「銀河英雄伝説(銀英伝)」の名言・台詞まとめ

原作小説「銀河英雄伝説(銀英伝、アニメ1期前編相当)」の名言・台詞をまとめていきます。

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銀河英雄伝説1巻

序章 銀河系史概略

「…私は前面の有能な敵、光背の無能な味方、この両者と同時に闘わなくてはならなかった」
「しかも私自身ですら全面的には当てにならなかった」(ウッド提督)

 

社会生活や文化は頽廃の一途をたどった。
人々はよるべき価値観を見失い、麻薬と酒と性的乱交と神秘主義にふけった。(歴史)

 

犯罪が激増し、それに反比例して検挙率は低下した。
生命を軽視し、モラルも嘲笑する傾向は深まるいっぽうだった。(歴史)

 

人類社会の病状は抜本的な治療を必要とする段階に達しているとの、
彼らの認識に誤りはなかった。(歴史)

 

しかし彼らの大部分は、その病を治癒する手段として、
忍耐と根気を必要とする長期療法ではなく、

 

副作用をともなう即効薬を嚥むことを選んだのである。
それは「独裁」という名の劇薬であった。

 

かくしてルドルフ・フォン・ゴールデンバウムの登場する土壌がはぐくまれた。(歴史)

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「民主政治においては失政は不適格な為政者を選んだ民衆自身の責任だが」
「専制政治においてはそうではない」(D・シンクレア、歴史学者)

 

「民衆は自己反省より」
「気楽かつ無責任に為政者の悪口を言える境遇を好むものだ」(シンクレア)

 

「宇宙の摂理は弱肉強食であり、適者生存、優勝劣敗である」(ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム)

 

「何でこんな苦労をしなければいけないのか」(ユースフ・トパロウル)

 

「できることと、できないことがある」(ヤン・ウェンリー)

 

第一章 永遠の夜のなかで

「老将(おいぼれ)どもが青くなっているだろう…」
「いや、赤くかな」(ラインハルト・フォン・ローエングラム)

 

「卿の能弁は認める。しかしその主張を認めるわけにはいかぬ」
「撤退など思いもよらぬことだ」(ラインハルト)

 

「吾々が敵より圧倒的に有利な態勢にあるからだ」(ラインハルト)

 

「わが軍は敵に対し、兵力の集中と機動性の両点において優位に立っている」
「これを勝利の条件と言わずして何と呼ぶか!」(ラインハルト)

 

「吾々は包囲の危機にあるのではない」
「敵を各個撃破する好機にあるのだ」(ラインハルト)

 

こいつは無能なだけでなく低能だ。(ラインハルト)

 

「翌日には卿はその目で実績を確認することになるだろう」(ラインハルト)

 

「ジークフリードなんて、俗な名だ」
「でもキルヒアイスって姓はいいな」(ラインハルト)

 

「とても詩的だ」
「だから僕は君のこと、姓で呼ぶことにする」(ラインハルト)

 

「ジーク、弟と仲良くしてやってね」(アンネローゼ・フォン・グリューネワルト)

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「ルドルフに可能だったことが、おれには不可能だと思うか?」(ラインハルト)

 

「ですが、まだ包囲網が完成されたわけではありません」(ヤン)

 

「民衆はどうして(ルドルフに)だまされたんだろう?」(ヤン)
「民衆が楽をしたがったからさ」(ヤン・タイロン)

 

「ひとつ狂うとすべてが狂うものだな」(ヤン)

 

「心配いりません。司令官が帝国軍の注意を引きつけてくれます」
「レーダー透過装置などつけず、太陽風に乗って悠々と脱出できますよ」(ヤン)

 

「要するに3,4000年前から戦いの本質というものは変化していない」
戦場に着くまでは補給が、着いてからは指揮官の質が、勝敗を左右する」(ヤン)

 

硬直した固定観念ほど危険なものはない。(ヤン)

 

第二章 アスターテ会戦

「無能者め、反応が遅い!」(ラインハルト)

 

「おそらく無益でしょう」
「いまから行っても、どうせ間に合いません」(ヤン)

 

「では結局、(このまま個別に助けに行けば)三艦隊いずれもが」
「敵の各個撃破戦法の好餌になってしまいます」(ヤン)

 

「(勝利によって)少しは態度も変わったな、彼も」(ラインハルト)
「ええ、変わらざるをえないでしょう」(ジークフリード・キルヒアイス)

 

「心配するな。私の命令に従えば助かる」
「生還したい者は落着いて私の指示に従ってほしい」(ヤン)

 

「わが部隊は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ」(ヤン)

 

「心配ない、(作戦の連絡は)複数の通信回路を使って」
「各艦に戦術コンピューターのC4回路を開くよう、それだけを告げればよい」(ヤン)

 

「それだけなら、傍受したところで敵には判断できないだろう」
「無用になっていればよかったのだがね」(ヤン)

 

「頭をかいてごまかすさ」(ヤン)

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「どうやら勝ったな」(ラインハルト)
「どうやら、うまく行きそうだな」(ヤン)

 

「冗談ではない」
「おれに低能になれと言うのか、敵の第四艦隊司令官以上の?」(ラインハルト)

 

「では前進するしかありませんね」(キルヒアイス)

 

「これ以上戦っても、双方とも損害が増すばかりです」
「戦略的に何の意味もありません」(キルヒアイス)

 

「くやしいとお思いですか?」(キルヒアイス)

 

「そんなことはもないが、もう少し勝ちたかったな」
「画竜点睛を欠いたのが残念だ」(ラインハルト)

 

「二倍の敵に三方から包囲されながら、各個撃破戦法で二個艦隊を全滅させ」
「最後の敵には後背に回りこまれながら互角に闘ったのです」(キルヒアイス)

