アニメ「転生王女と天才令嬢の魔法革命」の名言・台詞をまとめていきます。
転生王女と天才令嬢の魔法革命
1話
「ちょ…ちょっと! 手ぇ出さないで!」
「私の素材の取り分、奪おうっての!」(アニスフィア・ウィン・パレッティア、愛称:アニス)
「(彼女は)珍しい魔物があらば、文字通り風のように現れる変人」
「奇妙な道具を使いこなして戦うキテレツ」
「見目だけは麗しい、我が国が誇る稀代の問題児」(冒険者)
「そして…隠すこともない髮色で察せられる身分から、こう呼ばれる」
「狩猟の略奪姫、マローダー・プリンセス」(冒険者)
「(助かった?) 全然! 私も素材欲しかったし、ウィンウィンだよ!」
「あっ、え~っと…お互い得して笑顔ニコニコ。イェイ・イェーイ、みたいな」(アニス)
「魔法使いは誰かを笑顔にするために、その魔法を使う」
「それが私の目指す魔法使い、だからね!」(アニス)
「ご…ごめんなさい! やめて、ぶたないで!」
「しつけと称した体罰は虐待ですよ、DVですよ!」
「違法・犯罪・責任問題! 辞任・退陣・王国の危機!」(アニス)
「全く…あのバカ娘と来たら、いつも予想の斜め下の行動ばかりしでかしおる」
「この前も、新しい魔道具の開発などと言い出して、離宮を半分焼き払いおったわ」(オルファンス・イル・パレッティア)
「また随分とやらかしたものですね」
「(予想外?) 私からすれば、姫様自体が予想外の塊ですよ」(イリア・コーラル)
「魔法があるなら、空を飛べるのに…」
「魔法で、空を!?」(アニス)
「ええ、姫様のことならよくよく分かっておりますよ」
「空を飛ぶなどと、その手の妄想癖は思春期にはよくあることですものね」
「ええ、分かります」(イリア)
「(薬の副作用?) 平気平気!」
「ちょっと気分がハイになって、ちょっと依存性があるくらい」(アニス)
「ちょっとがヤバすぎて笑う」(ティルティ・クラーレット)
「これしか方法がないんだよね。私は生まれつき魔法が使えないから」(アニス)
「魔法は素敵! 魔法は最高! 魔法はロマン!」(アニス)
「出た”ロマン”。それ、あれでしょ?」
「”空飛ぶ!”っとか言ってた、カスみたいな妄言」(ティルティ)
「殿下はシアン男爵令嬢を気遣ってらっしゃるだけでしょう」
「ご学友を気にかけるお心は、王族として大変ご立派だと思いますよ」(ユフィリア・マゼンタ、愛称:ユフィ)
「政略結婚だからこそ、こうした形式は必要です」
「互いに信頼関係を築き、またその様を周知しなければなりません」
「次代の国を担う私達の…」(ユフィ)
「相変わらず、嫌味なくらいに完璧だな。貴様は」(アルガルド・ボナ・パレッティア)
「私達に何かを選ぶ権利など、ありはしないがな」
「まあ貴重なご意見だ、ありがたく聞こう」
「私にふさわしい相手は選ばせてもらうぞ」(アルガルド)
「天気よし! 風速よし! 整備よし! 安全確認…よし!」
「絶好の実験日和!」(アニス)
「この場をもって宣言する!」
「私は、ユフィリア・マゼンタとの婚約を破棄すると!」(アルガルド)
「一体…何が、起きて…」(ユフィ)
「私は、責務のために、みんなの規範になろうと…」
「次期王妃として、公爵令嬢として、強く正しくあろうと…」(ユフィ)
「もしかして…婚約破棄とかされちゃった感じ?」
「うっわ~、マジか! そんなの本当にあるんだ」(アニス)
「よし、決めた!」
「私が、さらってあげる!」(アニス)
「さあ行こう! すぐ行こう!」(アニス)
「というわけでアル君。この話は私が持ち帰らせてもらうから」(アニス)
「空の旅へようこそ、ユフィリア嬢」(アニス)
「(向かうのは)父上とグランツ公の所」
「私は略奪姫、だからね」
「私にユフィリア嬢を下さいってお願いするの!」(アニス)
2話
「(アニスのことで)悩まなかったことなどないわい!」(オルファンス)
「お前のユフィリアよりも2つも上だというのに」
「あのうつけ者は落ち着く気配すら見えん」(オルファンス)
「落ち着いたら、それはもうアニスフィア王女ではない」(グランツ・マゼンタ)
「父上! 夜分にご機嫌うるわしゅう」
「このアニスフィア…ユフィリア嬢をさらってまいりました!」(アニス)
「(婚約破棄は)事実です。大変、申し訳ございません」(ユフィ)
「謝罪は不要だ。今お前が考えなければならないのは、今後のふるまいだ」(グランツ)
「(今後?) そうです父上、そのことで名案があって来たのです!」
「父上、グランツ公。わたくしめにユフィリア嬢を下さいませ!」(アニス)
「私が全力で幸せにしてみせます!」(アニス)
「つまりですね…ユフィリア嬢を助手としてお招きしたいのです!」(アニス)
「か…かわいい。子犬みたいなお目々のかわいさ。もはや魔法の一種では?」
「存在がチート…」(アニス)
「その通りです、グランツ公」
「共同研究した成果をユフィリア嬢に発表してもらうことで」
「名誉挽回するのはどうでしょう?」(アニス)
「(功績?) 私はただ、(魔学が)好きなだけなんだ」
「今ある世界を一変させる、夢とロマンにあふれる新技術!」(アニス)
