マンガ「F(エフ)」の名言・台詞をまとめていきます。
F(エフ)
1巻
「この先4キロばかしはたいした脇道はねー。あんたら、オレの前を行くんなら、ハンパなマネすんじゃねーぞ」(赤木軍馬)
「かあーいそうな連中だぜ。この軍馬さまの前を走る事が、どーゆーことなのか、とっくりとわからせてやらなきゃなー」(軍馬)
「な……なんぴとたりとも…オレの前を行くんじゃねェ……」(軍馬)
「あれじゃダメだ……ただの遊びだ。ただまっすぐが速くても、なんの意味もね!」(大石タモツ)
「わ、わしの前に立つな、バカめッ!」
「バカめ……血とは、よく言ったものだな……おまえを見ていると出来の悪い、わしのイミテーションを見ているようで、ムカムカするわ!」(赤木総一郎)
「五年前……オレがのこのこあの家にやってきたのは、あいつに復讐してやろーと思ったからでよー」
「おふくろを捨てたあいつを、なんとかへこましてやりたかったからでよー、あんな家、なんの未練もねー」(軍馬)
「オレ…あの家出たら……レースやるぜ……」
「ああ……なんぴとたりともオレの前を走らせねー、……てな!」(軍馬)
「よーく見ておきやがれッ! 忘れたくとも忘れられねェぐらいになッ!!」
「オレという人間がここにいる!」
「赤木軍馬という人間が! いることをなッ!!」(軍馬)
「…一緒に来い……ユキ……オレと……」(軍馬)
「…ううん、いいの……軍馬さんの足手まといになりたくないもの……」
「それに…ユキにはもう……」(ユキ)
「あなたにはレースというものの認識が、まるでないわ!」
「およそどんなカー・レースでも、定められたレギュレーションの中でギリギリまでマシンをチューンするわけッ! どのマシンが優勝してもおかしくないぐらいにねッ!!」
「そんな極限まで接近した状況では、アクセル踏めば走るなどという、アホみたいな認識や子供じみたクソ自信なんて、屁のつっぱりにもならないのよッ!」(小森純子)
「タモツよ、よーく覚えとけッ! てめーの財産はこのオレだッ!!」(軍馬)
「予想以上にうまくいったな…あの手紙が嘘ばっかりだってことぐれー、オラ、百も承知だべ…」
「軍馬みてエな男とやっていくには、貸しを作っといた方がいいンだ!」
「さあ……明日から始まるべ…オラ達の熱い戦いが…」(タモツ)
「オラ…べつに……天才なんかでね…だども……だども……」
「軍馬はちがう! あいつは本物の天才だべ!」(タモツ)
2巻
「(目標?) とーぜん、F1だべや!」(軍馬)
「(一緒に)死にたかったわよッ!! そうすれば……どんなに楽だったか……」
「死ぬ前の龍二は……あたしの龍二じゃなかった……」
「あの時……あの時の龍二は……なにか…もっと別の何かを、見ていたのよ!」
「私をおいて……なにか……得体の知れない何かに向かって行ったのよ……」(純子)
「オレが見せてやるぜー、純子よー。その、得体の知れない何かってやつをよー」
「だから今日から、オレ達は仲間だ!」(軍馬)
「軍馬、よーくおぼえとくだ……サーキットという所は、人間関係の渦だ……」(タモツ)
「吠えるのはエンジンだけにしとくんだな……でないと、友達なくすぜ…若いの…」(聖一人)
「レースやりたがってる若い連中が、まずぶつかるのが金の問題だ。いくら速く走る才能があったって、金がなけりゃなんの意味もないし、才能だって開花しない」(森岡)
「レーサーとメカニックは一心同体だ。理想を言えば、メカニックはレーサーのその日の気分によってさえ、マシンをセッティングできなければならない」
「そうなる為には、同じチームでいることが必要なんだ。もちろん組むべきレーサーと同じレベルの才能とね!」(聖)
3巻
「男に引退などという言葉はありますまい」
「男は死ぬるまで、自分の枠を超えて生きてゆかねばならん!」(総一郎)
「しょうがねーだよ、軍馬……」
「おめが悪かったんだから、しょうがねえって言ってるんだ」(タモツ)
「後輪ならともかく…前輪ならよけられたはずだべ…」
「どうしてよけなかったんだ、軍馬?」(タモツ)
「は……離れてくろ……オレ、女の人を殴りたぐね……」
「それ以上汚れたこと言うと、オラあんたを殴るしかねエ……だから……離れてくろ!」(タモツ)
「見損なった……か……そいつはうれしいね……」
「レーサーとメカニックの正しい関係は……レーサーの人間性に対する根源的な軽蔑から始まる──とボクは常々思っている」
「ボクときみとの始まりに、乾杯といくか!」(聖)
「最初からトップをねらうあまり、あせってリタイヤするより、オラ達に必要なのは、ちゃんと完走して、常に6位以内に入ることだべ!!」(タモツ)
「軍馬……意地を張るでねーだよ……」
「本当に勝ちたかったら……サーキットを目をつむってても走れるぐらいコースを頭にたたき込まなきゃダメだべ……それには練習つむしかねエ……」(タモツ)
「敵に回したってゆーけどよー、それじゃおめ……おとなしくしてれば…味方にでもなってくれるってゆーのか?」
「レースやってる限り……どっちころんでも敵にゃちげーねーだろーが!」(軍馬)
4巻
「だけどタモツちゃんよ! 一番いいってことが、一番気分悪いってこともあるんだぜエッ!!」(軍馬)
「おめがあの状況で、ガマンして2位にあまんじる男でねエことは、オラが一番よく知ってるし……そんなおめの性格を知ってて、オラ、おめにオラの夢を賭けただから……」
