アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)」の名言・台詞をまとめていきます。
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
1話
「彼女って…誰だっけ?」(梓川咲太)
「”この先に記されていることは、正直信じられないようなことだと思うけど”」
「”全部本当のことなので必ず最後まで読むように、必ずだ”」(咲太のノート)
「”5月6日、野生のバニーガールに出会った”」(咲太のノート)
「驚いた…君にはまだ私が見えてるんだ」
「それじゃ」(桜島麻衣)
「2年1組の梓川咲太です」
「梓川サービスエリアの”梓川”に、花咲く太郎の”咲太”」(咲太)
「私は桜島麻衣」
「桜島麻衣の”桜島”に、桜島麻衣の”麻衣”」(麻衣)
「1つ忠告してあげる、今日見たことは忘れなさい」
「それと、金輪際私に関わらないように」(麻衣)
「分かったのなら”はい”と言いなさい」(麻衣)
「かえでの半分は、お兄ちゃんへの思いで出来てるんです」(梓川かえで)
「(図書館でバニーガール?) 二度見するな」
「そのあと、ガン見する」(国見佑真)
「1年の途中から入ってきた芸能人の桜島先輩は、完全に異分子だ」
「一度決まったクラスの形は、そう簡単には変わらない」(咲太)
「目立てば誰かにウザいとか、調子に乗ってるとか陰口を叩かれる」
「そうなったらもう元に戻れないことをみんな知っている」(咲太)
「それが、学校という空間」(咲太)
「結局のところ…」
「毎日口癖のように”つまらない”とか”面白いことないかなあ”とか言ってるクセに」
「本当はみんな変化なんか求めてないんだ」(咲太)
「(なんだよお前?) 人間ですが、そっちは盗撮野郎ですか?」(咲太)
「ありがと」
「余計なことしないでって怒られるとでも思った?」(麻衣)
「それは思うだけで我慢してる」(麻衣)
「慣れても、何かがすり減るもんでしょ」(咲太)
「昨日のあれですけど…」
「(忠告?) あのバニー姿はエロすぎて忘れるのは無理でした」(咲太)
「ちょ…ちょっと!」
「私を想像して変なことしてないでしょうね!」(麻衣)
「別に、年下の男の子にエッチな想像されるくらい、私は平気だけどね」(麻衣)
「スマホを持ってないんで」
「前は使ってたけど、むしゃくしゃして海に投げ捨てました」(咲太)
「(病院送り事件の噂?) 少し考えれば分かるでしょ」
「そんな大事件起こした人間が、平気な顔して高校に通えるわけがない」(麻衣)
「あれって、その空気を作ってる本人達に、当事者意識なんてないから」
「空気と戦うなんて、バカバカしいですって」(咲太)
「だから誤解はそのままにして、戦う前から諦めるんだ」(麻衣)
「(芸能界も)最初の頃は楽しかったわ、でもだんだんつらくなってきた」
「どこに行っても”あの桜島麻衣”って言われて注目されて」(麻衣)
「それでいつからか願うようになったの」
「私のことを誰も知らない世界に行きたいって」(麻衣)
「でも…君は私の頭のイカれた話を信じるの?」(麻衣)
「そういう話をなんて呼ぶのか、僕は知ってるんで」
「”思春期症候群”ですよね?」(咲太)
「何もしませんよ」
「僕が先輩を信じてることを信じてもらうために、見せたいものがあります」(咲太)
「ご…ごめんなさい!」
「デリバリーの玄人のお姉さんを呼ぶなら、先に言っておいて下さい!」(かえで)
「(透明人間?) 女子トイレにでも忍び込もうとしてるわけ?」
「さすが梓川、ブタ野郎だね」(双葉理央)
「観測理論というのもある」
「この世の中にあるものは、誰かが観測して初めて存在が確定するという理論だ」(理央)
「梓川も箱の中の猫の話くらい聞いたことあるでしょ?」
「シュレディンガーの猫」(理央)
「観測されなくなるということは、見えなくなるということだけじゃなくて」
「つまりは、その存在さえも…」(咲太)
2話
「今、エロいこと考えてるでしょ?」(麻衣)
「麻衣さんの想像の100倍はエロいこと考えてる」(咲太)
「そうね、年下の男の子にエッチな妄想をされるくらい…なんでもない!」(麻衣)
「だったら、なおさら芸能界に戻るべきだと思う」
「麻衣さんが未だに嫌な思いをしているから」(咲太)
「バカ! 家まで取材のカメラが来るわよ!」
「待ち伏せされて囲まれて、妹さんも嫌な思いをするかもしれないのよ!」(麻衣)
「咲太くんはテレビなめすぎ!」(麻衣)
「世界なんて、勝手に回ってんだなあ…」(咲太)
「お兄ちゃんの『ヒャッホー!』を、かえでにも分けて下さい!」(かえで)
「くたばれ! ロリコン変質者!」(古賀朋絵)
「もう、分かった…分かりました!」
「さあ!」
「いいから蹴って、これでおあいこでしょ!」(朋絵)
「私を1時間38分も待たせるなんて、いい身分ね」(麻衣)