 

「充分ではありませんか」
「これ以上をお望みになるのは、いささか欲が深いというものです」(キルヒアイス)

 

第三章 帝国の残照

「…帝国が勝った、ただし勝ちすぎはしなかったと」
「そういうわけだな、ボルテック」(アドリアン・ルビンスキー)

 

「そう満足してもいられんぞ、ボルテック」(ルビンスキー)

 

「その結果がもたらされたのは偶然であって、そうなるように吾々が努力したからではない」
「将来も幸運ばかりをあてにしてはいられんだろう」(ルビンスキー)

 

「情報の収集分析を一段と活発にして、切札の数を増やしておくべきだろうな」(ルビンスキー)

 

「こいつはたしか、百年以上も昔に、『ダゴンの殲滅戦』で同盟軍が使った陣形じゃないか」
「夢よもう一度というわけか、進歩のない奴らだ」(ルビンスキー)

 

「机上の作戦はいつだって完璧に決まっとるさ」
「だが実戦は相手あってのものだからな」(ルビンスキー)

 

「専門家が素人に遅れを取る場合が、往々にしてある」
「長所より短所を、好機より危機を見てしまうからだ」(ルビンスキー)

 

「どんな組織でも機械でも、運用するのはしょせん、人間だ」
「上位に立つ者の才幹と器量しだいで、虎が猫にもなりその逆にもなる」(ルビンスキー)

 

「虎の牙がどちらを向くか、これもまた猛獣使いしだいだ」
「くわしく人がらを知っておくにしくはない」(ルビンスキー)

 

「もし私がルドルフ大帝の時代に生まれていたら」
「『劣悪遺伝子排除法』に引っかかって処分されていたでしょうな」(パウル・フォン・オーベルシュタイン)

 

「貴官はよい上官をお持ちだ、キルヒアイス大佐」
「よい上官とは部下の才幹を生かせる人をいうのです」(オーベルシュタイン)

 

「現在の帝国軍にはいたって少ない」
「だがローエングラム伯は違う」(オーベルシュタイン)

 

「お若いに似ず、たいしたお方ですな」
「門閥意識ばかり強い大貴族どもには理解しがたいでしょうが…」(オーベルシュタイン)

 

「キルヒアイス、明日姉上に会う、お前も来るだろう」
「何をいまさら、遠慮する。おれたちは家族だぞ」(ラインハルト)

 

「コーヒーを淹れましょう」
「それと巴旦杏(ケルシー)のケーキもね」(アンネローゼ)

 

「手作りだからあなたがたの口に合うかどうかわからないけど」
「食べていってちょうだい」(アンネローゼ)

 

「口を合わせますよ」(ラインハルト)

 

「ジーク、あなたはもっと自分を評価すべきですよ」
「弟には才能があります。多分、他の誰にもない才能が」(アンネローゼ)

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「でも、弟はあなたほどおとなではありません」(アンネローゼ)

 

「自分の脚の速さにおぼれて断崖から転落する羚羊のような、そんなところがあります」
「これは弟が生まれたときから知っているわたしだから言えることです」(アンネローゼ)

 

「どうか、ジーク、お願いします」
「ラインハルトが断崖から足を踏みはずすことのないよう見守ってやって」(アンネローゼ)

 

「もしそんなきざしが見えたら叱ってやって。弟はあなたの忠告なら受け容れるでしょう」
もしあなたの言うこともきかなくなったら…そのときは弟も終わりです」(アンネローゼ)

 

「どんなに才能があったとしても」
「それにともなう器量がなかったのだと自ら証明することになるでしょう」(アンネローゼ)

 

「私にできることでしたら、何でもいたします」
「アンネローゼさま」(キルヒアイス)

 

「ラインハルトさまに対する私の忠誠心を信じて下さい」
「決してアンネローゼさまのお心に背くことは致しません」(キルヒアイス)

 

「ありがとう、ジーク」
「ごめんなさいね、無理なことばかりお願いして」(アンネローゼ)

 

「でもあなた以外に頼る人はわたしにはいません」
「どうかゆるして下さいね」(アンネローゼ)

 

私はあなたたちに頼ってほしいのです。(キルヒアイス)

 

10年前、貴女に「弟と仲良くしてやって」と言われた瞬間から、
ずっとそうなのです…。(キルヒアイス)

 

人はなぜ、自分にとってもっとも必要なとき、
それにふさわしい年齢でいることができないのだろう。(キルヒアイス)

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第四章 第一三艦隊誕生

「まだ完全に目が覚めていないようだなアスターテの英雄は」
「おれの前に立っている人物さ」(アレックス・キャゼルヌ)

 

「電子新聞を見る間もなかったらしいが」
「ジャーナリズムはこぞってそう書き立てているぞ」(キャゼルヌ)

 

「敗軍の将ですよ、私は」(ヤン)

 

「そう、同盟軍は敗れた。よって英雄をぜひとも必要とするんだ」
「大勝利ならあえてそれを必要とせんがね」(キャゼルヌ)

 

「(負けたのは)首脳部の作戦指揮がまずかったからさ」(ヤン)

 

「わたしはジェシカ・エドワーズと申します」
「アスターテ会戦で戦死した第六艦隊幕僚ジャン・ロベール・ラップの婚約者です」(ジェシカ・エドワーズ)

 

「いいえ、婚約者でした」(ジェシカ)

 

「ありがとうございます」
「わたしはただ、委員長にひとつ質問を聞いていただきたくて参ったのです」(ジェシカ)

 

「あなたはいま、どこにいます?」(ジェシカ)

 

「わたしは婚約者を犠牲に捧げました」
「国民に犠牲の必要を説くあなたのご家族はどこにいます?」(ジェシカ)

 

