マンガ「キングダム 馬陽防衛編」の名言・台詞をまとめていきます。
キングダム 馬陽防衛編
11巻
「急くな急くな、ゆるりと攻めればよいぞ」
「城は逃げはせぬ」(蒙驁)
「(趙の)兵は文句なしに強い」
「特に武霊王が初めてつくった騎馬隊は未だに中華最強だ」(蒙毅)
「だが率いる者がいなければ軍は興らない」
「趙は動けないんだ」(蒙毅)
「趙の目的は城取りだけではない、蹂躙だ」
「急がねば前線地域一帯から、秦人は一人もいなくなるぞ」(嬴政)
「両軍の兵力は数字以上に大きくひらいている…」
「こうなると秦軍はこの十万を誰が率いるかにかかってくる」(蒙毅)
「この兵力差は『将の力量』でしか埋まらないからね」(蒙毅)
「(状況は)承知している。全て任せろ」(蒙武)
「戦の強さには二種ある」
「”攻”と”守”だ」(昌文君)
「本土が手薄な中、前線地帯が崩壊しつつある今のこの戦いは」
「紛れもなく”守”を求められる戦い」(昌文君)
「その戦いに”守”のない蒙武が挑めば、大敗する恐れがある」(昌文君)
「(率いれる者が)一人だけおる」(昌文君)
「しばらく戦場を離れ、羽を休めてはおるが」
「”攻”と”守”双方の強さを兼ね備えた秦国最強の武将が一人」(昌文君)
「(王騎将軍は)私が呼んだのだ」
「『秦国総大将』を引き受けて頂くためだ」(昌平君)
「戦いに”攻”も”守”もない」
「あるのは目の前の敵を打ち砕くこと、それだけだ」(蒙武)
「お前など過去の遺物だ、俺は認めんぞ」(蒙武)
「私はあなたのことを認めていますよォ、ある程度は」(王騎)
「それでは皆さんにも退出して頂きましょうか」
「まだ大王ご本人より、正式に大将の任命を授かっていません」(王騎)
「古き作法にのっとり、大王と私の二人だけで任命式を行わねばなりません」
「これがなくては私が秦軍を率いることはありませんよォ」(王騎)
「実は秦軍総大将を受け出陣するにあたり」
「大王(あなた)にお伝えしておかねばならぬことを思い出したのです」(王騎)
「昭王より承っていた、大王(あなた)への伝言です」(王騎)
「馬陽を抜かれれば、惨劇は本土全てに広がるであろう」
「これは秦国存亡の危機と心得よ!」(嬴政)
「王騎将軍、そなたを秦軍十万の総大将に任命する!」
「馬陽を援(たす)け、我が国を踏みしだかんとする趙軍を殲滅せよ!」(嬴政)
「(総大将) しかと承りました」(王騎)
「あの大広間で大臣共の見ている中、お前に任命されるのは悪かねェ」(信)
「緑穂が苛立っている」
「過酷な戦いになる」(羌瘣)
「この部隊の大半が、あの蛇甘平原を生き残った猛者達だ!」
「俺達が力を束ねれば、どんな敵にも立ち向かえる!」(信)
「いいかてめェら、のこのこと攻めて来やがった趙軍をたたきつぶし」
「魏戦よりもさらにでっけェ武功をつかみ取るぞ!!」(信)
「昌文君、私はそろそろ昭王六将としての自分と決別しようかと考えています」
「この戦いを決着として……」(王騎)
「(前に進む?) そうできればと、自分に期待しているところです」(王騎)
「やかましい。(副将だが)前衛は俺がもらう」
「この戦、貴様の出番は無いと思え」(蒙武)
「ンフフ。全軍、前進」(王騎)
「太古の世、巫女体質の者が剣を触媒に荒ぶる神をおとし、舞い祭り」
「それを鎮めた」(羌瘣)
「だがいつしか蚩尤はそれを殺人の術に変化させた」
「神をおとし術者の意識は陶酔の中、舞って目につく人間を惨殺する」(羌瘣)
「それが蚩尤の奥義『巫舞』だ」(羌瘣)
「あの男(龐煖)は完全なる個」
「いや…あれはもっと……おぞましい程に純粋な──」
「『武』の結晶だ」(昌文君)
「あってはならんことだ」
「万にものぼる敵と戦うために、こちらも万を集め」
「高度な戦術をもって陣形・隊形を組む──それが軍だ」(昌平君)
「それを一人で打ち破るということは軍そのものを否定する」
「それはあってはならんことであり、起こり得ぬことだ」(昌平君)
