アニメ「鬼滅の刃 立志編」の名言・台詞をまとめていきます。
鬼滅の刃
1話
「何で…何でこんなことになったんだ?」
「禰豆子死ぬなよ、死ぬな!」
「絶対助けてやるからな!」(竈門炭治郎)
「死なせない…」
「兄ちゃんが絶対に、助けてやるからな!」(炭治郎)
「お父さんが死んじゃって寂しいのよね」
「みんな、お兄ちゃんにくっついてまわるようになった」
「いってらっしゃい!」(竈門禰豆子)
「生活は楽じゃないけど、幸せだな」
「でも人生には、空模様があるからな」(炭治郎)
「うつろって、動いていく」
「ずっと晴れ続けることはないし、ずっと雪が降り続けることもない」(炭治郎)
「そして、幸せが壊れる時には、いつも…」
「血の匂いがする」(炭治郎)
「息が苦しい。凍てついた空気で、肺が痛い」
「前に進め、もっと早く足を動かせ!」
「まだまだ町まで距離があるんだぞ、急げ!」(炭治郎)
「死なせないからな」
「絶対助ける、兄ちゃんが助けてやる!」(炭治郎)
「助かった…雪で。滑ったのも雪だけど」(炭治郎)
「こ、これは…鬼だ!?」(炭治郎)
「三郎じいさんの言葉を、今思い出した」
「禰豆子が人食い鬼?」
「いや違う、禰豆子は人間だ、生まれた時から」(炭治郎)
「だけど、匂いがいつもの禰豆子じゃなくなってる」
「でもあれは禰豆子がやったんじゃない」(炭治郎)
「六太をかばうように倒れていたし、口や手に、血は付いていなかった」
「そしてもう1つ…もう1つの匂いが?」(炭治郎)
「俺がよその家でぬくぬくと寝ていた間、みんな、あんな酷いことに…」
「痛かったろう…苦しかったろう…」(炭治郎)
「助けてやれなくて、ごめんな…」(炭治郎)
「せめて禰豆子だけはなんとかしてやりたい」
「禰豆子! 頑張れ禰豆子! こらえろ!?」(炭治郎)
「頑張ってくれ!! 鬼に何かなるな!?」
「しっかりするんだ! 頑張れ!」
「頑張れぇ!!」(炭治郎)
「なぜかばう?」
「それが妹か?」(冨岡義勇)
「動くな。俺の仕事は、鬼を斬ることだ」
「もちろん、お前の妹の首もはねる」(冨岡)
「簡単な話だ」
「傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった」
「人食い鬼は、そうやって増える」(冨岡)
「治らない」
「鬼になったら、人間に戻ることはない」(冨岡)
「探す!」
「必ず方法を見つけるから、殺さないでくれ!」(炭治郎)
「家族を殺した奴も見つけ出すから!」
「俺が全部ちゃんとするから!」
「だから! だから! やめてくれ!!」(炭治郎)
「もうこれ以上、俺から奪うのは…やめて下さい」
「どうか、妹を殺さないで下さい…」
「お願いします…お願いします」(炭治郎)
「生殺与奪の権を、他人に握らせるな!」(冨岡)
「惨めったらしくうずくまるのは止めろ!」
「そんなことが通用するなら、お前の家族は殺されていない!」(冨岡)
「奪うか奪われるかの時に、主導権を握れない弱者が妹を治す!?」
「仇を見つける!?」(冨岡)
「笑止千万!」(冨岡)
「弱者には、何の権利も選択肢もない」
「ことごとく力で、強者にねじ伏せられるのみ!」(冨岡)
「妹を治す方法は、鬼なら知ってるかもしれない」
「だが、鬼共が、お前の意思や願いを尊重してくれると思うなよ!」(冨岡)
「当然、俺もお前を尊重しない」
「それが現実だ!」(冨岡)
「なぜさっきお前は妹に覆いかぶさった!?」
「あんなことで守ったつもりか!?」(冨岡)
「なぜ斧を振らなかった!?」
「なぜ俺に背中を見せた!?」(冨岡)
「そのしくじりで、妹を取られている」
「お前ごと妹を串刺しにしても良かったんだぞ!」(冨岡)
「泣くな、絶望するな」
「そんなのは今することじゃない」(冨岡)
「お前が打ちのめされてるのは分かってる」
「家族を殺され、妹は鬼になり、つらいだろう、叫び出したいだろう」(冨岡)
「分かるよ」
「俺があと半日、早く来ていれば、お前の家族は死んでなかったかもしれない」
「しかし、時を巻いて戻す術はない」(冨岡)
「怒れ」
「許せないという強く純粋な怒りは、手足を動かすための、揺るぎない原動力になる」(冨岡)
「脆弱な覚悟では、妹を守ることも、治すことも」
「家族の仇を討つことも、出来ない!」(冨岡)
「感情に任せた単純な攻撃、おろか!」(冨岡)
「俺に勝てないのが分かっていたからだ」
「自分が斬られた後で、俺を倒そうとした?」(冨岡)
「間違いなく今は、重度の飢餓状態」
「一刻も早く、人の血肉を食らいたかっただろうに」
「守る動作、俺に対する威嚇…」(冨岡)
「こいつらは、何か、違うのかもしれない?」(冨岡)
2話
「はい、お金は払います」
「いえ、払います」「でも払います!」
「収めて下さい、小銭ですが!!」(炭治郎)
「(かごから)はみ出るな」
「禰豆子も大きくなったなあ」
「こないだまで、もっと小さかったのに」(炭治郎)
「信じられない?」
「首がもげてるのに、動いたのか、今!」(炭治郎)
「(首だけで)喋ってる!」(炭治郎)
「なんなんだ、こいつ!?」
「頭から腕なんかはやして!」(炭治郎)
「鬼は、たくさんいるのだろうか?」
「家に残っていた匂いとは違う、別の鬼」(炭治郎)
「でも、トドメを刺しておかないと、また人を襲う」
「だから…俺がやるんだ!」(炭治郎)
「そんなものではトドメは刺せん」(鱗滝左近次)
「人に聞くな」
「自分の頭で考えられないのか?」(鱗滝)
「ああ、この子はダメだ」
「思いやりが強すぎて決断できない」(鱗滝)
「鬼を前にしても、優しさの匂いが消えない」
「鬼にすら同情心を持っている」(鱗滝)
「義勇、この子には無理だ」(鱗滝)
「炭治郎」
「妹が人を食った時、お前はどうする?」(鱗滝)
「判断が遅い!」
「お前はとにかく判断が遅い」
「朝になるまで鬼にトドメを刺せなかった」(鱗滝)
「今の質問に間髪入れず答えられなかったのはなぜか?」
「お前の覚悟が甘いからだ」(鱗滝)
「妹が人を食った時やることは2つ」
「妹を殺す、お前は腹を斬って死ぬ」
「鬼になった妹を連れて行くというのはそういうことだ」(鱗滝)
「しかしこれは絶対にあってはならないと肝に命じておけ」
「罪なき人の命をお前の妹が奪う」
「それだけは絶対にあってはならない」(鱗滝)
「儂の言っていることが分かるか?」
「ではこれから、お前が鬼殺の剣士として相応しいかどうかを試す」
「妹を背負って着いて来い!」(鱗滝)
「速い! この人はいったい何歳なんだ!?」
「それと、やっぱり全く足音がしない」(炭治郎)
「まずいまずいまずい!」
「この調子で罠にかかっていたら、朝までに山を下れないぞ」(炭治郎)
「それに、この山…」
「この山は、空気が薄いんだ!」(炭治郎)
「戻れるだろうか? 失神するかも?」
「いや、戻るんだ」
「呼吸を整えて、罠の匂いを嗅ぎ分けろ!」(炭治郎)
「よし、分かる、分かるぞ!」
「人の手で仕掛られた罠は、やっぱりかすかに、匂いが違う!」(炭治郎)
「だからって、それを全部回避できるほど」
「急に身体能力が高くなったりはしないけど!」(炭治郎)
「略啓、鱗滝左近次殿」
「鬼殺の剣士になりたいという少年を、そちらに向かわせました」
「丸腰で私に挑んでくる度胸があります」(冨岡の手紙)
「身内が鬼により殺され、生き残った妹は鬼に変貌していますが」
「人間を襲わないと判断致しました」(冨岡の手紙)
「この2人には、何か他とは違うものを感じます」(冨岡の手紙)
「少年の方はあなたと同じく、鼻が効くようです」
「もしかしたら、突破して、受け継ぐことが出来るかもしれません」(冨岡の手紙)
「どうか、育てていただきたい」(冨岡の手紙)
「お前を認める、竈門炭治郎」(鱗滝)
3話
「俺は今日も山を下るよ」
「最終選別で死なないために、鍛え抜く」(炭治郎)
「毎日毎日山下りを繰り返すと、随分、罠を避けられるようになってきた」
「体力が向上したのと、鼻が前よりも鋭く、匂いを捉えるようになったからだ」(炭治郎)
「だけど…罠の難易度はドンドン上がる」
「俺を殺す気満々だ!」(炭治郎)
「(刀を折ったら)お前の骨も折るからな」(鱗滝)
「10ある(全集中の呼吸)水の型全てをお前に教える」
「体の隅々の細胞まで酸素が行き渡るよう長い呼吸を意識しろ」(鱗滝)
「体の自然治癒力を高め、精神の安定化と活性化をもたらす」
「上半身はゆったりと、下半身はどっしり構えろ」(鱗滝)
「水と1つになれ」(鱗滝)
「禰豆子が目覚めなくなって、半年経つ」
「でも、眠り続けるのはおかしい」(炭治郎)
「怖かった…朝起きたら、コトンと死んでしまっているんじゃないか…」
「そう、考えない日はない」(炭治郎)
「もう、教えることはない」
「後はお前次第だ」
「お前が儂の教えたことを消化できるかどうか?」(鱗滝)
「この岩を斬れたら、最終選別に行くのを許可する」(鱗滝)
「岩って、斬る物だっけ?」
「刀で斬れる物だっけ?」(炭治郎)
「ただ…半年経っても、岩は斬れなかった」
「俺は焦る。足りない、まだ鍛錬が足りないんだ」
「もっとやらないと、もっと!」(炭治郎)
「俺、ダメなのかな?」
「禰豆子はあのまま死ぬのか?」(炭治郎)
「ああ、くじけそう! 負けそう!」
「頑張れ俺! 頑張れ!!」(炭治郎)
「うるさい!」
「男が喚くな、見苦しい」(錆兎)
「どんな苦しみにも黙って耐えろ」
「お前が男なら、男に生まれたなら」(錆兎)
「にぶい、弱い、未熟」
「そんな者は男ではない」(錆兎)
「お前の方こそ何をしている?」
「いつまで地面に尻を付いているのか」
「構えもせずに?」(錆兎)
「それはそれは、心配していただいてありがたいことだ」
「お前は俺にけがをさせると思っている訳だ」(錆兎)
「心の底から安心しろ」
「俺はお前より強い、岩を斬ってるからな!」(錆兎)
「お前は何も身につけてない」
「何も自分のものにしていない」(錆兎)
「特に、鱗滝さんに習った呼吸術、全集中の呼吸」(錆兎)
「お前は知識として、それを覚えただけだ」
「お前の体は何も分かってない」
「1年半もの間、何をやっていた!?」(錆兎)
「お前の血肉に叩き込め!」
「もっと! もっと! もっと!!」(錆兎)
「鱗滝さんが教えてくれた全ての極意を決して忘れることなどないように」
「骨の髄まで叩き込むんだ!」(錆兎)
「進め! 男なら!」
「男に生まれたなら、進む以外の道などない」(錆兎)
「かかってこい!」
「お前の力を見せてみろ!!」(錆兎)
「さっきの見たか?」
「凄い一撃だった」
「無駄な動き少しもない。本当に綺麗だった」(炭治郎)
「あんな風になりたい」
「俺も、なれるかな、あんな風に?」(炭治郎)
「きっとなれるよ、私が見てあげるもの」(真菰)
「私達、鱗滝さんが大好きなんだ!」(真菰)
「子供達は、他にもまだいるんだよ」
「いつも炭治郎を見てるよ」(真菰)
「全集中の呼吸はね、体中の血の巡りと、心臓の鼓動を速くするの」
「そしたら、すごく体温が上がって、人間のまま鬼のように強くなれるの」(真菰)
「とにかく、肺を大きくすること」
「血の中にたくさんたくさん空気を取り込んで、血がビックリした時」
「骨と筋肉が慌てて熱くなって、強くなる」(真菰)
「死ぬほど鍛える」
「結局、それ以外に出来ることないと思うよ」(真菰)
「腕が、足が、千切れそうなほど…肺が、心臓が、破れそうなほど、刀を振った」
「それでも、錆兎には勝てなかった」(炭治郎)
「半年、経つまでは…」(炭治郎)
「半年でやっと、男の顔になったな」(錆兎)
「真正面からの勝負は単純だ」
「より強く、より速い方が勝つ」(炭治郎)
「一瞬で勝負は決まった」
「この日、この瞬間初めて、俺の刃が先に、錆兎に届いた」(炭治郎)
「俺が勝った時、錆兎は笑った」
「泣きそうな、嬉しそうな、安心したような笑顔だった」(炭治郎)
「炭治郎、よくやったね。今のを忘れないで」
「勝ってね、炭治郎…あいつにも」(真菰)
「気づくと、錆兎は消えていて…」
「錆兎の面を斬ったはずの俺の刀は…」
「岩を、斬っていた」(炭治郎)
4話
「お前を最終選別に行かせるつもりはなかった」
「もう子供が死ぬのを見たくなかった」(鱗滝)
「お前に、この岩は斬れないと思っていたのだが…よく頑張った」
「炭治郎、お前は、凄い子だ」(鱗滝)
「最終選別、必ず生きて戻れ」
「儂も妹もここで待っている」(鱗滝)
「炭治郎、儂がしてやれるのはここまでだ」
「これから先は、修行の時とは比べ物にならない程」
「つらく厳しい日々が待っている」(鱗滝)
「せめて、今だけは、何も気にすることなくゆっくり休むといい」(鱗滝)
「お前のような食べざかりは食った分だけ力も付くし体も大きくなる」
「だがそれは鬼も同じ」(鱗滝)
「覚えておけ」
「基本的に鬼の強さは、人を食った数だ」(鱗滝)
「厄除の面という」
「お前を災いから守るようにと、まじないをかけておいた」(鱗滝)
「禰豆子…必ず、ここに帰ってくるからな」(炭治郎)
「(最終選別)7日間、生き残ることだけを考えよう」
「まずはこの夜を乗り切る」(炭治郎)
「いきなり2人、やれるだろうか?」
「大丈夫だ、落ち着いて動きを見ろ」
「修行の時を思い出せ!」(炭治郎)
「全集中・水の呼吸」
「糸の匂い…肆ノ型・打ち潮」(炭治郎)
「斬れた…鬼に勝てた…強くなってる!」
「鍛錬は無駄じゃなかった、ちゃんと身についた」(炭治郎)
「鬼殺隊の持つ刀は、特別な鋼で作られており、唯一鬼を殺すことが出来る」
「その名を、日輪刀という」(鱗滝)
「炭治郎、あいつに勝てるかな?」(真菰)
「分からない。努力は、どれだけしても足りないんだよ」
「知ってるだろ、それはお前も」(錆兎)
「怯むな! 助けろ! 助けろ! 助けろ!!」
「俺はもう無力じゃない! 動け!!」
「水の呼吸、弐ノ型・水車」(炭治郎)
「落ち着け炭治郎、呼吸が乱れている」
「もういいんだ、俺達のことは」(錆兎)
「こいつはこのままにしておいちゃいけない」
「また新たな犠牲者が出る前に」
「今、ここで倒す!」(炭治郎)
「やっぱり炭治郎も負けるのかな?」
「あいつの首、固いんだよね」(真菰)
「負けるかもしれないし勝つかもしれない」
「ただ、そこには1つの事実があるのみ」(錆兎)
「炭治郎は、誰よりも固く、大きな岩を斬った男だということ」(錆兎)