「あなたの演説には一点の非もありません」
「でもご自分がそれを実行なさっているの?」(ジェシカ)

 

「行こう」
「ここはあなた(ジェシカ)のいるべき場所ではないと思う…」(ヤン)

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本来、名将と愚将との間に道義上の優劣はない。
愚将が味方を100万人殺すとき、名将は敵を100万人殺す。(ヤン)

 

その差があるだけで、殺されても殺さないという絶対的平和主義の見地からすれば、
どちらも大量殺人者であることに差はないのだ。(ヤン)

 

「有史以来初めて、お前さんの家が清潔になったじゃないか」
「親が無能ならその分、子供がしっかりするというのは真実らしいな」(キャゼルヌ)

 

「生意気言うな、子供のくせに」
「子供ってのはな、大人を喰物にして成長するもんだ」(ヤン)

 

「(軍人は)嫌いだよ」
「(理由は)決まってる。他に能がなかったからだ」(ヤン)

 

「どうしてまた!」
「内心で反対でも、立って拍手してみせれば無事にすむことじゃありませんか」(ユリアン・ミンツ)

 

「他人には表面しか見えないんですからね」(ユリアン)

 

「いえ、かえって(掃除の)邪魔になりますから」
「そうだ、そこのテーブルの上にでも乗っていて下さい」(ユリアン)

 

「ユリアン、今夜の事件は多分笑い話ですむだろう」
「だが近い将来、それではすまなくなるかもしれない」(ヤン)

 

「どうも少しずつ悪い時代になってきているようだ」(ヤン)

 

「准将、僕、色々とよけいなこと申し上げたりしますけど」
「そんなこと気になさらないで下さい」(ユリアン)

 

「正しいとお考えになる道を歩んでいただきたいんです」
「誰よりも准将が正しいと僕、信じてます」(ユリアン)

 

「(昇進は)負けたからでしょう」(ヤン)

 

「やれやれ、君はむかしと少しも変わらんな。温和な表情で辛辣な台詞を吐く」
「士官学校時代からそうだった」(シドニー・シトレ)

 

「やたらと恩賞を与えるのは窮迫している証拠だと古代の兵書にあります」
「敗北から目をそらせる必要があるからだそうです」(ヤン)

 

「少数をもって多数を破るのは、一見、華麗ではありますが」
「用兵の常道から外れており、戦術ではなく奇術の範疇に属するものです」(ヤン)

 

「それと知らないローエングラム伯とは思えません」
「次は圧倒的な大軍を率いて攻めて来るでしょう」(ヤン)

 

「ボタン戦争と称された一時代」
「レーダーと電子工学が奇形的に発達していた一時代をはぶいて」
「戦場における用兵にはつねに一定の法則がありました」(ヤン)

 

「兵力を集中すること」
「その兵力を高速で移動させること、この両者です」(ヤン)

 

これを要約すればただ一言、『むだな兵力を作るな』です」(ヤン)

 

「君にできなければ、他の誰にも不可能だろうと考えておるよ」(シトレ)

 

「もし君が新艦隊を率いてイゼルローン要塞の攻略という偉業を成しとげれば…」(シトレ)

 

「君個人に対する好悪の念はどうあれ」
「トリューニヒト国防委員長も君の才幹を認めざるをえんことだろうな」(シトレ)

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第五章 イゼルローン攻略

「(方法は)秘密です」
「こういうことはもったいぶった方がありがたみが出ますから」(ヤン)

 

「フェザーンの紅茶は美味いでしょうかね」(ヤン)
「毒気で味つけしてあるだろうよ」(キャゼルヌ)

 

「予定通り事が運ぶことは、めったにありませんよ」
「といって予定をたてないわけにも行きませんしね」(ヤン)

 

「後日、恥入るようなことがなければよいがな」(アレクサンドル・ビュコック)

 

「お前さんたちは大樹の苗木を見て」
「それが高くないと笑う愚を犯しているかもしれんのだぞ」(ビュコック)

 

「フレデリカ・グリーンヒル中尉です」
「今度、ヤン少将の副官を拝命しました」(フレデリカ・グリーンヒル)

 

「4000光年を24日。悪くないな」
「第13艦隊には(艦隊運用の)名人がいるから」(ヤン)

 

「なに、心配ない。もともと半個艦隊でイゼルローンを陥せというのが無理難題なんだ」
「(失敗して)恥をかくのはシトレ本部長と私さ」(ヤン)

 

「(イゼルローン要塞攻略に)どうしてそう自信満々なんだ?」(ヤン)
「八年前、エル・ファシルのときも、提督は成功なさいましたもの」(フレデリカ)

 

「でも、あのとき提督は」
「ひとりの女の子の心に絶対的な信頼を植えつけることに成功なさいました」(フレデリカ)

 

「わたしはそのとき母と一緒にエル・ファシルにいたのです」
「母の実家がそこにありましたから」(フレデリカ)

 

「食事する暇もろくになくて」
「サンドイッチをかじりながら脱出行の指揮をとっていた若い中尉さんの姿を」
「わたしははっきり憶えています」(フレデリカ)

 

「でもそのサンドイッチを咽喉に詰まらせたとき」
「紙コップにコーヒーを入れて持ってきた14歳の女の子のことなど」(フレデリカ)

 

「中尉さんのほうはとっくに忘れおいででしょうね」
「そのコーヒーを飲んで生命が助かった後で何と言ったか、も」(フレデリカ)

 

「コーヒーは嫌いだから紅茶にしてくれたほうがよかった──って」(フレデリカ)

 

「そうか、謝る」
「しかし、君の記憶力はもっと有益な方面に生かすべきだね」(ヤン)

 

「先回りして言うとね、大佐、こいつはまともな作戦じゃない」
「詭計、いや小細工に属するものだ」(ヤン)