「そして出来れば、ユフィリア嬢にも好きになってもらえたらなって…」(アニス)
「はぁ! ま…魔学を、ですよね?」(ユフィ)
「父上!」
「男性との結婚などごめんです!」
「愛でるなら、私は女性を愛でたいです!」(アニス)
「すまなかったな、ユフィリア」
「お前はマゼンタ公爵家の令嬢として、恥じないように努力してくれた」
「私も父として、背を押すことが正しいと信じていた」(グランツ)
「私はそれが間違いだったかもしれないと感じている」(グランツ)
「今の私があるのは、お父様の教育のたまものです」
「全て私の責任です」(ユフィ)
「公爵令嬢として、次期王妃として至らないばかりに」
「家名に泥を塗った愚かな娘の…」(ユフィ)
「私の娘に、愚か者などいない」
「お前は私の期待によく応えた、応え過ぎるほどに…」
「お前の意志がそこにあったのかと、今では疑ってしまう」(グランツ)
「きっと私は父親として、人として不出来なのだろうな」
「公爵家のことは心配しなくていい」
「お前の本心ならば、たとえ王が相手でも叶えてみせよう」(グランツ)
「ユフィリア…王妃になるのはつらいか?」(グランツ)
「万が一ユフィリアが手籠にされるならば…それはそれで悪くあるまい」
「冗談だ」(グランツ)
「だがアニスフィア王女にユフィリアを付けておくこと自体、意味が生まれるかもしれない」
「次期王位については、まだ道が1つと決まったわけではないからな」(グランツ)
「今は友として語らう時間だと聞いたが?」
「あのアニスフィア王女が国王になる。そんな夢を見てもいいだろう」(グランツ)
「私は全く見たくないがな、そんな悪夢」(オルファンス)
「アニスって呼んでいいよ。あ…私はユフィって呼ぶね」
「もう知らない仲じゃないもんね!」(アニス)
「こうなったら収まらないのがアニス様ですので」
「悪魔に魅入られたようなものだと思って諦めて下さい」(イリア)
「やっぱり、アニス様は凄いです。私は魔法も精霊もあって当然のもので」
「それが”なぜ”なんて考えたことがありませんでした」(ユフィ)
「ホントはね…魔法を使える人がね、ちょっとだけね、うらやましくてね」(アニス)
「魔法を全く使えない姫様が」
「王族としては致命的なポンのコツでいらっしゃいますからね」(イリア)
「もしも魔法に準ずる何かが、平民も自由に使えるようになったら」
「権威の失墜を、保守的な貴族がどう感じるか?」(ユフィ)
「この人はきっと、この国にとっての劇薬だ」(ユフィ)
「(寝巻き) ありがとうございます」
「(着替えますので)あっち行ってて下さい」(ユフィ)
「今日は1日お疲れ様」
「いろいろあったけど、私と魔学の魅力、伝わってたらいいな」(アニス)
「そうですね…アニス様は噂通りのキテレツな方で」
「噂以上に不思議な方でした」(ユフィ)
「あなたは、なんなのですか?」(ユフィ)
「今日だけでも分かります」
「アニス様は賢くて、大きな夢があって…きっと1人でも誰より自由に生きていける」(ユフィ)
「なのにどうして、助けてくれたのですか?」
「友人だったわけでもない、私なんかを…」(ユフィ)
「理由はいろいろだよ」
「個人的な好意もあるし、打算だってある」
「けど一番はね、ユフィが完璧だったから」(アニス)
「自分でちゃんと笑える子なら好きにすればいいよ」
「でも今のユフィには、それが出来ていないように見えた」(アニス)
「私が本当に自由だとしたらね」
「そういう不自由な子には、どうしたって手を伸ばしたくなっちゃうよ」(アニス)
「それだけのことで、わざわざ…」(ユフィ)
「それだけのことが、私にはとっても大事なことなんだ」(アニス)
「魔法使いは、誰かを笑顔にするために魔法を使うものだから」(アニス)
「よく頑張ったね。今はゆっくりおやすみ、ユフィ」(アニス)
3話
「いろいろありましたが、好奇の視線にさらされずに済んでいるのも」
「アニス様のおかげです」(ユフィ)
「(姫様は)夜明けと共に箒で飛び出して行きましたよ」
「ど派手にお忍びで」(イリア)
「”ど派手にお忍びで”というのも、また奇妙は表現ですね」(ユフィ)
「いつものことでございます」(イリア)
「実験付き合ってよ」
「言ったでしょ。ユフィの専用魔道具作るって!」(アニス)
「(魔剣) 携帯性に優れ、対魔法戦闘にも有効」
「杖としての機能も持たせられれば、かなり使えそうです」(ユフィ)
「そ・れ・だ! さすがユフィ!」
「顔がいい、頭がいい、性格がいい!」(アニス)
「これ(箒)、本当に平気ですか?」
「すごく揺れてるんですが、死にませんか?」(ユフィ)
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと支えてるから、ずっと後ろ持ってるから」(アニス)
「ホントですか? 絶対ですか?」(ユフィ)
「約束ですよ。絶対支えていて下さいね」(ユフィ)
「うんうん、絶対絶対! 約束約束! 王族、嘘つかない!」(アニス)
「飛べた…これが、空を飛ぶ感覚」
「アニス様、これでいいんでしょうか…」(ユフィ)
「大丈夫? ごめんね、今の事故なんだよ!」