「全集中・水の呼吸、壱ノ型・水面斬り」(炭治郎)
5話
「悲しい匂い」
「神様、どうか…この人が今度生まれて来る時は」
「鬼になんて、なりませんように」(炭治郎)
「錆兎、真菰…そして、殺された他の子供達…勝ったよ」
「もう安心していいよ」(炭治郎)
「きっと、約束通り帰るんだろ、魂だけになろと、狭霧山へ」
「大好きな鱗滝さんの所へ」(炭治郎)
「死んでいたら、俺の魂も帰った…」(炭治郎)
「(残ったのは)たった4人」
「20人くらいいたのに!」(炭治郎)
「死ぬわ…死ぬ死ぬ」
「ここ(最終選別)で生き残っても結局死ぬわ、俺」(我妻善逸)
「からす? これ雀じゃね?」(善逸)
「この子から手を離せ」
「離さないなら、折る!」(炭治郎)
「(玉鋼をもらっても)多分すぐ死にますよ、俺は」(善逸)
「甘かったな」
「どの鬼も、まともに会話できる状態じゃなかった」
「問答無用で殺そうとしてくるし…」(炭治郎)
「ごめんな、禰豆子」
「鬼が人間に戻る方法、ちゃんと聞けなかった」(炭治郎)
「支給服すら重い…」
「一刻も早く帰りたいのに、体中痛くて…」(炭治郎)
「禰豆子! お前、起きたのか!」
「お前、なんで急に寝るんだよ」
「ずっと起きないでさあ」
「死ぬかと思っただろうが!」(炭治郎)
「(最終選別より)よく、生きて戻った」(鱗滝)
「鬼には、いくつか種類がある」
「血鬼術という、特殊な術を使う鬼は、異能の鬼だ」
「今後は、そのような鬼とも戦うことになるだろう」(鱗滝)
「その者達との戦いは、これまで以上に困難を極める」
「しかし炭治郎、お前ならきっと大丈夫だ」(鱗滝)
「さあさあ、抜いてみな」
「日輪刀は、別名『色変わりの刀』と言ってな」
「持ち主によって色が変わるのよ」(鋼鐵塚蛍)
「黒!?」
「俺は鮮やかな赤い刀身が見れると思ったのに!?」(鋼鐵塚)
「危ない! 落ち着いて下さい!」
「何歳ですか!?」(炭治郎)
「37だ!」(鋼鐵塚)
6話
「お前の持っている日輪刀、持ち主によって色が変わり」
「それぞれの色ごとに特性がある」(鱗滝)
「しかし、黒い刃になる物は数が少なすぎて詳細が分からない」
「分からなすぎて…」(鱗滝)
「分からなすぎて、出世できない剣士は黒い刃なのだと言われている」(鱗滝)
「俺、鬼殺隊でどうかは分からないけど」
「必ず禰豆子を、人間に戻してみせます」(炭治郎)
「禰豆子、この(箱の)中に入ってくれ、出来るか?」
「禰豆子、これからはいつも一緒だからな」(炭治郎)
「信じます! 信じますよ! 信じる!!」(炭治郎)
「かすかに鬼の匂いが残ってるけど…」
「まだらというか…変な感じだ」(炭治郎)
「信じます」
「そのために俺は、ここに来ましたから」(炭治郎)
「あいつらは夜活動します」
「だから、休む訳にはいかない」(炭治郎)
「ここら辺にも、新しい匂いを見つけました」
「必ず、近くにいるはずです」(炭治郎)
「この人を抱えて、そばに立っていて下さい」
「俺の間合いの内側なら、守れます!」(炭治郎)
「3人!? 落ち着け、やれる!」
「捌ノ型・滝壺!」(炭治郎)
「炭治郎、よく聞け」
「人間を鬼に変えられる血を持つ鬼は」
「この世に、ただ、一体のみ」(鱗滝)
「今から千年以上前、一番初めに鬼となった者」
「つまりそれが、お前の家族の仇だ」(鱗滝)
「さらにそいつならば、妹を人間に戻す方法を知っていると、儂は思っている」
「その鬼の名は…鬼舞辻無慘」(鱗滝)
「気休めにしかならんかもしらんが」
「禰豆子が眠っている間に、わしは暗示を掛けた」(鱗滝)
「人間はみなお前の家族だ」
「人間を守れ、鬼は敵だ!」
「人間を傷つける、鬼を許すな!」(鱗滝)
7話
「鱗滝さんは言ってた」
「禰豆子は今、鬼だと」
「必ずしも、自分が守らねばならないほど、弱い訳ではないと」(炭治郎)
「いいのか、任せても?」
「2人を守ってくれれば、攻撃に専念できる」(炭治郎)
「禰豆子、俺は下に行く」
「2人を守ってくれ…出来るな?」(炭治郎)
「沼の中…そしてこれは…さらわれた人の、着物や持ち物か?」
「何の罪もない人達をこんなにも殺した」
「許せない…許せない!」(炭治郎)
「なめるなよ!」
「いったい俺が、どこで鍛錬したと思ってるんだ」
「狭霧山の頂上は、もっと空気が薄かった」(炭治郎)
「さらに、水の中でこそ力を発揮する技がある」(炭治郎)
「沼の中で、こんな角度の動きが出来るのか」
「でも関係ない、攻撃のために接近した所を斬るだけだ!」(炭治郎)
「足場もない不安定なこの場所でも使える型」
「上半身と下半身の激しいねじりで、強い可動を発生させる」(炭治郎)
「匂いが来た」
「隙の糸、全集中・水の呼吸」
「陸ノ型・ねじれ渦!」(炭治郎)
「妹にさわるな!」(炭治郎)
「喋ってはいけない」
「私のことを誰にも喋ってはいけない」(鬼舞辻無慘)
「喋ったらすぐに分かる」
「私はいつも君を見ている」(鬼舞辻)
「骨の奥まで震えるような、恐怖の匂い」
「ああ…また、(鬼舞辻無慘について)何も聞き出せない…」(炭治郎)
「ごめん、ごめんな…もう少し待ってくれ」
「兄ちゃんがきっと、人間に戻してやるからな」(炭治郎)
「失っても、失っても、生きていくしかないんです」
「どんなに打ちのめされようと」(炭治郎)
「俺だけじゃない」
「どれだけの人を殺し、痛めつけ、苦しめた」
「鬼舞辻無慘、俺はお前を、絶対に許さない!」(炭治郎)
「街(東京浅草)はこんなに発展しているのか」
「夜なのに明るい!?」(炭治郎)
「建物、高! 何だあれ!?」
「都会って、都会って…めまいがする」(炭治郎)
「この匂い、どうして突然、こんな所で!?」
「家に残っていた匂いだ…鬼舞辻無慘!」
「こいつが、匂いの!?」(炭治郎)
「こいつ(鬼舞辻無慘)、こいつ、こいつ…」
「人間のフリをして暮らしているんだ!」(炭治郎)
「私に何か用ですか?」
「随分あわてていらっしゃるようですが?」(鬼舞辻)
「人間だ…(一緒にいる)女の子と女の人は、人間の匂いだ」
「知らないのか? 分からないのか?」(炭治郎)
「こいつが鬼だって!」
「人を食うって!」(炭治郎)
「いいや。困ったことに少しも、知らない子ですね」
「人違いでは、ないでしょうか?」(鬼舞辻)
8話
「大丈夫、きっとなんとかなる」
「奥さんの傷は致命傷じゃない」
「きっと大丈夫だ」(炭治郎)
「この人は誰も殺していない」
「さっきまでこの人は、ただここを歩いていただけなのに!?」(炭治郎)
「この人を放っては行けない」
「鬼舞辻無慘! 俺はお前を逃さない!」
「どこへ行こうと絶対に!!」(炭治郎)
「どこへ行こうと逃さない!」
「地獄の果てまで追いかけて、必ずお前の首に刃を振るう!」
「絶対にお前を許さない!!」(炭治郎)
「やめて下さい! 俺以外はこの人を抑えられない!」
「やめてくれ! この人に誰も殺させたくないんだ!」
「邪魔をしないでくれ! お願いだから!」(炭治郎)
「あなたは、鬼となった者にも、人という言葉を使って下さるのですね」(珠世)
「そして助けようとしている」
「ならば私も、あなたを手助けしましょう」(珠世)
「そう、私は…鬼ですが医者でもあり」
「あの男、鬼舞辻を抹殺したいと思っている」(珠世)
「私の顔色は悪く見えるか?」
「私の顔は青白いか?」
「病弱に見えるか?」
「長く生きられないように見えるか?」
「死にそうに見えるか?」(鬼舞辻)
「違う違う違う違う」
「私は限りなく完璧に近い生物だ」(鬼舞辻)
「私の血を大量に与え続けるとどうなると思う?」
「人間の体は変貌の速度に耐えきれず…細胞が壊れる」(鬼舞辻)
「耳に花札のような飾りを付けた、鬼狩りの首を持って来い」
「いいな?」
「あの耳飾り……」(鬼舞辻)
「それより、鬼じゃないか、その女は?」
「しかも醜女だ」(愈史郎)
「醜女…醜女?」
「醜いってことか?」
「誰が? 禰豆子!?」
「醜女のはずないだろ!?」(炭治郎)
「よく見てみろこの顔立ちを!」
「町でも評判の美人だったぞ、禰豆子は!!」(炭治郎)
「いいか、あの方に失礼のないようにしろよ」
「俺はお前達などどうなったっていいんだ」(愈史郎)
「それをあの方がどうしてもと言うから連れてきたんだ!」(愈史郎)
「人のケガの手当をして、つらくないですか?」(炭治郎)
「鬼の俺達が、血肉の匂いによだれを垂らして耐えながら」
「人間の治療をしているとでも!?」(愈史郎)
「よしなさい、なぜ暴力を振るうの?」(珠世)
「名乗っていませんでしたね。私は珠世と申します」
「その子は愈史郎。仲良くしてやって下さいね」(珠世)
「無理だな、これは」(炭治郎)
「つらくはないですよ」
「普通の鬼より、かなり楽かと思います」(珠世)
「私は、私の体を随分いじっていますから」
「鬼舞辻の呪いも外しています」(珠世)
「私達は人を食らうことなく暮らしていけるようにしました」
「人の血を少量飲むだけでこと足りる」(珠世)
「不快に思われるかもしれませんが」
「金銭に余裕のない方から、輸血と称して血を買っています」(珠世)
「もちろん、彼らの体に支障が出ない量です」(珠世)
「愈史郎は、もっと少量の血で足ります」
「この子は私が鬼にしました」(珠世)
「そうですね。鬼舞辻以外は、鬼を増やすことが出来ないとされている」
「それは概ね正しいです」(珠世)
「200年以上かかって、鬼に出来たのは、愈史郎ただ1人ですから」(珠世)
「200年…200年以上かかって鬼に出来たのは、愈史郎ただ1人ですから?」
「珠世さんは何歳ですか!?」(炭治郎)
「女性に年を聞くな、無礼者!!」(愈史郎)
「愈史郎。次にその子を殴ったら許しませんよ」(珠世)
「はい! 怒った顔も美しい!」(愈史郎)
「1つ、誤解しないで欲しいのですが、私は鬼を増やそうとはしていません」(珠世)
「不治の病や怪我などを負って、余命いくばくもない人にしか、その処置はしません」(珠世)
「その時は必ず本人に、鬼となっても生きながらえたいか、尋ねてからします」(珠世)
「嘘いつわりのない、清らかな匂いがする」
「この人は信用できる」(炭治郎)
「どうやって殺そうかの?」
「力がみなぎる。あの御方に血を分けていただいたおかげじゃ」(朱紗丸)
「それはもう残酷に殺してやろうぞ」(矢琶羽)
「鬼を人に戻す方法は、あります」(珠世)
「寄ろうとするな、珠世様に!」(愈史郎)
「投げたのです、珠世様。殴ってません」(愈史郎)
「どちらもダメです」(珠世)
「どんな傷にも病にも、必ず、薬や治療法があるのです」
「今の時点で鬼を人に戻すことは出来ませんが…それもきっと」(珠世)
「ですが、私達は必ず、その治療法を確立させたいと思っています」
「そのために、あなたにお願いしたいことがあります」(珠世)
「治療薬を作るためには、たくさんの鬼の血を調べる必要があります」
「あなたにお願いしたいことは2つ」(珠世)
「1つ、妹さんの血を調べさせて欲しい」
「2つ。出来る限り、鬼舞辻の血が濃い鬼からも、血液を採取してきて欲しい」(珠世)
「禰豆子さんは今極めて、まれで、特殊な状態です」
「2年間眠り続けたとのお話でしたが、おそらくはその際に体が変化している」(珠世)
「通常、それほど長い間、人の血肉や、獣の肉を口に出来なければ」
「まず間違いなく凶暴化します」(珠世)
「珠世様は今日も美しい」
「きっと明日も美しいぞ!」(愈史郎)
「しかし、驚くべきことに、禰豆子さんにはその症状がない」
「この奇跡は、今後の鍵となるでしょう」(珠世)
「もう1つの願いは、過酷なものになる」
「鬼舞辻の血が濃い鬼とは」
「すなわち、鬼舞辻により近い強さを持つ鬼ということです」(珠世)
「そのような鬼から血を取るのは容易ではありません」
「それでも、あなたはこの願いを、聞いて下さいますか?」(珠世)
「それ以外に道がなければ、俺はやります」(炭治郎)
「珠世さんがたくさんの鬼の血を調べて、薬を作ってくれるなら」
「そうすれば禰豆子だけじゃなく、もっとたくさんの人が助かりますよね」(炭治郎)
「殺し方は決まったか?」(朱紗丸)
「残酷に、だろ!」(矢琶羽)
9話
「そして…鬼狩りは鬼と一緒にいるのか?」
「どういうことじゃ?」(矢琶羽)
「楽しいの!」(朱紗丸)
「それにしても朱紗丸」
「お前はやることが幼いというか、短絡というか…」(矢琶羽)
「汚れたぞ、儂の着物が塵で汚れた!?」(矢琶羽)
「うるさいの」
「私の毬のおかげですぐ見つかったのだからよいだろ?」
「たくさん遊べるしな!」(朱紗丸)
「またしても汚れたぞ!」(矢琶羽)
「神経質めが、着物は汚れてなどおらぬは」
「それに…見つけた、見つけた!」(朱紗丸)
「1人殺した!」(朱紗丸)
「今までの鬼とは、明らかに匂いが違う」
「強いのか?」(炭治郎)
「濃い匂いだ」
「肺の中に入ってくると重い!」(炭治郎)
「ふ~ん。耳に花札のような飾りの鬼狩りは、お前じゃのう!」(朱紗丸)
「俺を狙っているのか!?」(炭治郎)
「炭治郎さん、私たちのことは気にせず戦って下さい」
「守っていただかなくて大丈夫です」
「鬼ですから」(珠世)
「避けてもあの毬は曲がる」
「十ある型の中で、最速の突き技」
「全集中・水の呼吸」
「漆ノ型・雫波紋突き・曲!」(炭治郎)
「ほう? 斜めから曲線をついて毬の威力を和らげたな、だが!」(朱紗丸)
「なぜ動くんだ、この毬!?」(炭治郎)
「珠世様、俺は言いましたよね?」
「鬼狩りに関わるのは止めましょうと、最初から!」(愈史郎)
「俺の目隠しの術も完璧ではないんです」
「あなたにもそれは分かっていますよね?」(愈史郎)
「建物や人の気配、匂いは隠せるが、存在自体を消せる訳ではない!」
「人数が増えるほど痕跡が残り、鬼舞辻に見つかる確率も上がる!」(愈史郎)
「あなたと2人で過ごす時を邪魔する者が、俺は嫌いだ!」
「大嫌いだ! 許せない!!」(愈史郎)
「何か言うておる。面白いの、面白いの!」
「十二鬼月である私に殺されることを、光栄に思うがいい!」(朱紗丸)
「さあ、遊び続けよう」
「朝になるまで、命、尽きるまで!」(朱紗丸)
「ここで私の術を使うと、炭治郎さんにもかかってしまう」
「愈史郎も、攻撃に転じるには準備が必要」
「このままでは…」(珠世)
「血の匂いは2種類、鬼は2人いる」