「咲太が私をどういう目で見ているのか、よく分かったわ」(麻衣)
「(君?) 咲太なんて、咲太で十分!」(麻衣)
「誰が本音を赤裸々に語れと言ったのよ」(麻衣)
「困ってるのに、誰にも頼れないのはしんどいからですよ」
「妹のかえでが”思春期症候群”になった時、誰も信じてくれなくて…」(咲太)
「知ってますか?」
「人の目の高さから見える水平線までの距離は、約4キロメートルなんですよ」(牧之原翔子)
「私は牧之原翔子です」
「牧之原サービスエリアの”牧之原”に、大空を翔る子の”翔子”」
「少年の名前は?」(翔子)
「どこか遠くの町へ行けば、まだ麻衣さんのことを見れる人がいるかもしれない」
「確かめに行こう!」(咲太)
「少なくともその間、ずっと僕がそばにいられる」(咲太)
「年下のくせに生意気」(麻衣)
「いいわよ」
「まだ私を帰したくないっていうなら…デートの続き、してあげる」(麻衣)
「ねえ、咲太」
「私のこと、見えてる?」
「声、聞こえてる?」
「私のこと、覚えてる?」(麻衣)
「性格はゆがんでいて、素直じゃない」
「不安なくせに、それを隠しているところ」(咲太)
「(のぞくな?) 大丈夫です」
「僕はシャワーの音だけでご飯3杯はいけるんで」(咲太)
「前に国見が言っていたよ」
「”ありがとう”と”ごめん”と、”助けてくれ”を言えるのが梓川のいいとこだって」(理央)
「なんか不思議」
「こんなふうに知らない町にいること」(麻衣)
「(仕事で?) それは連れて行かれてるだけよ」
「でも一番不思議なのは、一緒に歩くのが年下の男の子ってことね」(麻衣)
「一生忘れません」
「絶対忘れない」(咲太)
「ねえ、キスしようか?」(麻衣)
「バ~カ! もう寝よ、おやすみ」(麻衣)
「絶対なんてあるの?」(麻衣)
「ありがとう」
「私を諦めないでいてくれて…ありがとう」(麻衣)
3話
「梓川、悪い知らせだよ」
「私たち以外、桜島先輩のことを忘れているかもしれない」(理央)
「少なくとも国見は覚えていなかった」(理央)
「正直バカげてるとは思ってたけど、こうして目の当たりにすると寒気が走るよ」(理央)
「(思春期症候群?) 違う。思春期症候群なんてものが起きる前から」
「あの人が学校の中で空気のように扱われていたことに」(理央)
「空気なんて簡単に伝染する」
「みんな勝手に空気を読む時代だし」(理央)
「お前の仮説(寝たら忘れる)は正しかったわけか…」
「すげえ燃える展開だな」(咲太)
「自分の方がかわいいって自覚あるくせに」
「別の誰かのことを”かわいい”とか言ってる女が咲太は好きなの?」(麻衣)
「咲太はよく頑張ったわ」
「私のために、頑張ってくれた」(麻衣)
「もともと私は独りだったんだから、大丈夫よ」
「咲太に忘れられるくらいなんでもない」(麻衣)
「それでも、今日までありがとう」
「それと、ごめんね」(麻衣)
「おやすみ、咲太」
「さよなら…」(麻衣)
「大事なことを思い出した」
「大切な人の記憶が甦った」(咲太)
「これから僕が相手をするのは空気だ!」(咲太)
「みんながそうしてるから…みんながそう言ってるから…」
「それが正しいとも限らない」(咲太)
「だいたい”みんな”って…誰だ!」(咲太)
「もう無視なんかさせない」
「見てみぬフリなんかさせない」(咲太)
「出来ないくらいに、みんなの記憶に刻み付けてやる!」
「もう空気なんて読んでやるか、バカバカしい!」(咲太)
「要するにさあ、麻衣さん!」
「大・大・大・大…大好きだぁーーっ!」(咲太)
「バカ…バカ咲太」
「嘘つき!」(麻衣)
「忘れないって言ったじゃない!」
「絶対に忘れないって!」(麻衣)
「今、私が聞きたいのはそんな言葉じゃない!」(麻衣)
「好きです」
「嘘です…大好きです」(咲太)
「ねえ、咲太」
「今の、1ヶ月後にもう一度言って」(麻衣)
「ここで返事すると、勢いと雰囲気で押し切られた感じがする」(麻衣)
「今ドキドキしてるのも、こういう状況だからかもしれないし」(麻衣)
「みんな、ホント空気を読むのが好きよね」(麻衣)
「(職員室で説教?) いいじゃない」
「私も一緒に怒られてあげるから」(麻衣)
「こうして世界は、”桜島麻衣”を取り戻した」(咲太)
「やっぱ咲太の心臓って鉄で出来てんだなあ」(国見)
「私だったら恥ずかしくて死んでる」
「さすが梓川、青春ブタ野郎だね」(理央)
「自分のためには本気になれなかったくせに」
「美人の先輩のためにならどんな恥もかけるなんて奴が」
「青春ブタ野郎じゃなくてなんなのよ」(理央)
「思春期の不安定な精神や強烈な思い込みが見せるまやかし」
「そういうのが”思春期症候群”だっていうなら、科学的な検証なんて当てにならないよ」(理央)
「まっ、でも…私達の世界なんて」
「告白1つでガラッと変わってしまうくらいに単純なのかもね」
