォン・クロイツェル、通称:カリン)
「でも、育てていただいたご恩はありませんし」
「閣下を敬愛すべき理由もわたしの裡には見出せません」(カリン)
「ご忠告にしたがって、はっきり申しあげておきます」(カリン)
「シェーンコップ中将、すこしまじめに言いますと」
「あの娘は自分自身で感情をもてあましているし」
「それを的確に表現する術も知らんのです」(ポプラン)
「年長者のがわが、出口へさそってやるべきだと、おれは思いますね」
「出すぎたことを言って申しわけありませんが」(ポプラン)
「いや、今年は記憶と記念に残すべき年だ」
「おれの知るかぎり、はじめて良識的なことを言ったな。お前さんは」(シェーンコップ)
「それはまあ、娘が父親の罪をせおうこともなかろうしね」(ポプラン)
「おれのことを不良中年だと言ってまわっているそうだが、おれはまだ中年じゃない」(シェーンコップ)
「…まあ、何にせよ、カリン、不幸を商品にするのは、うちの艦隊の気風にあわないし」
「お前さんにも似あわんぜ」(ポプラン)
「たとえ気にいらない奴でもいつまでも生きているわけはなし…」(ポプラン)
「イワン・コーネフの野郎なんか、おれを裏ぎりやがった」
「殺されても死なない奴だと思いこませておいてな」(ポプラン)
「順当にいけば、シェーンコップの不良中年は、お前さんより20年早くくたばる」
「墓石と仲なおりしたって意味があるまい」(ポプラン)
「それでは彼らは自分自身の処刑命令書にサインしたことになる」
「皇帝ラインハルトは彼らの醜行をけっして赦さないだろうよ」(ヤン)
「陰謀やテロリズムでは、結局のところ歴史の流れを逆行させることはできない」
「だが、停滞させることはできる」(ヤン)
「地球教にせよ、アドリアン・ルビンスキーにせよ」
「そんなことをさせるわけにはいかない」(ヤン)
「ユリアン、吾々は軍人だ」
「そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる」(ヤン)
「軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない」(ヤン)
「それは不公正なことではない」
「なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ真髄があるからだ」(ヤン)
「強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ」
「そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない」(ヤン)
「自分たち自身を基本的には否定する政治体制のために戦う」
「その矛盾した構造を、民主主義の軍隊は受容しなくてはならない」(ヤン)
「軍隊が政府に要求してよいのは、せいぜい年金と有給休暇をよこせ、というくらいさ」
「つまり労働者としての権利。それ以上はけっして許されない」(ヤン)
第九章 祭りの前
「パウル・フォン・オーベルシュタインという人は」
「しばしば辛辣かつ無慈悲な策謀を弄して他者を粛清し」(メックリンガー)
「しかも弁解も説明もしないので」
「明快さと率直さを愛する武人型の諸将にきらわれたのは無理もない」(メックリンガー)
「ただ彼は私益をはかって策謀を弄したことはなく」
「すくなくとも主観的には国家と主君に無私の忠誠をささげていた」(メックリンガー)
「軍務尚書としての管理能力、職務に対する忠実度もきわめてすぐれていた」(メックリンガー)
「おそらく、最大の問題点は、主君に対する忠誠心と表裏一体化した」
「彼の猜疑心であったであろう」(メックリンガー)
「賢しげに忠告するな」
「おれには1ミクロンの後ろ暗いところもない」(ミッターマイヤー)
「陛下の廷臣どうし、年来の友人どうしが会って何が悪い。誰をはばかる」
「そこをどけ、バイエルライン」(ミッターマイヤー)
「おれは帝国元帥の称号を陛下よりたまわり」
「帝国宇宙艦隊司令長官という過分な地位もいただいた」(ミッターマイヤー)
「だが、どれほど高位につこうとも、友人と会うことすらままならぬのでは」
「一庶民にもおとるではないか」(ミッターマイヤー)