「だども……ひとつだけ覚悟しといてほしいだ……おめの夢とオラの夢は、たぶん今のとこ一致しているだが……そこにたどりつく方法が少し違うだね……」
「もしそれがいつか大きく違ってきたら……オラ達は……終わりだべ!」(タモツ)
「あたしたぶん……一生あの人のことは忘れられないと思う」
「うまく言えないけど……たぶん…龍二が食べた禁断の果実に、あたし一生嫉妬し続けるような気がするの」(純子)
「いや……タモツちゃん、天才なんていねーぜ……」
「おそらく速く走る奴は、速く走らなきゃならねーだけの……理由(わけ)があるのさ」(森岡)
「そんなこたァ、このオレがさせねエ……」
「ユキッ!! てめえに、オラのお袋と同じような生き方はさせねエッ!!」(軍馬)
「選挙に出るのは人の為、国の為……ここで貴様のような人間を殺してしまうのも…やはり人の為」
「ワシにとってはなんら矛盾することではない!」(総一郎)
5巻
「しかしタモツよー、今回のレースはびっくりするぐらいうまくいったぜエ……前にいるマシンがよ、オレに向かってバックしてくるように感じた!」
「まるで……神様にでもなったような気分だったぜ!」(軍馬)
「F3はもうプロの世界なんだよ。スポンサーをつかまえるか、どっかのレーシングチームに入るか……いずれにしても、今のようなアマチュア精神じゃやっていけないぜ」(森岡)
「軍馬にはこれまで、絶対的に信頼できるタモツという人間がいたからね。自分がさんざん暴れられるのも、神様以上に信頼できるタモツがいたからなんだ」
「そのタモツがいない……つまり、奴は今、このロープは切れるかもしれないと不安がってる登山家と同じさ」(森岡)
「なあ軍馬……おまえにひとつききたい!」
「走っているのは、おまえだけか?」(森岡)
「来るのは誰かに勝つ為じゃない! むろん、金や名誉の為ではさらさらない!」
「オレが走るのは、オレを裏切ろうとしている空間を、もう一度自力でこの手につかみとる為だ!」(聖)
「わかるだろ、タモツよ! オレは…死ぬまで生きるぜ!」(聖)
「オラが……聖さんのチームに来たのは…事故を……おこさねエためだ!」(タモツ)
「と、とにかくオラ、どんなことがあっても、聖さんのマシンを安全に止めてみせるだ!」
「マシンをめいっぱい速く走るようにするのがメカニックの責任なら、マシンを確実に止めるのもメカニックの責任だべ!」(タモツ)
6巻
「今まではアマチュアだ、そしてこれからはプロの道だ!」
「つまり、レーシングドライバーという職業だ! 楽しくレースをやるというレベルではなくなるんだ」
「そのためには、切り捨てるものは、切り捨てていかねばならん」(森岡)
「壁を超えた者と、そうしなかった者との間には、共通の言葉すら存在しないぐらい、距離ができてしまう」
「愛し合っているつもりでも、距離は縮まらないわ」
「片方が壁の手前で立ち止まっていては、ダメね……」(純子)
「ひとつ教えといてやる。マシンは途中、時速300km/hからいっきに70km/hまで減速する」
「その際、強烈な減速Gに突き上げられると、おそらく目玉や内蔵が飛び出すんじゃないかと思うはずだ」(黒井和夫)
「オレは死への恐怖を忘れる為、己の無力感を克服する為に、アクセルを踏むんだと……そうだ、FJ時代からずっとそう思ってきた! ──だが、今は違う……!」
「今はむしろ逆だ! 自分に迫る死のおかげで、逆にオレの前から壁が取り払われていった!」
「スピードの壁、それにどこまで立ち向かうかという自分の内部の壁! そんなものはオレには、すでにない!」
「オレにはもう限界などどこにもないんだ!」(聖)
「彼等(F1ドライバー)はどんなコースでも『こう走るんだ』というイメージを持っている。そして常にそのイメージを頭の中で踊らせている」
「だから、目の前にどんなコースが現れても、非常に短い時間にどう攻めればいいのかつかんでしまう」
「なぜなら、それらは彼等が頭の中で、すでに走ったコースだからだ!」(黒井)
「身体は、頭の中で幾度となく繰り返したイメージについていく。反射神経だけで走ってる奴はまだヒヨコだ」(黒井)
7巻
「中島でも星野でも、練習中はやたらスピンしまくるじゃねーか……」
「(限界)そんなことは常識のはずだった。だがそれすら忘れてしまうほど……今まで貧乏レースをやってたんだな、オレたち……」(黒井)
「聖のマシンがおまえのマシンより遅いってことはあっても、速いってことはまずない!」
「(速かった?) それは奴が……120%で走っていたからだよ!」(黒井)
「レースはマシンの戦いではなく、人間の戦いだと思っている」
「100%までがマシンの領域とするならば……残り20%はドライバーの領域なんだ!」(黒井)
「結局、あなたを変えたのは、”死”だった──」
「人は、いつかは死ぬわ……誰もが生まれたその瞬間から、死に向かって不治の病を背負っているようなものだわ」
「ただ、それを忘れているから、いたずらに時間を空費してしまう」(ルイ子)
「なあ赤木、うまく予選を通過し、決勝グリッドに並べたら、オレのテールにくらいついて来い……」
「そうすればおまえに、おもしろいものを見せてやるよ!」(聖)
「あなたはあたしのすべてよ! 愛してるわ、一人……」
「あたしが今考えていることは、あなたに完璧なFINAL”決勝”をあげたいってこと」(ルイ子)