「ホ…ホントだよ。安全対策は私で実証済みだから、平気だと思ったんだよ!」(アニス)
「だからね…だからその、ご…ごめんね」(アニス)
「失礼しました」
「そういうわけにはまいりません。アニス様は王女殿下です」(ユフィ)
「(継承権はない?) それでもです」
「それに、今の私はアニス様の助手ですから、敬意は払わねばなりません」(ユフィ)
「遊びがありすぎなのも困りますよ」(イリア)
「(昔からああ?) そんなことはございません」
「昔はもっとハチャメチャな、うつけ・どあほう・キテレツ博覧会でした」(イリア)
「(大変?) 私はさほど。振り回されるのもメイドの役割…」
「いえ、役得ですから」(イリア)
「(役得?) 私にはまだ難しいようです」(ユフィ)
「でしょうとも。嫌なら嫌とハッキリ拒絶した方が、お互い楽ですよ」(イリア)
「珍しい。あの姫様を好ましいと思う奇特な方も」
「世の中にはいらっしゃるのですね」(イリア)
「いえ、好ましいわけでもないのですが…」
「分からない、というのが正直なところです」(ユフィ)
「いい人だとは思いますが、けれど…ただただ、遠くて…」(ユフィ)
「みな自身の正義を信じて疑わないようでした」
「糾弾する際も悪意はなく、己の信念にそっているのだと感じました」(ユフィ)
「得てして正義感に酔いしれた者は、周囲が見えなくなるものではあるが…」(オルファンス)
「禁書庫の鍵です。王妃教育を受けるためにお借りしておりました」(ユフィ)
「私にその(持つ)資格はもうございません。お返し致します」(ユフィ)
「そもそも、アルガルド様のお心が私に向けられていなかっただけのこと」
「ですが、その事実にもさほど傷付いてはいないのです」(ユフィ)
「何も感じないといいますか…」
「まるで何もかもが、乾いてしまったかのような…」(ユフィ)
「(言葉足らず?) そうか…父親というのは、難しいな」(グランツ)
「あるいは、今のユフィリア様もそうなのかもしれません」
「ドレスもコルセットも必要ない」
「あなた様を縛り付けるものは、何もございませんよ」(イリア)
「そうですね。何も…何もありません」(ユフィ)
「つまり…完成したよ。ユフィ専用の魔道具」(アニス)
「(専用魔道具) すごい!」
「まるで初めから自分の一部だったような」(ユフィ)
「やっぱり…ユフィの魔法、きれい」(アニス)
「ユフィ専用っていうのが、コンセプトのスタートだからね」
「似合って当然!」(アニス)
「名前もね、考えたんだよ」
「”アルカンシェル”」
「”虹”って意味。魔法の属性たくさんだし、色がいっぱいだし」
「ユフィにピッタリ」(アニス)
「本当にね、ピッタリなんだよ」
「昔から思ってたの、虹みたいだ~って。きれいだな~って」
「ホントきれい、ずるいくらい…」(アニス)
「全くこの人は…膝枕なんて、誰にもしたことがなかったですね」(ユフィ)
「あなたが…うらやましいです、アニス様」
「私もほんの一欠片でも、この人のようになれたら…」(ユフィ)
4話
「全く姫様は、好きな相手にはすぐお腹を見せるのですね」
「まるで犬。いえ…」(イリア)
「アニス様は、どこまでも羽ばたく美しい鳥みたい」
「私は…どこにも行けずに落ちていくだけ」
「空っぽだ」(ユフィ)
「ホント…ユフィは不器用だなあ」(アニス)
「命じて欲しいです」
「王族であるあなたが願ってくれるなら、私きっとなんでも…」(ユフィ)
「ユフィ」
「欲しいものも、望みたいものも分からないなら…ゆっくり、一緒に探そう」(アニス)
「ここで一緒に笑ってくれるだけで、嬉しいんだ」
「私はあなたを自由にするよ」(アニス)
「アニス様の体温…気持ちいい」(ユフィ)
「あなたはまぶしすぎて…胸が苦しくなるほどのこの温もりを…」
「もう手放せそうにありません」(ユフィ)
「昨日よりもだいぶ体が軽い」
「休んだおかげか、それとも…」(ユフィ)
「無理にお手伝いいただかなくとも構いませんよ」
「役割以外のことを自発的にするのは難しいですか?」(イリア)
「姫様は、敬われるのがお嫌いですからね」
「あえておふざけに付き合っているのです」
「私としては、心の底から敬いたいところなのですが」(イリア)
「私も、昔は型にハマった人間でしたよ」
「親の言うことにまるで逆らわず」
「金持ちのご老人に嫁げと言われても、一切の疑問を持ちませんでした」(イリア)
「ですが…そんな型通りの生き方は」
「型破りの姫様に粉微塵にされてしまいましてね」(イリア)
「今となっては実家の両親には…」
「ざまみろという気持ちでいっぱいですね」(イリア)
「イリアはだいぶあの…個性的になったのですね」
「褒めてないです…」(ユフィ)
「私が保証致します。ですからその分、悩む権利がございます」
「どうぞ心ゆくまでお悩み下さい」
「その時間は、姫様がいくらでも稼いでくれることでしょう」(イリア)
「たとえ手遅れになっても、どうせ自分が責任持って引き取ると言い出しますよ」
「私にしたように」(イリア)
「まだ、上手く言えないのですが…」