「この戦いは、九年前に深く刻まれた因縁の戦いだ」(昌文君)
「兵も、軍も、趙も、秦も、取るに足らぬただの小事」(龐煖)
「在るのは天地が畏るる者が、今この地に二人居るということ」
「我の他にもう一人」(龐煖)
「それは天地が砕け散ろうとも許せぬこと」
「我、武神・龐煖也」(龐煖)
「率いれずとも大将が務まる場合はあります」
「しかもそういう変則的な戦い方は」
「万能な王騎将軍に対して極めて有効と考えられる」(昌平君)
「もうすぐまた戦が始まる」
「何万という人間同士が殺し合う」(羌瘣)
「それぞれの思いが命と重なり、想像を絶する速さで衝突し、砕け」
「朧(おぼろ)と消える」(羌瘣)
「思いが深いほどに、ぶつかり合う衝撃はより強く、より激しい……」(羌瘣)
「緑穂はそれをはかないと言うし、まばゆいとも言う」(羌瘣)
12巻
「甘く見すぎだ」
「蒙武という武将の力を」(蒙毅)
「蒙武の力は噂以上のようだが、単純な武力だけでは李白は抜けぬ」(李白)
「戦はまだ始まったばかりです」
「いきなり本陣など狙っても届きませんよォ」
「──まずは駒を減らすことです」(王騎)
「(苛烈な戦い?) お任せを」
「死闘は私が最も得意とするところです」(干央)
「戦を効率よく進めるためには」
「より有利に戦える地を相手より奪うことが定石です」(王騎)
「しかし場所獲り以外にも、良い方法があります」
「敵の有能な武将を殺していくことです」(王騎)
「……あの無国籍地帯での修行を通して気付いたことがある」
「何千何万という大軍勢の戦いの中で、百人って数はまさに豆つぶで小さい存在だ」(信)
「だが──豆つぶには、豆つぶなりの強さがある」
「すき間を抜く身軽さがあり結集すれば、決して砕けねェ石にもなる」(信)
「安心しましたよォ」
「ちゃんと成長しているようですね、童信」(王騎)
「宜しい、では褒美を一つ」
「『飛信隊』。この名をあなたの隊に与えます」(王騎)
「来おったな、勘違いした素人共め」
「皆の者、殺戮の刻(とき)だ」(馮忌)
「忘れたのか」
「この戦いに負けりゃ、趙軍は秦国内になだれこんでくる」
「そしたら馬央みてェに、そこら中で虐殺が起こるんだ」(信)
「馬央の赤子は一人残らず頭を叩きつぶされ」
「血の池に捨てられたそうだ」(信)
「お前ら、頭にたたき込んどけ」
「これはそういう戦いなんだ」(信)
「たかが矢の雨だ、いずれ尽きる」
「気を強く保て」(壁)
「今本当に恐ろしい状況にあるのは左軍です」
「背を見せて逃げる相手を撃つことほど容易なことはない」(蒙毅)
「退がるな!! これは敵の罠だ」
「退がっても皆殺しにあうぞ」(壁)
「活路は前だ!!」(壁)
「飛信隊の任務は、この場の敵を討つことでも百人全員が生還することでもない」
「趙将馮忌を討つことです」(渕)
「……そのための礎となるのなら、我々は喜んで残ります」(渕)
「私は残ります!」
「この場で戦う者にも将は必要ですからね」(渕)
「あやまるな……まだ終わってない」(羌瘣)
「手がらは俺がもらうが、恩賞は山分けにする」
「生きてる奴も死んでる奴もっ、全員まとめてきっちり百等分だ!!」(信)
「意外と私も嫌いじゃァありませんからねぇ」
「長距離戦が」(王騎)
13巻
「(笑って送ってやれ?) ンフフフ、その通りです」
「こういう時こそ大騒ぎですよォ」(王騎)
「この部隊に隊名を与えた意味が分かりますか?」
「憶えやすくするためです。味方も…敵も」(王騎)
「馮忌はそれなりに名の通った武将でした」
「その馮忌を討ったあなたの名はおそらく──」
「そのうち中華全土に広まります」(王騎)
「”守備”の……”李白”……か」
「笑わせる」(蒙武)
「大軍に奇策は必要ない」
「明日もこのまま主攻の左軍で打ち崩し、兵力差を拡大させる」(趙荘)
「(蒙武?) 別にどうということはない」
「たしかに力はある──が風評ほどではない」
「あの程度なら、十年かかろうと俺は抜けぬ」(李白)