「たとえ息子であろうとも道はゆずれねエ!」
「獣だからな、オレ達は……」(黒井)
「メカニックは考える──100%とは最高のパワーを出し、しかも壊れない状態……」
「さらにメカニックは考える──100%とは、マシンも壊れないし、ドライバーも安全にゴールできる状態……」
「だが、一流と名のつくドライバーは、違う考え方をする……」
「すでにピークパワーに達し、マシンは壊れるかもしれんが……このまま行けば、いつかコースから飛び出し命は終わるかもしれんが…」
「そこらへんは神様にお祈りしておいて──まだいけるーと!」
「彼等はよく知っている、自ずから限界を超えぬことには選ばれし者にはなれないってことを」(黒井)
「…世界は…オレの手の中にある…」(聖)
「輝いている、輝いている、輝いている」
「オレは…オレはいままでこんな美しい世界に住んでいたのか…!」(聖)
「ありがとうよタモツ、おまえのこのマシンは、最高のプレゼントだった」
「世界へ行け、タモツ! オレのかわりに、あの赤木という男と!」(聖)
「聖さ…ん…」
「オ…オラ…やっぱりアンタをとめられね…」
「止められねだ……」(タモツ)
8巻
「世界…へ……た…のむ…ぜ……」(聖)
「オラあのとき、完全に気が動転していて…」
「あの人の気持ちも考えずに(行動を)…」
「もしかしたらあの人にとって助かることは、死ぬよりつらいことかもしれねえというのに……」(タモツ)
「……二流だな」
「考え方が二流といったのだ……このぶんだと仮りに復興がなされても、日本はいつかまた戦争を始めるだろうよ…」(総一郎)
「そうか…オレは生きているのか……そうか…」
「静江…静江といったな…おまえはまるで…地獄に咲いた花のようだ……」(総一郎)
「心配するな、オレは死なん……おまえのおかげで生きる力がわいてきた」(総一郎)
「街も暮らしも変わったが、人の心というものは簡単に変わるものではない」
「特に…憎悪というやつはな…」(総一郎)
「組み伏す相手がおしいほど、人間というのは努力をしなくなる。そしてダメになっていくものだ」(総一郎)
「赤木一族への気遣いは無用だ。血は水より濃いというが、赤くて生ぐさい血は必要な色や臭いを見失い、嗅ぎとらぬ」(総一郎)
「バカだから……ずうっとひとりの男の人を愛し続けてきたのです」
「17年間…二度と会えないとわかっていながら…だけど忘れることができずに……」
「バカだから…」(静江)
「…生きることはドロをかぶることだ。17年間、オレはドロまみれになり……そして偶然にもおまえと再会した……」
「17年前のあの花のままのおまえにだ……美しい、なんという美しさだ……」
「おまえと再会して、オレはあらためて自分の薄汚なさを知ったよ……」(総一郎)
9巻
「死にたくなるもんなんだよ…ふと…な」
「聖が死んだからじゃねエ。問題は聖を超えたからなんだ…」(黒井)
「人間は生きていく中で、超えなきゃならん壁がいくつもある」
「そしてその壁をひとつずつ超えるたびに命は明滅し、こまかくこまかく生と死を繰り返しているんじゃな」
「なんて危ういんじゃ、人の命というものは」(小森さゆり)
「ついて行くわ、軍馬くん……わたし決めた、あたなのレースに全部ついて行くわ」
「マカオだろうと世界だろうと…全部……」
「龍二の為にも、わたし自身の為にも……」(純子)
「(冷静?) …ちがうだよ……あんな軍馬は……オラの知ってる軍馬でねェだ…」
「こったらことじゃ、F3は連勝できても、世界はどんどん遠くなるだ……」(タモツ)
「燃えねーンだよ……てめエじゃあな…」(軍馬)
「さあて……消えンなよ、風景……消えるんじゃんーぞ!」(軍馬)
「ああ(マカオに)出る。決定した」
「情熱と太陽と命の国にあこがれて死んでいった男がいる。そいつの為にもな」(軍馬)
「レースは水もの、勝ち負けには運、不運があるだ。今の軍馬には目先の勝ち負けより、もっと大切なことがあるだで」
「ひとつの壁を超えて大きくなった自分──壁をこえた後の虚脱感から抜け出して、今、乗れてる自分──この感触を身体に染み込ませることだべ」
「軍馬は速くなっただ、そしてひと回り大きくなった。ちょっとだけ本物に近づいただよ」
「マカオF3で、世界のレベルにどれだけせまれるか楽しみだべ!」(タモツ)
10巻
「よっく見ろい、聖…おめーが来たがっていたマカオだ…!」
「おめーと一緒にチェッカーを受けてやるぜ……!」(軍馬)
「マカオでレースさするというのは、ケンカするのと同じだべ!」
「ただし命を賭けたケンカだ…」(タモツ)
「考えてみりゃあよ……誰でも主人公だンべ!」(軍馬)
「おばちゃん…あたし……わかんない……」
「あの人が……わかんない」(純子)
「ピ…ピット…イン…もどれ…もう走るな……終わろう…」
「もう走らなくていいのか……走っちゃいけないのか……走るなというのか!」
「走るなだと…!? オラに……走るなだと……!!」(軍馬)
「恐怖を克服できるのは怒りだけだ!」(黒井)
11巻
「そうよ……そうやって、あたしを痛めつけてもてあそべばいいわ……おまえに苦痛を強いられ、あたしが地獄へ堕ちれば堕ちるほど……」
「軍馬さん……あなたに対する、あたしの愛が……透明な、汚れのないものになっていくんだ」(ユキ)
「あんたは、いろいろあって自分でオレを選んだつもりやろうが……実はオレの強運に引っぱられたんや!」
