原作小説「銀河英雄伝説(イゼルローン攻略戦)」の名言・台詞をまとめていきます。
銀河英雄伝説1巻 黎明篇
第四章 第一三艦隊誕生
「まだ完全に目が覚めていないようだなアスターテの英雄は」
「おれの前に立っている人物さ」(アレックス・キャゼルヌ)
「電子新聞を見る間もなかったらしいが」
「ジャーナリズムはこぞってそう書き立てているぞ」(キャゼルヌ)
「敗軍の将ですよ、私は」(ヤン・ウェンリー)
「そう、同盟軍は敗れた。よって英雄をぜひとも必要とするんだ」
「大勝利ならあえてそれを必要とせんがね」(キャゼルヌ)
「(負けたのは)首脳部の作戦指揮がまずかったからさ」(ヤン)
「わたしはジェシカ・エドワーズと申します」
「アスターテ会戦で戦死した第六艦隊幕僚ジャン・ロベール・ラップの婚約者です」(ジェシカ・エドワーズ)
「いいえ、婚約者でした」(ジェシカ)
「ありがとうございます」
「わたしはただ、委員長にひとつ質問を聞いていただきたくて参ったのです」(ジェシカ)
「あなたはいま、どこにいます?」(ジェシカ)
「わたしは婚約者を犠牲に捧げました」
「国民に犠牲の必要を説くあなたのご家族はどこにいます?」(ジェシカ)
「あなたの演説には一点の非もありません」
「でもご自分がそれを実行なさっているの?」(ジェシカ)
「行こう」
「ここはあなた(ジェシカ)のいるべき場所ではないと思う…」(ヤン)
本来、名将と愚将との間に道義上の優劣はない。
愚将が味方を100万人殺すとき、名将は敵を100万人殺す。(ヤン)
その差があるだけで、殺されても殺さないという絶対的平和主義の見地からすれば、
どちらも大量殺人者であることに差はないのだ。(ヤン)
「有史以来初めて、お前さんの家が清潔になったじゃないか」
「親が無能ならその分、子供がしっかりするというのは真実らしいな」(キャゼルヌ)
「生意気言うな、子供のくせに」
「子供ってのはな、大人を喰物にして成長するもんだ」(ヤン)
「(軍人は)嫌いだよ」
「(理由は)決まってる。他に能がなかったからだ」(ヤン)
「どうしてまた!」
「内心で反対でも、立って拍手してみせれば無事にすむことじゃありませんか」(ユリアン・ミンツ)
「他人には表面しか見えないんですからね」(ユリアン)
「いえ、かえって(掃除の)邪魔になりますから」
「そうだ、そこのテーブルの上にでも乗っていて下さい」(ユリアン)
「ユリアン、今夜の事件は多分笑い話ですむだろう」
「だが近い将来、それではすまなくなるかもしれない」(ヤン)
「どうも少しずつ悪い時代になってきているようだ」(ヤン)
「准将、僕、色々とよけいなこと申し上げたりしますけど」
「そんなこと気になさらないで下さい」(ユリアン)
「正しいとお考えになる道を歩んでいただきたいんです」
「誰よりも准将が正しいと僕、信じてます」(ユリアン)
「(昇進は)負けたからでしょう」(ヤン)
「やれやれ、君はむかしと少しも変わらんな。温和な表情で辛辣な台詞を吐く」
「士官学校時代からそうだった」(シドニー・シトレ)
「やたらと恩賞を与えるのは窮迫している証拠だと古代の兵書にあります」
「敗北から目をそらせる必要があるからだそうです」(ヤン)
「少数をもって多数を破るのは、一見、華麗ではありますが」
「用兵の常道から外れており、戦術ではなく奇術の範疇に属するものです」(ヤン)
「それと知らないローエングラム伯とは思えません」
「次は圧倒的な大軍を率いて攻めて来るでしょう」(ヤン)
「ボタン戦争と称された一時代」
「レーダーと電子工学が奇形的に発達していた一時代をはぶいて」
「戦場における用兵にはつねに一定の法則がありました」(ヤン)
「兵力を集中すること」
「その兵力を高速で移動させること、この両者です」(ヤン)
「これを要約すればただ一言、『むだな兵力を作るな』です」(ヤン)
「君にできなければ、他の誰にも不可能だろうと考えておるよ」(シトレ)
「もし君が新艦隊を率いてイゼルローン要塞の攻略という偉業を成しとげれば…」(シトレ)
「君個人に対する好悪の念はどうあれ」
「トリューニヒト国防委員長も君の才幹を認めざるをえんことだろうな」(シトレ)
第五章 イゼルローン攻略
「(方法は)秘密です」
「こういうことはもったいぶった方がありがたみが出ますから」(ヤン)
「フェザーンの紅茶は美味いでしょうかね」(ヤン)
「毒気で味つけしてあるだろうよ」(キャゼルヌ)
「予定通り事が運ぶことは、めったにありませんよ」
「といって予定をたてないわけにも行きませんしね」(ヤン)
「後日、恥入るようなことがなければよいがな」(アレクサンドル・ビュコック)
「お前さんたちは大樹の苗木を見て」
「それが高くないと笑う愚を犯しているかもしれんのだぞ」(ビュコック)
「フレデリカ・グリーンヒル中尉です」
「今度、ヤン少将の副官を拝命しました」(フレデリカ・グリーンヒル)
「4000光年を24日。悪くないな」
「第13艦隊には(艦隊運用の)名人がいるから」(ヤン)
「なに、心配ない。もともと半個艦隊でイゼルローンを陥せというのが無理難題なんだ」
「(失敗して)恥をかくのはシトレ本部長と私さ」(ヤン)
「(イゼルローン要塞攻略に)どうしてそう自信満々なんだ?」(ヤン)
「八年前、エル・ファシルのときも、提督は成功なさいましたもの」(フレデリカ)
「でも、あのとき提督は」