「ここは俺の戦場だ」
「失せろ、王騎の犬が」(蒙武)
「歩兵共、昨日と同じだ。俺の背を追え」
「それだけだ」(蒙武)
「馬鹿が!!」
「貴様はただ相手に恵まれていただけだ」
「俺が本当の”武”というものを教えてやる」(蒙武)
「腕力で強わぬ相手を討つために武器を使う」
「強き武人を討つために人数を集める」
「大人数の戦いを有利にするために策を練る」(昌平君)
「万を超す規模の今の戦場では策が全てだ」(昌平君)
「だがそうあるが故に」
「全く逆のものを見て見たいと願うこともある」(昌平君)
「蒙毅よ、おそらくそれが体現できるのはお前の父だけだ」(昌平君)
「ひょっとしたらこの戦いで、お前は目の当たりにするやもしれぬ」
「”力”が”策”を凌駕するところを」(昌平君)
「李白よ、何を勘違いしている」
「貴様如きの首に興味はないわ!!」(蒙武)
「全軍に告ぐ、蹂躙しろ!!」(蒙武)
「あの人(父)にとっては親子なんて別に大したことじゃない」
「”中華最強”に至る」
「あの人の人生には、その一点しかない」(蒙毅)
「馬鹿げた話だ。今はもう戦略戦術が必須の時代だ」
「蒙武の戦い方は明らかに時代に逆行している」(蒙毅)
「”中華最強”という言葉自体も漠然とはしているが」
「もしそれに当てはまるような武将がいるとしたら──」(蒙毅)
「それは高度な知略を起こし、実践できる武将のはずだ」(蒙毅)
「もちろん応援してるよ」
「たった一人の父だからね」(蒙毅)
「僕が軍師を目指す理由もそこにあった」
「父の将としての欠けてる部分を補いたいと」(蒙毅)
「──が、しかしあの人には最初からいらぬ世話だったみたいだ」(蒙毅)
「さ──! 皆さん!」
「李牧が到着しましたよ!」(李牧)
「いずれにせよ、一向に姿を現さぬあちらの大将を」
「あぶり出しに行かねばなりませんからねェ」(王騎)
「ここにいると、たまに息がしづらくなる…」(羌瘣)
「ただ、みんな帰る場所があるんだな──と」(羌瘣)
「持ってるものは人それぞれだ」
「私は私で生きる目標は持っている」(羌瘣)
「仇討ちは大事だ」
「俺もそうだったからよく分かる」(信)
「だがな羌瘣、それで終いじゃねェぞ」
「仇討ちが済んだら、生きてるお前にはその先があるんだ」(信)
「お前は仇討ちほっぽって参戦してんだ」
「自分の意志でな」(信)
「……だったらお前はちゃんと持ってんだ」
「飛信隊っていう立派な帰る場所をな!」(信)
「……気にくわないことはない」
「いやむしろ、居心地は悪くない」
「だからきっと少しとまどっているんだ」(羌瘣)
「我は天の災い」
「ここにいるお前達はただ、運が悪かっただけだ」(龐煖)
「てめェ、何してくれてんだよ」
「ただで死ねると…思うなよ」(信)
「ほう、どうやら、我を呼んだのはお前のようだな」
「子供だが、命をもらうぞ」(龐煖)
「お前の意志ではなく、存在が呼んだのだ」
「我が内に潜む”荒ぶる神”は、他(た)の強者(つわもの)の存在を一切許さぬ」(龐煖)
14巻
「(呼吸の)”長さ”で勝てないなら、”深さ”で勝負すればいいだけ」(羌象)
「”超短期戦”。相手が”武神”だろうと何だろうと……」
「短期的な斬り合いなら、あんたは誰にも負けないよ」(羌象)
「さァ、舞うぞ緑穂」(羌瘣)
「そうか、そういうことか」
「お前は”神を堕とす”者か」(龐煖)
「あの男かと思い出て来たが…これも天の導きか」
「”神堕とし”の者よ、たしかにお前も我が敵の一人だ」
「この夜は我らのためにある」(龐煖)
「さァ、荒ぶる神、”宿す者”と”堕とす者”」
「どちらが天に選ばれし強者か存分に示そうぞ」(龐煖)
「恐れるな、緑穂」
「碧き神気を私に誘え。ただ深く、ただ激しく」
「さすればもはや、我らに敵う者は無い」(羌瘣)
「相手の動きを読む力は、当然お前だけのものではない」(龐煖)
「我より血を流せし者は久しぶりだ」