「あんた、オレに吸い寄せられたんや!」(山口音也)
「だって無茶するじゃない!? 軍馬くんって!」
「マカオのレースだって体中包帯だらけのくせに……しかもあんなラフなレースをするんだものッ……」
「…あ…あれじゃあ……危なくって見てられないでしょう!?」
「そういうものよ…女って……」(純子)
「オレのケツにつこうなんざ、10年早えぜ! 仲良く芝生でおねんねしてなッ!」(軍馬)
「もう私なんかが力を貸さなくても、軍馬さんならりっぱにやっていける……」
「わたしの役目は終わったんだわ……これから先なにを楽しみに生きてゆけばいいんだろう……」(ユキ)
12巻
「ユキ……オラが殺した……オラが──」
「オラにはもう──レースをやる資格が──ねえッ──」(軍馬)
「……純子……オラ……おめーのこと愛してる……おめーがどう思おうと、オラ、龍二からおめーを奪うつもりだった……」
「その気持ちは今も……かわらねェ……」
「だ…だけどユキが死んだ今……オレ達は……終わりだ……」(軍馬)
「(人って)哀しいよな……永遠じゃないから……」(森岡)
「似てるよ、そっくり……」
「目がさ……」
「そう、アンタはジョージと同じ目をしてる。人生をあきらめちゃった目さ……」(原久子、愛称:サコ)
「東京に出てオレはユキのことを忘れていった……一年二年……三年と……」
「だけどその間も、ユキはオレのことをずっと想ってくれてたんだ……」
「……だからよー、今度はオレが想う番だ……ユキのことを考える……」
「ユキだけのことを、しばらくの間考えたいんだ……」(軍馬)
「ねえグンマ、あんたここにいなよ。3人でずっと暮そう。あたしもピーボーも、そしてあんたも、3人で体を温めあって、ゆっくりゆっくり暮していこうよ」
「そしたらさ、そしたらきっとまた……勇気ってやつが、湧いてくるよ」(サコ)
「わかったよ、逃してやるよ」
「天国まで逃げちゃえばいいんだッ!!」(サコ)
「ワシはきみに将馬くんを紹介する時、きみに彼の母になってやれと言ったはずじゃ」
「鬼を退治に行く子には、優しい母の後押しが必要じゃてな!」(田川辰次郎)
13巻
「……笠井……覚えているか、42年前おまえとこの東京で再会したことを」
「あの時東京は見るも無残な瓦礫の荒野だった」
「そしてあっという間に42年が過ぎ、東京は見違えるばかりに変化し、繁栄した」
「だが……ワシが立っている所は……今だに荒野だ!」(総一郎)
「笠井……おまえはなぜワシが政界に出ようとしているのかわかるか?」
「今度こそ今度こそ本気で、この国を良くしたいのだ! この国を花の咲く場所にするために働きたいのだ!!」(総一郎)
「だ、大丈夫……純子さんは、ちゃんと歴史を作れる人だよ」(森岡)
「オラも軍馬ももっともっと大きくなんなきゃなんね」
「そしてお互いが人間としてそのボルテージを高めていけば、どんなに遠くに離れていても、いつかオラがあいつを、あいつがオラを必要と思う時がくるだよ!」(タモツ)
「あたしあなたを空港に迎えに行った時……あなたをひと目見てピンときたわ」
「あなたは北海道(ここ)に──泣きに来たんだって──」(ルイ子)
「あたり前のことなんだが……死ぬってことが……」
「あんなに惨めで……孤独で……残酷なもんだったってよ……改めて……思い知ったぜ」(軍馬)
14巻
「なるほどな……戦わなきゃならねェ相手が、ボンヤリと見えてきたぜ」
「たぶんオレ自身だろうよ……」(軍馬)
「おそらくYOUは、これまであるフィーリング(のり)で走っていたはずだ。気分は高揚し、全身の血はたぎり、いわゆる燃えるってやつさ」
「だがそれだと、そこそこにしか速くなれんよ。あるいは死ぬか……ね」
「もっと速くなるには、恐怖を知らねばならん!! それに、おじけづくもうひとりの自分もな……」(グレッグ・オールマン)
「本当に速い奴は皆そうだ。燃えながら冷静で、恐怖を感じながらそれを押え込める。そして0コンマ何秒を無限の時間に感じとれる」
「そういうイマジネーションを持ち続けられる男だけが速い!」(オールマン)
「これがF3000だ、これがよッ!」
「パワーが増せば増すほど、どんどん乗りやすくなるぜッ!」(軍馬)
「もう軍馬くんはあんたなんか愛してくれてないのよ! そうよ!」
「年上で、昔の恋人の幻にいつまでもしがみついてて、そしてさんざん軍馬くんにつらくあたったくせに……」
「今になってイギリスなんかに来て、それで軍馬くんが喜んでくれると思ってたなんて、バカでうぬぼれ屋で自分勝手で──最低だわ!」
「最低だわ……」(純子)
「考えてみれば──もといた場所から距離をおけばおく程、そこにいた自分がよく見える」
「東京にいた自分の欲望を、北海道のあの牧場で知り、日本にいた自分の身勝手さを、ロンドンの人込みの中で痛いほどわかった」
「なんて顔をしているの、純子……あなたはまるで……いきなり数十年も歳をとった。老女のようだ……」(純子)
「不幸にも死んでしまった者を、オレは無力だとはいわんよ。死は誰にでも訪れる」
「だがな、天才とは”死”に最も近い距離にいながら、ヒョイと肩すかしをかけられる連中をいうのさ」
「少なくともその人間が自身の壁を超えようとしている間は、”死”は彼等とは無縁だ」(オールマン)
「才能がねーだとッ!? 怖ええだとッ!?」
「じゃあ聞くが、毎晩毎晩おめーの歌聴いて泣いたり喜んだりしている、あの酒場の連中はなんだってんだ!?」