「ひとりの女の子の心に絶対的な信頼を植えつけることに成功なさいました」(フレデリカ)
「わたしはそのとき母と一緒にエル・ファシルにいたのです」
「母の実家がそこにありましたから」(フレデリカ)
「食事する暇もろくになくて」
「サンドイッチをかじりながら脱出行の指揮をとっていた若い中尉さんの姿を」
「わたしははっきり憶えています」(フレデリカ)
「でもそのサンドイッチを咽喉に詰まらせたとき」
「紙コップにコーヒーを入れて持ってきた14歳の女の子のことなど」(フレデリカ)
「中尉さんのほうはとっくに忘れおいででしょうね」
「そのコーヒーを飲んで生命が助かった後で何と言ったか、も」(フレデリカ)
「コーヒーは嫌いだから紅茶にしてくれたほうがよかった──って」(フレデリカ)
「そうか、謝る」
「しかし、君の記憶力はもっと有益な方面に生かすべきだね」(ヤン)
「先回りして言うとね、大佐、こいつはまともな作戦じゃない」
「詭計、いや小細工に属するものだ」(ヤン)
「しかし難攻不落のイゼルローン要塞を占領するには、これしかないと思う」
「これでだめなら、私の能力のおよぶところじゃない」(ヤン)
「堅牢な要塞に拠るほど、人は油断するもの」
「成功の可能性は大いにあります。ただし…」(ワルター・フォン・シェーンコップ)
「私が噂通り七人目の裏切者になったとしたら、事はすべて水泡に帰します」
「そうなったらどうしますか?」(シェーンコップ)
「貴官を信用しないかぎり、この計画そのものが成立しない」
「だから信用する。こいつは大前提なんだ」(ヤン)
「恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもの望みはしない」
「だが何十年かの平和で豊かな時代は存在できた」(ヤン)
「吾々が次の世代に何か遺産を託さなくてはならないとするなら」
「やはり平和が一番だ」(ヤン)
「要するに私の希望は、たかだかこのさき何十年かの平和なんだ」
「だがそれでも、その十分ノ一の期間の戦乱に勝ること幾万倍だと思う」(ヤン)
「私の家に14歳の男の子がいるが、その子が戦場に引き出されるのを見たくない」
「そういうことだ」(ヤン)
「失礼ながら、提督、あなたはよほどの正直ものか」
「でなければルドルフ大帝以来の詭弁家ですな」(シェーンコップ)
「とにかく期待以上の返答はいただいた。この上は私も微力をつくすとしましょう」
「永遠ならざる平和のために」(シェーンコップ)
「お待ち下さい、閣下」
「では申し上げます。これは罠だと思われます」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)
「そうです。艦隊をイゼルローンから引き離すための」
「出てはなりません。動かず状況を見るべきです」(オーベルシュタイン)
「お見知りおき願おう」
「薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊のシェーンコップ大佐だ」(シェーンコップ)
「両手が塞がっているので、メイクアップを落としての挨拶はいたしかねる」(シェーンコップ)
「こううまくいくとは、正直なところ思わなかった」
「IDカードまでちゃんと偽造して来たのに、調べもせんのだからな…」(シェーンコップ)
「どんな厳重なシステムも、運用する人間しだいという、いい教訓だ」(シェーンコップ)
「司令官閣下は、過大評価されるのが迷惑そうだぜ」(シェーンコップ)
「お待ち下さい」
「これは罠です。帰還しないほうがよろしいかと存じます」(オーベルシュタイン)
「怒気あって真の勇気なき小人め、語るにたらん」(オーベルシュタイン)
「こいつは戦闘と呼べるものではありませんな、閣下」
「一方的な虐殺です」(シェーンコップ)
「…そう、その通りだな」
「帝国軍の悪いまねを吾々がすることはない」(ヤン)
「大佐、彼らに降伏を勧告してみてくれ」
「それが嫌なら逃げるように、追撃はしない、と」(ヤン)
「武人の心だって?」
こんな奴がいるから戦争が絶えないのだ。(ヤン)
「砲手! 敵の旗艦を識別できるか。集中的にそれを狙え!」
「これが最後の砲撃だ。旗艦を失えば、残りの連中は逃げるだろう」(ヤン)
「同盟本国に連絡してくれ」
「何とか終わった、もう一度やれと言われてもできない、とね」(ヤン)
「後を頼む。私は空いた部屋で寝るから」
「とにかく疲れた」(ヤン)
「どいつもこいつも全然、わかっていやしないのさ」
「魔術だの奇術だの、人の苦労も知らないで言いたいことを言うんだからな」(ヤン)
「私は古代からの用兵術を応用したんだ」
「敵の主力とその本拠地を分断して個別に攻略する方法さ」(ヤン)
「それにちょっとスパイスを効かせただけで、魔術なんぞ使ってはいないんだが」
「うっかりおだてに乗ったりしたら」(ヤン)
「今度は素手でたったひとり、帝国首都を占領して来い」
「なんて言われかねない」(ヤン)
「賞められるのは勝っている期間だけさ。戦い続けていれば、いつかは負ける」
「そのときどう掌が返るか、他人事ならおもしろいがね」(ヤン)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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