「梓川が証明したようにさ」(理央)
4話
「咲太が、”麻衣さんって料理できんの?”」
「なんて生意気なこと言うから(お弁当)作ってきてあげたんでしょ」(麻衣)
「あの、麻衣さん」
「好きです、付き合って下さい」(咲太)
「(無視?) 1ヶ月間同じこと言われてると何も感じなくなる」
「ときめかない」(麻衣)
「そうだ、7月放送のドラマに出演が決まったの」
「深夜枠で中盤の1話にだけ登場する役なんだけどね、キスシーンもあるんだから」(麻衣)
「いいじゃない、初めてってわけでもないし」(麻衣)
「私のファーストキス、咲太にあげたの覚えてないの?」
「最低」(麻衣)
「おとぎ話みたいにはいかないわね」
「キスをすれば、咲太が私のことを思い出してくれると思ったんだけどな」(麻衣)
「じゃあ…もう1回する?」
「目を閉じて」(麻衣)
「本当にされると思ったんだ」(麻衣)
「ダメとは言ってない」
「それは、その…」
「うん…いいよ」(麻衣)
「今日が昨日ってことなら、麻衣さんと僕もまだ付き合う前の段階…ってこと」(咲太)
「梓川、それ中二病だよ」
「(高2?) なら高二病でいいや」(理央)
「そうでなければ、梓川の大好きな”思春期症候群”なんじゃないの」(理央)
「てか、なんとかしてくれ」
「明日が来なくて困ってるんだ」(咲太)
「”ラプラスの悪魔”って聞いたことない?」(理央)
「この世界に存在するあらゆる物質は、同じ物理法則の支配下に平等である」
「その法則を数式化して計算してしまえば、未来の状況を導き出せる」(理央)
「だったら、本物の”ラプラスの悪魔”を捜すんだね」(理央)
「悪魔だけは、繰り返される6月27日の記憶を持ったまま」
「前回とは違う行動を取ってる可能性が高いんじゃない?」(理央)
「あたしも(繰り返しは)3度目」
「あたしだけじゃなかったんだ」(朋絵)
「なんなの? これ」
「この先どげんなると?」(朋絵)
「モテそうな人はいっちょん好かん」(朋絵)
「(さっさと振ればいい?) そんなことしたら、絶対にクラスでハブられる!」(朋絵)
「玲奈ちゃんの…友達の好きな人なんだよ」
「なのにあたしが告白されるとか、空気読めてなさすぎ!」(朋絵)
「まっ、1人で悶々としてるよりは、梓川に話して笑ってもらった方がいいか」(理央)
「今朝、国見と電車で一緒になった」
「別にどうも」(理央)
「彼女持ちの男子に声をかけられて、嬉しいとか思ってる自分に嫌気がさしてるだけ」(理央)
「梓川に声をかけられても虫唾が走るだけなのにね」(理央)
「なんか私、ますますダメになってるかも…」(理央)
「今は正論なんて聞きたくない」(理央)
「梓川、そういう状態をなんて言うか知ってる?」(理央)
「詰みだな」(咲太)
「最近の先輩、1年生の間じゃ1周回ってありってことになってるから」
「平気だと思う」(朋絵)
「グラウンドの中心で愛を叫ぶなんて普通あり得ないし、ああいうのちょっと憧れる」(朋絵)
「別に寂しいから(1人が)嫌なわけじゃないし」(朋絵)
「1人は…恥ずかしい」
「みんなから、”あいついつも1人だ”って思われるのは…嫌」(朋絵)
「分かった、全校生徒に嘘をついてやるよ」(咲太)
「どうして言い訳しに来ないのよ?」(麻衣)
5話
「私が叱ると咲太、喜ぶじゃない」
「咲太の場合、罰を与えない方が罰になるみたいだし」(麻衣)
「でもそうね…ただ許すのも今後のためにならないから、相応の誠意を見せなさい」
「(何を?) それくらい自分で考えなさいよ」(麻衣)
「ち…違います」
「忍者ごっこをしていたわけではありません!」(かえで)
「あ…あの…」
「かえでも、”麻衣さん”って呼んでもいいですか?」(かえで)
「”フリ”が”本気”にならなきゃいいけど」(麻衣)
「僕は麻衣さんひと筋なので大丈夫です」(咲太)
「分かってないならいい」(麻衣)
「貴重な情報サンキュー」
「これで良心を痛めずに済む」(咲太)
「か…かわいいって言うな」(朋絵)
「スマホがないと人は死ぬのか?」(咲太)
「死ぬよ!」(朋絵)
「(夜) みんな起きてるのに、あたしだけ寝るなんて無理!」(朋絵)
「お父さんの転勤で、福岡からこっちに来ることになって」(朋絵)
「クラスでも目立たないグループにいたし、東京じゃダサいって言われて」
「友達なんか出来なくて絶対イジメられると思った」(朋絵)
「だから色々研究したの」(朋絵)
「初めてメイクして、オシャレな美容院に行って髪型変えて」
「服もファッション雑誌読んでマネして、言葉も特訓して…」(朋絵)
「そしたらこんなふうになっちゃった」(朋絵)
「気に入ってる…すごく好き」(朋絵)
「前がどうだろうと、今のその姿が古賀だよ」
「キッカケはどうあれ、古賀はなろうと思って努力してそうなったんだろ?」(咲太)