「匂いで位置も分かってる。だけど…」
「ダメだ! 構う余裕がない!」(炭治郎)
「私達は治りますから、気にしないで!」(珠世)
「おい! 間抜けの鬼狩り!」
「矢印を見れば、方向が分かるんだよ!」
「矢印を避けろ!」(愈史郎)
「そんなのも見えんのか!?」
「俺の視覚を貸してやる!」
「そうしたら毬女の首くらい斬れるだろ!」(愈史郎)
「禰豆子、まだか!?」
「(矢印が)消えた!」
「水の呼吸、参ノ型・流流舞い!」(炭治郎)
「珠世さん。この2人の鬼は、鬼舞辻に近いですか?」
「では必ず、この2人から血を取ってみせます!」(炭治郎)
「儂らから血を取るじゃと?」
「何を企んでおるのか知らぬが、あの御方の御機嫌を損なうような真似はさせぬぞ」(朱紗丸)
「十二鬼月である儂らから、血が取れるなら、取ってみるがいい!」(朱紗丸)
「気をつけろ! 少しも油断するなよ!」
「もし本当にそいつらが十二鬼月なら」
「まず間違いなく、お前が今まで倒した奴等より手強いぞ!」(愈史郎)
「はい、分かりました!」
「気をつけつつ、少しも油断せず、まず倒す」
「今まで、はい、頑張ります!」(炭治郎)
「珠世様。あいつらをおとりにして逃げましょう」
「冗談です!」(愈史郎)
「土埃を立てるな! 汚らしい!」(矢琶羽)
「血を取る、必ず取ってみせる」
「少しでも早く、薬を完成させるために、どんな鬼とも戦う!」
「戦って勝つ!!」(炭治郎)
「何という薄汚い子供じゃ」
「儂のそばに寄るな!」(矢琶羽)
「(隙の)糸が、切れた!?」(炭治郎)
「痛い…いやこれは、かなり痛い!」(炭治郎)
「珠世様を傷付けたこと、絶対に許さん!」(愈史郎)
「珠世?」
「朱紗丸よ、そちらにいるのは、逃れものの珠世ではないか?」
「これはいい手土産じゃ」(矢琶羽)
「楽しいの、楽しいの!」
「蹴鞠もよい。矢琶羽、首を4つ持ち帰ればよいかの?」(朱紗丸)
「違う、2つじゃ」
「鬼狩りと逃れもの、残りの2人はいらぬ」(矢琶羽)
「どうする? 絶対負けられない」
「だけど、隙の糸が見えても簡単には斬れないぞ」(炭治郎)
「技は、寸分の狂いなく、隙へ叩き込まなければ意味がないんだ」(炭治郎)
「少しでもズレると、技の威力は十分に発揮されない」
「矢印の能力で、太刀の方向を変えられてしまう」(炭治郎)
「そしてちょっと申し訳ないけど、手の目玉気持ち悪いな!」
「申し訳ないけど!」(炭治郎)
「紅潔の矢と同じ方向に回転しながら避けたか?」
「猿め!」
「そろそろ死ね!」(矢琶羽)
「技の応用だ!」
「まず、陸ノ型で矢印を巻取り、参ノ型の足運びを使って、距離を詰める!」
「ねじれ、巻き取れ! ねじれ渦・流流!!」(炭治郎)
「刀が重い」
「だけど、弐ノ型・改・横水車!!」(炭治郎)
10話
「おのれ! おのれおのれ!!」
「お前の首さえ持ち帰れば、あの御方に認めていただけたのに」(矢琶羽)
「許さぬ! 許さぬ許さぬ許さぬ許さぬ!」
「汚い土に儂の顔を付けおって!」
「お前も道連れじゃ!」(矢琶羽)
「しまった! 相打ちだ!」
「今までくらった矢印で、一番強い力で引かれる!」(炭治郎)
「次々に技を放って受け身を取らないと、体がグチャグチャだ!」(炭治郎)
「体に圧がかかって、刀を振れない」
「出せ…技を出せ!」
「こんな所で、やられるな!」(炭治郎)
「こんなに連続して技を出したことはない」
「両腕が、ちぎれそうだ!」(炭治郎)
「まだまだ足りぬ」
「もっと…もっと苦しめ!」(矢琶羽)
「あと何回だ?」
「あと何回…考えるな!」
「技を出し続けろ!」
「出し続けろ!!」(炭治郎)
「禰豆子、珠世さん、愈史郎さん…あばらと足が折れた」
「ダ、ダメだ…疲労で刀を、握れない」(炭治郎)
「早く、行かなければ……鬼はまだいる」
「すぐ、行く…すぐ行くから、無事でいてくれ」
「どうか、無事で!」(炭治郎)
「バカが!」
「直線的な攻撃ならかわすなど造作もないわ」
「位置の特定も、容易い!」(愈史郎)
「それはこちらも同じことじゃ」
「いくら姿を消せようが、丸わかりじゃ!」(朱紗丸)
「お前、死なないからって不用意に出てくるな!」(愈史郎)
「このガキ…このガキ」
「私の毬を蹴り返すようになってきたとは…」
「生意気な!」(朱紗丸)
「私の使った薬はただの回復薬です、鬼専用の」
「体を強化する作用はない、禰豆子さん自身の力です」(珠世)
「人の血肉も食らわずに、彼女が自分の力で、急速に強くなっている」(珠世)
「しかし、相手も強者」
「全力で潰しに来られたらひとたまりもない」
「私が、なんとかしなければ」(珠世)
「面白い娘じゃ」
「今度はこちらも本気で相手をしてやる」
「いつまで持ちこたえられるかの?」(朱紗丸)
「そこの十二鬼月のお嬢さん」
「1つだけ、お聞かせ下さい」
「あなたは鬼舞辻の正体をご存知なのですか?」(珠世)
「あの男は、ただの臆病者です」
「いつも何かに怯えている」(珠世)
「鬼が群れくことが出来ない理由を知っていますか?」
「鬼が、共食いする理由を?」(珠世)
「鬼達が束になって、自分を襲って来るのを防ぐためです」
「そのように操作されているのです、あなた方は」(珠世)
「黙れ…黙れ黙れ!」
「あの御方は、そんな小物ではない!」(朱紗丸)
「あの御方の力は凄まじいのじゃ!」
「誰よりも強い! 鬼舞辻様は!?」(朱紗丸)
「その名を口にしましたね?」
「呪いが発動する」(珠世)
「白日の魔香」
「脳の機能を低下させ、虚偽を述べたり秘密を守ることが不可能となる」
「凄い威力です、珠世様」(愈史郎)
「かわいそうですが、さようなら」(珠世)
「間もなく死にます。これが呪いです」
「体内に残留する鬼舞辻の細胞に、肉体が破壊されること」(珠世)
「基本的に、鬼同士の戦いは不毛です」(珠世)
「意味がない、致命傷を与えることが出来ませんから」
「陽光と鬼殺の剣士の刀以外は」(珠世)
「ただ鬼舞辻は、鬼の細胞が破壊できるようです」(珠世)
「炭治郎さん」
「この方は、十二鬼月ではありません」(珠世)
「十二鬼月は、眼球に数字が刻まれていますが、この方にはない」
「おそらくもう一方も十二鬼月ではないでしょう」
「弱すぎる」(珠世)
「珠世様がおっしゃるのだから間違いない」(愈史郎)
「しかし、頭の悪い鬼もいたもんだな」
「珠世様のお体を傷付けたんだ、当然の報いだが」(愈史郎)
「この血が、治療薬を作るための手がかりに、なるとよいのですが」(珠世)
「お前はそのままじっとしてろ、後は知らん!」
「俺は珠世様から離れたくない、少しも!」(愈史郎)
「ま・り…まり…毬…」
「あそぼ…あそぼ…」(朱紗丸)
「小さい子供みたいだ」
「たくさん、人を殺しているだろうに?」(炭治郎)
「十二鬼月だとおだてられ、騙され、戦わされ」
「そして、鬼舞辻の呪いで殺された…救いがない」(炭治郎)
「死んだ後は骨すら残らず消える」
「人の命を奪った、報いなのか?」(炭治郎)
「鬼舞辻」
「あの男は、自分を慕う者にすらこの仕打」
「本物の、鬼だ!」(炭治郎)
「こっちだ、こっち」
「別に来なくてもいいんだが、来たいなら下りてこい」
「冗談です!」(愈史郎)
「お優しい珠世様、美しすぎるぞ!」(愈史郎)
「先程から、禰豆子さんがこのような状態なのですが、大丈夫でしょうか?」(珠世)
「心配いりません、大丈夫です」
「多分2人のことを、家族の誰かと思っているんです」(炭治郎)
「でも禰豆子は、お2人を人間だと判断してます」
「だから守ろうとした」(炭治郎)
「俺、禰豆子に暗示かかってるの嫌だったけど」
「本人の意思がちゃんとあるみたいでよかった…」(炭治郎)
「ありがとう…禰豆子さん、ありがとう」(珠世)
「あなたは、それでも生きたいと思いますか?」
「本当に、人でなくなっても生きたいと?」(珠世)
「このまま、病であなたは命を落とすでしょう」
「ですが、人でなくなることは、つらく悲しい」(珠世)
「それでもあなたは、生きたいと?」(珠世)
「私達はこの土地を去ります」
「鬼舞辻に近づきすぎました」
「早く身を隠さなければ、危険な状況です」(珠世)
「それに、上手く隠しているつもりでも」
「医者として、人と関わりを持てば、鬼だと気付かれる時がある」
「特に子供や年配の方は鋭いのです」(珠世)
「炭治郎さん」
「禰豆子さんは、私達がお預かりしましょうか?」(珠世)
「絶対に安全とは言い切れませんが」
「戦いの場に連れて行くよりは危険が少ないかと?」(珠世)
「そうかもしれない」
「確かに、預けた方が、禰豆子のためにも…」(炭治郎)
「珠世さん、お気遣いありがとうございます」
「でも、俺達は一緒に行きます」
「離れ離れにはなりません。もう、二度と」(炭治郎)
「炭治郎」
「お前の妹は、美人だよ」(愈史郎)
「頼むよ!!」
「頼む頼む頼む! 結婚してくれ!!」(善逸)
「いつ死ぬか分からないんだ、俺は!」
「だから結婚して欲しいという訳で!」
「頼む、頼むよぉ!!」(善逸)
11話
「何やってるんだ道の真ん中で!?」
「その子は嫌がっているだろ!」
「そして、雀を困らせるな!」(炭治郎)
「あっ、隊服?」
「お前は最終選別の時の?」(善逸)
「お前みたいな奴は、知人に存在しない!」
「知らん!」(炭治郎)
「えぇぇぇ!? 会っただろうが!? 会っただろうが!?」
「お前の問題だよ、記憶力のさあ!?」(善逸)
「おい、お前邪魔すんじゃねえよ!」
「その子は俺と結婚するんだ!」
「俺のことが好きなんだから!」(善逸)
「いつ私があなたを好きだと言いましたか!?」
「具合が悪そうに道端でうずくまっていたから、声をかけただけでしょ!」(村娘)
「えぇ、えぇぇ!?」
「俺のこと好きだから心配して声かけてくれたんじゃないの!?」(善逸)
「なんだよその顔!?」
「止めろ! なんでそんな別の生き物見るような目で俺を見てんだぁ!」(善逸)
「お前、責任とれよ!」
「お前のせいで結婚できなかったんだから!」(善逸)
「なんかしゃべれよ!」(善逸)
「いいか、俺はもうすぐ死ぬ」
「次の仕事でだ!」(善逸)
「俺はな、ものすごく弱いんだぜ!」
「なめるなよ!」(善逸)
「俺が結婚できるまで、お前は俺を守れよな!!」(善逸)
「助けてくれってなんだ?」
「なんで善逸は剣士になったんだ?」
「なんでそんなに恥をさらすんだ?」(炭治郎)
「言い方ひどいだろ!?」
「女に騙されて借金したんだよ!」
「借金を肩代わりしてくれたジジイが、育手だったの!」(善逸)
「毎日毎日地獄の鍛錬だよ」
「死んだ方がマシだってくらいの」(善逸)
「最終選別で死ねると思ったのにさ、運良く生き残るから」
「未だに地獄の日々だぜ!」(善逸)
「あぁ、怖い怖い怖い怖い!」
「きっともうすぐ鬼に食われて死ぬんだ!」
「生きたまま耳から脳髄を吸われてぇ!」(善逸)
「鬼が怖いっていう善逸の気持ちも分かるが、雀を困らせたらダメだ」(炭治郎)
「いや、善逸がずっとそんな風で仕事に行きたがらないし」
「女の子にすぐちょっかい出す上にいびきもうるさくて困ってるって」
「言ってるぞ」(炭治郎)
「助けられなかった…」
「俺達がもう少し早く来てれば、助けられたかもしれないのに…」(炭治郎)
「炭治郎~、なあ炭治郎~」
「守ってくれるよな、俺を守ってくれるよな~?」(善逸)
「善逸。ちょっと申し訳ないが、前の戦いで俺は、あばらと足が折れている」
「そしてまだそれが完治していない。だから」(炭治郎)
「何折ってんだよ、骨!」
「折るんじゃないよ、骨!!」
「折れてる炭治郎じゃ俺を守りきれないぜ!」(善逸)
「死んだよ俺。九分九厘、死んだ!」(善逸)
「猪突猛進、猪突猛進、猪突猛進!!」(嘴平伊之助)
「さあ化け物」
「屍をさらして俺がより強くなるため」
「より高く行くための、踏み台となれ!」(伊之助)
12話
「俺の刀は痛いぜ」
「坊っちゃんが使うような刀じゃねえからよ」
「ちぎり割くような切れ味が自慢なのさ!」(伊之助)
「話かけるなら急に来ないでくれよ」
「心臓が口からまろび出る所だったぞ」(善逸)
「もしそうなっていたら、まさしくお前は人殺しだったぞ」
「分かるか!?」(善逸)
「おいしくない、きっとおいしくないよ俺!」
「真面目な話、この子は痩せこけてますし」
「カスカスでまずいからぁ!」(善逸)
「膝に来てる! 恐怖が8割、膝に!!」(善逸)
「なんていい子なんだ!」
「こんな怯えた音になってるのに!」
「俺がなんとかしなくちゃ!」(善逸)
「俺が守ってあげないとかわいそうだろ!」
「享年が一桁とかあんまりだぞ!」(善逸)
「でも俺は凄く弱いんだよ」
「守ってあげられる力がないの」
「でも俺が守ってあげなきゃ!」(善逸)
「雷の呼吸、壱ノ型・霹靂一閃」(善逸)
「死んでる!? 急に死んでるよ!?」
「なんなの!? もうやだ!」(善逸)
「また飛ばされた!」
「3日前からずっとこんな調子だ、ちくしょー!」(伊之助)
「こんな狭っ苦しい建物の中を進むのは」
「得意じゃねえんだよ、俺は!!」(伊之助)
「我流、獣(けだもの)の呼吸」
「的がでかいと、切り裂きがいがあるぜ!」(伊之助)
「屍をさらして、俺の踏み台となれ!」
「参ノ牙・喰い裂き!」(伊之助)
「響凱。もう食えないのか? その程度か?」
「もういい、数字を剥奪する」
「それがお前の限界なのだ」(鬼舞辻)
「速い! 回転と攻撃の速度が凄まじい!」
「珠世さんに手当をしてもらっているが、ケガは完治してない」(炭治郎)
「勝てるのか、俺は?」
「そのケガが、痛くて痛くてたまらないんだよ!」(炭治郎)
「俺はもう、ホントにずっと我慢してた」
「善逸を女の子から引き剥がした時も、声を張った時も」
「凄い痛いのを我慢してた」(炭治郎)
「俺は長男だから我慢できたけど」
「次男だったら我慢できなかった」(炭治郎)
「踏ん張ったりすると、折れてる所がきしんで」
「力が入らないんだ」(炭治郎)
「あの鬼の、爪のような跡が付く攻撃」
「あれが怖くて向こうに近づけない」(炭治郎)
「万全の状態じゃないから、間合いの内側に入ろうと突っ込んで行った時」
「痛みが走って足がもつれたら…」
「俺は輪切りだ」(炭治郎)
「ケガのせいで悪い想像ばかりしてしまう」
「鱗滝さん!」(炭治郎)
「水はどんな形にもなれる」