「私はきっと、この離宮に来られてよかったと思います」(ユフィ)
「(冒険者?) ゴ…ゴールドランク!」
「どうして、王女殿下が冒険者になっているんですか!?」(ユフィ)
「だって(冒険者は)、魔物の素材欲しいし、自分で資金の調達できたら便利だし」(アニス)
「研究一筋が過ぎます…」(ユフィ)
「何がそこまで、あなたを駆り立てるのですか?」(ユフィ)
「私が私であるために…行かないとダメなんだ」(アニス)
「そうだ…この方は、1人きりでどこまでも飛んでいける人なんだ」
「でも…」(ユフィ)
「分かりました」
「どうしても行かれるというのでしたら、私を連れて行って下さい!」(ユフィ)
5話
「(魔石を求める理由?) 魔法使いになるためだよ」(アニス)
「あなたの魔学は素晴らしいです」
「魔道具も、人のためにあるものです」
「ですが、魔石を扱う技術は、恐ろしいものに感じます」(ユフィ)
「(恐ろしい?) そうだね」
「もしかしたら自分を魔物に創り変えるような方法なのかもしれない」(アニス)
「でも、普通の方法で魔法が使えない私は、それを選ぶしかない」
「それが、私の願いだから」(アニス)
「よし! なら、ドラゴンは私に任せて!」
「この国で唯一といっていい、空を飛べる戦力だからね!」(アニス)
「本気だし、正気だよ」(アニス)
「(効率?) 分かっていても、納得できないことはあるのですよ…」(ユフィ)
「そうかもね。でも…大丈夫だから!」(アニス)
「さあ…楽しい楽しい、素材狩りの時間だよ!」(アニス)
「ユフィの魔法…やっぱり凄い!」(アニス)
「これが…本物(の魔法)」(アニス)
「ああ…あれが、ドラゴン?」
「なんて、美しいんだ!」
「凄い、本当に凄い!」(アニス)
「あんな生き物がいるなんて」
「世界はいつだって素晴らしい!」(アニス)
「ねえ、ユフィ」
「あのドラゴンの魔石を手に入れたら…」
「私はどんなことが出来るようになるのかなあ!」(アニス)
「初めまして…そして食らえーーっ!」(アニス)
「もっと…もっと速く! あの人のもとへ!」
「あの人が…そうしたように!」(ユフィ)
「まだ…戦うのですか?」
「今あなたは、死にそうになったのですよ!」
「そこまでして、あなたはなぜ…」(ユフィ)
「理由なんて簡単だよ」
「それが、私が思う魔法使いだから」(アニス)
「あれは人の笑顔を奪う、放っておいてはいけないものだよ」
「だから戦うんだ」(アニス)
「私の思い描く魔法使いは、いつだって誰かの笑顔のために魔法を使うんだ」
「ここで逃げたら、私はもう魔法使いを名乗れない」(アニス)
「私には分かりません」
「でも、あなたのその思いが、私をここにいさせてくれるものなら」
「私はそれを守りたいんです」(ユフィ)
「だから行かせたくない!」
「あなたに死んでほしくない!」(ユフィ)
「今行かないとあなたがあなたでなくなってしまうなら」
「せめて私を連れて行って下さい!」(ユフィ)
「決してお邪魔にはなりません」
「あなたの魔法を理解したいのです」(ユフィ)
「空を飛ぶ術なら感覚はつかみました。補助が出来ます、防御も出来ます」
「あなたを支えることが出来ます」(ユフィ)
「だから…だからどうか、1人で行かないで…」(ユフィ)
「分かった、行かない」
「でも、あれは止めなきゃいけない」
「だから私は行かなきゃいけない」(アニス)
「だけどやっぱり1人じゃ厳しい」
「私から言うよ、ユフィ」
「付き合ってくれる?」(アニス)
「あなたがそう望んでくれるなら、どこまでもお供します」(ユフィ)
「命、預かったよ!」(アニス)
「とっくに預けました」(ユフィ)
「今度は…お前が墜ちろーーっ!」(アニス)
「あれは逃げ…」
「ダメだ…私達が避ければ、そこ一体が薙ぎ払われる」(アニス)
「あれ(ドラゴンの砲撃)を、ぶった斬る」(アニス)
「あれも魔法だよ」
「純粋な魔力の砲撃なら、私のこの剣で斬れるはず」(アニス)
「不可能ぐらい可能にしてみせないと…魔法使いを名乗れない!」(アニス)
「分かりました…見せて下さい、私が守りますから」
「私が、見ていますから!」(ユフィ)
「不可能なんて…可能にするもんでしょうがぁぁぁーーー!!!」(アニス)
「ああ…我を討ち果たした者よ」
「どうか…どうか、呪われておくれ…」(ドラゴン)
「ああ…戦勝会とかダル~」
「やっぱりこういうノリ苦手だな~」(アニス)
「ダンスは貴族のたしなみとはいえ…」
「実は男性と触れ合うのがちょっと息苦しくて…」(ユフィ)
「踊ろう、ユフィ!」
「ダンスが嫌いなわけじゃないでしょ?」
「だったらもったいないよ」(アニス)
「あの日…アニス様に連れ出してもらわなかったら」
「私は泣いて潰れて、壊れていたかもしれません」(ユフィ)
「だけどあなたが連れ出してくれた。私は嬉しかったです」
「何もかも失敗した私にチャンスをくれて、本当にありがとうございます」(ユフィ)
「ドラゴンを倒すような無茶を」
「きっとあなたはこれからもしてしまうのでしょうね」(ユフィ)
「あなたは目を離してはおけない大事な人」
「どうか、これからもよろしくお願い致します、アニス様」(ユフィ)