「そして刹那とは言え、死を傍らに感じたこの手応えは…」
「それこそ九年前の、あの二人以来か」(龐煖)
「龐煖…龐煖、お前は戦をなめるな!!」(干央)
「たしかにあいつはバカみてェに強ェし、武神だの何だのほざいてやがるが」
「同じ人間には変わりねェ」(信)
「思いっきりぶった斬れば、あいつは死ぬ」
「斬って死ぬんだったら、倒せる」(信)
「言われなくても危ねェことは分かってる」
「だがそれでも、戦るしかねェ」(信)
「ここで逃げてるようじゃ、天下の大将軍なんて夢のまた夢だ」(信)
「ただの油断、だが不思議な力を持つ子供だ」
「”我が神”に捧げる供物としては上出来だ」(龐煖)
「今夜けっこうな仲間が死んだかもしんねェが、下向く必要はねェ」
「戦争やってんだ、死人はでるさ」(尾到)
「いいんだよ信、みんなお前と一緒に夢を見てェと思ったんだ」
「それでいいんだ」(尾到)
「……これからもお前はそうやって」
「大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ」(尾到)
「何でお前が謝るんだよ」
「泣くことはねェ、こいつはやり遂げた」
「立派に役目をやり遂げたんだ」(尾平)
「だから…涙はいらねェ」
「こういう時は……笑って…ほめてやるんだ」(尾平)
「ほ、本当に、よくがんばったなァっ…って……」
「到ォォォ」(尾平)
「少し反省だ」
「元々まじめな方ではなかったからな」
「里を出てから随分と修練をさぼっていた」(羌瘣)
「緑穂との巫舞で倒せなかったことが癇に障る」
「半年後には私が勝つ」(羌瘣)
「第4軍をやってくれたのは彼ではないようですが仕方ありません」
「我々が受けたこの悲しみ」
「とりあえずは今ここで渉孟さんに受け止めて頂きましょう」(王騎)
「渉孟も鱗坊も勘違いしている」
「強さの底が知れぬのは、我らが殿の方だ」(騰)
「今は深く考えねェようにしてる」
「今そこを考えると、この場にうずくまって足が前に出せそうにない」(信)
「だけど死んだ奴は、んなこと望んでねェんだ、絶対に」
「だから今は、この三十六人でどうやって武功をあげるか…」
「それしか考えてねェ」(信)
「武将への道は犠牲の道です」
「そこを乗り越える度に、人も隊もより強く、より大きくなるのです」(王騎)
「……そうならねばなりません」(王騎)
「本当に把握できないということが分かったのも発見ですよ」
「山間の戦いは、我々の想像以上に難しい」(蒙毅)
15巻
「この俺が冷や汗だと!?」
「面白い!!」(蒙武)
「そこが大きな間違いだ」
「”策”でこの俺は止められぬわ!!」(蒙武)
「ごっこじゃない」
「オレはちゃんと軍師になるんだ」(河了貂)
「多分お前はちゃんと理解していない」
「その本質」(カイネ)
「軍師とは前線で血を流す兵士よりも、はるかに苦しくつらいもの」
「そして、恐ろしいものだ」(カイネ)
「だがな、趙荘」
「驚くべきことだが、お前の計略よりも、俺の目利きよりも」
「蒙武の武はさらに上を行くぞ!」(隆国)
「今の趙軍の打てる手を網羅して考えても」
「ここから大技をくり出すことはできないと断定できます」(王騎)
「……しかし仮に私をおびやかす策があったとするなら」
「張り巡らされた策は恐ろしく深い」(王騎)
「(多くの諜報員?) だろうな、だがお前達は現に知らなかった」
「それは恐ろしいことだと思わぬか、政」(楊端和)
「なぜお前達は知らぬと思う?」
「何のために?」
「隠してどうする?」(楊端和)
「もし今、秦・趙両軍の力が拮抗しているとしたら」
「この見えぬ軍の出現で戦は一気に決着となるだろう」(楊端和)
「お前が本当に軍師になったなら、またどこかの戦場で出会うかもな」
「もちろん敵としてな」(カイネ)
「ンフフ。ここに至るまでに、けっこうかかりましたねェ」(王騎)
「龐煖、あなたも待ちわびたでしょォ?」
「五日……いや、九年」(王騎)
「決着をつけるとしましょうか」(王騎)