「升に入れば四角、ビンに入れば丸く」
「時には、岩すら砕いてどこまでも流れて行く」(鱗滝)
「水の呼吸、10種類の型がある」
「どんな敵とも戦えるんだ」(炭治郎)
「ケガをしているなら、それを補う動きをしろ」
「どんな形にもなれる」
「決して流れは止まらない!」(炭治郎)
「今の俺は、骨だけでなく心も折れている」
「真っ直ぐに前を向け! 己を鼓舞しろ!」
「頑張れ炭治郎、頑張れ!」(炭治郎)
「俺は今までよくやってきた。俺は出来る奴だ」
「そして今日も、これからも、折れていても!!」(炭治郎)
「俺がくじけることは、絶対にない!!」(炭治郎)
13話
「俺はやれる、絶対にやれる、成し遂げる男だ!」
「骨折していようが、何だろうが、俺はやれる!」
「戦える!」(炭治郎)
「折れてる炭治郎も凄いんだというのを、見せてやる!」(炭治郎)
「ダメだ、全然状況が変わってない!」
「気合だけではどうにもならない」
「頭だ、気合と共に、頭も使うんだ!」(炭治郎)
「頭使う暇ないぞ!」(炭治郎)
「分かった…紙を踏まないように避けたおかげで」
「ケガが傷まない体の動かし方、呼吸の仕方が分かった」(炭治郎)
「呼吸は浅く、速く!」
「その呼吸で、骨折している足回りの筋肉を強化する」(炭治郎)
「そして、爪の攻撃の前には、紙のような匂いがする」(炭治郎)
「全集中・水の呼吸、玖ノ型・水流飛沫・乱!」(炭治郎)
「着地時間、着地面積を最小限にして」
「行け、入れ、間合いの内側へ!」
「前へ、懐に入り込め!」(炭治郎)
「見えた、隙の糸」
「響凱、君の血鬼術は凄かった!」(炭治郎)
「深く息を吸ってしまったぁ!」
「俺は長男だ…長男だ!」(炭治郎)
「凄かった」
「でも…人を殺したことは許さない」(炭治郎)
「刀を抜いて戦え! この弱味噌が!」(伊之助)
「炭治郎…俺、守ったよ」
「お前が、これ、命より大事なものだって、言ってたから」(善逸)
「俺はな、昔から耳がよかったんだよな」
「寝てる間に人が話したことを知ってる時があって、気味悪がられたっけ」(善逸)
「鬼の音が消えた。炭治郎、鬼倒したんだな」
「炭治郎たちと、あと何か、変なうるさい足音がするな」(善逸)
「で、なんでそんなに泣いてんの?」
「ん…なるほどね!」
「俺が頭から落ちてんのね!」(善逸)
「あいつ、今、声聞いて分かった、5人目の合格者」
「最終選別の時に、誰よりも早く入山して、誰よりも早く下山した奴だ!」
「せっかち野郎!」(善逸)
「ああ、鬼殺隊? なら分かるだろが!?」
「そりゃ始末しなくちゃなんねえんだ!」
「早くそこをどけ!」(伊之助)
「この箱には…この箱には、手出しはさせない!」
「炭治郎の大事なものなんだ!」(善逸)
「おいおいおい、何言ってんだ!?」
「その中には鬼がいるぞ、分からねえのか?」(伊之助)
「そんなことは最初から分かってる!」(善逸)
「鬼を連れてるのは分かってた」
「鬼の音は、人間の音と全く違うから」(善逸)
「でも、炭治郎からは、泣きたくなるような、優しい音がする」
「今まで聞いたことのないくらい、優しい音だ」(善逸)
「生き物からは、とにかく音がしている」
「たくさんの音が、こぼれ出している」(善逸)
「呼吸音、心音、血の巡る音」
「それを注意深く聞くと、相手が何を考えているか分かった」(善逸)
「でも俺は、人によく騙された」
「俺は、自分が信じたいと思う人を、いつも信じた」(善逸)
「鬼殺隊でありながら、鬼を連れてる炭治郎」
「でも、そこには必ず、事情があるはずだ」
「それは、俺が納得できる事情だって、信じてる」(善逸)
「俺が…俺が、直接炭治郎に話を聞く」
「だからお前は、引っ込んでろ!」(善逸)
「もういい」
「これ以上俺の邪魔をするなら、お前ごと箱を串刺しにしてやる!」(伊之助)
14話
「お前は鬼殺隊員じゃないのか!?」
「なぜ善逸が刀を抜かないか分からないのか!?」(炭治郎)
「隊員同士でいたずらに刀を抜くのは、ご法度だからだ!」(炭治郎)
「それをお前は一方的に痛めつけていて、楽しいのか!?」
「卑劣、極まりない!!」(炭治郎)
「そういうことかい、悪かったな」
「じゃあ、素手でやり合おう!」(伊之助)
「いや、全く分かってない感じがする!」(炭治郎)
「こいつは…攻撃が異様に低い」
「これはまるで…まるで、四足獣と戦っているようだ」(炭治郎)
「凄いだろ、俺は!?」
「凄いだろ、俺は!?」(伊之助)
「悪化、上等!」
「今この刹那の愉悦に勝るもの、なし!」(伊之助)
「ちょっと、落ち着けぇぇぇーーー!!!」(炭治郎)
「なんだ、こら…俺の顔に文句でもあんのか?」(伊之助)
「気持ち悪い奴だな」
「ムキムキしてるのに女の子みたいな顔が乗っかってる」(善逸)
「君の顔に文句はない」
「こじんまりしていて、色白でいいんじゃないかと思う!」(炭治郎)
「寝起きでこれだよ!? 一番苦手これ!」(善逸)
「生き物の死骸なんて埋めてなんの意味がある」
「やらねえぜ! 手伝わねえぜ!」
「そんなことより、俺と戦え!」(伊之助)
「そうか…傷が痛むから出来ないんだな?」(炭治郎)
「ダメだ、こいつら。どっちもおかしいわ」(善逸)
「妖怪だよ、炭治郎! あの婆さん妖怪だ!」
「早いもん異様に、妖怪だよ!」(善逸)
「そんなんじゃ、もうご飯を一緒に食べてやんないぞ?」
「ご飯はみんなで一緒に食べた方が美味しいんだぞ!」(善逸)
「(なぜ鬼殺隊?) 鬼殺隊の隊員って奴が、俺の山の中に来やがったから」
「力比べして刀を奪ってやった」(伊之助)
「そしたら、最終選別ってのがあることや、鬼の存在について聞いてよ」(伊之助)
「お前と一緒にすんなよ」
「俺には親も兄弟もいねえぜ」
「他の生き物との力比べだけが、俺の唯一の楽しみだ!!」(伊之助)
「炭治郎。誰も聞かないから俺が聞くけどさ」
「鬼を連れているのは、どういうことなんだ?」(善逸)
「善逸、分かっててかばってくれたんだな」
「善逸は本当にいい奴だな、ありがとう」(炭治郎)
「俺は鼻が効くんだ、最初から分かってたよ」
「善逸が優しいのも、強いのも」(炭治郎)
「いや、強くはねえよ、ふざけんなよ」
「お前が正一くんを連れてくの邪魔したのは許してねえぞ」(善逸)
「炭治郎…お前…」
「お・ま・え…いい御身分だなぁ!!」(善逸)
「こんなかわいい女の子連れてたのか?」
「こんなかわいい女の子連れて毎日、ウキウキウキウキ旅してたんだな?」(善逸)
「俺の流した血を返せよ!!」(善逸)
「俺は、俺はな」
「お前が毎日アハハのウフフで女の子とイチャつくために頑張った訳じゃない」(善逸)
「そんなことのために俺は変な猪に殴られ蹴られたのか!?」(善逸)
「鬼殺隊はな、お遊び気分で入る所じゃねえ!」
「お前のような奴は粛清だよ」
「即・粛清!」(善逸)
「そういやぁ俺の結婚を邪魔した罪と、正一くんを帰した罪もあったな」
「即・粛・清!」
「鬼殺隊を、なめるんじゃねえ!」(善逸)
15話
「”誇り高く”、”ご武運”、どういう意味だ?」(伊之助)
「その立場ってなんだ?」
「恥ずかしくないってどういうことだ?」(伊之助)
「正しい振る舞いって具体的にどうするんだ?」
「なんでババアが俺達の無事を祈るんだよ?」(伊之助)
「なんも関係ないババアなのに、なんでなんだよ?」
「ババアは立場を理解してねえだろ?」(伊之助)
「待ってくれ! ちょっと待ってくれないか!?」
「怖いんだ!」
「目的地が近づいてきてとても怖い!」(善逸)
「何座ってんだこいつ、気持ち悪い奴だな?」(伊之助)
「目の前のあの山から何も感じねえのかよ!?」(善逸)
「(那田蜘蛛山に)俺は行く」(炭治郎)
「俺が先に行く」
「お前はガクガク震えながら後ろを着いて来な」
「腹が減るぜ」(伊之助)
「伊之助」「ありがとう」
「伊之助も一緒に来ると言ってくれて、心強かった」(炭治郎)
「山の中から来たよじれたような禍々しい匂いに、俺は少し体がすくんだんだ」
「ありがとう」(炭治郎)
「意味の有る無しで言ったら、お前の存在自体、意味がねえんだよ!」
「さっさと状況説明しやがれ、弱味噌が!」(伊之助)
「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに?」
「冨岡さんもそう思いません?」(胡蝶しのぶ)
「無理な話だ。鬼が人を食らう限りは」(冨岡)
「俺、嫌われてんのかな?」
「普通置いていくか、仲間を、道端に?」(善逸)
「説得しない、仲間なら?」
「2人で説得してくれたらさ、行くからね、俺だって」(善逸)
「それなのに2人でさ、怖い山の中へ、スタコラサッサですか?」
「置き去りにされた俺の気持ちよ?」(善逸)
「鬼の禰豆子ちゃんがあんなにかわいいのに」
「雀のお前が凶暴じゃん!」(善逸)
「ああ! あいつ禰豆子ちゃん持ってった!」
「何で俺の大切な禰豆子ちゃん持ってってんだ!」
「とんでもねえ炭治郎だ!!」(善逸)
「いや違う、動きがおかしい」
「何かに、操られている」(炭治郎)
「よし。ぶった斬ってやるぜ!」(伊之助)
「ダメだ! 生きてる、まだ生きてる人も混じってる!」
「それに、仲間の亡骸を傷つける訳にはいかない」(炭治郎)
「否定ばっか、するんじゃねえ!!」(伊之助)
「伊之助」
「もし君が、鬼の位置を正確に探る何らかの力を持っているなら、協力してくれ」(炭治郎)
「さっきから変な匂いが流れてきていて、俺の鼻が上手く機能しないんだ」(炭治郎)
「僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな」(累)
「鬼の居場所をさぐれってことだろ?」
「うるせえデコ太郎が!」
「獣の呼吸、漆ノ型・空間識覚」(伊之助)
「誰にも邪魔はさせない。僕達は家族5人で幸せに暮らすんだ」
「僕達の絆は、誰にも斬れない」(累)
16話
「離せ、こら!」
「まずあいつを一発殴ってからだ!」
「誰がクソ猪だ!」(伊之助)
「俺の感覚に狂いはねえ」
「けど…なんじゃ、この鬱陶しい糸は!?」(伊之助)
「母さん…勝てるよね?」
「ちょっと時間がかかり過ぎじゃない?」
「早くしないと、父さんに言いつけるから」(累)
「(操られた仲間に)技は使いたくない」
「でも、糸を切ってもまたすぐつながる」
「動きを止めるには…そうだ!」(炭治郎)
「な…なんじゃそれ!? 俺もやりてぇ!!」(伊之助)
「見たかよ!」
「お前に出来ることは俺にも出来るんだぜ!」(伊之助)
「すまない! ちょっと見てなかった!」(炭治郎)
「チュン太郎」
「俺を追いかけて来てくれたのか?」
「かわいい奴だな!」
「禰豆子ちゃんの次だけどな!」(善逸)
「俺が悪かったよ!」
「さあ、一緒に禰豆子ちゃんを探しに行こう!」(善逸)
「俺の方が先に気づいてた」
「その首ぶった斬ってやるぜ!」
「はぁ!? こいつ…首がねえ!!」(伊之助)
「なんか、だんだん腹立ってきた」
「早く禰豆子ちゃん見つけてこんなおっかない森からおさらばしよう!」(善逸)
「速い、が…避けきれないほどじゃねえ!」
「しまった、蜘蛛がいた!」(伊之助)
「伊之助、一緒に戦おう!」
「一緒に考えよう!」
「この鬼を倒すために、力を合わせよう!!」(炭治郎)
「てめえ! これ以上俺を、ホワホワさせんじゃねえ!!」(伊之助)
「畜生、なんだこれ腹が立つぜ!」
「全部あいつの思い通りか?」
「こうなるのが必然のようだ」(伊之助)
「まるで、川の水が流れていくことほど当たり前に」(伊之助)
「こいつは、自分が前に出ることではなく」
「戦いの、全体の流れを見ているんだ」(伊之助)
「お前に出来ることは、俺にも出来るわ、ボケ!」(伊之助)
「あっ、でも…死ねば、解放される…」
「楽になれる…」(蜘蛛の母)
「伍ノ型・干天の慈雨」(炭治郎)
「これは…優しい雨に打たれているような感覚」
「少しも痛くない、苦しくもない」
「ただ、暖かい…」(蜘蛛の母)
「こんなにも穏やかな死が来るなんて…」
「これで、解放される」(蜘蛛の母)
「(父さんが)何に怒ったか分からないのが悪いんだよ」(累)
「十二鬼月がいるわ…気をつけて」(蜘蛛の母)
「十二鬼月がいる」
「本物の十二鬼月が、この山に」(炭治郎)
17話
「俺に対して細やかな気づいかいはすんじゃねえ!」(伊之助)
「いーーーやーーー!!! 人面なんですけど!」
「人面蜘蛛なんですけど!」(善逸)
「どういうことこれ!? どういうこと!?」
「夢であれ、夢であれ、夢であれよお願い!!」(善逸)
「夢であってくれたなら、俺、頑張るから!」
「起きた時、禰豆子ちゃんの膝枕だったりしたら、もうすっごい頑張る!」(善逸)
「だから、悪夢から覚めてくれぇぇぇーーー!!!」(善逸)
「何あれ、何あれ、何あれ?」
「人間が、蜘蛛に、されてんの?」
「家浮いてんの?」
「何かチラチラ見えるけど、糸?」(善逸)
「そしてくっせー! 刺激臭すげえ!」
「鼻が効く炭治郎なら死んでるわ!」(善逸)
「俺、お前みたいな奴とは、口聞かないからな!」(善逸)
「いやもう死ぬと思うので!」
「これ以上修行したら、死ぬと思うので!!」(善逸)
「俺、爺ちゃんが好きだよ!」
「惚れた女に別の男と駆け落ちするための金を貢がされて」
「借金まみれになった俺を助けてくれたしね」(善逸)
「まあ剣士育てたかっただけかもしんないけど!」(善逸)
「爺ちゃんの期待に応えたいんだよ、俺だって」
「でも無理なんだ!」(善逸)
「申し訳ないと思ってるよ、こんな俺でさ!」
「爺ちゃんに隠れて修行もしてんだよ!」
「全然寝てないの俺!」(善逸)
「なのに全然結果が出ない訳!」
「どういうこと!?」
「もう一体どういうこと!?」(善逸)
「やな人生だよ」
「雷に打たれてさ、髪の色、変わるし…」
「生きてるだけ、ありがたかったけど」(善逸)
「俺は…俺が一番自分のこと好きじゃない」
「ちゃんとやらなきゃっていつも思うのに」
「怯えるし、逃げるし、泣きますし…」(善逸)
「変わりたい、ちゃんとした人間になりたい…」(善逸)
「でもさ、俺だって精一杯頑張ってるよ!」
「なのに最後髪ズルむけで化け物になんの?」
「嘘でしょ! 嘘すぎじゃない!!」(善逸)
「いいんだ善逸、お前はそれでいい」
「1つ出来れば万々歳だ」(桑島慈悟郎)
「1つのことしか出来ないなら、それを極め抜け」