「これからも私にずっとついてきてよね、ユフィ!」(アニス)
6話
「ティルティ様はその…危なくはないのですか?」(ユフィ)
「危ないよ、メッチャ危ない奴だよ!」(アニス)
「変わった方ではありますね」
「なんせ、姫様の共同研究者ですから」(イリア)
「つまり…姫様の同類です」(イリア)
「それで…雁首そろえてゾロゾロピヨピヨ、何しに来たの?」(ティルティ)
「また頭おかしいこと考えて来たんじゃないでしょうね?」(ティルティ)
「なるほど。自分が苦しんだからこそ誰かの助けになりたいと…」
「素晴らしい志です!」(ユフィ)
「ティルティは、そんな殊勝な奴じゃないよ!」
「呪いを解明することに喜びを感じる変人なだけだよね~!」(アニス)
「面白そうだから、私は問題ないわ!」(ティルティ)
「あなたは突拍子もない破天荒な娘ですが」
「信頼していないわけではありません」(シルフィーヌ・メイズ・パレッティア)
「その直感…特別な視点であれば、何か気づくことがあるかもしれません」
「頼りにしていますよ」(シルフィーヌ)
「何が何やら分かりませんが分かりました」
「アニス様にお任せします」(イリア)
「問題ないです、対抗策もありますし」
「私が責任を持って、レイニ嬢を保護します」(アニス)
「ホント…あなたのそういうところがダメなのよ」(シルフィーヌ)
7話
「レイニ嬢。あなたの事情は伺いました」
「私がそれに関して思うところは…」
「何もありません」(ユフィ)
「レイニ嬢。あなたは害意があって、私を陥れたのですか?」
「であれば…あなたの生まれ持つ不幸を、罪には問えません」(ユフィ)
「あなたにも事情があり、助けが必要でここへ来たのでしょう?」
「それなら私は、この手を弾くことなど出来ません」(ユフィ)
「(制御?) それ面白そうね」
「早速、じっけ…いえ特訓をしましょう」(ティルティ)
「アニス様は異端なのよ」
「中途半端なままでそばにいると後悔するわ」(ティルティ)
「私は…私自身は、何を本気でしたいんだろうって、考えていたんです」(ユフィ)
「(なぜ魔法が好きか?) 突然だねえ」
「う~ん…それはもう好きだからって理由に尽きるかな~」(アニス)
「多分、恋みたいなものだよ!」
「知らないけどね!」(アニス)
「私も好きになりたいです…」(ユフィ)
「(趣味?) え~! 魔法使いが飛ぶっていったら普通”箒”じゃん!」(アニス)
「ですが…こうした革新的な研究が」
「魔法省の方々には精霊や神々への冒涜と捉えられてしまうことを」
「わたくしは懸念しております」(ユフィ)
「世を知り、ことわりを知り、魔法を知り」
「その全てが総合されて、魔学は生まれています」(ユフィ)
「それは学問であって」
「決して信仰や伝統をないがしろにするものではありません」(ユフィ)
「確かに王女殿下の魔学は、既存の枠を外れた大胆な…」
「言い換えれば異端で、理解しがたいものに見えるかもしれません」(ユフィ)
「しかしそれは、精霊達への敬意の表れなのです」(ユフィ)
「いえむしろ、今まで我等が受け継いできた信仰や伝統あってこそ」
「生まれたものなのです」(ユフィ)
「王女殿下が精霊の加護をたまわらなかったのは」
「無才だったからではありません」(ユフィ)
「その才を、精霊がお認めになったがゆえなのだと」
「わたくしは皆様にお伝えしたく思います」(ユフィ)
「わたくしは思うのです」
「今こそ我等は、変化と共に歩むべきなのだと」(ユフィ)
「ここまで歩んで来た礎と共に、皆様と共に」
「未来を目指したく思うのです」(ユフィ)
「本日はそのよき未来のための」
「第一歩になればと願うばかりでございます」(ユフィ)
8話
「己と縁遠い存在への拒否感、無理解、平民と貴族の断絶…」
「この国は、随分とゆがんでしまった」(アルガルド)
「私は、パレッティア王国を変えたい」(アルガルド)
「先の王、俺の祖父も国を変えようとしたのだがな…失敗したよ」
「生半可なやり方では、不可能だろう…」(アルガルド)
「この先は、厳しい道になる」
「残念なことも起きるかもしれない」
「それでも…着いてきてくれるか?」
「レイニ」(アルガルド)
「悩み過ぎると幸せが逃げていきますよ」(イリア)
「難しい悩み事ほど、時間がかかるものです」(イリア)
「それよりあなたには、簡単に解決できる問題があります」(イリア)
「美味しく淹れた紅茶が冷めてしまう、という侍女の悩みです」(イリア)
「相変わらず判断が早い」
「だが…詰めは甘いな」(アルガルド)
「謝罪はしない、許しも請わない」
「ただ…残念だ、レイニ」(アルガルド)
「何言ってるか全然分かんない」
「変な人…」(アニス)
「反乱? 反乱なのかしら?」
「それなら相手は私がしてあげるからさ…」
「もっと暴れなさいよ、ねえ!」(ティルティ)
「どうやっても…何をしても…」
「やはり、最後には立ちふさがるか」
「姉上」(アルガルド)
「待つことには慣れている」
「この時を何年も待っていたのだからな」(アルガルド)
「王族ならば、己の感情に振り回されて判断を誤ってはならない」