「(本陣への攻撃?) 決まっているでしょォ?」
「私ですよ」(王騎)
「気付きませんょ」
「現にあなた方も気付いていないでしょう?」(李牧)
「大丈夫ですよ、お二方」
「この戦は必ず勝てます」(李牧)
「どこのどなたか知りませんが、面白いしかけです」
「しかし少々、つめが甘かったようですねェ」(王騎)
「私がその気になれば、趙荘軍など瞬殺ですよ」(王騎)
「”手段”など小事」
「在るのは武神の証明、ただ一つ」(龐煖)
「王騎。貴様をここで殺して、我が武神たるを天にさし示す」(龐煖)
「それでは私もここで…」
「あなたを殺して過去のしがらみと訣別することを宣言しましょうか」(王騎)
「意外と軽いんですねェ、龐煖さん」(王騎)
「出し惜しみは無用、王騎」
「まだまだこんなものではないはずだ」(龐煖)
「身に受けた傷の痛みは刻(とき)と共に消え去る」
「だが魂魄に受けた傷の痛みは消え去ることはない」
「何年経とうとも」(龐煖)
「王騎、お前も同じはずだ」
「だからお前もここにいる」(龐煖)
「怒りは力、お前も思い出せ」
「九年前の奴の死に様を…」(龐煖)
「安心なさい、龐煖」
「あなたと同様、私の心の傷も癒えていませんよォ」(王騎)
16巻
「無骨な頑固じィは勝手にきっちり働くので楽チンです」(摎)
「私も同感です。あなた(昌文君)が摎の側にいれば安心できます」
「無骨な賢人は信頼できるというわけです」(王騎)
「…よく頑張ったの、摎よ…」
「王騎同様…お前も儂の宝だ」(昭王)
「怒りや悲しみはないよ」
「だって本当はすぐに殺されてた命だもんね」
「こうして生きてるだけで感謝だよ」(摎)
「(痩せ我慢?) ……うん、嘘。本当はすごく悲しい」(摎)
「剣は置かない」
「天下の大将軍になる!」(摎)
「私の戦う理由はね、本当にたわいもない、子供の約束なんだ」(摎)
「王騎様は天下の大将軍になって、お城をたくさんとるのですか」
「それでは摎も大将軍になります」(摎)
「そしてお城を百個とったら、摎を王騎様の妻にして下さい」(摎)
「私の居場所は戦場(ここ)だよ、じィ」
「仲間もいっぱいいる」
「それにこれからは父も見てくれる」(摎)
「私はやるぞ」(摎)
「摎、いよいよ最後の一つですね」(王騎)
「憶えていて下さったんだ…しかも数まで…」
「うん、そうなの。次の馬陽で百個目なんだ」(摎)
「天の畏るる者は地上に唯一人、我だけだ」(龐煖)
「なぜだ、なぜ敗れた…」
「先の戦いの傷のせいか……違う」
「傷など関係ない…あの男の方が上だったのだ……」(龐煖)
「我が武が及ばなかったのだっ、我が武が」(龐煖)
「来い、王騎」
「今の貴様を砕くために我は来た」(龐煖)
「傷を癒し、元の身体に戻るのに三年」
「そこから再び深山で修練を六年積んだ」
「そして李牧という男の使者が現れた」(龐煖)
「話に乗ったのは、この男など足元にも及ばぬ極みに達した自負があったからだ」
「およそ人の到達できぬ武の極みに」(龐煖)
「だがなぜに…この男の刃ははじき返すことがかなわぬ程に」
「こうも重い!!」
「この男のどこにこんな力が」(龐煖)
「武将とはやっかいなものなのですよ」(王騎)
「……十三の頃より数えきれぬほどの戦場を駆け回り」
「数万の戦友(とも)を失い、数十万の敵を葬ってきました」(王騎)
「命の火と共に消えた彼らの思いが、全てこの双肩に重く宿っているのですよ」
「もちろん、摎の思いもです」(王騎)
「山で一人でこもっているあなたには理解できないことでしょうねェ」(王騎)
「語るに足らぬ」
「いつの時代も、お前達は同じ思い違いをしている」(龐煖)
「死人の思いを継ぐなど、残されたお前達の勝手な夢想」
「人は死ねば土くれと化す」(龐煖)
「敗者は地に落ち、勝者は天に近づく」
「在る理(ことわり)は、ただそれだけだ」(龐煖)
「奴らは強さを求めるために、あらゆる欲求を斬り捨てている」