 

「しかし難攻不落のイゼルローン要塞を占領するには、これしかないと思う」
「これでだめなら、私の能力のおよぶところじゃない」(ヤン)

 

「堅牢な要塞に拠るほど、人は油断するもの」
「成功の可能性は大いにあります。ただし…」(ワルター・フォン・シェーンコップ)

 

「私が噂通り七人目の裏切者になったとしたら、事はすべて水泡に帰します」
「そうなったらどうしますか?」(シェーンコップ)

 

「貴官を信用しないかぎり、この計画そのものが成立しない」
「だから信用する。こいつは大前提なんだ」(ヤン)

 

「恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもの望みはしない」
「だが何十年かの平和で豊かな時代は存在できた」(ヤン)

 

「吾々が次の世代に何か遺産を託さなくてはならないとするなら」
「やはり平和が一番だ」(ヤン)

 

「要するに私の希望は、たかだかこのさき何十年かの平和なんだ」
「だがそれでも、その十分ノ一の期間の戦乱に勝ること幾万倍だと思う」(ヤン)

 

「私の家に14歳の男の子がいるが、その子が戦場に引き出されるのを見たくない」
「そういうことだ」(ヤン)

 

「失礼ながら、提督、あなたはよほどの正直ものか」
「でなければルドルフ大帝以来の詭弁家ですな」(シェーンコップ)

 

「とにかく期待以上の返答はいただいた。この上は私も微力をつくすとしましょう」
「永遠ならざる平和のために」(シェーンコップ)

 

「お待ち下さい、閣下」
「では申し上げます。これは罠だと思われます」(オーベルシュタイン)

 

「そうです。艦隊をイゼルローンから引き離すための」
「出てはなりません。動かず状況を見るべきです」(オーベルシュタイン)

 

「お見知りおき願おう」
「薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊のシェーンコップ大佐だ」(シェーンコップ)

 

「両手が塞がっているので、メイクアップを落としての挨拶はいたしかねる」(シェーンコップ)

 

「こううまくいくとは、正直なところ思わなかった」
「IDカードまでちゃんと偽造して来たのに、調べもせんのだからな…」(シェーンコップ)

 

「どんな厳重なシステムも、運用する人間しだいという、いい教訓だ」(シェーンコップ)

 

「司令官閣下は、過大評価されるのが迷惑そうだぜ」(シェーンコップ)

 

「お待ち下さい」
「これは罠です。帰還しないほうがよろしいかと存じます」(オーベルシュタイン)

 

「怒気あって真の勇気なき小人め、語るにたらん」(オーベルシュタイン)

 

「こいつは戦闘と呼べるものではありませんな、閣下」
「一方的な虐殺です」(シェーンコップ)

 

「…そう、その通りだな」
「帝国軍の悪いまねを吾々がすることはない」(ヤン)

 

「大佐、彼らに降伏を勧告してみてくれ」
「それが嫌なら逃げるように、追撃はしない、と」(ヤン)

 

「武人の心だって?」
こんな奴がいるから戦争が絶えないのだ。(ヤン)

 

「砲手! 敵の旗艦を識別できるか。集中的にそれを狙え!」
「これが最後の砲撃だ。旗艦を失えば、残りの連中は逃げるだろう」(ヤン)

 

「同盟本国に連絡してくれ」
「何とか終わった、もう一度やれと言われてもできない、とね」(ヤン)

 

「後を頼む。私は空いた部屋で寝るから」
「とにかく疲れた」(ヤン)

 

「どいつもこいつも全然、わかっていやしないのさ」
「魔術だの奇術だの、人の苦労も知らないで言いたいことを言うんだからな」(ヤン)

 

「私は古代からの用兵術を応用したんだ」
「敵の主力とその本拠地を分断して個別に攻略する方法さ」(ヤン)

 

「それにちょっとスパイスを効かせただけで、魔術なんぞ使ってはいないんだが」
「うっかりおだてに乗ったりしたら」(ヤン)

 

「今度は素手でたったひとり、帝国首都を占領して来い」
「なんて言われかねない」(ヤン)

 

「賞められるのは勝っている期間だけさ。戦い続けていれば、いつかは負ける」
「そのときどう掌が返るか、他人事ならおもしろいがね」(ヤン)

 

第六章 それぞれの星

「おかしな議論だな、キルヒアイス」
「帝国領土は寸土といえども外敵に侵されてはならぬものだそうだ」(ラインハルト)

 

「叛乱軍がいつから対等の外部勢力になったのだ?」
「現実を見ないから矛盾をきたすことになるのさ」(ラインハルト)

 

皇帝に忠誠をつくせ、とは論外なことを言われるものだ。(キルヒアイス)

 

彼が忠誠をつくす対象を、彼の前から拉致し、
現在なお独占しているのは皇帝フリードリヒ四世その人ではないか。(キルヒアイス)

 

自分が戦っているのは、
帝国のためでも、帝室のためでも、皇帝のためでもない。(キルヒアイス)

 

「まず、お人払いをお願いします」
「そう、キルヒアイス中将がおられる。ですからお人払いをと願っています」(オーベルシュタイン)

 

「それ(聞かせるか聞かせないか)はむろん、閣下のご自由に」(オーベルシュタイン)

 

「ですが閣下、覇業を成就されるには」
「さまざまな異なるタイプの人材が必要でしょう」(オーベルシュタイン)

 

「AにはAに向いた話、BにはBにふさわしい任務」
「というものがあると思いますが…」(オーベルシュタイン)

 

「おわかりになりますか」
「私は憎んでいるのです」(オーベルシュタイン)

 

「ルドルフ大帝と彼の子孫と彼の産み出したすべてのものを…」
「ゴールデンバウム朝銀河帝国そのものをね」(オーベルシュタイン)