「私はそう叩き込まれてきた」(アルガルド)
「唯一の王位継承権者としてな」(アルガルド)
「化け物がかくも簡単に捨てたものならば」
「凡愚の俺が血反吐を吐いて拾ったとて、なんの文句がある?」(アルガルド)
「そうか…いいでしょう、アルガルド」
「あなたが立っている場所は、確かに私が捨てたものなのでしょうね」(アニス)
「ですが認めるわけにはいきません」
「私が捨てた未来を、あなたが拾うのだというならば」
「私はあなたの捨てた今をこそ拾いましょう」(アニス)
「人を傷つけ、踏みにじる」
「人でなしの王が治める国に、民の幸福はありません」(アニス)
「力? 滑稽なことを言いますね」
「よもや、私と同じ土俵で勝てると…」
「うぬぼれているのですか!?」(アニス)
「力が全てだというのなら、私を降してみせなさい!」(アニス)
「いいえ。とち狂った弟を止める…」
「それは姉としての権利です!」(アニス)
「構えなさい、アルガルド」
「あなたの定義を…否定します!」(アニス)
9話
「私は私だよ、他の何者にもなれない」
「ただ魔法に憧れただけの人」(アニス)
「あなたは…この国にふさわしくない」(アルガルド)
「私は今でも信じてる、魔法を信じて憧れている」
「これからもずっと!」(アニス)
「それだけで十分幸せなんだよ」(アニス)
「信じたものがあなたを裏切り続けると知りながらも、そういうのか?」
「やはり傲慢だよ、あなたは」(アルガルド)
「俺はあなたを超える!」
「超えねばならない、超えなければ進めない!」(アルガルド)
「分かってるよ…」
「殺すつもりで来いって、そう言うんでしょ?」(アニス)
「ホントに…バカな弟なんだからあ!」(アニス)
「こんなことで殺し合ってどうするんですか!?」
「そろいもそろってバカです!」(ユフィ)
「そんな顔をしてまで戦いたかったわけじゃないでしょう!」
「殺したかったわけじゃないでしょう!」(ユフィ)
「なのに戦って、傷つけあって…」
「バカじゃないですか!」(ユフィ)
「よりよいものを否定し、伝統ばかりに固執する国に」
「過去の栄華はあっても未来などない」(アルガルド)
「ならば…一度壊すしかないだろう」(アルガルド)
「姉上…なりたいものになれないのは、つらいな…」(アルガルド)
「覚えて…いるだろうか?」(アルガルド)
「仲直りの…握手、だね!」(アニス)
「守ってあげられなくて…本当に、ごめんね」(アニス)
「アルガルド様、一度だけご無礼をお許し下さい」(ユフィ)
「本当は拳を握ろうかと思いましたが…」
「さすがにやめました」(ユフィ)
「姉上を、頼む」(アルガルド)
「アニス様…どうかよい夢を」
「おそばにいます…私が」(ユフィ)
10話
「結局…魔法を使えないことが、どこまで行っても足を引っ張るんだよね」(アニス)
「私が助けになれると思います」
「マゼンタ公爵家の娘として、アニス様と貴族達との橋渡しが出来るはずです」(ユフィ)
「私は…アルガルド様からアニス様を託された身です」
「臣下として、しっかりお支えしなければなりません」(ユフィ)
「大丈夫…覚悟はしてたよ」
「私ならやれるよ」(アニス)
「私はアニスフィア・ウィン・パレッティア」
「この国の、たった1人の王女様だから…仕方ないよ」(アニス)
「私も(一緒に)行きます」
「アニス様はもう1人の体ではありません」
「何かあってからでは遅いですから」(ユフィ)
「それって…デートってこと?」
「2人きりで、お忍びデートだね!」(アニス)
「(姫様は)名君になれると思いますよ」
「ですが…向いていないでしょうね」(イリア)
「力があることとやらされることは違います」
「姫様が王になったら」
「街にお出かけすることも出来なくなるのではありませんか?」(イリア)
「姫様は破天荒で常識知らずみたいに振る舞っていますが」
「本質的なところではとても真面目な方です」(イリア)
「皆に認められる王様となるために、もう魔学に触れるつもりはないのでしょう」(イリア)
「あの方は背負い過ぎるのです」
「小さい頃から変わりません」(イリア)
「王様になったら…きっと、大切なものを捨ててしまう」(イリア)
「でも…私は、マゼンタ公爵家の娘です」
「貴族の…王族の責務があるのです」(ユフィ)
「責務を果たした姫様は…」
「幸せに、笑ってくれますか?」(イリア)
「私は…ただお助けしたいだけなのです」(ユフィ)
「悲しむ姿なんて見たくないのに…」
「アニス様が抱える問題を解決できないのが、苦しくて…」(ユフィ)
「アニス様が抱える問題?」
「間違っているのはそこからよ」(ティルティ)
「本当はあなた自身の問題でしょ?」(ティルティ)
「王家を支える立場なのに…私個人は…」
「アニス様に、王になってほしくないのです」(ユフィ)
「正しい正しくないなんて、どうだっていいでしょ」
「探してみなさい、本当にあなたが進みたいと思う道を」(ティルティ)
「望んでも、よいのでしょうか?」(ユフィ)
「あなたがそうと決めたなら、はばめる人は誰もいなわよ」
「あなたはこの国きっての天才令嬢、でしょ」(ティルティ)
