マンガ「最強陰陽師の異世界転生記」セイカ・ランプローグ(前世:玖峨晴嘉)の名言・台詞をまとめていきます。
最強陰陽師の異世界転生記
1巻
思えばすべて仕組まれていたのだろう。
弟子たちを人質に取られたことも、朝廷を敵に回さなければならなくなったことも。
そして、泣きながらぼくを討つに至ったあの子(愛弟子)のことも。
歴代最強の陰陽師と謳われたぼくでも、力だけでは限界があった。
ぼくに足りなかったものが、今でははっきりわかる。
「狡猾さ」だ。
──次はうまくやる。
魔力のない人間として(転生した)。でも別に問題はない。
この体には、魔力の代わりに呪力があふれている。
世界は強者ほど死にやすい。目立つ者は目の敵(かたき)にされるからだ。
だから、今ぼくの呪いを見せることは正直したくない。
だけど弱い者は奪われ続けるのも真理だ。
ここらで最低限の力を見せるのもいいだろう。
「(全然だめ?) そんなことないよ。イーファだって特別でしょ?」
「君、普通の人には見えないものが見えてない?」
…ぼくも運がいい。
この子(イーファ)では少し力不足だろうけど、仲間はいた方がいい。
(モンスター?) ぼくはまだ引けない。
──いいね、望んだ展開だ。
(たまたま?) ──笑える。
たまたまなわけないだろう。
前世のような覇道を行くつもりはない。目立たず上手に立ち回り、望む物を手にする。
それがきっと賢い生き方だと思うから。
前世でぼくに足りなかった狡猾さって、たぶんこういうことでいいんだよね?
少し驚いた。髮の色こそ違うが、よく似ていたから。
ぼくを殺したあの子に──。
弟子の成長は心に来るな…。
「容赦なく無慈悲に的を破壊した、イーファの冷酷な判断が良かったんだ!」
「怪し夜の 月照らす野に 人遭はば 人でなしとて 気ぞ清(すが)しけれ」
「これ師匠が詠んだ歌なんだ」
「月が怪しいほど美しい夜に会ったならば、それが化生であったとしても気分が良いものだ」
「そんな意味だよ」
勇者と魔王は実在した…?
おとぎ話は本当だったってことか…?
「言っただろう?」
「何をもう終わった気でいるんだ?」
「最強ねぇ…くだらないよ」
「世界を動かしているのは力の強い者か? 武芸に秀でた者か?」
「いや違う。力とは数だ」
「強さとは、それを操る狡猾さだ」
「個人の暴力なんて、世界にとっては取るに足らないよ」
「では宴(えん)もたけなわではあるけれど、ここらでお開きだ」
「其の方の体をもってして、ぼくの下僕の馳走とし、この饗宴を締めようか」
「召命──蛟(みずち)」
「ドラゴンじゃない、龍だよ」
いくら自分が強くても最後には周りに引きずり倒され、押し潰される。
それをぼくは身をもって知っている。
だから必要だった。だからこの学園に来た、探すために。
ぼくの代わりに最強になってくれる者を。
イーファでは力不足だったけど、勇者なら申し分ないだろう。
彼女の仲間になろう、信頼できる仲間に。
最後には彼女も押し潰されるかもしれない。だけどぼくはそれを悲しむだけで済む。
今度こそ、ぼくは幸せになれるんだ。
もしかしたら、また魔族が襲ってくるかもしれない。
でも大丈夫だよ、アミュ。
魔王とかいうのを倒してでも、ぼくが君を最強にしてあげるからね。
2巻
ぼくの今生での人生計画は、とてもシンプルだ。
勇者の仲間になり、その傘下で甘い蜜を吸う。
我ながらすばらしく小者くさくてナイスな計画だ。
よくよく思い出してみると、ぼくは前世で自分から友人を作ったことがない。
友達になるってどうすればいいんだ?
あれ…?
ぼくってもしかして、コミュ障?