「極限の極限まで磨け!」(桑島)
「いや、爺ちゃん」
「ちょい前までブチギレだったじゃん」(善逸)
「雷の型、6つあるのに俺が1つしか出来たことないから」(善逸)
「刀の打ち方を知ってるか?」(桑島)
「知らんよ。ずっと叩くの?」
「泣くよ、俺」(善逸)
「刀はな、叩いて叩いて叩き上げて、不純物や余分なものを飛ばし」
「鋼の純度を高め、強靭な刀を作るんだ」(桑島)
「だから爺ちゃんは俺のこと毎日ぶっ叩くのかよ?」
「でも俺は鋼じゃねえよな、生身だからさ」(善逸)
「善逸、極めろ!」
「泣いていい、逃げてもいい」
「ただ諦めるな!」(桑島)
「信じるんだ!」
「地獄のような鍛錬に耐えた日々、お前は必ず報われる」(桑島)
「極限まで叩き上げ、誰よりも強靭な刃になれ!」
「1つのことを極めろ!」(桑島)
「親のいない俺は、誰からも期待されない」
「誰も俺が、何かをつかんだり、何かを成し遂げる未来を夢見てはくれない」(善逸)
「誰かの役に立ったり、一生に1人でいいから、誰かを守り抜いて幸せにする」
「ささやかな未来ですら、誰も望んではくれない」(善逸)
「一度失敗して泣いたり逃げたりすると」
「ああ、もうこいつはダメだって離れてく」(善逸)
「でも爺ちゃんは…」
「何度だって根気強く俺を叱ってくれた」(善逸)
「何度も何度も逃げた俺を、何度も何度も、引きずり戻して…」
「明らかにちょっとあれ殴り過ぎだったけど…」(善逸)
「俺を見限ったりしなかった」(善逸)
「雷の呼吸 壱ノ型・霹靂一閃・六連」(善逸)
「夢を見るんだ、幸せな夢なんだ」
「俺は強くて、誰よりも強くて、弱い人や困っている人を助けてあげられる」
「いつでも」(善逸)
「爺ちゃんの教えてくれたこと、俺にかけてくれた時間は」
「無駄じゃないんだ」(善逸)
「爺ちゃんのおかげで強くなった俺が」
「たくさん、人の役に立つ、夢」
「でも、もう、ダメだ…」(善逸)
「諦めるな」
「呼吸を使って少しでも毒の巡りを遅らせる」(善逸)
「痛くても、苦しくても、楽な方へ逃げるな」
「爺ちゃんにぶっ叩かれる」(善逸)
「そうだ、炭治郎にも、怒られるぞ…」(善逸)
「俺はケガしてねえ!」(伊之助)
18話
「どなたか、お知り合いでもいましたか?」
「この辺りに、生存者はいないようですね」(しのぶ)
「知らせでは、新人の癸(みずのと)の隊士も数名、新たに入山したようですけど…」
「もう死んでるかもしれませんね?」(しのぶ)
「月が綺麗ですねぇ」
「せっかく一緒の任務なんですから、仲良くしましょうよ?」(しのぶ)
「俺は鬼を斬りに来ただけだ」(冨岡)
「つれないですねぇ」(しのぶ)
「型を使っても斬れない!」
「どうする? どうする!?」(炭治郎)
「よし、これなら固い首も斬れるはず」
「水の呼吸、最後にして最強の型」
「これで決める!」
「全集中・水の呼吸、拾ノ型!」(炭治郎)
「伊之助! 俺が戻るまで、死ぬな!」
「そいつは十二鬼月だ!」
「死ぬな! 死ぬな! 絶対に死ぬなぁ!!」(炭治郎)
「上手く呼吸が、出来なく、なってきた…」
「もう、手足の感覚が、何も、ない…」
「禰豆子ちゃん、ごめん…」(善逸)
「何見てるの?」
「見世物じゃないんだけど?」(累)
「な、何してるんだ?」
「君達は、仲間同士じゃないのか?」(炭治郎)
「仲間?」
「そんな薄っぺらなものと同じにするな」
「僕達は家族だ。強い絆で結ばれているんだ」(累)
「それにこれは、僕と姉さんの問題だよ」
「余計な口出しするなら、刻むから」(累)
「違う」
「家族も仲間も、強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように貴い」(炭治郎)
「血のつながりがなければ薄っぺらだなんて」
「そんなことはない!」(炭治郎)
「それに、強い絆で結ばれているものには、信頼の匂いがする」
「だけどお前達からは、恐怖と憎しみと嫌悪の匂いしかしない!」(炭治郎)
「こんなものを絆とは言わない!」
「まがい物、偽物だ!!」(炭治郎)
「ねえ、なんて言ったの?」
「お前、今、なんて言ったの?」(累)
「凄い威圧感だ。空気が重く、濃くなった」
「伊之助、ごめん、頑張ってくれ。もう少し」(炭治郎)
「この鬼を倒したらすぐに行くから」
「必ず、助けに行くから!」(炭治郎)
「お前、今言ったこと、もう一度言ってみて」
「ねえ、言ってよ」(累)
「ああ、何度でも言ってやる!」
「お前の絆は偽物だ!」(炭治郎)
「くっそー。こんな所で隠れてるなんて、情けねえぜ」
「でも、考えねえと」
「太刀の通らない奴を斬る方法を」(伊之助)
「どうする? どうする?」
「どうすれば斬れる!?」(伊之助)
「やべえ、やべえぜ!」
「あいつが、あいつが戻るまで、なんとか!」
「なんじゃその考え方!!」(伊之助)
「考える俺なんて、俺じゃねえ!!」(伊之助)
「簡単なことなんだよ」
「一本で斬れないなら、その刀をぶっ叩いて斬ればいいんだよ!」(伊之助)
「だって俺、刀二本持ってるもん!」
「俺って最強!!」(伊之助)
「言っとくけど、お前は一息では殺さないからね」
「うんとズタズタにした後で、刻んでやる」(累)
「でも、さっきの言葉を取り消せば、一息で殺してあげるよ」(累)
「取り消さない」
「俺の言ったことは間違っていない」
「おかしいのは、お前だ!」
「間違っているのはお前だ!」(炭治郎)
「こんなの、痛くねえ…」
「痛くねえもんは痛くねえ!」(伊之助)
「野郎、まだ俺に頭を使わせようって魂胆だな?」
「そうはいくか」(伊之助)
「なんだ?」
「そうかそうか、この俺に恐れをなして震えてやがるのか?」
「今さら遅いぜ!!」(伊之助)
「いや…いくら何でも、でかくなりすぎだろ」
「やべえぞこれは…敵からこれほどの圧を今まで感じたことがない」
「圧だけで潰される…」(伊之助)
「ダメだ、勝てねえ…」
「俺は死ぬ…殺される…」(伊之助)
「絶対に負けねえ!」
「俺は鬼殺隊の、嘴平伊之助だ!」
「かかってきやがれ、ゴミクソが!!」(伊之助)
「俺は死なねえ…」
「獣の呼吸・壱ノ牙、くらえ、穿ち抜き!」(伊之助)
「なんだ…斬ったのか、あいつが?」
「な、何者だ、一体?」(伊之助)
「す、すげえ…こ、こんなすげえ奴、初めて、見た」(伊之助)
「分かる、刺激臭も薄まってきた」
「糸の匂いも分かるぞ。これなら戦える!」(炭治郎)
「思ったより頭が回る奴だ。恐怖にひるまない」
「まあ、関係ないけどね」(累)
19話
「すげえ…格が違う、一太刀の威力が違う、天地ほどの差がある」
「あの固い化け物を、豆腐みたいに斬っちまった!」(伊之助)
「なんだこいつ、ワクワクが止まらねえぞ!」(伊之助)
「ちょっと待て! 俺と戦え、半々羽織!」
「あの十二鬼月にお前は勝った、そのお前に俺が勝つ、そういう計算だ!」(伊之助)
「そうすれば…一番強いのは俺っていう寸法だ!」(伊之助)
「修行しなおせ、たわけ者」(冨岡)
「今のは十二鬼月でもなんでもない」
「そんなことも分からないのか?」(冨岡)
「分かってるわ!」
「俺だってそんなザコ、十二鬼月だなんて思ってねえよ!」(伊之助)
「十二鬼月とか言ったのは炭治郎だ!」
「俺はそれをそのまま言っただけだからな!!」(伊之助)
「己のケガの程度も分からない奴は、戦いに関わるな」(冨岡)
「もしも~し、大丈夫ですか?」
「誰が爺ちゃんですか?」(しのぶ)
「ああ、それは走馬灯ですね」
「一説によると、死の直前に人が走馬灯を見る理由は、今までの経験や記憶の中から」
「迫りくる死を回避する方法を探しているんだそうですよ」(しのぶ)
「まあ、私は経験したことないので分かりませんけどね」(しのぶ)
「うん、上手く呼吸で毒の巡りを遅らせましたね」
「それが出来ていなければ、とっくに蜘蛛にされているところでした」(しのぶ)
「今、解毒剤を打ちますね」(しのぶ)
「刀が折れた…信じられない」
「この子の操る糸は、さっき斬れなかった鬼の体よりも、なお固いのか!?」(炭治郎)
「すみません、鱗滝さん、鋼鐵塚さん」
「俺が未熟なせいで、刀が折れてしまった」(炭治郎)
「いや、今はそんな場合じゃない!」
「考えろ! 考えろ!」
「糸が斬れないなら、間合いの内側に入れば!」(炭治郎)
「無理だ!」
「生きているように動く糸の攻撃を抜けていけない!」(炭治郎)
「そもそも、殺さない程度にと加減されているのに」
「これだけ追い詰められているんだ!」(炭治郎)
「どう? まださっきの言葉を取り消す気にならないのか?」
「分かった。なら、ズタズタになりな」(累)
「お前、それ…その女、兄妹か?」(累)
「兄妹…兄妹…妹は鬼になってるの?」
「それでも一緒にいる?」
「妹は兄をかばった、身を挺して…」(累)
「本物の絆だ、欲しい!」(累)
「黙れ!」
「結局お前達は自分の役割もこなせなかった」
「いつもどんな時も」(累)
「坊や、話をしよう、出ておいで」(累)
「僕はね、感動したんだよ、君達の絆を見て体が震えた」
「この感動を表す言葉はきっとこの世にないと思う」(累)
「でも君達は僕に殺されるしかない」
「悲しいよね、そんなことになったら」(累)
「でも1つだけ、それを回避する方法が1つだけある」
「君のその妹…君の妹を僕にちょうだい」(累)
「大人しく渡せば、命だけは助けてあげる」(累)
「何を言ってるのか分からない」
「そんなことを承知するはずないだろ」(炭治郎)
「それに禰豆子は物じゃない」
「自分の思いも意志もあるんだ」
「お前の妹なんてなりはしない」(炭治郎)
「大丈夫だよ、心配いらない、絆をつなぐから」
「僕の方が強いんだ、恐怖の絆だよ」
「逆らうとどうなるかちゃんと教える」(累)
「ふざけるのも大概にしろ!!」
「恐怖でがんじがらめに縛り付けることを、家族の絆とは言わない!」(炭治郎)
「その根本的な心得違いを正さなければ」
「お前の欲しいものは手に入らないぞ!」(炭治郎)
「鬱陶しい、大声出さないでくれる」
「合わないね君とは」(累)
「禰豆子をお前なんかに渡さない!」(炭治郎)
「いいよ別に。殺して取るから」(累)
「俺が先にお前の首を斬る!」(炭治郎)
「威勢がいいな、出来るならやってごらん?」
「十二鬼月である僕に、勝てるならね?」(累)
「家族…父には父の役割があり、母には母の役割がある」
「親は子を守り、兄や姉は、下の兄弟を守る」
「何があっても、命をかけて」(累)
「僕はね、自分の役割を理解してない奴は」
「生きている必要がないと思っている」(累)
「お前はどうだ?」
「お前の役割はなんだ?」
「お前は僕に妹を渡して消える役だ」(累)
「それが出来ないなら死ぬしかないよ」
「勝てないからね」(累)
「下弦の伍」
「やっぱり、この強さ、この子が本物の十二鬼月」(炭治郎)
「糸は簡単に斬れない、どうする、折れた刀身で?」
「あの子の首が糸より固い場合?」(炭治郎)
「嫌な目つきだね、メラメラと、愚かだな」
「もしかして、僕に勝つつもりなのかな?」(累)
「もう取ったよ。自分の役割を自覚した?」(累)
「うるさいよ」
「このくらいで死にはしないだろ、鬼なんだから」(累)
「でもやっぱりきちんと教えないとダメだね」
「しばらくは出血させよう」(累)
「それでも従順にならないようなら、日の出までこのままにして…」
「少し炙る」(累)
「君、まさかとは思うけど…」
「僕に近づきさえすれば、首が斬れるとか思ってない?」
「いいよ、ほら、やってごらん」(累)
「刃が、通らない!?」(炭治郎)
「ねっ、だから言っただろ?」
「君は僕に敵わない」(累)
「僕の体は僕の操るどんな糸より固いんだ」
「糸すら斬れない君に、首を斬るなんて到底無理だよ」(累)
「つ、強い…今まで会った鬼とは比べものにならない強さだ」
「これが、十二鬼月!」
「鬼舞辻の血の濃い鬼の、力なのか!?」(炭治郎)
「うるさいよ、少し黙っていろ」
「お前の兄はもう僕だぞ」
「いつまでも喚き立てるな」(累)
「落ち着け、感情的になるな」
「このままじゃ相手の思うつぼだ!」(炭治郎)
「集中しろ。呼吸を整え、もっとも精度が高い最後の型を繰り出せ!」
「全・集中」
「水の呼吸・拾ノ型、生生流転!」(炭治郎)
「回転するごとに威力が増している、少し厄介だ」(累)
「ねえ、糸の強度はこれが限界だと思ってるの?」
「血鬼術・刻糸牢(こくしろう)」
「もういいよお前は、さよなら」(累)
「ダメだ、この糸は斬れない!」
「まだ回転が足りない、さっきの糸とはまるで違う匂いだ!」(炭治郎)
「絶対負ける訳にはいかないのに!?」
「死ぬ…負ける!?」(炭治郎)
「炭治郎、呼吸だ」
「息を整えて、ヒノカミ様になりきるんだ」(竈門炭十郎)
「息の仕方があるんだよ」
「どれだけ動いても疲れない、息の仕方」(炭十郎)
「正しい呼吸が出来るようになれば、炭治郎もずっと舞えるよ」
「寒さなんて平気になる」(炭十郎)
「炭治郎。この神楽と耳飾りだけは必ず、途切れさせず継承していってくれ」
「約束なんだ」(炭十郎)
「ヒノカミ神楽・円舞!!」(炭治郎)
「止まるな、走り続けろ!」
「今止まれば、水の呼吸からヒノカミ神楽の呼吸に無理矢理切り替えた跳ね返りがくる」
「そうしたら、俺はしばらく動けなくなるだろう」(炭治郎)
「だから! 今やらなければ!」
「走れ! 禰豆子を守るんだ!!」(炭治郎)
「見えた、隙の糸! 今ここで倒すんだ!」
「たとえ、相打ちになったとしても!!」(炭治郎)
「禰豆子、禰豆子…起きて、禰豆子」
「お兄ちゃんを助けるの」(竈門葵枝)
「今の禰豆子なら出来る、頑張って…」
「お願い禰豆子、お兄ちゃんまで死んでしまうわよ」(葵枝)
「血鬼術・爆血!」(禰豆子)
「バカな!? 糸が焼き切れた!?」(累)
「俺と禰豆子の絆は、誰にも、引き裂けない!!」(炭治郎)
20話
「勝った…勝ったよ、父さんが助けてくれた」
「家に代々伝わる神楽で、なぜ技を出せたのか分からない」
「でも、それで助かった、勝てた!」(炭治郎)
「僕に勝ったと思ったの?」
「かわいそうに、哀れな妄想して幸せだった?」(累)
「もういい、お前も妹も殺してやる」
「こんなに腹が立ったのは、久しぶりだよ」(累)
「そもそも、何でお前は燃えてないのかな?」
「僕と僕の糸だけ燃えたよね」(累)