 

「銀河帝国、いや、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきです」
「可能であれば私自身の手で滅ぼしてやりたい」(オーベルシュタイン)

 

「ですが、私にはその力量がありません」
「私にできることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです」(オーベルシュタイン)

 

「しょせん、あなたもこの程度の人か…」
「けっこう、キルヒアイス中将ひとりを腹心と頼んで、あなたの狭い道をお征きなさい」(オーベルシュタイン)

 

「キルヒアイス中将、私を撃てるか」
「私はこの通り丸腰だ。それでも撃てるか?」(オーベルシュタイン)

 

「撃てんだろう。貴官はそういう男だ」
「尊敬に値するが、それだけでは覇業をなすに充分とは言えんのだ」(オーベルシュタイン)

 

「光には影がしたがう…」
「しかしお若いローエングラム伯にはまだご理解いただけぬか」(オーベルシュタイン)

 

「よかろう、卿を貴族どもから買う」(ラインハルト)

 

「余が、アンネローゼの弟に地位と権力を与えすぎるというのであろう」
「よいではないか」(フリードリヒ四世)

 

「人類の創成とともにゴールデンバウム王朝があったわけではない」
「不死の人間がおらぬと同様、不滅の国家もない」(フリードリヒ四世)

 

「余の代で銀河帝国が絶えて悪い道理がなかろう」
「どうせ滅びるなら…せいぜい華麗に滅びるがよいのだ…」(フリードリヒ四世)

 

「そうだな…おれはあの男に友情や忠誠心を期待してはいない」(ラインハルト)

 

「あの男はおれを利用しようとしているだけだ」
「自分自身の目的を果たすためにな」(ラインハルト)

 

「…だから、おれも奴の頭脳を利用する」
「奴の動機などどうでもいいさ」(ラインハルト)

 

奴ひとり御しえないで宇宙の覇権を望むなんて不可能だと思わないか」(ラインハルト)

 

「そう(情報があった訳)ではない。単にいま、思いついたというだけだ」
「しかしあらゆる可能性を吟味するにしくはない」(ルビンスキー)

 

正義の戦争か。
莫大な流血、国家の破産、国民の窮乏。(ジョアン・レベロ)

 

正義を実現させるのにそれらの犠牲が不可欠であるとするなら、
正義とは貪欲な神に似ている。(レベロ)

 

次々といけにえを要求して飽くことを知らない。(レベロ)

 

「吾々にはそんな権利はない」
「政権の維持を目的として無益な出兵を行うなど」
「そんな権利を吾々は与えられてはいない…」(レベロ)

 

「私は愛国者だ」
「だがこれはつねに主戦論に立つことを意味するものではない」(ヨブ・トリューニヒト)

 

「私がこの出兵に反対であったことを銘記しておいていただこう」(トリューニヒト)

 

「まじめな話、私は提督のような人には軍に残っていただきたいですな」
「あなたは状況判断が的確だし、運もいい」(シェーンコップ)

 

「あなたの下にいれば武勲が立たないまでも、生き残れる可能性が高そうだ」(シェーンコップ)

 

「私は自分の人生の終幕を老衰死ということに決めているのです」(シェーンコップ)

 

150年ほど生きて、よぼよぼになり、孫や曾孫どもが」
やっかい払いできると嬉し泣きするのを聴きながら、くたばるつもりでして…」(シェーンコップ)

 

「壮烈な戦死など趣味ではありませんでね」
「ぜひ私をそれまで生き延びさせて下さい」(シェーンコップ)

 

傍にいるこの少年が、彼と同じ星を見上げる必要はいささかもない。
人は自分だけの星をつかむべきなのだ。たとえどのような兇星であっても…。(ヤン)

 

第七章 幕間狂言

「(情人は)ダース単位でないと数えられんな」(ルビンスキー)

 

軍事的勝利は麻薬に似ている。(世論)

 

イゼルローン占領という甘美な麻薬は、
人々の心に潜む好戦的幻覚を一挙に花開かせてしまったようであった。(世論)

 

「何しろ三ヶ月後に統一選挙がある」
「ここしばらく、対内的に不祥事が続いたからな」(キャゼルヌ)

 

「勝つためには外界に市民の注意をそらす必要がある」
「それで今度の遠征さ」(キャゼルヌ)

 

「吾々は軍人である以上、赴けと命令があれば、どこへでも赴く」(ウランフ)

 

「まして、暴虐なゴールデンバウム王朝の本拠地を突く、というのであれば」
「喜んで出征しよう」(ウランフ)

 

「だがいうまでもなく、雄図と無謀はイコールではない」(ウランフ)

 

「周到な準備が欠かせないが」
「まず、この遠征の戦略上の目的が奈辺にあるかをうかがいたいと思う」(ウランフ)

 

「もうすこし具体的に言ってもらえんかな」
「あまりに抽象的すぎる」(ウランフ)

 

「要するに、行き当たりばったりということではないのかな」(ビュコック)

 

「勝敗は結局、相対的なもので…」
「彼が犯した以上の失敗を我々が犯せば、彼が勝って我々が敗れる道理です」(ヤン)

 

「貴官の意見に賛同せず慎重論を唱えたからといって」
利敵行為呼ばわりするのが節度ある発言と言えるか」(ビュコック)

 

「私も甘かったよ」
「イゼルローンを手に入れれば、以後、戦火は遠のくと考えていたのだからな」
「ところが現実はこうだ」(シトレ)

 

「結局、私は自分自身の計算に足をすくわれたということかな」(シトレ)

 

「イゼルローンが陥落しなければ」
「主戦派もこれほど危険な賭けに出ることはなかったかもしれん」(シトレ)

 