もういいや、めんどくさ。
「無暗に敵ばかり作ってると、そのうち痛い目見ると思うよ」
前世の魔術は『呪い』こそが主役の一つだった。
はるか遠くから病に偽装し殺せる術…対人に限ればこれほど強力な術もない。
これが未発達だなんて…文化が違えば魔術も違うもんだな。
「(好み?) 違う違う、ただ友達になりたいだけだよ」
「(どうして?) それは…強いからさ」
「…悪いけど、イーファじゃあ力不足かな」
「君は想像できるかい?」
「自分が多くの人に称えられ恐れられ、その強さにすり寄られる姿を」
「あの子はいずれそうなる」
「それだけの才能があるんだ」
「ああいう悪目立ちは実は嫌いではないんだけど」
「ぼくの悪い癖だな」
「…割と絶望的な状況だなぁ」
「自分では探せない場所もあるだろ」
「いや別に、見せろなんて言ってないからね?」
「(イーファをやらしい目で?) は? 誰だよ、そいつら」
本当は情を移したくないだけだ。いつ切り捨てることになってもいいように。
ぼくは生まれ変わっても、人間を信用していない。
「生命は皆、子を残して次の世代に繋ぐものだ」
「では、どんな子を残すべきか」
「(強い子?) 多様な子だよ」
「アミュの求められる環境は、まだ来てないだけだよ」
「(死ぬまで来ない?) それでもいいんだよ」
「アミュがいた意味はあったから」
「争いの世に備えてたっていうね」
「よし! 行こう、アミュ!」
「ぼく冒険するの初めてなんだ。どうせなら楽しもう!」
「ぼくらならモンスターなんて敵じゃないよ」
「(勝つ自信?) アミュとならね」
アミュが注意を引いてくれるおかげで、戦闘中でも術が使いやすい。
前世でも武者と術士が協力すれば、妖怪退治もしやすかったのかな…。
(いつでも脱出できた?) せっかくだし楽しみたかったんだよ。
あとは──アミュに経験を積んでほしかった。
いずれ最強になってもらうために──。
「(ダンジョンドロップ?) そういうの探すのは楽しそうだな」
「いや…冒険者か、悪くないな」
「また冒険に行こうか!」
「今度はちゃんと準備もして」
「どんな条件であろうと、ばれてしまえばこの通りです」
「呪いの一番の欠点」
「それは容易に返されることです」
「呪いは返されると何倍もの威力となって術者へ押しかかる危険な術なんです」
「決して遠くから安全に行使できる術じゃない」
「先生がうまくいってたのは、単にこの世界で広まってなかっただけです」
「対策が生み出されれば、一気に陳腐化する」
「呪いは陰陽師の専門なんでね」
3巻
「(魔法が許可された剣術大会?) 死人が出そうなルールですね」
少しだけ見届けたくなった。
魔法が解禁された武術大会とやらと、それを取り巻いているであろう様々な思惑の顛末を。
「体調があまりよくないんだ、少し頭が痛くてね」
「(言い訳?) 違うよ。だからさっさと終わらせるってこと、さよなら」
「大丈夫だよ、イーファ」
「絶対死んだりしないから」
メイベルという名前も偽名だろうが、これ以上深入りする必要もない。
アミュを守ってくれるなら願ったり叶ったりだ。
「実は準決勝はわざと負けるつもりだったんだ」
「優勝に興味はなかったし、この大会の意味も予想がついていたから」
「でもやめた、君に勝つよ」
「そしてぼくがカイルを倒そう」
「(どうすれば?) 学園に帰るんだよ」
「学園に帰って準決勝まで進んだことを祝福される」
「能天気な生徒たちと勉強して、いずれは卒業する」
「刺客程度ならなんの問題もないよ」
「ぼくがいる限り、君に手出しなんてさせないから」
「できるよ」
「だってぼく、最強だからね」
「君の兄さんに願いがあるとしたら」
「それはたった一人の妹が自由になることだと、ぼくは思うな」
「(なぜ口を出す?) なぜ…? 決まっているじゃないか…」
「このぼくが気に入らないからだよ!」
4巻
「感情を失った今の君が、果たして完璧な兵士だろうか」
「恐怖を感じるのが悪いことだとは、ぼくは思わない」
「呪いで…このぼくを出し抜くか…?」
「舐めた真似をしてくれる…!!」
後悔はしていない。
あの秘術は前世でも使用を控えていた代物だ。
求められればきりがなくなり、いずれは大きな破綻を迎える。
…ただ、やるせなかった。
「大丈夫だよ」
「もし大丈夫じゃなかったとしても、ぼくがなんとかしてあげるよ」
最強だからと言って、なんでもできるわけじゃない。
むしろ驚くほど無力だ。
ただそれでも──普通の人間よりは選択肢がたくさん用意されている。
ずいぶん強く警戒されているな。
護衛のためというよりは前世で向けられていたものに近い。
畏(おそ)れを含んだ目。
イーファがどんな選択をしたとしても、ぼくはイーファの意思を尊重するよ。
「止められたからよかったものの、先ほどは危なかった」
「大事な召喚獣を消し炭にしてしまうところでした」
「どうして魔法を使わなかった?」
「死んでもおかしくなかったんだぞ」
「ぼくだっていつでも近くにいられるわけじゃない」
「自分の身は自分で守れとは言わないけど、せめて魔法は使え」
「いや、魔法でなくてもいい」
「逃げたり助けを求めるでもいい」
「とにかく自分から行動するんだ」
「君が一人でなんとかできるようになるまでは、ぼくが助けてあげるから…」
「寂しいとは思うよ」
「だけど、誰だっていずれは自分の道を進まなきゃいけない」
5巻
「何が自由にしてやるだ!」
「お前に…っ、お前に…イーファをやれるかあっ!!!」
「森人(エルフ)は見目のいい種族なんだろう?」
「イーファが綺麗なのは血のせいかもしれないよ」
「人の世は面倒なのさ」
「地位とか権力が絡むと」
「大貴族や皇帝の地位を奪ったとして」
「政(まつりごと)や策謀に不得手なぼくはいいように利用されるだけだ」
「政敵も力で滅ぼすか?」
「そのような恐怖政治の末にどんな世界がある?」
「ぼくに待つのは破滅だよ」
「人の思惑や営みは、ぼくには難解すぎる」
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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