「妹の力なのか知らないが、イライラさせてくれてありがとう」
「何の未練もなくお前達を刻めるよ」(累)
「血鬼術・殺目篭(あやめかご)」(累)
「焦るな…息を乱すな…落ち着け…落ち着けば!?」
「腕が、上がらない!?」(炭治郎)
「俺が来るまで、よくこらえた。後は任せろ」(冨岡)
「次から次に、僕の邪魔ばかりするクズ共め!」
「血鬼術・刻糸輪転」(累)
「全集中・水の呼吸、拾壱ノ型・凪」(冨岡)
「なんだ…何をした?」
「奴の間合いに入った途端、糸がバラけた」(累)
「一本も届かなかったのか?」
「最硬度の糸を斬られた?」
「そんなはずはない! もう一度!」(累)
「ねえ、助けて欲しい?」
「その代わり、僕の頼みを聞いてくれる?」(累)
「じゃあ、僕の家族になってよ」
「ようこそ。今日から君も、僕の家族だ」(累)
「わぁ、凄いですね」
「手のひらから糸を出しているのですか?」(しのぶ)
「こんばんは、今日は月が綺麗ですね」(しのぶ)
「私と仲良くするつもりはないみたいですね」(しのぶ)
「そうなんですか? それは痛ましい」
「助けてあげます、仲良くしましょう!」(しのぶ)
「でも仲良くするためには、いくつか聞くことがあります」(しのぶ)
「かわいいお嬢さん、あなたは何人殺しましたか?」(しのぶ)
「嘘はつかなくて大丈夫ですよ、分かってますから」
「さっきうちの隊員を繭にした術さばき、見事でした」
「80人は食っていますよね?」(しのぶ)
「私は西の方から来ましたよ」
「お嬢さん、西です」
「山の西側では、大量に繭がぶら下がっているのを見てきました」(しのぶ)
「中に捕らわれた人々は、液状に溶けて全滅」(しのぶ)
「その場所だけでも、繭玉は14個ありました」
「14人、死んでるんです」(しのぶ)
「私は怒っているのではないですよ」
「確認してるだけ、正確な数を」(しのぶ)
「お嬢さんは、正しく罰を受けて生まれ変わるのです」
「そうすれば私達は仲良くなれます」(しのぶ)
「人の命を奪っておいて何の罰もないなら、殺された人が報われません」(しのぶ)
「目玉をほじくり出したり、お腹を切って内蔵を引きずり出したり」
「人を殺した分だけ、私がお嬢さんを拷問します」(しのぶ)
「その痛み、苦しみを耐え抜いた時、あなたの罪は許される」
「一緒に頑張りましょ」(しのぶ)
「大丈夫、お嬢さんは鬼ですから、死んだりしませんし、後遺症も残りません」(しのぶ)
「仲良くするのは無理なようですね」
「残念、残念」(しのぶ)
「蟲の呼吸・蝶の舞・戯れ」(しのぶ)
「首を斬られてないからって、安心したらいけませんよ」
「私のように、毒を使う剣士もいますからね」(しのぶ)
「鬼殺隊蟲柱・胡蝶しのぶ」
「私は柱の中で唯一、鬼の首が斬れない剣士ですが」
「鬼を殺せる毒を作った、ちょっと凄い人なんですよ」(しのぶ)
「あは、失礼しました」
「死んでるからもう聞こえませんね」
「うっかりです!」(しのぶ)
「藤の花の毒で殺したんです」
「もう死んでいるので、あのまま腐ります」(しのぶ)
「私は薬学に精通しているのですよ」
「服が溶けただけで、体はほとんど無傷ですね」
「よかったです!」(しのぶ)
「さて、このお嬢さんを無理矢理従わせた鬼の居場所が気になるところ…」
「冨岡さんに先を越されてしまいましたか」(しのぶ)
「分からない。僕には人間の頃の記憶がないから」
「家族の絆に触れたら、記憶が戻ると思ったんだ」
「本物の家族のに」(累)
21話
「俺は体が弱かった、生まれつきだ」
「走ったことがなかった、歩くのでさえも、苦しかった」
「無慘様が、現れるまでは」(累)
「かわいそうに。私が救ってあげよう」(鬼舞辻)
「それなのに、なぜか俺の親は…俺の親は、俺を、殺そうとした」
「母は泣くばかりで、殺されそうな俺をかばってもくれない」(累)
「偽物だったのだろう」
「俺達の絆は、本物じゃなかった」(累)
「殺されそうになった怒りで、理解できなかった言葉だったが」
「父は、俺が人を殺した罪を共に背負って、死のうとしてくれていたのだと」(累)
「その瞬間、唐突に理解した」
「本物の絆を、俺はあの夜、俺自身の手で切ってしまった」
「それでも、無慘様は、俺を励まして下さった」(累)
「全てはお前を受け入れなかった親が悪いのだ」
「己の強さを誇れ」(鬼舞辻)
「そう思うより他、どうしようもなかった」
「自分のしてしまったことに耐えられなくて」
「たとえ自分が悪いのだと分かっていても…」(累)
「毎日毎日、父と母が恋しくてたまらなかった」
「偽りの家族を作っても、虚しさが止まない」(累)
「結局俺が一番強いから、誰も俺を守れない、かばえない」(累)
「強くなればなるほど、人間のころの記憶も消えていく」
「自分が何をしたいのか、分からなくなっていく」(累)
「どうやってももう手に入らない絆を求めて、必死で手を伸ばしてみようか?」
「届きもしないのに…」(累)
「小さな体から、抱えきれないほど大きな、悲しみの匂いがする」(炭治郎)
「暖かい…日の光のような優しい手」
「思い出した、はっきりと、僕は謝りたかった」(累)
「ごめんなさい、全部……全部僕が悪かったんだ」
「どうか、許して欲しい」(累)
「でも、山ほど人を殺した僕は、地獄に行くよね?」
「父さんと、母さんと、同じ所へは、行けないよね?」(累)
「人を食った鬼に、情けをかけるな」
「子供の姿をしていても関係ない」
「何十年と生きている、醜い化物だ」(冨岡)
「殺された人達の無念を晴らすため、これ以上被害を出さないため」
「もちろん俺は、容赦なく鬼の首に刃を奮います」(炭治郎)
「だけど、鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を」
「踏みつけにはしない!」(炭治郎)
「鬼は人間だったんだから」
「俺と同じ、人間だったんだから」
「足をどけて下さい!」(炭治郎)
「醜い化け物なんかじゃない」
「鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ!」(炭治郎)
「あら?」
「どうして邪魔をするんです、冨岡さん」
「鬼とは仲良く出来ないって言ってたくせに」
「なんなんでしょうか?」(しのぶ)
「そんなだから、みんなに嫌われるんですよ」(しのぶ)
「さあ冨岡さん、どいて下さいね」(しのぶ)
「俺は…俺は嫌われてない」(冨岡)
「ああ、それ…すみません、嫌われている自覚がなかったんですね」
「余計なことを言ってしまって申し訳ないです」(しのぶ)
「坊やがかばっているのは鬼ですよ」
「危ないですから離れて下さい」(しのぶ)
「ち、違います!」
「いや違わないけど…あの、妹なんです」
「俺の妹で、それで!」(炭治郎)
「まあ、そうなのですか、かわいそうに」
「では…苦しまないよう、優しい毒で殺してあげましょうね」(しのぶ)
「動けるか? 動けなくても、根性で動け」
「妹を連れて逃げろ」(冨岡)
「これ、隊律違反なのでは?」(しのぶ)
「体中いったい! 苦しい!」
「痛いと叫びたい! 我慢だ!」(炭治郎)
「俺は、鬼殺隊を抜けなければならなくなるのか?」
「いくら妹とはいえ、鬼を連れている剣士なんて、認められない」(炭治郎)
「本気なんですね、冨岡さん」
「まさか柱が鬼をかばうなんて?」(しのぶ)
「あなたがその気だろうと、私はここで時間稼ぎに付き合う気はありませんので」
「では、ごきげんよう」(しのぶ)
「それで私に追いつく気ですか?」
「私を止めようとすることも結構ですけど、もう1人いることもお忘れなく!」(しのぶ)
「小さく、子供になった?」
「逃げるばかりで少しも攻撃してこない、どうして?」(栗花落カナヲ)
「考える必要はない」
「言われた通りに鬼を斬るだけ」(カナヲ)
「冨岡さん、聞いてますか冨岡さん」
「鬼を斬りに行くための私の攻撃は正当ですから、違反にはならないと思いますけど」
「冨岡さんのこれは隊律違反です」
「鬼殺の妨害ですからね」(しのぶ)
「どういうつもりなんですか?」(しのぶ)
「なんとかおっしゃったらどうですか?」
「これは最後通告です、理由くらい話して下さい」(しのぶ)
「あれは確か、2年前のこと」(冨岡)
「そんなところから長々と話されても困りますよ、嫌がらせでしょうか?」
「嫌われていると言ってしまったこと、根に持ってます?」(しのぶ)
「なんにも出来なかった」
「俺1人の力じゃ、鬼を1匹も倒せなかった」(伊之助)
「俺って、あんまし強くないのかも…」(伊之助)
「そう、けが人はみな家へ」
「付近の鬼は私が狩るから、安心して作業して」(カナヲ)
22話
「なんだ!? 鬼を連れた鬼殺隊員っつうから派手な奴を期待したんだが」
「地味な野郎だな、おい!?」(宇髄天元)
「うむ! これから、この少年の裁判を行うぞ!」
「なるほど!」(煉獄杏寿郎)
「鬼になった妹をずっとかばっていたなんて」
「素敵な兄弟愛、健気だわ」(甘露寺蜜璃)
「ここは鬼殺隊の本部です」
「あなたは今から裁判を受けるのですよ、竈門炭治郎くん」(しのぶ)
「裁判の必要などないだろ!」
「鬼をかばうなど、明らかな隊律違反!」
「我等のみで対処可能!」
「鬼もろとも斬首する!!」(煉獄)
「ならば俺が派手に首を斬ってやろう」
「誰よりも派手な血しぶきを見せてやるぜ!」
「もう派手派手だ!!」(宇髄)
「え~! こんなかわいい子を殺してしまうなんて」
「胸が痛むわ、苦しいわ」(蜜璃)
「ああ、なんというみすぼらしい子供だ」
「かわいそうに…生まれてきたこと自体がかわいそうだ」(悲鳴嶼行冥)
「なんだっけ、あの雲の形…」
「なんていうんだっけ?」(時透無一郎)
「そんなことより冨岡はどうするのかな?」
「拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが?」(伊黒小芭内)
「胡蝶めの話によると、隊律違反は冨岡も同じだろ?」
「どう処分する? どう責任を取らせる?」
「どんな目に合わせてやろうか?」(伊黒)
「なんとか言ったらどうだ、冨岡?」(伊黒)
「伊黒さん、相変わらずネチネチしてヘビみたい」
「しつこくて素敵!」(蜜璃)
「冨岡さん。離れた所に独りぼっち」
「かわいい!」(蜜璃)
「まあいいじゃないですか」
「大人しく着いて来てくれましたし」
「処罰は後で考えましょう」(しのぶ)
「それよりも私は、坊やの方から話を聞きたいですよ」
「坊やが鬼殺隊員の身でありながら、鬼を連れて任務に当たっている」(しのぶ)
「そのことについて、当人から説明を聞きたい」(しのぶ)
「もちろんこのことは、鬼殺隊の隊律違反に当たります」
「そのことは知っていますよね?」(しのぶ)
「竈門炭治郎くん」
「なぜ鬼殺隊員でありながら、鬼を連れているのですか?」(しのぶ)
「聞くまでもねえ!」(宇髄)
「ゆっくりで大丈夫ですから、話して下さい」(しのぶ)
「水を飲んだ方がいいですね」
「あごを痛めていますから、ゆっくり飲んで下さい」
「鎮痛薬が入っているため楽になります」(しのぶ)
「ケガが治った訳ではないので無理はいけませんよ」
「では、竈門炭治郎くん」(しのぶ)
「鬼は俺の妹なんです」
「俺が家を留守にしている時に襲われ、帰ったらみんな死んでいて…」
「妹は鬼になったけど、人を食ったことはないんです」(炭治郎)
「今までも、これからも、人を傷つけることは絶対にしません!」(炭治郎)
「くだらない妄言を吐き散らすな」
「そもそも身内ならかばって当たり前」
「言うこと全て信用できない、俺は信用しない」(伊黒)
「ああ、鬼に取り憑かれているのだ」
「早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」(悲鳴嶼)
「聞いて下さい!」
「俺は禰豆子を治すために、剣士になったんです!」(炭治郎)
「禰豆子が鬼になったのは2年以上前のことで」
「その間禰豆子は人を食ったりしてない!」(炭治郎)
「話が地味にグルグル回ってるぞ、アホが!」
「人を食ってないこと、これからも食わないこと」
「口先だけでなくド派手に証明して見せろ!」(宇髄)
「なんだっけ、あの鳥? え~と…」(時透)
「あの~、でも疑問があるんですけど…」
「お館様がこのことを把握してないとは思えないです」
「勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?」(蜜璃)
「いらっしゃるまで取り敢えず待った方が?」(蜜璃)
「妹は…妹は俺と一緒に戦えます!」
「鬼殺隊として、人を守るために戦えるんです!」
「だから!?」(炭治郎)
「おいおい、なんだか面白いことになってるな?」
「鬼を連れたバカ隊員ってのはそいつかい?」
「いったい全体どういうつもりだ!?」(不死川実弥)
「不死川さん。また傷が増えて素敵だわ!」(蜜璃)
「しのぶちゃん怒ってるみたい」
「珍しいわね、格好いいわ!」(蜜璃)
「不死川さん。勝手なことをしないで下さい」(しのぶ)
「鬼がなんだって坊主」
「鬼殺隊として人を守るために戦える?」
「そんなことはな、ありえねえんだよ、バカが!?」(実弥)
「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうがなんだろうが許さない!!」(炭治郎)
「冨岡が横から口を挟んだとはいえ、不死川に一撃を入れた…」(伊黒)
「善良な鬼と悪い鬼の区別も付かないなら、柱なんて辞めてしまえ!」(炭治郎)
「てめえ、ぶっ殺してやる!」(実弥)
「よく来たね。私のかわいい子供達」(産屋敷耀哉、お館様)
「おはようみんな」
「今日はとてもいい天気だね、空は青いのかな?」(お館様)
「顔ぶれが変わらずに、半年に一度の柱合会議を迎えられたこと」
「嬉しく思うよ」(お館様)
「お館様におかれましても御壮健で何よりです」
「益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」(実弥)
「私が言いたかった。お館様にご挨拶」(蜜璃)
「恐れながら、柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士について」