「あいつらの歓声や涙は、てめーにゃ取るに足らねえカスみてーなもんだと言うのかッ!?」(軍馬)
「ジョージ……あんたと契約するよ。世界中の酔っ払いのために」(サコ)
「淋しぐね!」
「ホントだよ……あー軍馬だ、あの軍馬だ、何人たりともって、あの元気な軍馬が帰ってきたんだって……オラすごくうれしいだ」
「淋しいっていえば、オラ、軍馬がレースやめるって言った時の方が淋しかったべ……」(タモツ)
「(先にF1?) それはしようがねーよ。もしそうなら軍馬にとって、オラはそれぐらいの人間だったってことだべ」
「もし軍馬にオラが必要なら、軍馬の奴どんなことをしてもオラを迎えにくるだし……オラもどんなことしても行くつもりだ」(タモツ)
「あわてることはない。もぐらが穴を掘っておるだけだ」
「わからぬか、笠井!? 辰叔父は、膿の道を作っておるのだ!」
「赤木グループなどとは名ばかりで、能のない連中が血縁をたよりに集まっただけの、いわば小魚の集団よ」(総一郎)
「重すぎる荷なら、(将馬も)つぶれるまでよ! それに荷とは昔から軽かったためしがない」(総一郎)
「将馬もいよいよ所帯を持つ、藤野の娘とな……いずれ奴も荒野に生きねばならぬ身だ……」(総一郎)
「女神だって女だろ!」
「ホラ、女心となんとかって言うじゃないか……いつまでもそんな退屈なタイプが好みだとは思えないがね」(赤木雄馬)
「怖くねえよ、吹っ切ったからな」
「強かねえ……ただ前よりレーサーになっただけだ……」(軍馬)
「恐怖というのはよ、次におこる事態を予測するから怖いんだ」
「つまり今が怖いんじゃない。将来を怖がっているだけなんだ」(軍馬)
「瞬間を全力で生きることが恐怖を忘れさせてくれる」
「まるで転がる石のようなもんだ」(軍馬)
15話
「怒ってもどうにもならない場合は──人は怒るのをやめて哀しむだけなの」
「そんなどうにもならないことが世の中にはいっぱいあって、いつの間にか人は大人になっちゃうんだ」(純子)
「一人前の男というのはな、こういう時には泣くもんじゃない」
「どんなにきつくたって、集まってくれたみんなの為に泣いちゃいけねー」(軍馬)
「全ての命が調和して生きることを、国や企業の根幹におかぬ限り、発展は弱い者を踏みにじり、繁栄は毒をたれ流す!!」(総一郎)
「やっとわかったか、笠井!」
「ワシがいつも言っている、”花の咲く場所”という言葉の本当の意味が!!」(総一郎)
「力というのはね、辰叔父……」
「ワシは、常々思うとるわけですが……使うべき目的があってこそ、意味をなすわけでね……目的を持たぬ権力者ほど、醜怪なものはない……」(総一郎)
「夢を持てぬ奴は、所詮、弱者だ。いずれ墓穴を掘るだろう!」(総一郎)
16巻
「ステージでおめェの顔を見た時、こりゃもう、どんなことしても連れて帰らなきゃならねーと思ったぜ」
「で、オレ達はゆうべ決めたんだ! おめェが怒って暴れようが泣こうが、二度とおめェを離さねェってな! 悪いけどな……」(軍馬)
「わたしは思うんだ。家族は、お互いを犠牲にしては成り立たないんだって……」
「軍馬には夢があるわ……わたしにも夢がある。そしてふたりとも、夢を捨て切れるほどまだ年をとってはいないのよ」
「そんなふたりが一緒にいても、キズつけ合うことばかりが多くて、惨めになるだけだわ」(サコ)
「…ひとつ注告してやっかな……」
「オレに勝ちたきゃ、音也じゃだめだ!」(軍馬)
「まあ見てろって……オレには、勝利の女神なんていらねェッ!」
「女神はサコと純子で充分だ!」(軍馬)
「ダメだ、ダメだべ、あせらなきゃだめだッ。あせらなきゃレースじゃねェだッ!!」
「グンマ、本当におめーが成長したんなら、あせりとこだわりとコンマ何秒の時間の流れの中で、それでも自分と向かい合えるかどうかだべ!!」(タモツ)
「……ああ、(レース)見ただよ……すごかっただよ……」
「…なんか……落ちついてたというだか、うまく言えね──けンど……時間を無限に切りきざめるようになったというだか、そんなふうに見えたけんど……」(タモツ)
「…夢なんだよ、F1はな……」
「軍馬や、おめえだけじゃなく、オレや安にとっても……」(黒井)
「”夢”ってさァ……ひとりじゃダメなのよね……追い求めるには」
「孤独で──勝ち目の薄い戦いだから──独りじゃ耐えがたいのよ……だから、ね」
「どうしても仲間が必要なんだ、赤い糸で結ばれた仲間が──」(純子)
17巻
「この部屋はよー、目印なんだ……」(軍馬)
「そうこうしてるうちに、時間がたつわ、時間がよ。いろんなもんぶち込んで、濁流のように時が流れるわけよ」
「──で、ふと気がつくわけだ。自分がいつの間にか迷子になってるってよ……」(軍馬)
「心配すんなよ、タモツ! オラ、昔みてーにガキじゃねェ!」
「ステアリングするのはマシンだけだ!」(軍馬)
「(一緒に?) ……いや、やめとくよ……まだチェッカーを受けてない」(軍馬)
「どんな事情が起ころうとも、それはそいつが背負った宿命なんだ。周りが口出しすべきじゃない」
「それをだ、事実を隠してレースをやらせよう、なんてのは……思い上がりもいいとこだぜ、BOY!!」(オールマン)
「苦しいことや哀しいこと、喜びやあせり、そして絶望──そんな、生きているうちに遭遇したすべては、決して、ただ単に偶然の出会いだったんじゃない──」