「いまは辞められんよ。だが、この遠征が終わったら辞職せざるをえん」
「失敗しても成功してもな」(シトレ)

 

「この際だから言ってしまうが」
「私は、今度の遠征が最小限の犠牲で失敗してくれるよう望んでいる」(シトレ)

 

「惨敗すれば、むろん多くの血が無用に流れる」
「かといって、勝てばどうなるだろう」(シトレ)

 

「主戦派はつけあがり、理性によるものにせよ政略によるものにせよ」
「政府や市民のコントロールを受けつけなくなるのは明らかだ」(シトレ)

 

「そして暴走し、ついには谷底へ転落するだろう」(シトレ)

 

「勝ってはならないときに勝ったがため、究極的な敗北に追いこまれた国家は歴史上」
「無数にある。君なら知っているはずだがな」(シトレ)

 

「君はときどき、鈍感になるな」
「ライバルとは他の誰でもない、君のことだ」(シトレ)

 

「この際、君が自分自身をどう評価しているかは関係ない」(シトレ)

 

「フォークの思案と、彼が目的のためにどういう手段をとったか」
「ということが問題なんだ」(シトレ)

 

「私は権力や武力を軽蔑しているわけではないのです」
「いや、じつは怖いのです」(ヤン)

 

「権力や武力を手に入れたとき、ほとんどの人間が醜く変わるという例を」
「私はいくつも知っています」(ヤン)

 

「そして自分は変わらないという自信が持てないのです」(ヤン)

 

「私もこれでいろいろと苦労もしてきたのだ」
「自分だけ苦労して他人がのんびり気楽に暮らすのを見るのは、愉快な気分じゃない」(シトレ)

 

「君にも才能相応の苦労をしてもらわんと」
「第一、不公平と言うものだ」(シトレ)

 

「国務尚書よりの内命があって、この軍事的脅威に対し」
「私が防御、迎撃の任に当たることになった」(ラインハルト)

 

「両日中に勅命が下るだろう」
「武人として名誉のきわみである。卿らの善戦を希望する」(ラインハルト)

 

「要するに他の部隊がすべて皇宮の飾り人形、まるで頼りにならないからだ」
「昇進と勲章を手に入れるいい機会だぞ」(ラインハルト)

 

第八章 死線

「では手短かに申し上げます。閣下、わが軍は危機に直面しております」
「それも重大な危機に」(キャゼルヌ)

 

「ええ、たしかに(本国から)送ってくるでしょう」
「しかし、それらの物資がイゼルローンにまでは届いたとして、その先どうなりますか」(キャゼルヌ)

 

「敵の作戦が、わが軍に補給上の過大な負担をかけることにある」
「ということです!」(キャゼルヌ)

 

ヤン、頼むから生きて還れよ。
死ぬにはばかばかしすぎる戦いだ。(キャゼルヌ)

 

「(民衆を助けるのは)吾々がルドルフにならないためにさ」(ヤン)

 

「(食糧は)あと一週間分をあますのみだ」(ウランフ)

 

「それまでに補給がなかったら占領地から強制的に挑発──」
「いや、言葉を飾ってもしかたないな、略奪するしかない」(ウランフ)

 

「解放軍が聞いて呆れる」
「もっとも略奪するものがあれば、の話だがな」(ウランフ)

 

「(撤退は)余力のあるうちにです」
「敵はわが軍の補給を絶って、吾々が飢えるのを待っています」(ヤン)

 

「それは何のためでしょう」
「おそらく全面的な攻勢です。敵は地の利をえており、補給線も短くてすむ」(ヤン)

 

「だが、へたに後退すればかえって敵の攻勢を誘うことになりはせんか」
「とすればやぶへびもいいところだぞ」(ウランフ)

 

「反撃の準備は充分に整える、それは大前提です」(ヤン)

 

「いまならそれが可能ですが、兵が飢えてからでは遅い」
「その前に整然と後退するしかありません」(ヤン)

 

「まったくみごとだ、ローエングラム伯」(ヤン)

 

自分にはここまで徹底的にはやれない。
やれば勝てるとわかっていてもやれないだろう。(ヤン)

 

それがローエングラム伯と自分の差であり、自分が彼を恐れる理由でもあるのだ。(ヤン)

 

──この差が、いつか重大な結果を招くことになるかもしれない…。(ヤン)

 

「私は総司令官閣下に面談を求めたのだ。貴官に会いたいと言った覚えはないぞ」
「作戦参謀ごときが、呼ばれもせんのにでしゃばるな!」(ビュコック)

 

「そもそも、貴官らがこのような無謀な出兵案を立てなければすんだことだ」
「いますこし責任を自覚したらどうか」(ビュコック)

 

「そうか、では代わってやる。私はイゼルローンに帰還する」
「貴官が代わって前線に来るがいい」(ビュコック)

 

「不可能を言いたてるのは貴官のほうだ」
「それも安全な場所から動かずにな」(ビュコック)

 

「大言壮語を聞くのに飽きただけだ」
「貴官は自己の才能を示すのに、弁舌ではなく実績をもってすべきだろう」(ビュコック)

 

「他人に命令するようなことが自分にできるかどうか、やってみせたらどうだ」(ビュコック)

 

「彼のヒステリーを治めるために、3000万もの兵士が死地に立たねばならんというのか?」
「上等な話じゃないかね。感涙の海で溺死してしまいそうだな」(ビュコック)

 

「チョコレートを欲しがって泣き喚く幼児と同じていどのメンタリティーしか持たん奴が」
「3000万将兵の軍師だなどと知ったら、帝国軍の連中が踊り出すだろうて」(ビュコック)

 

「総司令官は昼寝中です」(ドワイト・グリーンヒル)

 