「ご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか?」(実弥)
「知性も理性も全くなさそうだったのに」
「すごいきちんと喋りだしたぞ」(炭治郎)
「そうだね、驚かせてしまってすまなかった」
「炭治郎と禰豆子のことは、私が容認していた」
「そして、みんなにも認めて欲しいと思っている」(お館様)
「ああ、たとえお館様の願いであっても、私は承知しかねる」(悲鳴嶼)
「俺も派手に反対する」
「鬼を連れた鬼殺隊員など認められない!」(宇髄)
「私は、全てお館様の望むまま従います」(蜜璃)
「僕はどちらでも。すぐに忘れるので」(時透)
「信用しない信用しない、そもそも鬼は大嫌いだ!」(伊黒)
「心より尊敬するお館様であるが、理解できないお考えだ!」
「全力で反対する!!」(煉獄)
「鬼を滅殺してこその鬼殺隊」
「竈門・冨岡両名の処罰を願います!」(実弥)
「炭治郎が、鬼の妹と共にあることを、どうかお許し下さい」
「禰豆子は強靭な精神力で、人としての理性を保っています」(鱗滝からの手紙)
「飢餓状態であっても人を食わず、そのまま2年以上の歳月が経過いたしました」
「にわかには信じがたい状況ですが、紛れもない事実です」(鱗滝からの手紙)
「もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は」
「竈門炭治郎及び鱗滝左近次・冨岡義勇が、腹を斬ってお詫びいたします」(鱗滝からの手紙)
「切腹するから何だというのか?」
「死にたいなら勝手に死にくされよ!」
「なんの保障にもなりはしません!」(実弥)
「不死川の言う通りです!」
「人を食い殺せば、取り返しがつかない!」
「殺された人は戻らない!」(煉獄)
「確かにそうだね」
「人を襲わないという保障が出来ない、証明が出来ない」
「ただ、人を襲うということもまた証明が出来ない」(お館様)
「禰豆子が2年以上もの間、人を食わずにいるという事実があり」
「禰豆子のために3人の者の命が懸けられている」(お館様)
「これを否定するためには、否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
「皆にその意志はあるかな?」(お館様)
「それに、私の子供達に伝えておくことがある」
「この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」(お館様)
「そんなまさか!?」
「柱ですら誰も接触したことがないというのに」
「こいつが!? どんな姿だった!?」
「能力は!? 場所はどこだ!?」(宇髄)
「戦ったの?」(時透)
「鬼舞辻は何をしていた!?」
「根城は突き止めたのか!? おい答えろ!!」(実弥)
「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追手を放っているんだよ」
「その理由は単なる口封じかもしれないが」
「私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾をつかんで離したくない」(お館様)
「恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きていると思うんだ」
「分かってくれるかな?」(お館様)
「分かりません、お館様」
「人間ならば生かしておいてもいいが鬼はダメです」(実弥)
「これまで俺たち鬼殺隊がどれだけの思いで戦い」
「どれだけの者が犠牲となっていったか!」
「承知できない!!」(実弥)
「えっ! 何してるの何してるの!?」
「お庭が汚れるじゃない」(蜜璃)
「お館様、証明しますよ俺が!」
「鬼というものの醜さを!」(実弥)
「おい鬼。飯の時間だぞ、食らいつけ!」(実弥)
「無理することはねえ、お前の本性を出せばいい」
「俺がここで叩き斬ってやる!」(実弥)
「不死川、日なたではダメだ」
「日陰に行かねば鬼は出て来ない」(伊黒)
23話
「伊黒さん、強く押さえ過ぎです」
「少し緩めて下さい」(しのぶ)
「動こうとするから押さえているだけだが?」(伊黒)
「竈門くん」
「肺を圧迫されている状態で呼吸を使うと、血管が破裂しますよ」(しのぶ)
「血管が破裂!? いいな! 響き派手で!」
「よし行け、破裂しろ!!」(宇髄)
「かわいそうに。なんと弱く哀れな子供」
「南無阿弥陀仏」(悲鳴嶼)
「人は…守り、助けるもの」
「傷つけない…絶対に傷つけない」(禰豆子)
「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明が出来たね」(お館様)
「炭治郎」
「それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう」
「証明しなければならない」(お館様)
「これから、炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として戦えること、役に立てること」(お館様)
「何だろう、この感じ? フワフワする」
「声? この人の声のせいで、頭がフワフワするのか?」(炭治郎)
「十二鬼月を倒しておいで」
「そうしたらみんなに認められる」
「炭治郎の言葉の重みが変わって来る」(お館様)
「俺は…俺と禰豆子は、鬼舞辻無惨を倒します!」
「俺と禰豆子が必ず、悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」(炭治郎)
「今の炭治郎には出来ないから、まず十二鬼月を1人倒そうね」(お館様)
「ダメよ笑ったら、ダメダメダメ!」(蜜璃)
「鬼殺隊の柱達は、当然抜きん出た才能がある」
「血を吐くような鍛錬で自らを叩き上げて死線をくぐり」
「十二鬼月をも倒している」(お館様)
「うむ! いい心がけだ!」(煉獄)
「だからこそ、柱は尊敬され優遇されるんだよ」
「炭治郎も口の聞き方には気をつけるように」(お館様)
「それから、実弥、小芭内」
「あまり下の子にいじわるをしないこと」(お館様)
「でしたら竈門くんは、私の屋敷でお預かり致しましょう」
「はい、連れて行って下さい!」(しのぶ)
「ちょっと、待って下さい!」
「その傷だらけの人に、頭突きさせてもらいたいです!」
「絶対に!」(炭治郎)
「禰豆子を刺した分だけ絶対に!!」
「頭突きなら、隊律違反にならないはず!?」(炭治郎)
「お館様のお話を遮ったらダメだよ」(時透)
「無一郎くん」
「やっぱり男の子ね、格好いいわ!」(蜜璃)
「炭治郎。珠世さんによろしく」(お館様)
「5回! 5回飲むの、一日に!?」
「3ヶ月間飲み続けるの、この薬!?」(善逸)
「これ飲んだら飯食えないよ!」
「すげぇ苦いんだけど!」
「つらいんだけど!」(善逸)
「まだ騒いでるの?、あの人」(神崎アオイ)
「静かになさって下さい!」
「説明は何度もしましたでしょう?」
「いい加減にしないと縛りますからね!」(アオイ)
「炭治郎! 聞いてくれよ!」
「臭い蜘蛛に刺されるし、毒ですごい痛かったんだよ!」(善逸)
「さっきからあの女の子にガミガミ怒られるし」
「最悪だよ!」(善逸)
「あっ…善逸、なんかちっちゃくないか?」(炭治郎)
「蜘蛛になりかけたからさ、俺今すごい手足が短いの」(善逸)
「伊之助、無事でよかった!」
「無事でよかった…ごめんな、助けに行けなくて!」(炭治郎)
「いいよ、気にしないで」(伊之助)
「(伊之助)落ち込んでんかすごく丸くなってて」
「メチャクチャ面白いんだよな!」(善逸)
「ごめんね、弱くて」(伊之助)
「那田蜘蛛山では、だいぶ痛めつけられちゃった」
「かなり痛い…正直、相当痛い」
「禰豆子、山では俺を守ってくれて、ありがとう」(炭治郎)
「禰豆子だけじゃなくて、鱗滝さんも、冨岡さんも」
「俺達のために、命を懸けていてくれただなんて」(炭治郎)
「みんなの世話になりっぱなしで…」
「俺、もっと強くならなきゃ」(炭治郎)
「今日だって、お館様様に、禰豆子と俺の命」
「助けてもらったようなものだからな」(炭治郎)
「痛いし、つらいけど…まだまだ頑張らなきゃ」
「だってさ、いつか兄ちゃんは大人になる」
「そして、爺ちゃんになって死んじゃって…」(炭治郎)
「そしたら、鬼の禰豆子は独りぼっちになっちゃう」
「それじゃあ寂しいよな、禰豆子」
「兄ちゃんが必ず、人間に戻してやるからな」(炭治郎)
「皆の報告にあるように、鬼の被害はこれまで以上に増えている」
「人々の暮らしがかつてなく脅かされつつあるということだね」(お館様)
「鬼殺隊員も増やさなければならないが、皆の意見を」(お館様)
「今回の那田蜘蛛山ではっきりした」
「隊士の質が信じられないほど落ちている」
「ほとんど使えない」
「まず育手の目が節穴だ」(実弥)
「使える奴か使えない奴かくらいは分かりそうなもんだろうに?」(実弥)
「昼間のガキはなかなか使えそうだがな?」
「不死川に派手な一撃を入れていたし、見込みがある」(宇髄)
「人が増えれば増えるほど、制御統一は難しくなっていくものです」
「今は随分、時代も様変わりしていますし」(しのぶ)
「愛する者を惨殺され入隊した者」
「代々鬼狩りをしている優れた血統の者以外に」
「それらの者達と並ぶ」
「もしくはそれ以上の覚悟と気魄で結果を出すことを求めるのは残酷だ」(悲鳴嶼)
「それにしてもあの少年は、入隊後まもなく」
「十二鬼月と遭遇しているとは?」(煉獄)
「引く力が強いように感じる!」
「なかなか相まみえる機会のない我等からしても、うらやましいことだ!」(煉獄)
「そうだね。しかし、これだけ下弦の伍が大きく動いたということは」
「那田蜘蛛山近辺に無慘はいないのだろうね」(お館様)
「浅草もそうだが、隠したいものがあると無慘は」
「騒ぎを起こして巧妙に私達の目をそらすから」
「なんとももどかしいね」(お館様)
「しかし鬼共は今も、のうのうと人を食い、力を付け、生き長らえている」
「死んでいった者達のためにも、我々がやることは1つ」(お館様)
「今、ここにいる柱は、戦国の時代」
「始まりの呼吸の剣士以来の精鋭たちがそろったと私は思っている」(お館様)
「私の子供達、みなの活躍を期待している」(お館様)
「鬼舞辻無慘、何としてもお前を倒す」
「お前は必ず私達が」(お館様)
24話
「胡蝶か。鬼の新しい情報が入ってな」
「向かわせた隊士が、やられたらしい」
「一般大衆の犠牲も出始めている、放ってはおけまい」(煉獄)
「おそらくな(十二鬼月)、上弦かもしれん」(煉獄)
「難しい任務のようですが」
「煉獄が行かれるのであれば、心配ありませんね」(しのぶ)
「胡蝶、あの頭突きの少年を預かってどうするつもりだ?」
「継子の枠を増やすとか言っていたが、そういう訳でもあるまい」(煉獄)
「別に取って食べたりはしませんから大丈夫ですよ!」(しのぶ)
「毎日毎日同じことを!」
「善逸さんが最も重傷なんです!」
「早く薬飲んで下さい!」(アオイ)
「だからこの薬が必要なんです!」(アオイ)
「だってそれ(薬)、まずすぎでしょ!」
「まずいにも程度ってものがあるでしょ!」(善逸)
「腕が元通りにならなくても、知りませんからね!」(アオイ)
「あなたは贅沢なんです」
「この薬を飲んで、お日様をたくさん浴びれば」
「後遺症は残らないって言ってるんですよ」(アオイ)
「どうですか、体の方は?」
「ではそろそろ、機能回復訓練に入りましょうか?」(しのぶ)
「しのぶさんっていう人の音は、独特なんだよな?」
「今まで聞いたことのない感じだ」
「規則性がなくて、ちょっと怖い」(炭治郎)
「でも、蜘蛛にされた人達を治療してる時は、女神のようだったな」
「みんな泣きながら、しのぶさんの所に行ってたからな」(善逸)
「そして、メチャクチャかわいいんだよ」
「顔だけで飯食っていけそう」(善逸)
「正座しろ! 正座!」
「このバカ野郎共が!!」(善逸)
「お前が謝れ! お前らが詫びれ!」
「天国にいたのに地獄にいたような顔してんじゃねえ!!」(善逸)
「女の子と毎日キャッキャキャッキャしてただけのくせに」
「何やつれた顔して見せたんだよ!?」(善逸)
「土下座して謝れよ!」
「切腹しろぉぉぉーーー!!!」(善逸)
「訳わかんねえこと言ってんじゃねえよ!」
「自分より体ちっせえ奴に負けると、心折れるんだよ!」(伊之助)
「あいつ、やる奴だぜ」
「俺でも涙が出るくらい痛いってのに、笑ってやがる」(伊之助)
「俺は女の子に、お茶をぶっかけたりしないぜ」(善逸)
「勝負に勝ち、戦いに負けた」(善逸)
「でも、カナヲには勝てない」
「誰も、彼女の湯呑を抑えることは出来ないし、捕らえることが出来ない」
「それから5日間、カナヲに負け続ける日々が続く」(炭治郎)
「伊之助も、善逸も、カナヲの髪の毛一本すら、触れなかった」
「そして2人は、訓練場に来なくなった」(炭治郎)
「なんで俺は勝てないのだろう?」
「俺とあの子の何が違う?」(炭治郎)
「まず、反射速度が全然違うんだ」
「俺が万全の状態でも、たぶん負ける」(炭治郎)
「匂いからしてまず違う」
「柱の人達に近い匂いがする」
「後は、目か? 目が違う、気がする」(炭治郎)
「全集中の呼吸」
「朝も昼も夜も、寝ている時もずっと続けてみると言ってみたけど…」
「全然できない! 出来なーい!!」(炭治郎)
「全集中の呼吸を長くやろうとすると、死にそうになるよ!」(炭治郎)
「苦し過ぎる」
「肺痛い、耳、痛い、耳がドクンドクンしてる!」
「鼓膜!」(炭治郎)
「ビックリしたぁ!!」
「今一瞬、耳から心臓出たかと思ったぁぁぁーーー!!!」(炭治郎)
「全然ダメだ、こんな調子じゃあ!?」
「困った時は基本に戻れ!」
「不甲斐ないし!!」(炭治郎)
「呼吸は肺だ」
「ちゃんと出来ないということは、肺が貧弱なんだ」(炭治郎)
「頑張れ!」
「頑張ることしか出来ないんだから、俺は昔から!」(炭治郎)
「努力は日々の積み重ねだ」
「少しずつでいい、前に進め!」(炭治郎)
「いいえ。あの2人にはもう構う必要はありません」(アオイ)
「頑張ってますね」
「お友達2人はどこかへ行ってしまったのに?」
「1人で寂しくないですか?」(しのぶ)
「いえ。出来るようになったら、やり方を教えてあげられるので」(炭治郎)