「自分ことオスカー・フォン・ロイエンタールが武力と権力にまかせて略奪暴行をこととし」
「人民を害しているなどと噂されるのであれば」(ロイエンタール)
「これは自分にとって最大の恥辱である」
「反逆して帝座をねらうと言われるのは、むしろ乱世の武人にとって誇りとするところ」(ロイエンタール)
「…しかしながら皇帝ラインハルト陛下が先王朝において元帥府を開設されて以来」
「自分は一日の例外もなく陛下が覇業をなされるに微力をつくしてきた」(ロイエンタール)
「その点についていささかも心にやましいところはない」(ロイエンタール)
「笑うべきは、自分を誹謗する者の正体である」
「内務省内国安全保障局長ラングとは何者か」(ロイエンタール)
「先年、上級大将以上の武官のみが出席を許される会議において」
「資格もなく出席しあまつさえ発言までもなした不心得者だ」(ロイエンタール)
「そのとき自分に退室を命じられて不満をいだき」
「私情をもって不当な告発をなしたのであろう」(ロイエンタール)
「その間の事情にご留意いただきたい」(ロイエンタール)
「ミッターマイヤー、そのくらいにしておけ」
「卿の口は大軍を叱咤するためにあるもの」
「他人を非難するのは似合わぬ」(ラインハルト)
「そちら(祝福)は完全な嘘偽です」
「あの女が妊娠したことを私は存じませんでした」(ロイエンタール)
「存じていれば…即座に堕胎させておりました」
「この点、うたがう余地はございません」(ロイエンタール)
「私には人の親となる資格がないからです、陛下」(ロイエンタール)
「私を失望させるなよ」
「卿の任務は国内の敵を監視して王朝を安泰せしめるにある」(オーベルシュタイン)
「私怨をもって建国の元勲を誣告し、かえって王朝の基礎を弱めたりしては」
「不忠のはなはだしいものになろう。こころえておくことだ」(オーベルシュタイン)
「だが、歴史は無数の実例をもって吾々に教示する」(メックリンガー)
「能力も識見もない単なる陰謀家が、しばしば、自分よりはるかに有能な」
「あるいは偉大な人物を底なし沼につきおとし」(メックリンガー)
「その相手だけでなく時代そのものの可能性を沈めさってしまうことを…」(メックリンガー)
「ヤン・ウェンリーが魔術を弄するまで、イゼルローン要塞は難攻不落だったはずだ」(メックリンガー)
「ところが彼は、要塞をまるでフライング・ボールのボールのように簡単に所有権を変えるものにしてしまったのだ」(メックリンガー)
「あれを芸術というなら、まさにあれ以上のものはない」(メックリンガー)
「ここに宣言する。予はヤン・ウェンリーを予の前にひざまずかせぬかぎり」
「オーディンはおろかフェザーンへも帰らぬことを…」(ラインハルト)
「たしかに修復したかに見えるな」
「だが、皇帝がロイエンタールに与えた地位と戦力は、一臣下には巨大すぎるものだ」(アドリアン・ルビンスキー)
「すくなくとも軍務尚書オーベルシュタインなどはそう思うだろう」
「亀裂は隠れただけで、けっして消えてはいない」(ルビンスキー)
「金髪の孺子も、前進と上昇だけが奴の人生でないとさとるだろう」(ルビンスキー)
「奴の権勢は拡大の一方で空洞化しつつある」
「奴は膨張する風船の上に立っているのだ」(ルビンスキー)
「高く評価してもらってうれしいが、あれは偶然だ」
「あまり各処に火を放ちすぎると、消火する前に自分自身が焼死することになる」(ルビンスキー)
「だが、ひとたび発生した火災だ」
「できれば有効に利用したいものだな」(ルビンスキー)
「どうだ、ドミニク、ひとつ私の子供を産んでみないか」(ルビンスキー)
「あなたに殺させるために? ごめんこうむるわ」(ドミニク・サン・ピエール)
「…そうではない、ドミニク」
「私を殺させるためにさ」(ルビンスキー)
「…予は呪われた生まれつきかもしれない」
「平和よりも戦いを好むのだ」(ラインハルト)
「流血によってしか人生をいろどりえなくなっている」
「あるいは他にやりようがあるのかもしれないのにな」(ラインハルト)
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