「そんな人間に勝てる者などいないと思っていたが…」(羌瘣)
「なぜ王騎将軍はあれほどに強いのだ…」(羌瘣)
「敗れた理由は、あの世で摎に教えてもらいなさい」(王騎)
「国を代表する大将軍の首というのは」
「その国の軍事の象徴ですからね」(李牧)
「それを失わば秦の武威は失落し」
「逆に趙の武威は列国の脅威となります」(李牧)
「これほどの死地に落とし込まれたのは二十年ぶりくらいですか」(王騎)
「ココココ。久しぶりですよォ、この感じ」
「本当に久しぶりに、血が沸き立ちます」(王騎)
「我、正に、死線に在り」(王騎)
「策がなければ力技です」(王騎)
「皆、ただの獣と化して戦いなさい」
「いいですか、ここからが王騎軍の真骨頂です」(王騎)
「この死地に力ずくで活路をこじあけます」
「皆の背には、常にこの王騎がついてますよ」(王騎)
「さすがです、龐煖」
「しかしその消耗した体では、私は倒せませんよ」(王騎)
「龐煖…幕です!!」(王騎)
「水をさされた……だから戦などはつまらぬと言うのだ」
「だがこれがお前の土俵だ、文句は言わせぬ」(龐煖)
「お前の負けだ、王騎」(龐煖)
「武器を落とすとは何事ですか」
「たとえ何が起ころうと、死んでも諦めぬことが王騎軍の誇りだったはずですよ」(王騎)
「将軍とは、百将や千人将らと同じく役職・階級の名称にすぎません」
「しかし、そこにたどりつける人間はほんの一握り」(王騎)
「数多(あまた)の死地を越え、数多の功を挙げた者だけが達せる場所です」
「結果、将軍が手にするのは千万の人間の命を束ね戦う責任と絶大な栄誉」(王騎)
「故にその存在は重く、故にまばゆい程に光輝く」(王騎)
「(何者?) ンフフフ、決まっているでしょォ」
「天下の大将軍ですよ」(王騎)
「王騎が死ぬと分かっていても、それを脱出させるために全員必死ですね」(カイネ)
「……亡骸を趙が手にすれば、辱めの限りを尽くすことは分かりきっていますからね」(李牧)
「……今の秦軍が一番怖いかも知れませんね」
「逆の立場なら、私達も死など惜しまず鬼となって戦います」(カイネ)
「胸の奥が痛いですね、だから戦は嫌いです」
「しかし、感傷的になって道を開けてやるわけにはいきません」(李牧)
「凰は正に将軍の馬です」
「あなたは今、この戦場の中で将軍の馬に乗って走っているのです」(王騎)
「理解したらゆっくり目を開き、目にするものをよォく見てみなさい」
「敵の群を、敵の顔を、そして味方の顔を、天と地を」(王騎)
「これが、将軍の見る景色です」(王騎)
「亡骸を辱めるより」
「これ以上味方に犠牲を出させぬことの方が大事ではないのか!」(李牧)
「この戦の目的は秦の侵攻でもなく、王騎軍の壊滅でもありません」
「目的は王騎の死」(李牧)
「これが達せられた今、これ以上血を流すことに全く意味はない」
「無意味な死だけは絶対に許しません」(李牧)
「戦はここまでです」(李牧)
「いつの時代も、最強と称された武将達はさらなる強者の出現で敗れます」(王騎)
「しかし、それもまた次に台頭してくる武将に討ち取られて」
「時代の舵を渡すでしょう」(王騎)
「果てなき漢(おとこ)共の命がけの戦い」
「ンフフフ、全く」
「これだから乱世は面白い」(王騎)
「…死んだのは王騎だが、勝ったという手応えはない」(龐煖)
「戦に慈悲は無用なれど、奪い取った地にある民は奴隷に非ず」
「虐げることなく、自国の民として同様に愛を注ぐこと」
「──以上が昭王より承っていた、現秦王への遺言です」(王騎)
「遺言は昭王の意志を継ぐ資質のある秦王にのみ残されたものです」
「私が仕えるに値すると思う王にのみ伝えよと」(王騎)
「共に中華を目指しましょう、大王」(王騎)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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