「(責任?) 私は…それでも私は、認められません」
「そこにアニス様の本当の笑顔はないのです!」(ユフィ)
「この国が…多くの民が…」
「1人の笑顔に変えられるものではないことは分かっています」(ユフィ)
「それでも…仕方ないとは言いたくないのです!」(ユフィ)
「ただ…お慕いしているのです」
「立場も家族も、全てを失ったとしても、この気持ちは変わりません!」(ユフィ)
11話
「陛下のお考えがどうあれ、私は王位継承者として、その職責を全うする所存です」
「皆様にお力添えいただけましたら幸いです」(アニス)
「私は私の成すべきことを見つけました」
「それをアニス様に…そして両陛下はじめ皆様に聞いていただきたいのです」(ユフィ)
「大丈夫…私は大丈夫…」(アニス)
「私はリュミ様に、精霊契約の資格を見出されました」(ユフィ)
「そう…今この世で唯1人、彼女だけがその資格と意思を持っている」(リュミエル・レネ・パレッティア、愛称:リュミ)
「私の本当の名前はリュミエル・レネ・パレッティア」
「つまりあなた達のご先祖様」(リュミ)
「精霊になれば、人が当たり前に抱く欲求は消え失せる」
「記憶も、感情も不要になる」(リュミ)
「想像できる? 全て忘れるの」(リュミ)
「どれだけ必死に書き留めても、紙の上の出来事」
「思いを伴わない、単なる記憶でしかなくなり…忘れたことさえ忘れてしまう」(リュミ)
「人の身も、人の命も、いずれは人の心さえも失って…」
「永劫の孤独に囚われる」(リュミ)
「私の望みを叶えるのに精霊契約は欠かせません」(ユフィ)
「陛下。精霊契約を叶えた暁には、私を王家に養子として迎え入れていただき」
「王位継承権をたわまりたく存じます」(ユフィ)
「私は、アニス様が王になるのが許せないのです」(ユフィ)
「(頼んでない?) はい、これは私が勝手に果たすと決めた誓いです」
「私はあなたを王になどしたくない」(ユフィ)
「アニス様は、自分が王になってこの国を導いていけると」
「本当にそう思っているのですか?」(ユフィ)
「私には魔法の才能なんてない…この国の貴族に受け入れられないなんて分かってる」
「でもだからって! ユフィに背負わせていい理由にはならない!」(アニス)
「それでも私が王になれば、あなたの夢を守ることが出来ます」(ユフィ)
「あなたは魔法を愛して、解明して」
「もっと多くの人に素晴らしさを伝えたいのではなかったのですか!」(ユフィ)
「それがあなたの夢だったのでしょう!?」(ユフィ)
「私はあなたに夢を叶えてほしい」
「その夢こそが、この国を豊かにするからです」(ユフィ)
「あなたの夢を共に見させて下さい」
「あなたが自由であることが私の願いであり、望みなのです」(ユフィ)
「ですからアニス様、どうか私の手を取って下さい」(ユフィ)
「ダメだよ…そんなこと言わないでよ…すがらせないでよ…」(アニス)
「私は王女なんだ!」
「どんなに受け入れられなくたって、私はこの国の王女なの!」(アニス)
「ユフィにその役割まで取られたら…私になんの価値が残るの?」(アニス)
「娘に責任だけ押し付けるバカな父親」
「古臭いカビの生えた伝統をありがたがってるバカな貴族」
「あんたを認められないバカな国」(ティルティ)
「そんな連中に許してもらう必要ある?」(ティルティ)
「でもダメ…それでも捨てられない」
「王女であることは捨てられないの」(アニス)
「アニス様に怒りを向けられるのは、初めてですね」(ユフィ)
「アニス様の中で王女であることは」
「私が考えていたよりも大切なものだったのですね」(ユフィ)
「大丈夫なわけないでしょう!」
「自分以外の誰かが大事で、放っておけなくて、自分を犠牲にしてしまうような人が」
「誰にも認められず、嫌われて平気なわけ…大丈夫なわけないんですよ!」(ユフィ)
「それでも、父上と母上が守ろうとした国なの!」
「それを…私は壊すことしか出来ない」(アニス)
「私が誰よりもあなたを肯定します、アニス様」(ユフィ)
「諦めていい。私が誰より憧れたユフィが認めてくれた」
「もう十分報われた」(アニス)
「分かるよ…ユフィが譲れないのも、ユフィの気持ちも言いたいことも」
「だから…勝負しよう」(アニス)
「それで、私を納得させて」(アニス)
12話
「私はあなたを王になどしたくない」(ユフィ)
「私はあなたに全てを捧げさせたくない」(アニス)
「それでは」(ユフィ)
「決着をつけよう」(アニス)
「ユフィは報われるべきだ」
「だって…たくさん傷ついたじゃない」
「これから自由になって、生きたいように生きていいのに!」(アニス)
「だから…私の代わりなんてしなくていいんだよ!」(アニス)
「ええ、そうです。あなたに代わりなんていない」
「誰があなに代われるというのですか?」(ユフィ)
「アニス様、私は信じているんです」
「あなたの夢は、あなたの魔法は、もっと高く、きっとどこまでも飛んでいける」(ユフィ)
「いずれあなたの時代が来る」
「その時代を、私はあなたと生きたいのです」(ユフィ)