「敵襲以外は起こすな、とのことですので、提督の要望は起床後にお伝えします」
「どうかそれまでお待ちを」(グリーンヒル)

 

「…よろしい、よくわかりました」(ビュコック)

 

「このうえは、前線指揮官として、部下の生命に対する義務を遂行するまでです」
「お手数をおかけした」(ビュコック)

 

「総司令官がお目ざめの節は、よい夢をごらんになれたか」
「ビュコックが気にしていた、とお伝え願いましょう」(ビュコック)

 

「勝つためだ、キルヒアイス」(ラインハルト)

 

「わが補給部隊は被占領地の奪還と同時に、住民に食糧を供与する」(ラインハルト)

 

「叛乱軍の侵攻に対抗するためとはいえ、陛下の臣民に飢餓状態を強いたのは」
「わが軍の本意ではなかった」(ラインハルト)

 

「またこれは、辺境の住民に、帝国こそが統治の能力と責任を持つことを」
「事実によって知らしめるうえでも必要な処置である」(ラインハルト)

 

「勝利はすでに確定している」
「このうえはそれを完全なものにせねばならぬ」(ラインハルト)

 

「叛乱軍の身のほど知らずどもを生かして還すな」
「その条件は充分にととのっているのだ」(ラインハルト)

 

「卿らの上に大神オーディンの恩寵あらんことを」
「乾杯(プロージット)!」(ラインハルト)

 

「五機は撃墜して来るからな、シャンペンを冷やしておけよ」
「不粋な奴だ」(オリビエ・ポプラン)

 

「何たるざまだ!」
「あのていどの敵に、何をてまどっているか」(カール・グスタフ・ケンプ)

 

「後方から半包囲の態勢をとって艦砲の射程内に追いこめ!」(ケンプ)

 

「機銃の照準が9度から12度も狂っていたぞ!」
「ちゃんと整備しているのか、この給料盗人が!」(オリビエ・ポプラン)

 

「ああ、やってやる」
「おれはな、いままでの戦闘で、きさまより上等な帝国人を何人殺したか知れないんだ」(ポプラン)

 

「きさまなんか片手で充分、ハンディつきでやってやらあ!」(ポプラン)

 

「撃てばあたるぞ!」(フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト)

 

「不名誉な二者択一(降伏か逃亡)だな、ええ?」
「降伏は性に合わん。逃げるとしよう、全艦隊に命令を伝えろ」(ウランフ)

 

「よし、全艦隊、逃げろ!」(ヤン)

 

「つけこむ隙も逃げ出す隙もない」(ヤン)

 

「ローエングラム伯は優秀な部下を持っているようだ」
「けれん味のない、いい用兵をする…」(ヤン)

 

「当然、わが軍もアムリッツァに集結する」
「敵がアムリッツァを墓所としたいのであれば、その希望をかねてやろうではないか」(ラインハルト)

 

第九章 アムリッツァ

「いずれにせよ、総司令部の奴らめ、前線へ出て来てみればいいのだ」
「将兵の苦労がすこしはわかるだろう」(ビュコック)

 

「お酒がすぎると、ユリアン坊やに言われませんでした?」(フレデリカ)
「しかし、そこまで心配してもらう理由はないぞ」(ヤン)

 

「酒量が増えたと言ったって、これでやっと人並みだ」
「身体をそこねるまでには、たっぷり1000光年はあるさ」(ヤン)

 

「中尉、聞いての通りだ」
「生き残れたら、余生は栄養に心がけることにするよ」(ヤン)

 

ローエングラム伯の配下には何と人材が多いことか。
味方にもウランフやボロディンがいれば、せめて互角の戦いが挑めたであろうけれど…。(ヤン)

 

「閣下、新たな敵が二時方向に出現しました」(フレデリカ)
「へえ、そいつは一大事」(ヤン)

 

「進め! 進め!」
「勝利の女神はお前らに下着をちらつかせているんだぞ!」(ビッテンフェルト)

 

「どうやら勝ったな」(ラインハルト)
「どうも負けたらしいな」(ヤン)

 

「ビッテンフェルトは失敗した。ワルキューレを出すのが早すぎたのだ」
「敵の砲撃の好餌になってしまったではないか」(ラインハルト)

 

「彼の手で勝利を決定的にしたかったのでしょうが…」(オーベルシュタイン)

 

「私が魔法の壺でも持っていて」
「そこから艦隊が湧き出て来るとでも奴は思っているのか!?」(ラインハルト)

 

「ビッテンフェルトに伝えろ」
「総司令部に余剰兵力はない」(ラインハルト)

 

「他の戦線から兵力を回せば、全戦線のバランスが崩れる」
「現有兵力をもって部署を死守し、武人としての職責をまっとうせよ、と」(ラインハルト)

 

冷厳だが正しい処置だ。
ただ、万人に対してひとしくこのような処置がとれるか。(オーベルシュタイン)

 

覇者に聖域があってはならないのだが…。(オーベルシュタイン)

 

「キルヒアイスはまだ来ないか?」
「心配などしていない。確認しただけだ」(ラインハルト)

 

「そうだな、逃げるにはまだ早いだろう」(ヤン)

 

「10万隻の追撃戦ははじめて見るな」(ラインハルト)

 

「いや、やめておく」
「この段階で私がしゃしゃり出たら、部下の武勲を横どりするのかと言われるだろう」(ラインハルト)

 

「キルヒアイス提督でも誰でもよろしいが、ビッテンフェルト提督を援護させるべきです」
「敵の指揮官は包囲のもっとも弱い部分を狙って、一挙に突破をはかりますぞ」(オーベルシュタイン)

 

「現在ではわが軍の兵力に余裕があるのですから」
「先刻とは違ってそうなさるべきです」(オーベルシュタイン)

 