「それらすべては偶然なんかじゃなく、すべてが、自分の命が呼び寄せたものだったんだ」(軍馬)
「オレは思ったね…へっ……オレは、最初からオレだったわけじゃねエってな……」
「生きて動くも、そして死ぬのも、すべてかかわり合いの中で、はじめてオレはオレだったってわけだ」(軍馬)
「企業も生き物であるのですよ! しかるに模索し変化する!」
「適応ではなく生き様としてね!!」(総一郎)
18巻
「夢を持つことはよ……なかなかいいもんだが、同時にすげエ残酷なことでもあるわけでよ……だけどやっぱり夢を持たなきゃ生きていけね──わけだ……なぜかなァ?」
「いつからだ? ええ? いつから人間はこんなに、夢食い虫になっちまったんだ……」(軍馬)
「化石なんぞに頼らんでも、ワシが人間という生き物であり進化し続ける以上、ワシ自身が進化の答えというわけですからな!!」
「あえて言おう! わが赤木グループは道教に記されているように”世界は相互に関連する大いなるプロセス”として、ひとつの意識的突然変異という生き様をさらそうとしておるのだ!!」(総一郎)
「ヘッ……時間たァ流れていくもんだぜ」
「そいつを止めるのは……走ってる時以外にはねェ……」(軍馬)
「おそらく、人と人とがより深く繋がり合う為には、ある状況が必要なんだ。そしてそれは個人の力じゃどうすることもできない……」
「音也……たぶんこれはきみとボクの今後のテーマだ!」(雄馬)
19巻
「…ワシは負けん、ワシは負けんぞ!」
「ワシの前に今だ荒野がせせら笑いを浮かべ拡がる限り、たとえ独りになってもワシは負けん!!」(総一郎)
「肉体は人間でも、精神は神のそれに近いかもしれない。なぜならボクは、常に大海の共鳴を感じ、全体の合一を求めているからね!」
「つまり、全てはひとつだってことさ。全体はひとつであり、ひとつは全体である……」(ジーザス・クライスト)
「ええだよ。おら、どこまでも軍馬と一緒だ……」(タモツ)
「わからないかなァ……狂気を養ってるんですよ……」
「内部に発生するクレイジーな圧力がたまりにたまって、最後には大爆発──その危険な曲線上にしか、ヒーローは存在しないんだ……」(山口)
「ボクはレースでは死なないよ」
「レースは職業だからね……人生じゃない!」(クライスト)
「(レースは)オレが…オレであり続ける為の、生きる全てだよ!」(軍馬)
20巻
「そのとおり。ボクには未来が見えるんだ……」(クライスト)
「具体的に、何が起こるかまではわからない!」
「ただ、何か重大なことが起こるというのはわかるんだ。だから、ボクは絶対に事故らない!」(クライスト)
「……ですが、しらふで生きていける者がおりましょうか……」(笠井)
「……未来は……おおむね決定している……」(クライスト)
「(次からは)すべてトップをとる! でねェと、ガマンできねェ!」
「決まってンだろ! 自分に対してだ!」(軍馬)
「裏切られて、捨てられたと思い込み、いびつにゆがんだピーボーを見た時、わたし……わたしあの子の……母になろうと決めたわ……」(純子)
「愛とか憎しみとか、あるいは勝利や敗北……そういったものは、もしかしたらあの虹のように実態のないものかもしれん……」
「だが哀しいかな人間というやつは、実態がないと知りつつ、やはりそこに7つの色を見、あこがれ、遠い昔から虹を渡ることを夢見つづけてきたわけだ……」
「滑稽なもんだな……なあ、おい……」(黒井)
21巻
「このピカピカ光るパチンコ玉を見ておると、忘れていたものを思い出す……」
「人間は誰でも生まれ落ちた時、神様からいくつかの光る玉をもらっておる。光るきれいな大切な玉だ……」
「ところが成長するにつれてその玉を、一個ずつ一個ずつ失っていくんだな」
「人によれば、ひとつも失わんで死ぬまで持っている者もおれば、20歳そこそこで全部なくしてしまう奴もおる」
「あるいはまた…なくしてしまったが、また得る者もおる。難しいもんだな」(総一郎)
「奴を産んで静江の奴、ワシの前から姿を消した……」
「その理由があの時、はじめてわかった…奴は……ワシにうりふたつじゃったのよ……」
「──つまり、静江はワシを見限って……ワシとうりふたつの軍馬との生活を選んだわけじゃ」
「正直に白状すれば……ワシは男として、軍馬に嫉妬を感じた」
「言うてみれば、ワシのイミテーションに愛する女を寝取られたようなもんじゃからな……!」(総一郎)
「知らねーぜ、どうなっても。オラ、鉄砲玉だからな」
「ほんじゃあま、案内してやるか……天国までなッ!!」(軍馬)
「……かわっとらんな、昔のまんまだ」
「安っぽくて、いいかげんで、嘘つきで、そして、なによりまして淋しがり屋だ…!」
「人に認めてもらいたくてもらいたくて、しょうがないくせに、すなおにそれを表現できず、そのために、いつまでも偽物のまんまで、一流の生き方のできぬ奴……!」
「サーカスは終わりだ、軍馬」(総一郎)
「確かに、こいつ(サーキット)はイヤな日常を忘れさせてくれるわい」
「汗を流してへこたれていた毎日が、つまらぬ風景と化し、まるで自分は映画の速回しのようになったそれらと無関係になれるってわけだ」(総一郎)
「おまえとは、もしかしてこれっきりになるかもしれんが、走れッ!!」
「サーキットというのは、同じ所をグルグル回るものだと思っていたが、お前のクルマに乗って──常に、ひとつの方向を向いていたのだと、初めて知った!」