「(なぜ?) 古賀が必死に頼んできたからだよ」(咲太)
「でもあの時、古賀はいい奴だと思った」
「あとはぶっちゃけかわいいから」(咲太)
「古賀がブサイクだったら同じふうにしてたか分からない」
「男なんてそんなもんだ」(咲太)
「してたよ、先輩は」(朋絵)
「休んだらみんなの話についていけなくなるもん」
「その1日が命取りなの」(朋絵)
「私はみんなに好かれたい!」
「てか、嫌われたくない」(朋絵)
「僕はたった1人でもいいけどね」
「世界中に嫌われたとしても、その1人が必要としてくれたら生きていける」(咲太)
「梓川はバカか? バカなのか!」
「私に変な気を遣うな、国見に気づかれる」(理央)
「で…イケメンじゃないブタ野郎の梓川は何をしにきたわけ?」(理央)
「別に本当にやり直したいと思ってるわけじゃない」
「もしもなんて考えても仕方ないことを、考えなくて済むようにしたいだけだよ」(咲太)
「ふざけてるのはそっちでしょ?」
「自分が見世物にされるのが嫌なら、アホなことするなよ」(咲太)
「生き方がダサすぎる」(咲太)
「いいや、これだけは言わせてもらう」
「やりまくってる? 冗談じゃない」(咲太)
「僕は…童◯だ!」(咲太)
「先輩やり過ぎ!」
「絶対やり過ぎ!」(朋絵)
「ホントに”彼女”って感じだった」
「大事にされてる感じだった」(朋絵)
「あのさ、先輩…」
「あたし、先輩にどうやって恩返しすればいい?」(朋絵)
「じゃあ、嘘が終わったら友達になってくれ」
「嫌ならいいぞ」(咲太)
「しょうがないから、親友になってあげる」(朋絵)
6話
「別に…たまにはエサをあげた方がいいと思っただけよ」(麻衣)
「あの子のためにケンカまでするとは思わなかったってこと」(麻衣)
「さっさと私の機嫌を取りなさいよ」(麻衣)
「ねえ、先輩」
「今日までありがと」(朋絵)
「握手だよ」
「お別れの」(朋絵)
「先輩は結局、桜島先輩のことが好きで、あたしに愛想を尽かされ振られました」(朋絵)
「(ビンタ?) それはしたことにしておく」
「ここでひっぱたいたらあたし、超恩知らずだし」(朋絵)
「ならやっぱり可能性は1つしかない」
「そう…彼女は嘘をついている」(理央)
「本人が胸に秘めた思いを無理やり引っ張り出させるっていうのは、正直抵抗あるよな」
「自意識過剰って気もするし、俺って何様だよって」(国見)
「けどこのままでいいとも思ってない」
「どうするのが正解なんだ?」(国見)
「古賀、もう嘘は終わりだ」(咲太)
「古賀が何度サイコロを振り直しても、人の気持ちは変わらない」
「嘘は本当にならないし、本当は嘘にならないんだ」(咲太)
「先輩、嘘つきだよ」
「気持ちは変わるよ」(朋絵)
「繰り返した分だけ積み重なっていく」
「積み重なっていった…」(朋絵)
「あたしが望んでいるのはそれだけ」
「特別な何かを欲しがっているわけじゃない」(朋絵)
「わがままだって言ってない」
「誰にも迷惑だってかけてないよ」(朋絵)
「なのに…なのに…どうして明日になってくれないの!」
「なんで朝起きると、昨日よりも気持ちが大きくなってるの?」(朋絵)
「こんなのひどいよ」
「なかったことにするって決めたのに…」(朋絵)
「もう自分に嘘をつくのはやめろ」(咲太)
「お前は正義の女子高生だろ?」
「古賀に出来ないことなんてない」(咲太)
「だからさ…もう我慢しなくていいんだ」(咲太)
「先輩のバカ! バカ!」
「嫌い! 大嫌い!」
「でも…でも…好き」(朋絵)
「あたしは先輩が好き…大好きーーっ!」(朋絵)
「おお…すげえな、あいつ」
「最初から全部、未来のシミュレーションだったのかよ」(咲太)
「(好きな人?) はい。その人は、今時スマホも持ってない原始人です」(朋絵)
「それより先輩、責任取ってよ」
「これで玲奈ちゃんに嫌われて、クラスに居場所なくなるんだから」(朋絵)
「だって先輩のせいだし」
「先輩があたしを大人にしたんじゃん」(朋絵)
「まっ、古賀に何かあっても友達でいてやるよ」
「だから独りぼっちにはならない」(咲太)
「先輩を親友にしてあげるの、あたしの方だし」(朋絵)
「なるほどね。周囲に合わせるため必死で空気を読んでいた少女は」
「気がつくと未来まで読めるようになっていたわけだ」(理央)
7話
「(ウザい?) それ、女子高生には禁句です」
「”ウザい”・”ダサい”・”空気読めない”は三大禁句」(翔子)
「少年は随分とやさぐれているようですけど、何か嫌なことでもあったんですか?」(翔子)
「お兄ちゃんが禁断の愛に目覚めてしまうからですか?」(かえで)
「お兄ちゃんは、妹は若い子の方がいい人ですか?」
「清楚で礼儀正しい妹がいい人ですか?」(かえで)
「今、かえではかえで史上最大のピンチなんです」
「1日も早く、妹道を極めないといけないんです」(かえで)