「そうしよう。それにしてもビッテンフェルトめ」
「あいつひとりの失敗で、いつまでも祟られる!」(ラインハルト)

 

「どうして、たいした奴がいるな、叛乱軍にも」(ウォルフガング・ミッターマイヤー)
「ああ、今度会うときが楽しみだ」(オスカー・フォン・ロイエンタール)

 

「信賞必罰は武門のよって立つところだ」
「帝国首都(オーディン)に帰還ししだい、卿の責任を問うことにする」(ラインハルト)

 

「卿の艦隊はキルヒアイス提督の指揮下におく」
「卿自身は自室において謹慎せよ」(ラインハルト)

 

「有能な男だが…ローエングラム伯との仲をあまり特権的に考えられては困るな」
「覇者は、私情と無縁であるべきなのだ」(オーベルシュタイン)

 

「閣下、怒っておられるのですか?」
「私がお訊きしているのは、何に対して怒っておられるのか、ということなのです」(キルヒアイス)

 

「では、ラインハルトさま」
「あなたが怒っておられるのは、ビッテンフェルトの失敗に対してですか?」(キルヒアイス)

 

「私にはそうは思えません」(キルヒアイス)

 

「ラインハルトさま、あなたのお怒りは、ほんとうはあなた自身に向けられています」
「ヤン提督に名を成さしめたご自身に」(キルヒアイス)

 

「ビッテンフェルトは、そのとばっちりを受けているにすぎません」(キルヒアイス)

 

「ヤン提督に名を成さしめたことが、それほどくやしいのですか」(キルヒアイス)
「くやしいさ、決まっている!」(ラインハルト)

 

「アスターテのときは我慢できた」
「だが、二度も続けば充分だ!」(ラインハルト)

 

「奴はなぜ、いつもおれが完全に勝とうというとき現れて」
「おれの邪魔をするのだ!?」(ラインハルト)

 

「彼には彼の不満がありましょう」
「なぜ、自分は事の最初からローエングラム伯と対局できないのかと」(キルヒアイス)

 

「ラインハルトさま、道は平坦でないことをおわきまえ下さい」
「至高の座にお登りになるには、困難があって当然ではございませんか」(キルヒアイス)

 

「覇道の障害となるのはヤン提督だけではありません」
「それをおひとりで排除できると、そうお考えですか」(キルヒアイス)

 

「ひとつの失敗をもって多くの功績を無視なさるようでは」
「人心をえることはできません」(キルヒアイス)

 

「ラインハルトさまはすでに、前面にヤン提督、後背に門閥貴族と」
「ふたつの強敵を抱えておいでです」(キルヒアイス)

 

「このうえ、部下のなかにまで敵をお作りになりますな」(キルヒアイス)

 

「…おれは宇宙を手に入れることができると思うか?」(ラインハルト)
「ラインハルトさま以外の何者に、それがかないましょう」(キルヒアイス)

 

「中尉…私は少し歴史を学んだ」
「それで知ったのだが、人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ」(ヤン)

 

「生命以上の価値が存在する、という説と」
「生命に優るものはない、という説とだ」(ヤン)

 

「人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする」
「それを何百年、何千年も続けて来た…」(ヤン)

 

「このさき、何千年もそうなんだろうか」(ヤン)

 

「いや、人類全体なんてどうでもいい」
「私はぜんたい、流した血の量に値するだけの何かをやれるんだろうか」(ヤン)

 

「…ローエングラム伯は、もしかして第二のルドルフになりたいのだろうか…」(ヤン)

 

第十章 新たなる序章

「皇帝が死んだ? 心臓疾患だと…自然死か」
「あの男にはもったいない」(ラインハルト)

 

あと五年、否、二年長く生きていれば、
犯した罪悪にふさわしい死にざまをさせてやったのに。(ラインハルト)

 

「閣下。皇帝は後継者を定めぬまま死にました」(オーベルシュタイン)

 

「何を驚く? 私が忠誠を誓うのは、ローエングラム帝国元帥閣下にたいしてのみだ」
「たとえ皇帝であろうと敬語など用いるに値せぬ」(オーベルシュタイン)

 

「皇帝の三人の孫をめぐって、帝位継承の抗争が生じることは明らかです」
「どのように定まろうと、それは一時のこと」(オーベルシュタイン)

 

「遅かれ早かれ、血を見ずにはすみますまい」(オーベルシュタイン)

 

「なるほど。では、せいぜい高く売りつけてやるか」(ラインハルト)

 

「幼友達というのはけっこう、有能な副将もよろしいでしょう」
「しかし、その両者が同一人というのは危険です」(オーベルシュタイン)

 

「そもそも副司令長官をおく必要はないので」
「キルヒアイス提督を他者と同列におくべきではありませんか」(オーベルシュタイン)

 

「出すぎるな、オーベルシュタイン」
「もう決めたことだ」(ラインハルト)

 

「さて、誰が勝ち残るかな」
「帝国か、同盟か、地球か…それともおれか…」(ルビンスキー)

 

「案ずるな、キルヒアイス」
「おれに考えがある」(ラインハルト)

 

「ヤン・ウェンリーがどれほど用兵の妙を誇ろうとも」
「イゼルローンから出て来れなくする策がな」(ラインハルト)

 

「他人に言えるようなことじゃないよ」
「まったく、人間は勝つことだけ考えていると、際限なく卑しくなるものだな」(ヤン)

 

「私には(射撃)の才能がないらしい」
「努力する気もないんで、今では同盟軍で一番へたなんじゃないかな」(ヤン)

 

「司令官が自ら銃をとって自分を守らなければならないようでは戦いは負けさ」
「そんなはめにならないことだけを私は考えている」(ヤン)

 

「そうですね、ええ、僕が守ってさしあげます」(ユリアン)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 
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