「収穫だったぞ!」(総一郎)
「オレが心底、女運がねーのか、バカな作者がワンパターンなのか、知らねーがよ……なぜか、みんなオレから離れてくんだ……もうなれっこだぜ……」
「……ただな……今度ばかりは、ひとつだけ信じようと思うよ」
「グルグルグルグル……同じところを回っているみてエだがよ、みんな、ひとつの方向しか向いていないんだってことをな!」(軍馬)
「ただ……」
「たまには軍馬を……怒らせてみたくなったで……」(タモツ)
「結局のところ……完璧じゃないってわけだ……機械(マシン)という奴はな……」
「そしてまた、それを操る人間も完璧じゃない……」(黒井)
「だども軍馬……オラの設計するマシンは、おまえが乗ることしか考えてねえだ。おまえだけのマシンなんだ。他のドライバーじゃだめなんだ」
「だどもオラ……今のおめエじゃ、なんのイメージも湧かねエんだよッ!!」(タモツ)
「わかっているさ……わからないのは、最後の一滴まで血を吸いつくす吸血鬼のような楽しみ方をしたがる連中が──そうわかりたくないだけで、結果はもう見えている!」(クライスト)
「……オ……オレは……まちがってる……!?」(軍馬)
「……人間、苦労を重ねると小さくまとまりたがるもんだ……人間が小さくなるからマシンがデカく見えて、マシンの力を過信する!」
「マシンを過信した結果は悲惨だ。本来心を持たぬ機械は暴走しだし、人間はオロオロうろたえるだけだ!」
「今の機械文明背負っているリスクが、何よりもこのことを証明している!!」(黒井)
「機械は常に暴走する危険をはらんでいる……速く走るのと、暴走とはちがう」
「速く走るマシンなんてどこにも存在しない。速く走らせる人間が存在するだけだ!」(黒井)
「……彼を、愛してるかどうかはわかんないわ……」
「……軍馬は、わたしが生きる為の道しるべみたいな人なの……だから、守りたいのよ。そしてピーボー、あなたも……」(純子)
「オラ、何年かガムシャラにレースやってきた……それで最近、ひとつだけわかったことがある」
「……世の中には、すげエ奴がいるってことがな!」
「ガキにゃ、それがわからねーんだ……男になってはじめてわかる、そういうもんだ」(軍馬)
「タモ、速いマシンを作れ、速いだけでいい!」
「それをバランスさせ、コントロールするのはドライバーであるこのオラだ。走るのはマシンでも、走らせるのは人間ってわけだ!!」(軍馬)
22巻
「ダンスは終わりだ……音也くん……」(軍馬)
「レースを始める者……レースから去るかもしれぬ者……さまざまだべな……」(タモツ)
「バカ言ってんじゃねーよ、○○はもどってくるぜぇ。必ずな……」
「なにしろサーキットてえのは、一度入っちまうと出口がねーんだ……」(軍馬)
「走っても走っても、オレの前を走る黒い影がいやがる限り、オレはそいつを追い抜くために走るわけだ!」
「なんぴとたりともオレの前を走らせねェってな!!」(軍馬)
「のんきな事を言わんでくれよ」
「目の前にコーナーが近づいてきているのに、2つ3つ先のコーナーを考えてて危なくないわけないだろう?」
「大切なのは目の前のコーナーだ」(クライスト)
「……未来は……おおむね決定している……」
「だが変更の余地がないわけではない。心して行動すれば不幸を事前に回避することも可能だ……」(クライスト)
「……人は……なぜ生きる!? ジーザス……」
「命は……なぜ燃える……!?」(軍馬)
23巻
「人生の不幸、深い哀しみというやつはどうしようもない。つきあわなくてすむなら一生避けていたい意地の悪い連中のごときものだ」
「だが彼等にも弱点はある……それは決してどどまることなく、いつかは過ぎて消え去るということだ」(オールマン)
「お願い……走らせてください……お願い……軍馬くんを……」
「彼にとっては──走ることでしかたぶん解決できないのだと思うんです」(純子)
「(信じる)わたし達との、絆を──」(純子)
「生きる……ことは……命が生きているってことは……ほとんど奇跡に近いことなんだな!」(オールマン)
「敗北者か……たしかにワシは企業人として負けたかもしれん……政治家としても……」
「じゃがな、きみ……負け惜しみに聞こえるかもしれんが……人間としてはまだ負けておらん!」(総一郎)
「一番肝心なことは、オレ達がきちっと理解しているかってことだ!」
「戦う意味について──」(オールマン)
「……たぶんあなたを助けられない……」
「今、わたしがしてあげられることは、あなたの全部を引き受けることだけ」(純子)
「(どうしたらいいか?) そんなことがわからんとは! ただ生きればいいのじゃッ!」
「ただ黙々と生きる! それだけじゃ!」(さゆり)
「あの人の中に満たされぬ想いがあります」
「たぶんこれまでは、その想いをふり払うかのようにして、スピードに身をまかせてきたのだと思うの……あるいはそこから少しでも遠く速く逃げるように……」
「時が移り状況が変わり、あの人はもう逃げる必要がなくなった。それは彼の内面的な成長でもあると思います」(純子)
「戦いというのは何かを得る為にやるのじゃなく、ひたすら追い求めることそのものだと思ってるからな……」
「”生き方”ってやつをさ!」(黒井)
「不幸だな……」
「レーシングドライバーというのは不幸だと言ったんだ……」