「ごめん。仕事に夢中で、付き合って間もない彼氏をほったらかしにしている」
「ひどい彼女だってことは自覚してる」(麻衣)
「そこまでは思ってないけど…」
「お詫びには期待してます」(咲太)
「電話の相手は私?」
「ならごまかしは利かないだろうね」(理央)
「私が2人いるんだ」
「言った通り、3日前からこの世界には”双葉理央”が2人いる」(理央)
「麻衣さん。今日から双葉をうちに泊めますけど、いいですよね?」(咲太)
「ダメよ」
「だったら聞くけど、私が家に男友達を泊めるって言ったら、咲太はOKする?」(麻衣)
「でしょ。だから私も一緒に泊まる」(麻衣)
「お兄ちゃんがまた新しい女の人を連れてきました」(かえで)
「で…でも、かえでは妹なので、そんなお兄ちゃんも受け入れる覚悟です」(かえで)
「梓川」
「出汁とか言ってる時点で死ね」(理央)
「実は私はもう1人の自分を見たわけじゃないんだ」
「だから同時に存在しているのかと聞かれると、そうだとは言い切れない」(理央)
「咲太の顔を見てる」
「彼氏の顔を見てる」(麻衣)
「ドキッとしたでしょ?」(麻衣)
「別にお詫びを理由にしなくても、時と場所と雰囲気をちゃんと選んでくれれば」
「咲太の方からしてくれてもいいのよ」(麻衣)
「(女性恐怖症?) そんなことにはならないわよ」
「上手に出来るようになるまで、私が何度でも練習させてあげるから」(麻衣)
「チョココロネ…」
「お弁当を持ってこなかった日に、国見がくれた」(理央)
「1年の1学期で、パン販売を利用するのはあの日が初めてで」
「圧倒されている私に国見が声をかけてきた」(理央)
「戦利品のカレーパンを食べながら…」(理央)
「(顔?) 結局タイミングだと思う」
「あの頃、気分が落ちてたから」(理央)
8話
「(美味しい?) レシピ通りに作ったから当たり前」
「実験と一緒」(理央)
「(ネットは)もっと単純に誰かに構ってほしかっただけかもね」(理央)
「私にはそれ(エ◯ネタ)しかないんだよ」(理央)
「自信どころか、コンプレックスにしか思ってなかった」
「同級生より女子の部分の成長は早かったから」(理央)
「それを猿同然の男子達がどういう目で見てたかを知って、この体が嫌いになった」
「自分が汚れたもののように思えてきて…」(理央)
「反応があるから」
「相手が誰であれ、反応があるだけで救われた気持ちになれた」(理央)
「(デート禁止は)私1人で決めていい問題じゃないから保留にしてある」
「そっ、2人の問題でしょ?」(麻衣)
「最初は誰かに見せたりする気なんてなかった」
「客観的に自分を見て、バカなことしてるって思いたかっただけなんだと思う」(理央)
「一種の自傷行為」
「梓川には理解できないかもしれないけど、私は私が嫌いなんだよ」(理央)
「梓川も、どっちかを諦めた方がいいよ」
「この世界に”双葉理央”は2人もいらない」(理央)
「その…今日は一緒にいてほしい」(理央)
「何かあったら、あることないこと遠慮なく桜島先輩に報告する」(理央)
「私は怖かったんだと思う」
「今は梓川と国見がいるけど、いつかまた1人になるんじゃないかと思って」(理央)
「高校に入るまではこんな不安はなかった」
「学校でも家でも、1人でいるのが当たり前だったから」(理央)
「それが高校に入って、1年で梓川と国見と同じクラスになって」
「それから不安に思うようになった」(理央)
「(美人の彼女?) アホか」
「双葉には一生友達してもらうつもりでいるんだぞ、僕は」(咲太)
「あとさ、双葉は全然分かってないのな」
「国見に惚れてるくせに、あいつのこと全然分かってない」(咲太)
「国見のせいじゃない」
「そんなの知らない。泣くのなんて久しぶりで…」(理央)
「でも…でも、私は…全然1人じゃなかったんだ」
「1人じゃなかった…」(理央)
「国見は何も聞かないんだね」
「私のこと…」(理央)
「咲太に呼び出された時は何事かと思ったけどさ」
「さっきの双葉の泣き顔を見たら、もういいやって」(国見)
「こんなふうに(遊んで)徹夜するの初めて」
「私、何やってんだろ?」(理央)
「そりゃ、バカなことだろうな」(咲太)
「確かにバカなことしてんなあ」(国見)
「梓川と国見が女子だったらよかったのに…」(理央)
「ホントめんどくせえ!」
「双葉めんどくせえ!」(咲太)
「私はもう、ここから消える」
「私は梓川の前から消えるよ…この町から消える」(理央)
「この世界に”双葉理央”は2人いらない」(理央)
「もう1人の私は私なんかより、よっぽど上手に”双葉理央”をしている」
「この世界になじんでる」(理央)
「私がいなくなれば全部解決する」(理央)
「(大間違い?) だったら、なんであんな写真!」
「あんな羨ましい写真を見せられたら、そう思うしかない!」(理央)
「私の居場所なんてもうどこにもない!」