「ユフィを犠牲にしてまで、自分の夢を叶えたいなんて思えない!」
「そこまでしてもらわなくたっていいんだよ!」(アニス)
「私は、だいじょ…」(アニス)
「大丈夫などと言わせません!」
「大丈夫じゃないから、あなたは今、泣いているんじゃないですか!」(ユフィ)
「いいでしょ、誰も傷つかないなら」
「私が諦めれば、私が納得すれば、それで終わりなんだよ!」
「もういいんだよ!」(アニス)
「私はあなたを傷つけるものが許せない」
「あなたを傷つけ、夢を手折ろうとする世界が許せない」(ユフィ)
「私だけがあなたの傷になればいい」
「あなたに諦めさせない傷跡に」(ユフィ)
「あなたに恨まれても、憎まれても、何度だってあなたの幸せを願い続けます」(ユフィ)
「アニス様、幸せになってほしいんです」
「あなたには、この世界で誰よりも」(ユフィ)
「私だって、そうだよ…」(アニス)
「ユフィが苦しむなんて絶対嫌だ!」
「だからあなたには負けられない!」
「負けたくない!」(アニス)
「あなたの涙を止めるために必要なら、私は負けません」
「全てを受け止めます!」(ユフィ)
「あれは…」
「ついに、到ってしまったのね」(リュミ)
「アニス様!」
「これがあなたの示してくれた私の力」
「夢見た未来そのものです!」(ユフィ)
「あなたがいくら諦めようとしたって、私が示します!」
「アルカンシェル(虹)」(ユフィ)
「凄く、綺麗だった…」
「勝てるわけ、ないじゃん…」(アニス)
「ユフィ…」
「ズルいよ…ズルいよ!」(アニス)
「アニス様、あなたが私をここまで到らせてくれた」
「私1人じゃ届かなかった」(ユフィ)
「私1人では、世界をこんなにも愛せなかった」
「あなたがいる世界だから、世界はこんなにも美しい」(ユフィ)
「あなたも美しいと思ってくれるならどうか」
「自分のことも愛してあげて下さい」(ユフィ)
「ユフィ…私…私、ごめんね」
「私、大丈夫じゃない!」
「大丈夫じゃいられないよ!」(アニス)
「私があなたの手を引きます」
「私には必要なんです」
「他の誰でもない、あなたが」(ユフィ)
「母上…ごめんなさい」
「やっぱり私には、王様になるの無理そうです」(アニス)
「私が魔法を使えないせいで、母上が自分を責めてるの知ってたから…」
「せめて王女として背負わなきゃって思ったのに」(アニス)
「じゃないと、2人の娘なんて名乗れないから」
「不出来な娘でごめんな…」(アニス)
「私…王女でいいですか?」
「父上と母上の娘で?」(アニス)
「私が王女であること、父上と母上の娘であることこだわったのには理由があるの」(アニス)
「ずっと秘密にしてきた、誰にも打ち明けたことのない私だけの秘密」(アニス)
「打ち明けようと思ったのはユフィが最初だよ」
「死ぬまでずっと抱えていくつもりだった」(アニス)
「ユフィ」
「私の秘密、墓の下まで一緒に持っていってくれる?」(アニス)
「私には、前世の記憶があるの」
「そこは、こことは全然違う世界でね」
「魔法はおとぎ話の中にしか存在しなかったの」(アニス)
「この世界には魔法が存在してて、夢みたいだって思った」
「夢だったらよかったのにって思った…」(アニス)
「私は…本当に”アニスフィア・ウィン・パレッティア”なのかな?」(アニス)
「そう考えたら…怖かったの」
「私は偽物なんじゃないかって」(アニス)
「偽物なんて、そんなことがあるわけないでしょう!」(ユフィ)
「あなたが思うあなたが、私を思ってくれているあなたが、ここに確かにいるのに」
「偽物だなんて言わないで下さい…」(ユフィ)
「あなたが私にとって、世界で一番の魔法使いです」(ユフィ)
「な…なんでキスするのさ? バカ!」(アニス)
「したいと思ったからです」(ユフィ)
「好きになった相手としかキスはダメでしょ?」(アニス)
「好きですよ」(ユフィ)
「そ…それは敬愛とか友情的な意味でしょ?」
「絶対そうなんだから!」(アニス)
「あなたが望むなら、忠誠でも友情でも捧げますけれど」
「でもこの思いはありのまま、出来れば受け取ってほしいです」(ユフィ)
「ユフィ、待って」(アニス)
「嫌です」(ユフィ)
「私の未来はユフィと共にありますから」(アニス)
「これまで受け継いできた魔法の時代と伝統を、私が正しく終わらせます」
「それが、私が王になる意味です」(ユフィ)
「そして貴族の特権ではなく、誰もが望めば魔法を手に取れる時代を築く」
「その時代の担い手は…」(ユフィ)
「私は…強いて言うなら、自由を広げてあげたいです」(アニス)
「(その魔剣の名は) ”セレスティアル”」
「”空”を意味する言葉です」(ユフィ)
「私の”アルカンシェル”が”虹”なので、近い名前がいいかと」(ユフィ)
「ねえ、ユフィ。私長生きするね」(アニス)
「だから、ずっと一緒にいてね」(アニス)
「はい、ずっと一緒に」(ユフィ)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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