「目に見えるのは遥か遠くの前方の風景か、バックミラーに映る後方の風景で、実際、今いる所は速すぎて何もみえねェ……」
「なにも……みえねェ……」(軍馬)
「あなたが見ている前を走る黒い影は、あなた自身だと思う──」(純子)
「人は死ねば光になる。だが、光は常に我々と共に在る」
「ワシの仕事は、虹をかけることだ……!」(オールマン)
24巻
「…もっと…もっとだ……もっとパワーを……腹ワタが引きちぎれるようなパワーと……スピードを……」
「でねェと奴を……抜くことができねェ……」(軍馬)
「…オラを…怒らすでねーだよ、軍馬……おめェを殺すも生かすもオラしだいだべ……」(タモツ)
「奴だ……オラの前を走りやがるあの黒い影! オラ、どうしても奴を抜く!」
「その為なら命なんかいらねェってこった!」(軍馬)
「……マクラーレンには行くな、軍馬…! おめェを誰にも殺させはしねェ!」
「おめェを殺すのは……オラだ!」(タモツ)
「奴は兄さんを抜けないよ……音也は抜くことの意味に気づいてない……」
「憎しみじゃ人は抜けないんだ……」
「抜きたい相手に対する憎しみだけじゃ、結局、相手の実像が見えないからね。幻を抜こうとしているのと同じさ」(雄馬)
25巻
「軍馬……オラの財産はおめーだ。どこのチームにもおめーを渡しやしねェだ!」(タモツ)
「(ライバル?) ……前を、走る…奴…かな……」(軍馬)
「……まったく男は……夢の奴隷だ……」(黒井)
「F1──おまえだけが──奴を──追い越させてくれる。あの黒い影を……!」(軍馬)
「この(お腹の)子をそんなものにはしたくない──女にも夢があるの」
「夢は、男の独占物じゃないわ」(純子)
「タモツ、バケモノを作れェ!! オラも、バケモノになってやる!!」(軍馬)
「レースをやって得たものは多い。だた、失くしたものもまた多い!」
「レースをやめる時は死ぬ時だ…! 逝ってしまった者の為にもなッ!」(軍馬)
26巻
「いつだって人間は機械という道具に対して体を張ってきただ……完全な機械というものはない──」
「言い方を変えれば、機械の不足分を人間が補うことで、道具と人間が深く関与し合ってきた。どんなに文明が進んでも、人間が要らなくなることはない」
「機械は不足し、壊れ、迷走するだ。本質的にそういうものだと思うだ!」
「そしてコントロールするのはいつも人間だべ!」(タモツ)
「…ただオラは……軍馬が投げてきたボールを、投げ返したまでだ……!」(タモツ)
「オレはマシンに乗せてもらってるお客じゃねーんだぜェ!」
「ドライバーなんだ!」(軍馬)
「きみらはとても愚かな計画を企てているだろう!?」
「人間が神に近づこうとしても命を落とすだけだ。やめたほうがいい……」(クライスト)
「未来なんぞ決まっちゃいねェ……○○も、○○も逝っちまったが、だけどやっぱり未来は決まっちゃいねェ……」
「オレ達にできることはただ生きることだけだ。黙々とただ生きる……これだけだ……」(軍馬)
「あの人達は負け犬ではありません。いえ、勝ち負けは問題ではないわ」
「大切なのは──トライすること──」(豊田有里)
「息子よ……戦って負けるのは弱虫でも卑怯者でもない」
「この地では戦わずに逃げる者こそ、最も軽蔑される卑怯者なのだ……」(総一郎)
「もし……未来が……神が決定した曲げられないものなら、人間はそれに抗うことはできない……」
「だけどオラ……そんな無力な人間にも、たったひとつ神様にもとりあげることのできねェ権利があると思うだ……!」
「死ぬまで生きる権利……!」(タモツ)
「ジーザス……オ、オラも……予言するだ…!」
「軍馬は決してオラが死なせないッ!!」(タモツ)
27巻
「あのね、おばちゃん……わたし、龍二が逝ってしまった理由(わけ)がわかるような気がするわ……」
「……たぶん、何者かになりたかった……そしてアクセルを踏み壁を超えた……」
「女は子供を産めるけど……男はそれができないかわりに、本能的に──壁を超えなければならない宿命を負っている──きっとそう思い込んでしまったのだわ」
「たとえその向こうが”まっ白い場所”であっても……」(純子)
「軍馬は夢から覚めるのかしら…?」
「もし覚めるとしたら…いつ? どんな形で…?」(純子)
「これが世界かッ!」
「くそォ! 楽しくなっちまうぜッ!」(軍馬)
「聖、すまねェ! 龍二、悪ィな! ユキ、ピーボー、どっかでオレを見てるか!?」
「サコ、デイビー、それからローラン…おめェらには悪ィが、F1がこんなに楽しいもんだったとは思わなかったぜ!」(軍馬)
「スポーツなんて所詮遊びだ。おもしろいからやるのよ。そいつを忘れちゃいけねェ……」
「残り40ラップ、道はまだまだ長い……楽しまなきゃ、ねをあげるぜ……」(オールマン)
28巻
「軍馬のタイムはただごとじゃない……あのマシンで、そしてF1一年目の新参者が、あんなタイムを出すってことは」
「──つまり、何かをあきらめたってことだ……」(黒井)
「誰でも結局──競争相手の中に自分の影を見て、その影に勝とうと頑張ってるだけだべ……」
「だどもその影に勝った後、その後はどうなるんだべ!?」(タモツ)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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