原作小説「恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。」ウィステリア・イレーネ=ラファティの名言・台詞をまとめていきます。
恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。 1巻
一章
これが自分の我がままでしかないことを、よく理解していた。
──それでも、これだけは諦めたくないと思ってしまったのだ。
彼(ブライト)と出会い、この気持ちを知ってしまったから。
一度だけでいい。心から愛する人と結婚し、生を終えたいと。
犠牲を払わず、恩を返し、自分の力で何かをなして差を埋める──
望みを叶えるために必要な、結果を出す。
どんなに嗤われようが、蔑まれようが、ぐずぐずしている暇はない。
手をこまねいていたら、あの美しい金の目をした人は永遠に手に入らない。
魔法を使える者はいても、それを完璧に再現させるための説明ができる者はいない。
だが楽曲を楽譜に起こし、楽譜をなぞることで再現するように、
魔法も仕組みを解明し、なぞることで再現できるようになれば──。
「《未明の地》の番人というのは、向こうの地で異常なほど濃くなった瘴気を調整するため」
「行って、二度と戻らない者のことです」
妹を真に愛しているのなら。
自分を温かく迎え入れてくれた養親に真に感謝し、報いたいと願うならば。
答えなど、一つしかない。
自分が犠牲になれば、この人の心に少しでも消えぬ傷痕を遺せるだろうか。
罪悪感や後悔という形でも、彼の心のわずかでも占めることができるだろうか。
「一度だけ…抱きしめて、くれますか」
二章
「当時私はまだ若かったし、正真正銘のご令嬢だったんだぞ」
「それなりに繊細さがあったし、恐怖しないほうがおかしい」
「さて、それで。君は何者で、なぜサルティスを必要としている?」
「問答の時間が無いというのはわかるさ」
「君が人間なら、一刻も早くここから去らなければならない」
「いいか、青年。ここは《未明の地》だ」
「今は瘴気の濃度は安定しているが、それでも普通の人間が長く触れれば命を落とす」
「君は余計な装飾をつけなければ話せない病気にでもかかっているのか?」
「なぜ素直に友誼に感謝させてくれない」
「私は濃い瘴気を浴びてもすぐには死なないらしい」
「ただ体に蓄積されて…そのうちに、変異した」
四章
「魔物だが、彼らは無害だ。対価さえ払えばこうして協力してくれる」
「私の服も、彼らが作ってくれたものだ」
「服以外にも、身の回りで頼めることは多い」
「(対価?) 少々の《瘴気》。それも、私の体を循環したものがお好みらしい」
「(番人?) 望んでなったわけじゃない」
──時間だけは無限に存在するこの世界で、
後ろを振り向くことや前を見ることは死よりもおそろしかった。
(知らないことばかり、だな)
──知りたいという気持ちから必死に目を背けているのだから。
「少しは私を敬い、忠告をちゃんと聞け」
「もしまた同じことが起きても、手を離すな」
「一人で落ちようとするな」
「──ちゃんと、掴んでいるから」
終章
(本当に…あの声と、あの目は、だめだ)
(違う…でも同じ)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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