「君は心が綺麗ですね」(しのぶ)
「あの、どうして俺達をここへ連れて来てくれたんですか?」(炭治郎)
「禰豆子さんの存在は公認となりましたし、君達はケガもひどかったですしね」(しのぶ)
「それから、君には、私の夢を託そうと思って」
「そう、鬼と仲良くする夢です」
「きっと君なら出来ますから」(しのぶ)
「怒ってますか?」
「何だかいつも怒ってる匂いがしていて、ずっと笑顔だけど?」(炭治郎)
「そう…そうですね」
「私はいつも怒っているかもしれない?」(しのぶ)
「鬼に最愛の姉を惨殺された時から」
「鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見るたびに」
「絶望の叫びを聞くたびに」
「私の中には怒りが蓄積され続け、膨らんでいく」(しのぶ)
「体の一番深い所に、どうしようもない嫌悪感がある」
「他の柱達もきっと似たようなものです」(しのぶ)
「まあ今回、彼等も人を食ったことがない禰豆子さんを直接見て」
「気配は覚えたでしょうし、お館様の意向もあり」
「誰も手出しすることはないと思いますが」(しのぶ)
「私の姉も君のように優しい人だった、鬼に同情していた」
「自分が死ぬ間際ですら鬼を哀れんでいました」
「私はそんな風に思えなかった」(しのぶ)
「人を殺しておいてかわいそう、そんなバカな話はないです」(しのぶ)
「でも、それが姉の思いだったなら、私が継がなければ」
「哀れな鬼を斬らなくても済む方法があるなら、考え続けなければ」(しのぶ)
「姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく」(しのぶ)
「だけど少し、疲れまして。鬼は嘘ばかり言う」
「自分の保身のため、理性もなくし」
「むき出しの本能のまま人を殺す」(しのぶ)
「炭治郎くん、頑張って下さいね」
「どうか禰豆子さんを守り抜いてね」(しのぶ)
「自分の代わりに君が頑張ってくれていると思うと」
「私は安心する、気持ちが楽になる」(しのぶ)
「母ちゃん、花子、竹雄、茂、六太」
「俺、禰豆子を人間に戻してみせるから!」(炭治郎)
25話
「全集中の呼吸をしたままの訓練も、だいぶ体に馴染んできた」(炭治郎)
「かなり気合いを入れないと、まだ一日中・全集中の呼吸は出来ないけど」
「全集中の呼吸を長く出来るようになればなるほど」
「基礎体力が上がるんだって分かった」(炭治郎)
「追えてる! ちゃんとあの子を追えてる!」
「着いて行けてる!」(炭治郎)
「努力するのは苦手です」
「地道にコツコツやるのが一番しんどいです」(善逸)
「炭治郎に置いていかれてしまった焦りからなのか」
「丁寧に教えてもらっても上手く覚えられないんだよ」(善逸)
「俺達って本当にダメだなって思います」(善逸)
「もしかして、今そうだって言った?」
「それはいくら何でも酷くない?」
「少しはお前も頑張っているくらい言ってくれてもいいと思うんだけど?」(善逸)
「もっと頑張れって言ったのか?」
「仕方ないな」(善逸)
「炭治郎くんが会得しようとしているのは、全集中・常中という技です」
「全集中の呼吸を四六時中やり続けることにより」
「基礎体力が飛躍的に上がります」(しのぶ)
「早速やってみましょう!」(しのぶ)
「かなり気合いを入れないと、俺もまだ一日・全集中の呼吸は出来ないけど」
「善逸と伊之助なら大丈夫」(炭治郎)
「肺をこう、こうやって大きくするんだ」
「血が驚いたら、骨と筋肉がボンボンって言ってくるから、とどめるんだ!」
「後は死ぬほど鍛える!」(炭治郎)
「まあまあ、これは基本の技というか初歩的な技術なので、出来て当然ですけれども」
「会得するには相当な努力が必要ですよね」(しのぶ)
「まあ、出来て当然ですけれども」(しのぶ)
「伊之助君なら簡単かと思っていたのですが、出来ないんですか」
「出来て当然ですけれど」(しのぶ)
「仕方ないです、出来ないなら」
「しょうがない、しょうがない!」(しのぶ)
「頑張って下さい、善逸君」
「一番応援していますよ!」(しのぶ)
「カナヲも同期なんだから一緒にどう?」(しのぶ)
「痛い・お腹がすいた・悲しい・虚しい・苦しい・寂しい、そんな日々だった」
「だけどある日、プツンと音がして…」
「何もつらくなくなった」(カナヲ、過去の回想)
「貧しい暮らしの中、親に売られた時でさえ」
「悲しくはなかった」(カナヲ)
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「その子は、どうして縛られているのでしょうか?」
「罪人か何かなのですか?」(胡蝶カナエ)
「こんにちは、はじめまして」
「私は胡蝶カナエといいます。あなたのお名前は?」(カナエ)
「姉さんに触らないで下さい」(しのぶ)
「じゃあ買いますよ、この子を」
「これで足ります?」(しのぶ)
「早く拾った方がいいですよ!」
「人も多いし、風も強いので」(しのぶ)
「姉さん! 姉さん!」
「姉さん、この子、全然ダメだわ!」(しのぶ)
「言われないと何も出来ないの、食事もそうよ」
「食べなさいって言わなきゃ、ずっと食べない!」
「ずーっとお腹を鳴らして!」(しのぶ)
「まあまあ、そんなこと言わずに」
「姉さんはしのぶの笑った顔が好きだな」(カナエ)
「だって、自分の頭で考えて行動できない子はダメよ、危ない!」
「1人じゃ何も出来ない、決められないよの!」(しのぶ)
「じゃあ1人の時は、この硬貨を投げて決めたらいいわよ」
「ねえ、カナヲ」(カナエ)
「そんなに重く考えなくていいんじゃない」
「カナヲはかわいいもの!」(カナエ)
「キッカケさえあれば、人の心は花開くから大丈夫」
「いつか好きな男の子でも出来たら、カナヲだって変わるわよ」(カナエ)
「よくも折ったな、俺の刀を!」
「よくもよくも!!」(鋼鐵塚)
「違うな、関係あるもんか」
「お前が悪い、全部お前のせい、全部お前が貧弱だから刀が折れたんだ!」(鋼鐵塚)
「そうじゃなきゃ、俺の刀が折れるもんか!?」(鋼鐵塚)
「俺の体は変わった!」
「早く刀を振りたい!」
「この手で、日輪刀を!!」(炭治郎)
「診察は以上です」
「体はもう大丈夫ですから、安心して任務に邁進して下さい」(しのぶ)
「はい。後は実戦あるのみです!」(しのぶ)
「竈門くん。期待していますね」(しのぶ)
「今日も眠ったまま…」
「眠ることで体力を回復しているかもしれないって言われたけど」
「やっぱり、たまに目を開けてくれないと、兄ちゃん心配だ」(炭治郎)
「兄ちゃん、そろそろ任務で、ここから出ることになると思う」
「体もよくなったし、少しは強くなった」
「今も全集中常中を続けてる」(炭治郎)
「後、善逸と伊之助も一緒だと思う」
「2人がいてくれると心強い」
「そっか、禰豆子もそう思うか」
「いい奴等なんだ」(炭治郎)
「禰豆子を人間に戻すために、出来るだけ強い鬼を倒して」
「珠世さんに血を送らなければいけない」
「俺にそれが出来るのだろうか?」(炭治郎)
「お兄ちゃんなら大丈夫」(禰豆子)
26話
「頭を垂れてつくばえ。平伏せよ」(鬼舞辻)
「誰が喋ってよいと言った」
「きさま共のくだらぬ意思でものを言うな」
「私に聞かれたことにのみ答えよ」(鬼舞辻)
「累が殺された、下弦の伍だ」
「私が問いたいのは1つのみ」
「何ゆえに下弦の鬼はそれほどまで弱いのか?」(鬼舞辻)
「十二鬼月に数えられたからといって終わりではない」
「そこから始まりだ」(鬼舞辻)
「より人を喰らい、より強くなり、私の役に立つための始まり」(鬼舞辻)
「ここ百年あまり、十二鬼月の上弦は顔ぶれが変わらない」
「鬼狩りの柱共を葬ってきたのは、常に上弦の鬼達だ」(鬼舞辻)
「しかし下弦はどうか?」
「何度入れ替わった?」(鬼舞辻)
「そんなことを俺達に言われても?」
「なんだ、言ってみろ」
「何がまずい? 言ってみろ」(鬼舞辻)
「私よりも鬼狩りの方が怖いか?」
「お前はいつも鬼狩りの柱と遭遇した場合、逃亡しようと思っているな?」(鬼舞辻)
「お前は私が言うことを否定するのか?」(鬼舞辻)
「ダメだ、お終いだ」
「思考は読まれ、肯定しても否定しても殺される」
「戦って勝てるはずもない」
「なら…逃げるしか!」(病葉)
「愚かだなぁ」(魘夢)
「もはや十二鬼月は上弦のみでよいと思っている」
「下弦の鬼は解体する」(鬼舞辻)
「最後に何か言い残すことは?」(鬼舞辻)
「具体的にどれほどの猶予を?」
「お前はどのような役に立てる?」
「今のお前の力でどれほどのことが出来る?」(鬼舞辻)
「なぜ私がお前の指図で血を与えねばならんのだ?」
「はなはだ図々しい、身の程をわきまえろ」(鬼舞辻)
「黙れ、何も違わない。私は何も間違えない」
「全ての決定権は私にあり、私の言うことは絶対である」(鬼舞辻)
「お前に拒否する権利はない」
「私が正しいと言ったことが正しいのだ」(鬼舞辻)
「お前は私に指図した、死に値する」(鬼舞辻)
「そうですね…私は夢見心地でございます」
「あなた様直々に手を下していただけること、他の鬼の断末魔を聞けて楽しかった」
「幸せでしたぁ」(魘夢)
「人の不幸や苦しみを見るのが大好きなので」
「夢に見るほど好きなので」
「私を最後まで残して下さってありがとう」(魘夢)
「気に入った、私の血をふんだんに分けてやろう」
「ただしお前は血の量に耐えきれず死ぬかもしれない?」(鬼舞辻)
「だが順応できたならば、さらなる強さを手に入れるだろう」(鬼舞辻)
「そして私の役に立て。鬼狩りの柱を殺せ」
「耳に花札のような飾りを付けた鬼狩りを殺せば、もっと血を分けてやる」(鬼舞辻)
「なんだ? 何か見える」
「無慘様の血と共に、流れ込んで来る」(魘夢)
「柱とこの子供を殺せば、もっと血をいただける!」
「夢心地だぁ!」(魘夢)
「無限列車の任務には、炭治郎たちに行ってもらうことにしたよ」
「しのぶが炭治郎を推薦した理由を聞いてもいいかい?」(お館様)
「竈門くんは真っすぐで、努力し積み重ねることが出来ます」
「それによる伸び代は、期待以上のものでした」(しのぶ)
「そして何より、彼には鬼舞辻を倒すという、はっきりとした目的があります」(しのぶ)
「後、竈門くんのお父さんが日の呼吸を使っていたと、本人から聞きました」(しのぶ)
「現状ではまだ力不足であることは否めませんが」
「炎柱の煉獄さんなら、何かしら導いてくれるのではないでしょうか」(しのぶ)
「そうだね。鬼になっても人を食わない妹のことや」
「鬼舞辻との遭遇について考えてみても」
「炭治郎はそういった星の元に生まれた子なのかもしれない」(お館様)
「忙しい中、俺達の面倒を見てくれて、本当にありがとう」
「おかげでまた戦いに行けるよ!」(炭治郎)
「そうですか、もう行かれる」
「短い間でしたが、同じ時を共有できてよかったです」
「頑張って下さい、お気をつけて」(アオイ)
「お礼など結構です」
「選別でも運良く生き残っただけ」(アオイ)
「その後は、恐ろしくて戦いに行けなくなった腰抜けなので」(アオイ)
「そんなの関係ないよ」
「俺を手助けしてくたアオイさんは、もう俺の一部だから」
「アオイさんの思いは、俺が戦いの場に持って行くし」(炭治郎)
「じゃあ、またケガしたら頼むね!」(炭治郎)
「カナヲ!」
「俺たち出発するよ、いろいろありがとう」(炭治郎)
「師範の指示に従っただけなので、お礼を言われる筋合いはないから」
「さようなら」(カナヲ)
「しゃべってくれた!」(炭治郎)
「今投げたのは何?」(炭治郎)
「さようなら」(カナヲ)
「お金? 表と裏って書いてあるね」
「なんで投げたの?」(炭治郎)
「さようなら」(カナヲ)
「指示されてないことはこれ(硬貨)を投げて決める」
「今あなたと話すか話さないか決めた」(カナヲ)
「話さないが表、話すが裏だった」
「裏が出たから話した。さようなら」(カナヲ)
「なんで自分で決めないの?」
「カナヲはどうしたかった?」(炭治郎)
「どうでもいいの」
「全部どうでもいいから自分で決められないの」(カナヲ)
「この世にどうでもいいことなんてないと思うよ」
「きっと、カナヲは心の声が小さいんだろうな」(炭治郎)
「よし、投げて決めよう!」
「カナヲがこれから、自分の心の声を、よく聞くこと!」(炭治郎)
「表、表にしよう!」
「表が出たらカナヲは、心のままに生きる!」(炭治郎)
「どっちだろう?」
「落ちた瞬間が背中で見えなかった…」(カナヲ)
「表だぁ! カナヲ!」
「頑張れ! 人は心が原動力だから、心はどこまでも強くなれる!」(炭治郎)
「なんで表を出せたの!?」
「投げる手元は見てた」
「小細工はしてなかったはず…」(カナヲ)
「偶然だよ」
「それに、裏が出ても、表が出るまで何度でも投げ続けようと思ってたから」(炭治郎)
「今から出陣か?」
「全集中常中は出来るようになったみたいだな」
「続けるといい」(冨岡)
「礼なら、仕事で返せばいい」
「俺たち鬼殺隊の使命は、鬼を討つ、以上だ」(冨岡)
「おい…おいおい!?」
「な、な、な、なんだこの生き物は!?」
「こいつはあれだぜ、この土地の主!」
「この土地を統べる者!」(伊之助)
「この長さ、威圧感、間違いねえ」
「今は眠ってるようだが、油断するな!」(伊之助)
「いや汽車だよ、知らねえのかよ?」(善逸)
「待つんだ、伊之助!」
「この土地の守り神かもしれないだろ?」
「それから急に攻撃するのもよくない」(炭治郎)
「いや、汽車だって言ってるじゃんか」
「列車、分かる?」
「乗り物なの、人を運ぶ。この田舎もんが」(善逸)
「だいたい、なんで警官から逃げなきゃいけねえんだ?」(伊之助)
「政府公認の組織じゃないからな、俺たち鬼殺隊」
「堂々と刀持って歩けないんだよ、本当は」
「鬼がどうのこうのいっても、なかなか信じてもらえんし、混乱するだろ」(善逸)
「一生懸命がんばってるのに」(炭治郎)
「炭治郎」
「禰豆子ちゃん、連れてきてよかったのか?」
「鬼殺隊本部に置いておくのが、一番安全なんじゃ?」(善逸)
「ううん、これでいい」
「俺と禰豆子は、どこへ行くときも一緒だ」
「もう、離れたりしない」(炭治郎)
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