「梓川は無神経だ!」(理央)
「アホか、今更なに言ってんだよ」
「僕が無神経なことくらい、よく知ってるだろ!」(咲太)
「自分のことなんて、別に嫌いでいいんだよ」
「僕は、”まっ、こんなもんだろ”って思いながら生きてる」(咲太)
「最低だね、梓川は」
「だけど…なんかホッとする」(理央)
「ホント…ホッとするね」(理央)
「返事はいいよ、分かってるから」
「なんか言われたら、私泣くと思うし」(理央)
9話
「その子は”豊浜のどか”」
「で…今は私が”桜島麻衣”」(麻衣)
「(足を)踏まれて分かるって、お前どんな変態だよ」(豊浜のどか)
「夢じゃなくて、私とこの子の体が入れ替わってるのよ」
「”思春期症候群”だと思う」(麻衣)
「いいも悪いも、現にこうなちゃったんだから仕方ないでしょ」(麻衣)
「それより、元に戻るまで私はのどかとして」
「のどかは私として生活していかないと」(麻衣)
「なすなとはやてに先を越されてしまいました」
「お兄ちゃんを起こすのは妹の役目なのに!」(かえで)
「(電車?) 全然平気。アイドルっていったって大して売れてないし」
「私のことなんかみんな知らない」(のどか)
「子供の頃、よくマネしていたのよ」
「私の自慢で…憧れだった」(のどか)
「お姉ちゃんの体をエロい目で見んな!」(のどか)
「顔なら大丈夫って発想が頭おかしい、マジ死ね」(のどか)
「麻衣さんが芸能活動休んでる間に」
「私はやっと”スイートバレット”としてデビュー出来たんだよ」(のどか)
「なのに…なのに活動再開って何?」(のどか)
「特番ドラマでいい役やって、CMもたくさんやって」
「ファッション雑誌を見れば、毎月どっかの表紙にいて」(のどか)
「なんであたしの邪魔をすんの?」
「大嫌い! お姉ちゃんなんて大嫌い!」(のどか)
「お兄ちゃんが不良に目覚めました」
「お兄ちゃんがジゴロになっちゃいました」(かえで)
「かえでも素敵なお姉ちゃんがいれば嬉しいですけど、お兄ちゃんより年上に限ります」
「お兄ちゃんの妹はかえでだけですから」(かえで)
「(アドバイスは)のどかが欲しいって言ったの?」
「じゃあ、言わない」(麻衣)
「大丈夫よ」
「劇団で教えられたことを思い出せば、問題なく出来る」(麻衣)
「(過呼吸は)痛感したんだと思いますよ」
「”桜島麻衣”に寄せられる、信頼の厚さとか期待の大きさとかを」(咲太)
「分かりませんか?」
「そういうのが彼女にとっては、全部プレッシャーになったんですよ」
「きっと…」(咲太)
「(優秀な姉がいることは)好きとか嫌いとか」
「そんな単純な話じゃないんだろうなってことだな」(咲太)
10話
「出来ないことまでやろうとしなくていいんじゃないの?」(咲太)
「まあまあでいいんだよ」
「お前、欲張り過ぎ」(咲太)
「か…かえでがいつも遊んでいると思ったら大間違いです!」
「かえでもいろいろ思うところがあるんです」(かえで)
「かえでもそろそろだと思うんです」
「そろそろ頑張ろうと思うんです」(かえで)
「最近、お兄ちゃんが次から次へと新しい女の人を連れてくるので」
「かえでがそろそろちゃんとしなきゃいけないと思うんです」(かえで)
「全然無事じゃない」
「12テイクとかマジありえないから」(のどか)
「あたし、お姉ちゃんみたいになんのはやっぱり無理」
「毎日毎日こんなプレッシャーの中で生きていくとか、マジ考えられない」
「絶対無理」(のどか)
「(恨んでない?) 別に」
「多分、親だから」(咲太)
「(関係ない?) だったらこんな卑怯なやり方で僕を試すな!」
「助けてもらう前提で海になんて入るな、バカ!」(咲太)
「そうだよ!」
「豊浜に何かあったら麻衣さんが悲しむ」(咲太)
「嘘じゃない!」
「お前に何かあったら、麻衣さんは絶対に悲しむ」(咲太)
「そっち(嫌い)が嘘なんだよ!」(咲太)
「(なんで?) そんなの、嬉しかったからに決まってるだろ!」(咲太)
「だからのどか…ありがとね」
「妹になってくれて…ありがとう」(麻衣)
「だって、あたし…あたしは…」
「いっつもお母さんが怒ってるから、喜んでほしかったんだよ」(のどか)
「お姉ちゃんのことばっかり言うから、あたしだって褒めてほしかったんだよ」
「お母さんに笑ってほしかったの!」(のどか)
「だから…これからはのどかの選んだことで喜ばせてあげなさい」
「お母さんに言われたことじゃなくってね」(麻衣)
「ねえ、お姉ちゃん」
「私、お姉ちゃんみたいにならなくていいんだよね?」(のどか)
11話
「麻衣さんが彼女で、僕はすげえ幸せです」
「世界で一番幸せです」(咲太)
「あのね咲太」
「多分…咲太が思っているより、私咲太のこと好きよ」(麻衣)
「(梓川?) 罵られて喜ぶブタ野郎」(理央)
「咲太がへこんでる時に支えになってくれた人なんでしょ?」
「私としては、咲太に変な未練を残したままでいてほしくないの」(麻衣)
「面白くはないけど」(麻衣)
「今日はかえでから重大発表があります」
「パパ~ン! ”かえでの今年の目標”」(かえで)
「パンダ! ジャイアントの方ですか?」
「パンダ、見たいです!」(かえで)
「かえでは気づいてしまったんです」
「かえでが独り立ちしないと、お兄ちゃんが一生結婚できなくなってしまうって」(かえで)
「だって…お兄ちゃんと結婚した人は、もれなくかえでがついてくるんですよ」(かえで)
「いえ、麻衣さんのおかげでかえでは目標を1つ達成できました」
「この調子なら、明日は外に出られるかもしれません」(かえで)
「パンダも見に行けそうです」(かえで)
「棒読みで言うな!」
「先輩、バリムカ~!」(朋絵)
「お兄ちゃん、ついに出来ましたよ」
「(めでたい?) おめでたです」(かえで)
「かえでが外に出るための作戦です」
「カパ~ン!」(かえで)
「休憩はこまめに取るのが大事です」(かえで)
「ちゃんと有事の際の対処法も用意しておきました」
「これで完璧です!」(かえで)
「かえで、今から外に出たいです」(かえで)
「い…嫌です」
「かえでは怖いんですよ」(かえで)
「かえではこのままでいるのが怖いんです」
「ずっとこのままだと思うと…怖いんです!」(かえで)
「家はとっても好きです」
「外に出るのは怖いです」(かえで)
「怖いんですけど…ずっと出られないことの方がもっと…もっと怖いんです」(かえで)
「怖くて目をつむっているので、もちろん見えません」(かえで)
「ま…待って下さい、お兄ちゃん」
「もうダメです、無理です、やっぱりやめます」(かえで)
「かえでごときが外に出るなんて、10年早かったんです!」(かえで)
「お兄ちゃん、ここって…」(かえで)
「外だな」(咲太)
「お…お兄ちゃん、謀りましたね?」(かえで)
「ああ、謀ったさ」(咲太)
「か…かえでは…」
「お兄ちゃんが…お兄ちゃんが…」(かえで)
「違う…違うんです、違うんです!」
「かえでは…かえでは外に…外に出られたのが嬉しいんです」(かえで)
「さすが梓川、シスコンブタ野郎だね」(理央)
「かえで、変に思われてませんか?」
「でもなんだか、なまあたたかい視線を感じました」(かえで)
「でもお兄ちゃんから離れたら、かえでは死にます」(かえで)
「外で食べるおにぎりは格別です!」(かえで)
「だ…誰ですか?」
「ご…ごめんなさい、知らないです」(かえで)
「かえでには、記憶がないんです」(咲太)
12話
「それ(SNS)でかえでは苦しんで、つらくてつらくて…」
「押し潰されそうな状態から抜け出すために、記憶の一部を自ら切り離したんです」(咲太)
「壊れそうになった自分を守るために」(咲太)
「”花楓”とは違う」
「違う…違う…何もかもが違う」(咲太)
「運ばれた病院でも、僕の話は誰にも信じてもらえなかった」
「いくら説明しても、ただの思い込み、心の問題、自傷行為としか見てくれない」(咲太)
「僕は何も出来なかった」
「花楓に何もしてやれなかった」(咲太)
「見える世界は人の数だけ存在しているんですよ…きっと」(翔子)
「私の人生にも、決して大きな夢や希望はありませんでした」
「それでも、私は自分の人生に意味を見つけられました」(翔子)
「私はね、咲太君」
「人生って、優しくなるためにあるんだと思っています」(翔子)
「昨日の私よりも、今日の私がちょっとだけ」
「優しい人間であればいいなと思いながら生きています」(翔子)
「あのさ、翔子さん…」
「僕も、翔子さんのように生きてもいいかな」(咲太)
「当たり前じゃないですか」
「人に理解されない苦しみを知った咲太君なら、きっと誰よりも優しくなれます」(翔子)
「絶対に誰かの支えになってあげられます」(翔子)
「名前なんだけどさ…」
「ひらがなで”かえで”にしよう」(咲太)
「今ここにいるのは、今の”かえで”だから」
「今まで、ごめんな」(咲太)
「お兄ちゃんだけです」
「かえでのことを分かっているのは」(かえで)
「かえでは、みんなの目が怖いです」
「みんな”花楓さん”を見てるんです」(かえで)
「昨日はせっかく海まで行けたので」
「かえではこのいい流れを筋肉痛に邪魔されたくないんです」(かえで)
「かえでは”花楓さん”を知ってる人が苦手です」
「苦手ですけど…知らないのも怖いです」(かえで)
「かえでは、かえでですよ」(かえで)
「パンダは2番です」
「1番は…学校に行きたいです」(かえで)
「でも、妹の前で兄が漏らすわけにはいかないだろ」
「小も大も…弱音も」(咲太)
「僕はお兄ちゃんだからな」
「どうにか出来ることなら、なんとかしたいけどな」(咲太)
「どうにも出来ないんだよ…」(咲太)
「別にかえでのことを笑ってるわけじゃないって」
「そんな簡単に笑いを取れると思ったら大間違いだ」(咲太)
「わ…笑いの道は険しいんですね」(かえで)
「(ゆっくり?) それじゃダメなんです」(かえで)
「(無理)しないとダメなんです!」
「かえでにはゆっくりしてる時間がないんですよ!」(かえで)
「なんで…なんで…」
「どうしてダメなんですか?」(かえで)
「なんでかえでは学校に行きたいのに動いてくれないんですか?」(かえで)
「かえでは帰りません!」
「帰りません…」(かえで)
「学校に行けるようになるまで練習します」
「練習します…」(かえで)
「分かった」
「僕がかえでを学校に行けるようにしてやる」(咲太)
「かえではやっぱりパンダ派です」
「パンダとお別れは寂しいです」(かえで)
「(年間パスポート?) す…すごいです!」
「お兄ちゃんはやっぱりお兄ちゃんです!」(かえで)
「かえではまたここに来てもいいんですね?」(かえで)
「何度も来て、かえでは元を取りたいと思います」(かえで)
「お兄ちゃん」
「今度はお昼の学校に来たいです」(かえで)
「夜の学校を制覇したかえでなら余裕だろ」(咲太)
「今日で、ノートに書いた目標の全部に丸が付けられます」
「パンダとプリンと学校でコンプリートです」(かえで)
「かえで、明日はお昼の学校に行けるような気がします」(かえで)
「明日が楽しみです」
「明日が待ち遠しいです!」(かえで)
「(昨日) 動物園? 行ってないよ」
「お兄ちゃん、どうしたの?」(梓川花楓)
「お前…」
「”花楓”…なのか?」(咲太)
13話
「またパンダ見に行くんじゃなかったのかよ…」
「年間パスの元取るって言ったじゃないかよ…」(咲太)
「明日には学校にも行けそうだって…行けそうだって、言ったのに…」
「言ってたんだよ、かえでは!」(咲太)
「咲太君は大丈夫です」(翔子)
「はい、翔子さんです」
「私が来たから、もう大丈夫です」(翔子)
「翔子さん」
「僕は…何も出来ませんでした」(咲太)
「かえでさんのために、もっとしてあげられたことがあったかもしれない」
「そんなふうに後悔している咲太君の気持ちなら分かります」(翔子)
「翔子さんはなんでもお見通しなんです」(翔子)
「咲太君がそばにいることが自分の幸せなんだと」
「かえでさんは一生懸命伝えてくれていたじゃないですか」(翔子)
「その思いが咲太君に届いていないんじゃ、かえでさんがかわいそうです」(翔子)
「かえでがいなくなっても、かえではお兄ちゃんに後悔してほしくありません」
「かえでの夢をいっぱい叶えてあげたって、胸を張ってほしいんです」(かえでノート)
「悲しい記憶よりも、楽しくて嬉しくて」
「笑顔になれる記憶をいっぱい残していきたいと思います」(かえでノート)
「かえでがいなくなっても、お兄ちゃんにはかえでのことを」
「笑いながら思い出してもらえたら嬉しいです」(かえでノート)
「そのためにかえでは頑張ります」(かえでノート)
「多分、かえでに残された時間はそんなにないんだと思います」(かえでノート)
「お願いします」
「もう少しだけ、かえでに時間を下さい」(かえでノート)
「我慢しなくていいんですよ」(翔子)
「僕は泣いたらダメなんですよ!」
「ここで泣いたら僕は、かえでの思いを裏切ることになる」(咲太)
「かえでが頑張ってくれたのに、それを僕が台なしにしてどうするんですか」(咲太)
「その悲しみも、かえでさんが咲太君にくれた大切なものなんですから」
「かえでさんの存在の大きさ、そのものなんですから」(翔子)
「咲太君はお兄ちゃんなんだから、全部受け止めてあげなさい」(翔子)
「最初から年上の牧之原翔子なんて人間は存在してなかったんじゃない?」(理央)
「あるいはもっとシンプルに考えて、梓川の作り上げた、ただの幻」
「ブタ野郎の妄想とかね」(理央)
「そんなこと言われるために、私は咲太と付き合ってるんじゃない」(麻衣)
「よくないです」
「ちゃんと謝らせて下さい」(咲太)
「私もちゃんと謝らなきゃね」
「せっかく咲太が会いに来てくれたんだから」(麻衣)
「素直にならないと」(麻衣)
「咲太に誰かの支えが必要だったのは、ちゃんと分かってた」
「それが私じゃなかったのが、ちょっとショックだったの」(麻衣)
「咲太が一番大変な時に、一緒にいてあげられなくてごめんね」(麻衣)
「麻衣さんはいるだけで、いつも僕を幸せな気分にしてくれますよ」(咲太)
「だって…咲太にとって、これが一番のご褒美でしょ?」(麻衣)
「あのね…」
「ありがとう、お兄ちゃん」(花楓)
「(したいこと?) 学校に行きたい」
「行けるようになりたい」(花楓)
「(怖くないか?) 大丈夫だと思う」
「だって…私は1人じゃないもん」(花楓)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
アマゾンリンク
コミックシーモアリンク